『前者の戯言』 ラグビーシリーズ⑫
 俺たちの役割 「OneTeam」
 ・絹川誠吾(経営 4年次 洛北)
 ・三木雄太(法 4年次 太成学院)
 ・青谷貴文(法 4年次 石見智翠館)
 ・城間広志(法 4年次 大阪桐蔭)

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〈写真左から、城間・青谷・絹川・三木〉

花園スタンドで肩を組んで泣いた。自然と学歌を口ずさみ、次第に大声を張り上げる。12月11日(日)のメイジ撃破。80分間を闘い終えた戦士たちに感動の拍手。それには理由がある。

Bチームは「仮想明治」として練習相手となった。ビデオ研究を重ね、明治大への対策を練る。その成果が大学選手権で生きた。

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179㎝87㎏と大型ロック(LO)青谷が語る。「ケガ組でリハビリをしていたので、明治に勝たないと復帰して練習できなかった。まだラグビーをさせてくれてありがとう」。
第2節の天理戦。後半からの途中出場でAデビューを果たす。「出場は嬉しかった。責任を果たさないと、と思っていた。自分が出ることで流れを変えたかった。練習でやってきたことしか、試合では出ない。1日1日、積み重ねてやってほしい」とコメントした。
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応援部隊を指揮するのはフランカー(FL)城間だ。
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Aチームでの試合経験があったが、今季はケガのため出場できなかった。そんな”ケビン”が裏方に徹する。

「応援はシンプルな方が良い。スタジアムの皆さんと一緒に応援できるのが理想のスタイル」と、こだわりを語る。メイジ撃破、最後のシーン。『京産!京産!京産!』と、鼓動の高鳴る大声援があった。「あの応援は元木コーチに助言してもらいました。至ってシンプルなので本当に良い効果がある」。

決戦を迎える、前々日。「準備が大切、勝ちに備えよう」とメンバー外で、全体練習後に『学歌と部歌』を稽古。それが当日の『大応援』にも繋がった。”ケビン”が応援部隊を秩父宮でもスタンドをまとめる。

絹川さん

プロップ(PR)絹川は夏の菅平合宿を目前にして負傷。チームから離脱した。帰ってきてからは「スクラムコーチ」として自身の経験をC・Dチームに染み込ませる。
絹川さん (2)

「柴田(桂 3年次)は、本当に成長している。(明治戦で)スクラムを押し切ったときは感動した」。後輩の活躍を認め、目尻を下げた。

同じくプロップ(PR)で、Bチームを牽引し、開幕試合の同志社戦ではAチームのリザーブに入った三木。
厳しいフィットネス練習やスクラムでも「3本目ー!」。ボイスで仲間に気合を入れる。いつの練習でも『闘将・三木』の声が響き渡る。
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12月17日(土)の東海大戦。全力でスタンドでの応援に力を注ぐ。
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ここまでのベストプレー集を作り、メンバー23人に披露。映像の最後1分間では「スタンド組」全員が集結するシーン。「部員全員で勝ちましょう!!」精一杯作った動画に、泣いてくれたメンバーもいた。

主将・眞野拓也が言う。
「東海大に勝って、またここ(神山グラウンド)で汗を流したい」。
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誇らしい左胸のエンブレムは赤紺ジャージだけじゃない。試合に出られないブレザー組も同じ思いで闘っている。大声援が背中を押す。【京都産業大学ラグビー部】全員で『未来』を勝ち取る。