秋季リーグ第6節大阪学院大との1回戦が南港中央野球場で行われた。優勝に向けて負けられない京産大。3回に宇都宮、西本、横山のタイムリーで4点を先制し試合を優位に進めるも、じわじわと迫る大院大に苦戦し、ついに9回に追いつかれてしまう。その後は両校とも緊迫した試合展開を見せ、タイブレークとなった12回表、田井中の犠牲フライで勝ち越しに成功する。最後は北山が粘る大院大の攻撃を抑え試合終了。激闘を制した京産大が勝ち点獲得に向けて大きな1勝を手にした。
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京産大 004 000 100 001 = 5
大院大 000 201 002 000 = 4
※12回よりタイブレーク

試合成績
1.中堅手 山本 5打数1安打1死球
2.遊撃手 宇都宮 6打数1安打1打点
3.指名打者 杉野 4打数1安打2四球
4.一塁手 西元 4打数2安打2打点1犠打
5.左翼手 田井中 5打数1安打
6.捕手 横山 5打数3安打2打点
7.三塁手 笹原 5打数1安打
8.右翼手 川岸 5打数2安打
9.二塁手 酒井 3打数0安打2犠打

先発投手 藤本 3回3分の2 5安打1三振2四球2死球 自責点0
二番手 長谷川 1回3分の1 0安打0三振1四球1死球 自責点0
三番手 紀本 2回3分の0 4安打3三振1四球0死球 自責点1
四番手 北山 3回 1安打6三振0四球0死球 自責点0
※12回以降はタイブレークの規定により公式記録として扱われないため、成績に含んでいません。

試合展開
京産大の先発は藤本。先々週の龍谷大2回戦から数え、4試合連続の先発となった。立ち上がり、先頭打者にいきなり四球を出し一死1・2塁のピンチを作る。後続を何とか抑え無失点に切り抜けるも、疲れからか本調子ではないのは明らかだった。先に点を取り藤本を楽にしたい打撃陣は3回、先頭の山本が死球で塁に出ると、すかさず盗塁を決め、さらにその送球が逸れたため無死3塁の絶好のチャンスとなる。このチャンスで宇都宮がきっちり左前にはじき返し1点を先制する。さらに無死1・2塁となり、4番西元が左中間を破る適時三塁打で2点、6番横山の左前ヒットで1点を追加し、試合の主導権をつかむ。しかし、そう簡単に大院大も引き下がってはくれない。4回、安打と死球などで二死1・3塁のピンチを招くと、三遊間の難しい打球をさばいた宇都宮の送球が逸れ1点を失うと、次打者に安打を許し2点差とされる。代わった二番手の長谷川が後続を打ち取りこの回を終えたものの、6回にも1点を失いじわじわと追い上げられる。突き放したい京産大は、7回先頭の杉野が四球で塁に出ると、盗塁を成功させ田井中の安打で1・3塁に。続く横山がきっちりとスクイズを決め再び2点差とする。そのまま回は進み迎えた9回。6回途中からマウンドに上がっている紀本がすんなり締めるかと思われたが、いきなり2連打を浴び1点差とされると暴投で無死3塁とされてしまう。ここで四番手の北山がマウンドに上がるも、犠牲フライを打たれ、ついに同点に追いつかれてしまう。北山が後続を抑え試合は延長戦に。打線は焦りからかなかなかチャンスを作れず、10回、11回と無得点に終わる。しかし、北山も粘り強く抑え続け試合はタイブレークに突入する。12回の先頭はこの日二安打の西元。しかし、京産大勝村監督は「1点取れば勝てる」と送りバントのサインを出す。これを西元がしっかりと決め一死2・3塁に。次打者の田井中が1ストライクからの2球目をライトに打ち上げ犠牲フライとなり、1点を勝ち越す。これをしのげば勝てる裏の守り。先頭バッターに送りバントを決められ、次打者に四球を与え一死満塁と一打サヨナラの場面を迎える。ここで勝村監督がマウンドに向かい、「バットに当てさせるな。三振を取れ。」と檄をとばす。その言葉通り、北山は後続を二者連続三振に仕留め試合終了。紙一重の試合を制した京産大が勝ち点に、そして優勝に向けた大きな1勝を手にした。
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コメント
勝村監督

