第90回京都学生駅伝競走大会
(2023年12月3日)
(2023年12月3日)

箱根駅伝に次ぐ、日本で2番目に長い歴史を持つ京都学生駅伝。記念すべき第90回となる今大会に、京産大からはA(正チーム)とB(オープン参加)の2チームが出場し、6区間・43.8㌔を駆け抜けた。
【執筆 新川姫優】
レース結果
《 総合順位 》
🏆優勝 京都産業大学A
2時間15分29秒
《 区間記録 》
1区(10.0km) 区間2位🥈 木下 太成② 31:38
2区(6.0km) 区間記録なし※ 杉本 和己③ 19:37
3区(7.3km) 区間賞🥇 中村 光稀③ 21:42
4区(7.3km) 区間賞🥇 桒田 大樹② 21:50 [区間新記録]
5区(5.0km) 区間賞🥇 藤田 大輝① 15:33[区間新記録]
6区(8.2km) 区間賞🥇 多田 颯汰③ 25:09
※2区は競技役員の誘導の誤りにより、全チーム区間順位および区間賞はなしとなりました。
OP参加(全体3位相当)京都産業大学B
2時間18分58秒
《 区間記録 》
1区(10.0km) 久保 明央人② 32:42
2区(6.0km) 内海 師童② 18:50
3区(7.3km) 倉松 健② 22:39
4区(7.3km)米田 勇輝②23:17
5区(5.0km)鈴木 優一郎② 16:22
6区(8.2km)大久保 颯汰③ 25:08
レース展開
京産大Aチームの連覇がかかった今大会。1区から先頭集団に食らいついていたが2区のコースミスが響き、第2中継所の時点で先頭を追いかける展開に。
しかし、3区の中村が他選手を圧倒する快走で一気に首位へ躍り出ると、4区の桒田・5区の藤田が区間新記録となる好タイムで第5中継所で待つアンカーの多田へ襷をつないだ。
昨年はオープン参加のBチームで、京都駅伝を走った多田。今シーズンは、ここまで箱根駅伝の予選会や丹後駅伝にも出走し、確実に経験を積んできた。後続との差を広げる走りで区間賞を獲得。京産大は見事、2連覇を達成した。
京産大Aが連覇を達成した一方で、今年の京産大Bチームは2年生を中心に構成された。序盤で遅れをとるも、3区・倉松の区間3位相当の快走もあり徐々に前方との距離を詰め、Bチーム唯一の3年次・6区の大久保へ襷がわたる。
「多田に負けないという気持ちで走った」と大久保。オープン参加のため区間順位には反映されないが、区間賞を獲得した多田を1秒上回るタイムでフィニッシュラインを踏んだ。
先月の丹後大学駅伝に続き、圧倒的な強さを見せつけた京産大。伝統の赤白ユニフォームが伊勢に戻るためには、チーム全体の底上げが必要不可欠だ。ここからさらに経験を積んだ彼らが、京産大を全国へと導く。
試合後コメント
京産大A
1区 木下太成(法2・大阪高卒)

◯レースを振り返って
───初めは集団について、ラストに出ようと思っていたんですけど、ラスト出られた時に勝負強さで負けてしまったのが課題ですね。
◯レースの展開がきまる1区。意識したことは
───丹後駅伝で粟井さんがラストをかけて良い流れを作ったので、自分もそれをしようと思ったんですけど、最後競り負けてしまったので課題が残る結果でした。
◯最長区間の10.0㌔を担当。1番しんどかったのは
───ラストの1㌔から周りがみんなスパートをかけたので、そこですね。
◯丹後のメンバーから外れてからここまで意識して取り組んだことは
───優勝して嬉しかったんですけど、悔しさもあったので、その悔しさを持って頑張っていました。
◯関西学生ハーフ、トラックシーズンに向けて
───今、丹後駅伝走った人たちとは力の差が開いてしまっているんですけど、少しずつ怪我せず頑張っていきたいと思います。
2区 杉本和己(現3・滋賀学園高卒)

◯レースを振り返って
───2区を走ったんですけど、先導が途中道を間違えてしまって、結局500㍍くらい多く走って。後味悪いなというのがありますね。
◯コースミスの後、どういった気持ちで走ったのか
───もうゴールが近かったのでなんとか走り切ったんですけど、「たぶん区間賞はもうダメだな」って感じて、結構やる気がなくなっちゃったんですけど、駅伝なので最後まで走り切りました。
◯丹後駅伝を走ってから、ここまで意識して取り組んだことは
───今日の駅伝は、どちらかというと練習の一環みたいな感じであまり調整もせず、次の試合に向けて練習の感じで出場したんですけど、途中まではいい走りができていたのかなと思いますね、道を間違えるまでは。
◯関西学生ハーフ、トラックシーズンに向けて
───関西学生ハーフはまだ出場経験がないんですけど、やっぱり上位入賞・3番を目標にしてやっていきたいのと、トラックはまだあと今年2試合残ってるんですけど、5000㍍だと14分10秒台、10000㍍だと29分30秒っていうのを目標にしてやっているので、それを確実に切れるように頑張っていきたいです。
3区 中村光稀(法3・和歌山北高)

