5月5日・6日の二日間にわたって岸和田競輪場で行われた、西日本学生選手権トラック自転車競技大会。
大会二日目は京産大の優勝ラッシュとなった。

1チーム4人で走り、3人目のゴールタイムを競うチームパーシュートをはじめ、最終着順を競うスクラッチ。5周回ごとに得点が加算されるポイントレース。先導車とスタートし、スピードに乗ってからスタートするケイリンなど様々な種目の競技が行われた今大会。
京産大が力を入れているチームパーシュートは2日目に行われた。

チームパーシュート予選。試合前に秋田謙監督が選手に告げた目標タイムは4分25秒。
しかし試合前「選手には4分25秒と伝えているが、欲を言えば4分23秒台を出して欲しい」と語っていた。
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試合前、選手とコミュニケーションを取る秋田監督
 
1周400メートルのトラックを10周。計4キロの短期決戦。
中井唯晶(3)松下綾馬(3)曽我部厚誠(2)吉岡衛(1)の4人がスタートラインに並び、スタートの合図を待つ。
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ピストル音が鳴り響くと、4台のバイクが徐々にスピードを上げ、1列の隊列を作る。
5周目には松下が先頭を引き、24秒台を叩き出す。
その後も7周目を除く全ての周を25秒台で回るなど安定した走りを見せ、ゴールラインを駆け抜ける。
結果は4分23秒566。選手に伝えられていた目標タイムを切るだけでなく、監督の目標としていたタイムも達成した。
予選は1位で通過、午後から行われる決勝へ進出となった。
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間に1種目を置き、行われたポイントレース決勝。
中井、松下、曽我部、藤田俊輔(2)溝口智貴(2)伊藤皓平(1)の6名が出場した。
距離は400メートルを60周、計24キロとなる。
5周回ごとに1位5ポイント、2位3ポイント、3位2ポイント、4位1ポイントが与えられ、最終的なポイントの合計を競う。
5周目に中井が1位で通過すると、10周目は松下が1位で通過。15周目から25周目にかけて松下、藤田、溝口、伊藤が4人で逃げを決め、ポイントを独占した。
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その後も、全てのポイント周回で京産大の選手がポイントを獲得し、最終周回へ。ここまで1位は24ポイントの松下、2位は19ポイントの中井、3位は16ポイントの曽我部という順。
最後のポイントは通常ポイントの倍が与えられるため、1位の10ポイントを獲得すれば曽我部、中井も一気に首位に躍り出ることが出来る。
飛び出したのは中井と曽我部の2名。激しいスプリントは曽我部が制した。
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松下は後方に沈んでいたため、順位が逆転。26ポイントで曽我部が優勝を果たした。2位の中井は25ポイント、3位の松下は24ポイントと、大接戦を演じた。
しかし入賞者はこれだけではない、4位に藤田、5位に伊藤、6位に溝口と6人全員が上位を独占。
最高の形でポイントレースを終えた。


次に行われたのは、午前最終種目のスクラッチ決勝。
樋口峻明(4)山田康太(3)吉岡の3名が出場した。
最終着順を競うスクラッチ。序盤から朝日大の選手が逃げると、そのチームメイトが集団のペースを落とし逃げを成立させようとする。しかし、山田が積極的に集団を引き、ペースを上げる。逃げの選手から数秒タイム差があった吉岡。最終周回にペースアップ、ぐんぐん選手を抜いて行き、全力のスプリント。優勝をもぎ取った。
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試合後吉岡は「最後まで落ち着いてスプリントで決めるというプラン通りだった。山田先輩が集団のペースを上げてくれたので、それに着いていったのも良かった」と語った。
その山田も6位入賞。「逃げの朝日大に対して数的不利だったため、誰かが前を追わなければならなかった。吉岡も着いてきていたので、自分が追わなければならないと思った」と振り返った。
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そして迎えたチームパーシュート決勝。
昼ごろから本格的に振り出した雨の中、再び4人がスタートラインに並ぶ。
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雨の影響もあり、思うようにタイムが出ない京産大だったが、周を重ねるごとに朝日大との差を開いていく。
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最後まで大崩れすることなく10周回を終え、約10秒の差を付けゴール。圧倒的な強さで優勝を果たした。

チームパーシュート試合後
主将中井は「今大会は優勝にこだわるというより、自分たちの実力を知ることに重点を置いた。それが結果的に優勝につながった。全日本トラックのための良い調整になった」と、全日本への意欲を見せた。

秋田監督は「完勝です。チームパーシュートでは目標タイムを出し、スクラッチとポイントレースでも優勝でき、とても良い形で西日本トラックを終えられた。次は全日本でしっかりと結果を出したい」と力強く語った。

次の舞台は全日本トラック。そして6月に行われるチームタイムトライアルに向けて、さらに勢いをつける結果となった。

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