9回に継投のタイミングを逃してしまったが北山がカバーしてくれた。神戸学院戦から厳しい場面での登板が多かったが、上手く割り切って投げれていると思う。12回のピンチでは、「前に飛ばせるな、三振を取れ。」と伝えた。練習から取り組みもしっかりしているし、向上心もありマウンド度胸もある。紀本には9回をしっかり押さえて欲しかったが仕方がない。前の試合でも9回にピンチを作ってしまっていたので、経験を生かしてこの壁を超えて欲しい。タイブレークは北山の調子から、1点取ればなんとかなると思っていた。西元が当たっていたので迷ったが、送りバントのサインを出し、しっかりと決めてくれた。田井中も少し悩んでいたが、今日ヒットが出て抜け出せたかなと思う。しっかりと犠牲フライを打ってくれた。全員で勝ちに行くと言う気持ちがチームに出てきた。少しハラハラする試合だったが、選手が一生懸命やっていたので信じていた。練習から粘りを意識してやってきた成果が出てきたかなと思う。全体を通して12年次生の活躍も大きいがベンチ内外含めた4年次生の働きも大きい。4年次生のサポートもあって下級生がのびのびプレーできている。今は新人戦で活躍した選手が多く出ているが、これからもチーム内で競争させて、より強いチームを作っていきたい。」


横山主将
「北山は緊迫した場面での登板が多くなっているが、持ち味を生かしたいい球を投げ込んできてくれる。継続して続けていってほしい。紀本は浮く球や逆球が多かった。バッテリーで反省したい。藤本はやはり見えない疲れがあったと思う。これからは総力戦になってくるだろう。これまではビハインドから始まる試合が多かったので先制点を取れたことは良かったところ。自分もバッティングで少しは貢献できたかなと思う。まだチーム内で優勝という言葉は使っていない。今まで通り戦っていった先にあると思うのでこれからも一戦一戦に集中して挑んでいきたい。」

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藤本投手
 「体が調子悪い訳ではなく、なにか分からないがしんどくて、ボールが先行してしまった。(4連続先発について)後ろにもピッチャーはいっぱいいるので、いけるところまでいこうと思って投げた。総力戦で勝てたらいいと思っていた。
バックが先制点を取ってくれたが、もう一踏ん張りできたらよかった。明日勝てば優勝に近づくので、勝ち点を取りきる。」
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北山投手
「優勝に向けて負けられない試合なので、勝つ事しか考えていなかった。厳しい場面での登板だったが、しっかり投げることができた。バッターを考えるというよりも、自分のボールに自信を持ってストレートで押していった。少し力みが出てボールが高くなってしまったが、自分の間で投げることができていた。自分の役割を果たすことができて良かった。自信にもなった。高校時代から心のスキをなくすように言われ続けてきた。その言葉を胸に練習や日常生活から意識して取り組んでいたことが成果になってでてきていると思う。大学に入って一番成長したことは球の質とキレ。今日は自分の力を出し切ることができた。これからもリリーフでの登板が続くと思うが、先発する投手やほかのリリーフの投手が安心して投げられるようにしっかり準備していきたい。」
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宇都宮遊撃手
 「(先制タイムリー)山本は足が速いのでゴロを転がせばホームまで行ってくれると思っていたので、楽な気持ちで打席に入った。3回に4点取れて、ベンチもとても雰囲気がよかった。今日は守備で藤本の足を引っ張ってしまったので、守備で助けられるようになる。明日も負けられないので、京産大らしく粘り強く、勝ちにいく。」
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田井中左翼手
「(決勝打の場面)西元さんが送りバントを決めて、外野フライでもいいと楽な気持ちで打席に立った。打ったのはスライダー。(神院大3回戦からノーヒット)結果が出ずチームに貢献できなかった。今日の最後は少しは貢献できた。(大商大3回戦から5番に入る)西元さんの後なので送りバントは多いかなと。西元さんも笹原も頑張っている。」
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西元一塁手
「3回の打席はバスターのサインが出ていたので低めの打球を打とうと意識していました。打ったのはストレートでいい所に飛んでくれました。打球方向を見て3塁を狙えると思い走りました。12回のバントは北山が好投していることもあり、まずは1点を取っていこうということでバントのサインがありました。普段からバントの練習はしているので問題はなかったです。」
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長瀬くん
「去年一年ベンチにいた経験があり、いまは何が必要かを考えて声を出している。それに後輩をついてきてくれている。(9回裏追いつかれたときの雰囲気)一度落ちてしまった。練習で楽なことをしてきたわけじゃない。しんどい部分を思い出して戦った。12回表タイブレークで1点しか取れず少し不安だった。(明日に向けて)今日も同じだったが、どんな相手でも準備してきたことを全力で出すだけ」