◯レースを振り返って
───今回に関しては、昨日の強度の高い練習とセット練習っていう形で出させていただいて、大体1㌔3分くらいで走るっていう形で、もう目的通り練習でいい感じに走れたかなと思います。
◯コースミスもあり、前を追いかける展開となったが
───最初の1㌔だけちょっと予定を変更して、ある程度速いペースで入って、追い抜いてからは元々予定していた走りになったのでよかったかなと思います。びっくりはしたんですけど(笑)
◯丹後駅伝は不調もあったが、今日の走りは
───昨日追い込んだ分、体がバキバキでかなり重かったんですけど、無事に終えれたのでよかったです。
◯関西学生ハーフ、トラックシーズンに向けて
───今年に関しては、成績不振という形で悔しい思いをしたので、まずはハーフマラソンは出る予定なので、しっかりそこで良いスタートを切れたらなということと、あとはトラックの方に関しても記録を残していないので、しっかり残せるようにしたいと思います。
4区 桒田大樹(営2・神辺旭高卒)

◯レースを振り返って
───昨日記録会に出て、そのセット練習という形で出て、最初は2区の選手がコースを間違えたということで想定と違う展開だったので、元々は結構差があって襷をもらう予定だったんですけど、差がそこまでなかったので後続の選手に余裕を持たせるために「前半を抑えて後半に上げるっていう形で差をつけろ」という指示だったので、それ通り走れたのでよかったです。
◯丹後駅伝を走ってから、ここまで意識して取り組んだことは
───丹後駅伝ではそこまで調子が悪くなかったので、調子を落とさないように昨日の5000㍍の記録会だったりとか今日の駅伝で結果を残せるように、ということに重点を置いて練習していました。
◯前日の記録会で自己ベスト。納得のいくタイムだったか
───1年ぶりに5000㍍を走って、ラストを1人で行くことになっていたので、タイム的にはもっと出ると思うんですけど、久しぶりに5000㍍を走ってベストが出たというのは自信になりました。
◯京都インカレからここまで今シーズンを振り返って
───前半シーズンはあまり練習が詰めていなくて、夏合宿から怪我とか体調不良とかなしでしっかり練習が詰めて、結果も出てきたので、やっぱり練習を継続することが1番競技力を伸ばすのに必要なことだと感じました。
◯今後の練習で意識していきたいことは
───中村さん・小嶋さんという2人のエースがいるので、そのレベルに追いつけれるように。一気に練習の質を上げてしまうと故障につながるので段階を踏んで、来シーズンまでには2人に追いつけれるように、3人目のエースになれるように頑張ります。
◯関西学生ハーフ、トラックシーズンに向けて
───関西学生ハーフは強い選手が多く揃う大会なので、まずは入賞することを目標にして、トラックは予選会が1番の目標なのでしっかり10000㍍を走れる体力をつけて、3000㍍障害もやりたいと思っているので、そこは関西インカレトップということを目標に頑張りたいと思います。
5区 藤田大輝(現1・小豆島中央高卒)

◯レースを振り返って
───駅伝としてはチーム全体でできたかなと思うんですけど、個人の記録が自分の納得のいく記録とかけ離れていたかなと思います。
◯丹後のメンバーから外れてからここまで意識して取り組んだことは
───まず、丹後の次の日に記録会があったので、そこの記録会で29分台を出すということを目標にして、そこはしっかり達成できたんですけど、そこから練習を落とさずに頑張りすぎたところがあって、自分の身体の状態を回復できずに、ただ勢い任せに練習してしまって、1週間前くらいから「思ったように走れないな」というような状態が続いていました。
◯大学1年の大半が終わって、残りの3年はどういった期間にしていきたいか
───まずは来年、予選会なり丹後駅伝なりで、組トップなり区間賞なりを狙っていくというところと、中緩みが結構目立つので、自分の弱点である後半を強化してきながら、早く28分台っていうところを出してやっていくこと、そこから関東の大学生たちと戦える力をつけていきたいと思います。
6区 多田颯汰(法3・京都外大西高)

