11月3日に南港中央球場で第45回明治神宮野球大会関西地区第1・第2代表決定戦の敗者復活戦・佛教大学戦が行われた。試合は初回に4番藤原の適時打で幸先良く先制する。4回には7番山﨑の適時打で1点加点。中盤までは気の抜けない緊迫とした試合展開だった。大きく動いたのは終盤の7回、1番今井の適時打で3点目、8回には4短長打を集めて4点を追加し、突き放す。まだまだ終わらない攻撃は9回にも打者一巡の猛攻で4点を奪った。投げては先発の津田が9回を投げ5安打1失点の好投。緩急を巧みに操り、大一番で結果を残した。

京産大 100 100 144=11
佛教大 000 000 001=1

スターティングメンバー
1 9 今井
2 4 曽我部
3 8 小南
4 3 藤原
5 7 岩永
6 5 杉
7 2 山﨑
8 1 津田
9 6 荻野


あと1勝ー。ついに創部初の神宮大会まであと1勝まで這い上がった。初戦で奈良学園大学に惜敗し、悔しさを味わったナイン。その後2試合「自分たちの野球」「攻める野球」を心掛けて試合に臨み、2連勝した。残す試合は初戦で敗れた奈良学園大学と、残りの神宮の切符を懸けた一戦のみだ。
先制点は頼れる4番、藤原のバットから生まれた。先頭の1番今井が四球を選び、バント、進塁打で2死3塁まで進める。迎えるは藤原。ファウルで粘ったあと、振り切った打球は二遊間を抜けてセンターへ。3塁走者も楽々生還した。まさに4番の仕事でチームに流れを引き寄せた。4回には先頭の藤原が左中間エンタイトル二塁打で出塁し、続く岩永がバントを試みるもファウルゾーンへ。バスターから叩いた打球はセンターに抜け、0死1・3塁とチャンスを広げる。1死になってから7番山﨑が中前にはじき返し1点を追加した。
流れは京産大が維持し、自分たちのペースで進めたが、中盤まではこの2点止まりで気が抜けない試合が続いた。動いたのは7回。2死から9番荻野が四球で出塁するとすかさず盗塁を仕掛ける。捕手の送球は大きく逸れて荻野は一気に三塁まで到達した。ここで1番今井が右前適時打を放ち、ようやく次の1点を奪った。
8回からは誰も予想していなかった展開だった。先頭の5番岩永が左翼線二塁打で追加点のチャンスを作ると、6番杉はバント。しかし、ここもファウルで決まらず打ちに行った所、打球はライトに抜け0死1・3塁とする。7番山﨑はエラーで出塁し、満塁。打席にはピッチャーの津田が入る。普段打席に入らない津田だが、ここは打撃ではなく、スクイズを仕掛け、見事成功させる。1点を追加しなおも1死2・3塁で9番荻野が中前適時打で2点目を挙げる。その後2死2・3塁から2番曽我部が左前に2点適時打を放ってこの回4点を追加した。
9回にも先頭の3番小南が右越三塁打でまたもチャンスを作ると、藤原が中前適時打、岩永が左中間二塁打を放ち、クリーンナップ3連打で2点を追加した。6番杉の犠打も、転がった所が絶妙でセーフに。その後四球などで2死満塁としてから、今井が左翼線に適時打を放って2点、曽我部は倒れたものの、この回打者一巡で4点を奪った。
先発投手は初戦から中1日の津田。疲労を感じさせない緻密な投球で相手打線に的を絞らせなかった。今日はストレートで押していくのではなく、変化球を軸に打たせて取る投球を披露した津田。緩い球を相手打者が早いカウントで手を出してきたので、少ない球数で完投した。唯一のピンチとも言える7回裏には、連打から2死1・2塁とするも、後続を見逃し三振に打ち取る。最終回には2番打者にレフトへソロホームランを打たれるも、動じず後続をしっかり抑え最後の打者を打ち取ると、グローブをポンポンと叩いて勝利を味わった。
いよいよ明日が大一番となる。これまでの集大成をぶつけて初戦の雪辱を果たし、残る神宮の枠を掴み取るのは京産大野球部だ。

試合後のコメント
勝村法彦監督「初回の藤原の適時打でチームに勢いがついた。津田は中1日だったが、無駄な力が抜けていた。決していい調子ではなかったが、緩い変化球を有効に使い、球数も少なかった。昨日の尾嶋が良い投球をしていたので、津田も気合が入っていたのではないか。バントが一発で決まらなかったのが課題。あと1つ。防ぐことが出来るミスは防ぎ、どんどん攻めていきたい。もう後ろはなく、前に進むしかない。明日は総力戦。ベンチ全員で戦う。」

川上主将「途中まで苦しい試合だった。8・9回はおまけみたいなもの。初回からベンチの雰囲気は良かった。自分たちらしく、押し切って勝とうという気持ちだった。ベンチは自発的に声を出して投手にプレッシャーを与えた。(チームで盗塁4つ成功)盗塁があっての適時打が多かった。積極性がチームとして出ていた。どの試合が最後になってもおかしくない。今までと変わりなく、一戦に集中していきたい。自分たちらしく、しっかり攻めていってやりきりたい。」

津田投手「今日はスピードがなかったが緩急で打たせて取る投球ができた。スライダーがカウントも取れて空振りも取れて良かった。尾嶋が勝ってくれて繋いでくれたので勝ててうれしい。9回のホームランは甘さが出てしまった。1球で流れが変わってしまうこともあるので気を付けたい。打席ではバントだけっきっちりできればと思っていた。明日も投げる機会があるかもしれないので、しっかりケアしたい。厳しい状況の中で勝てるのが京産の野球。ここから這い上がって2位で神宮に行きたい。」
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スクイズを成功させる津田

藤原選手「初回チャンスだったのでランナーを返そうという気持ちだった。フォークをファウルにした後にストレートを弾き返した。チームに流れを持ってこられたと思う。津田さんの投球で守備のリズムも良かった。(初戦の負けから)気持ちを切り替えて1試合ずつ全力で戦えている。明日も先制点が大切。試合を優位に進めていきたい。」
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先制の適時打を放つ藤原
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ベンチに迎えられる

岩永選手「いつも通り戦おうとチーム内でも言っていた。(自身について)段々とボールが見えてきて調子は上がってきている。投手が安定して投げているので、打線が応えて明日勝ちたい。」
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バスターから中前ヒットを打つ岩永
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適時二塁打を放つ

曽我部選手「個人的には先制点を取れて良かった。チーム的にも先制点を取ったら波に乗れる。調子はそこまで良くはないが、2番としての仕事はできていると思う。明日は変に力まず、いつも通りのプレーをして絶対に勝って全国に行きたい。」
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2点適時打で7点目
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