第35回全日本大学女子駅伝対校選手権大会が10月30日、宮城県仙台市で行われた。20年ぶりの全国制覇を狙ったが、10位という結果に終わりシード権を逃した。

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挨拶をする藪田


 9月末の関西女子駅伝では16年ぶりの優勝。全日本でも優勝を狙える位置にあったが、信岡桃英(2年)が故障。代わりに故障から復調段階の橋本奈津(2年)がエントリーされた。

 レースは強い雨が降りしきる中で行われた。1区の藪田裕衣(4年)が先頭から16秒差でタスキをつなぐと、2区を任された橋本が苦しい走りになり順位を落としながらもなんとか走り切った。3区の今川綾菜(4年)は遅れを取り戻そうとオーバーペースになってしまい、終盤に失速。3区終了時点では17位で8位までに与えられるシード権圏内とは1分27秒差と厳しい展開になっていた。

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藪田は1区で好スタートを切った

 意地を見せたのは4区から。川戸希望(2年)が区間6位の好走で順位を3つ押し上げると棚池穂乃香(3年)が5人抜きの快走を見せて8位との差を6秒にまで詰めた。

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川戸は初の全国で区間6位と好走

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エースとしてチームをシード権争いまで押し上げた棚池

 アンカーの清水穂高(4年)が一時は8位に順位を上げるも数日前に体調を崩した影響で本来の走りをできずに10位でのフィニッシュとなり、2年ぶりにシード権を逃した。

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清水が10位でフィニッシュ

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レース後に涙を流す選手たち

 橋本は脚のけが、今川はオーバーペース、清水は体調不良と本来の走りは出来なかった。
しかし、練習の成果は表れている。1区藪田は先頭が見える位置でタスキをつなぎ、スターターの役目を十分に果たした。4区川戸、5区棚池も後方から追い上げる形になったが、区間上位で走り切り、今までの練習が無駄ではなかったことを証明して見せた。

 次の全国大会は12月30日に行われる富士山女子駅伝。もう一度日本一に向けて走り出す。


結果
1区(6.4㌔) 藪田裕衣(4年) 20分54秒 区間6位 通過6位
2区(5.6㌔) 橋本奈津(2年) 19分39秒 区間22位 通過16位
3区(6.8㌔) 今川綾菜(4年) 23分28秒 区間17位 通過17位
4区(4.8㌔) 川戸希望(2年) 16分35秒 区間6位 通過14位
5区(9.2㌔) 棚池穂乃香(3年) 30分23秒 区間4位 通過9位
6区(5.2㌔) 清水穂高(4年) 18分23秒 区間17位 総合10位

コメント
稲原敏弘監督
「前半の遅れを後半の3区間でシード権付近までもっていってくれたということはチーム自体に地力があった証拠。橋本も復帰をしていない中でつないでくれた。いい経験になったはず。この悔しさを富士山、来年につなげてもらえれば。一番の原因は信岡を故障させてしまったこと。責任は私たちにある。4区の川戸は予想以上にいい走りをしてくれてそれが棚池の快走につながった。1区の藪田は自分の役目を十分に果たしていい仕事をしてくれた。富士山に向けては、まず信岡をしっかり回復させて練習を積んでいきたい」

藪田裕衣選手
「主将としてみんなをまとめることができず、こんな結果になってしまって申し訳ない。優勝という目標を掲げていたのにそれに対する厳しさがなく、詰めが甘かった。後輩たちはこの経験を来年に活かしてほしい」

棚池穂乃香選手
「1年間練習してきたからやっぱり優勝したかった。その分、悔しい思いが大きい。これが今の京産大の実力。受け止めるしかない。(タスキをうけたときは)行くしかないと思った。ペースを守って走れたと思うし、ただただ前を見て走った。夏合宿でたくさん走ったことが自分の力になった。富士山は今回の反省を活かしてリベンジしたい」