◯レースを振り返って
───丹後駅伝で思っていた走りができなかったので、今回は自分の設定タイム通りの走りができてよかったです。
◯丹後駅伝を走ってから、ここまで意識して取り組んだことは
───丹後駅伝でチームとしては優勝できたが、個人としてはあまり良くない結果で悔しい思いをしたので、ここでしっかり走れるように練習では1人で走ることを意識して頑張りました。
◯チーム全体の成績についての印象は
───みんな区間賞とか取れていて、いい感じで走れていたのでチーム全体としても良かったと思います。
◯去年は京産大Bで走って今年はAで走ったが
───去年オープンで来年こそは絶対に公式で走ろうと考えていたので、達成できて良かったです。
◯関西学生ハーフ、トラックシーズンに向けて
───次は12月7日に5000mで記録会に出たり、その後にも京産大記録会とか色々あるので、年内残っているレース全てで記録を更新して今年のレースを終えたいなと思います。
京産大B
1区 久保明央人(法2・高知工業高卒)

◯レースを振り返って個人的な感想
───自分の力は出し切れなかったなという感じで、練習は夏からいい感じできてたんですけど、今日は思うような結果が出なかったです。
◯京産大B全体の記録については
───去年が6位で、今年は「1つ順位を上げて5位でゴールしよう」と話していて、最後アンカーで大久保さんとかいてくれて結果4位でゴールできたので目標を達成出来てよかったです。
◯レースの展開がきまる1区。意識したことは
───集団走になることは予想していて、一度走りやすい位置で我慢していて、ラストスパートで前に出ることを意識していました。
◯最長区間の10.0㌔を担当。1番しんどかったのは
───自分はどちらかというと長い距離が得意なので、長い距離というところで持ち味が生かせると思っていたんですけど、スタートしてからの位置取りとか他の人とぶつかるところとかで激しい争いがあって、その中でやっぱり速さ以上のものが必要だと思いました。
◯関西学生ハーフ、トラックシーズンに向けて
───今日の駅伝で他の学校の同級生と戦って力の差や、自分の足りない所があると感じたので、記録会とか関西学生ハーフに向けて冬季でしっかり練習を重ねて結果を残せるように頑張っていこうと思います。
2区 内海師童(法2・世羅高卒)

◯レースを振り返って個人的な感想
───個人としては、レース自体は積極的にというか前(にいる選手)が結構近くにいたので、それにつく感じで積極性というよりかは、つながるレースという感じでつなげました。
◯京産大B全体の記録については
───2区を走った時に、前にいた選手がコースを間違えたというのを聞いたんですけど、自分は試走を何回かしていたので間違えずに行けて、3区にはいい形で繋がって、それ以降もあまり崩すことなくアンカーまで繋がって、アンカーでしっかり追い上げてくれていてよかったと思います。
◯久しぶりのレースで意識したことは
───駅伝は個人じゃないので、チームの他のメンバーに迷惑をかけないようにというところを意識して、自分は最適限の走りができたかなと思います。
◯関西学生ハーフ、トラックシーズンに向けて
───ハーフは出ないんですけど、個人としてトラックでは、関西以上の大きい大会に出れるくらいのタイムで走りたいなと考えています。
◯シーズンオフの期間に特に集中してしたい練習は
───特に自分の中ではシーズンオフとか考えずに、年間を通していつでも走れるくらいの気持ちで練習しています。
3区 倉松健(現2・高知小津高卒)

◯レースを振り返って個人的な感想
───序盤最初の2㌔くらいは寒くて身体が動きづらかったんですけど、折り返してからは身体もあったまってきて、前にも4人くらい選手がいい感じで走っていたので、それを目安にして1人ずつ抜かしていく感じで走ることができました。
◯京産大B全体の記録については
───京産大Aとはタイムに結構差が空いてしまったんですけど、一人一人が今時点のベストな状態で走れていたのかなと思います。
◯前を追いかける展開となったが
───個人的に、前の選手に向かって走っている方が走りやすいというか、単独走よりも前の選手を追いかけて走る方が走りやすいので、それも区間3位相当の結果に繋がったのかなとは思うんですけど、2位の選手と1秒差だったのでそこはちょっと悔しい部分もあります。
◯箱根駅伝の予選会を走ってから、ここまで意識して取り組んだことは
───僕は元々スピードが弱いので、短い距離を本番よりも速いペースで走ったりとか、そのペースを維持するということを意識してやってきました。
◯関西学生ハーフ、トラックシーズンに向けて
───トラック競技ではまだなかなか結果が出せていないので、そこをまず自分の目標タイムに向けて走り切るということと、関西学生ハーフに関しては、この前の箱根の予選会で結構最後に余裕があったので、最初から突っ込んで入ってより良い結果を残せたらなと思います。
4区 米田勇輝(済2・奈良育英高卒)

◯レースを振り返って個人的な感想
───結果だけで見たら、タイムは他の選手に全然及ばなくて、不甲斐ない結果になってしまったんですけど、今年2年に上がってからずっと不調なレースが続いていて、走っていても気持ち的にしんどくなることが多かったんんですけど、今回はそういう意味でも楽しく走れて、楽しく走ることが目標だったので、その面では達成できたので今回は意味のあるレースになったかなと思います。
◯京産大B全体の記録については
───みんな実力通り走った選手も多くて、普段からこのコースを走っているからこそいい走りができたんじゃないかなと思っています。
◯久しぶりのレースで意識したことは
───自分の走るコースは最初は上りで、後半が下りなので、できるだけ最初は押さえて、後半に上げるおいうことと、他の選手のペースの惑わされないということを意識して走りました。
◯関西学生ハーフ、トラックシーズンに向けて
───今日のいい走りをきっかけにこの不調から脱出して、これから春先に向けていい走りをしていけるように頑張っていきたいと思います。
5区 鈴木優一郎(済2・須磨翔風高卒)

◯レースを振り返って個人的な感想
───襷をつなぐことが自分の中での目標だったので、結構余裕を持って持ってきてもらったので、自分の中では安定して走ろうと思って、予定通り走れたのでよかったです。
◯京産大B全体の記録については
───まだあんまり全体結果を見れてないんですけど、アンカーの大久保さんとかは他のチームにも負けないくらい走れていたので、チームの底上げになっているかなと思いました。
◯前日は記録会に出て5000を走っていたがどういった調整をしていたか
───昨日の疲労が思ったより残っていたので、今日もうできるだけ没らないようにだけ考えて安定したペースで走りました。
◯トラックシーズンに向けて
───次の16日の京産大記録会が終わったらもうシーズンオフで、次のシーズンからは1500㍍を頑張ろうと思っているので、それに合わせられるように。インカレでも活躍できるように頑張ります。
◯シーズンオフの期間に特に集中してしたい練習は
───とりあえず2月あたりまでは、1月に関西学生ハーフもあったりするので、ちゃんと距離を踏んで足を作って、3月から4月までの1ヶ月でスピード練を踏んで、1500㍍に向けて頑張っていこうと思います。
6区 大久保颯汰(法3・洛南高卒)

◯レースを振り返って個人的な感想
───僕は丹後駅伝のメンバーから外れたので、アンカーで丹後を走った多田と勝負だったので、そこは「負けたくない」という気持ちで走りました。
◯京産大B全体の記録については
───最初は「繰り上げにならなかったらいいな」みたいな話をしていたので、1〜5区まで全員2年生で丹後も走ってないので、目標は最低限なんですけど、繰り上げにならないように走って、1〜5区の選手が頑張ってくれたので、前を追えるだけ追うという感じで走れました。
◯去年は京産大Bの1区を任されたが今年はアンカーを担当。どういった心境だったか
───去年は中村と走ってだいぶあけられたので、ちょっと力の差を感じた実感したんですけど、今回はアンカーで追う展開となったんですけど、とりあえず多田に負けないということだけ意識して走りました。
◯去年から順位を1つあげたが
───チームでも「去年の順位を超えよう」と言っていたのでよかったんですけど、目の前に3位が見えていたので、3位になりたかったですね。
◯丹後のメンバーから外れてからここまで意識して取り組んだことは
───丹後のメンバーから外れて、優勝できたことは良かったんですけど、個人的には走れなかったのがめっちゃ悔しかったので、ちょっと12月はレースが3本あってその1本目なので、勢いをつけられるように意識しました。
◯シーズンオフの期間に特に集中してしたい練習は
───来年は出雲が決まっていて、全日本も予選会勝とうと思っているので、今まで求められてきたことは予選会にしっかりピークを合わせて走ることを求められていたと思うんですけど、来年からは長い距離と連戦がメインになると思うので、長い距離を走れるようにするのと、怪我をしないように補強とか地道なところを意識していこうと思います。
◯今後の目標
───最後の1年なので、最低でも10000㍍で29分30秒は切って、同級生も強いので置いていかれないように、最後の1年はできるところまでいこうと思っています。

▲区間賞の表彰を受けた選手(左から多田、中村、桒田、藤田)

▲2年連続最優秀選手賞を受賞した中村
【取材・撮影 新川姫優、實松詩乃、大道莉和、山本帆香】
(一部写真提供:立命スポーツ編集局)