勝率制や無観客開催など、異例の開幕を迎えた関西六大学野球秋季リーグも前半戦が終了した。京産大は4勝2敗の3位につけ優勝争いに食い込む戦いを続けている。平30年秋以来の王座奪還へ。京産大アスレチックでは、チームのカギとなる3選手に注目し現在までの戦いぶり、そして後半戦への意気込みを伺った。
(取材は9月22日にオンラインで敢行)


後半戦前インタビュー-藤本2

Ⅱ藤本翔投手

ー一年ぶりのリーグ戦。開幕時の心境を教えてください。

藤本 春がなかった分最後のリーグ戦になってしまったので、悔いなく全力でやろうと思っていました。ほとんどタイトルをとったことがないので、1つでも投手のタイトルをとりたいという気持ちがあります。

ー前半戦は3試合に登板。振り返ってみてご自身の投球はいかがですか?

藤本 調整は上手くできていました。初戦を投げさせてもらって試合は作れていたと思います。1節目は7回までいけると思っていたが、1点先制されて5回で交代してしまいました。ですが、次の試合で完投できたことで取り返すことができたと思います。龍大戦では打たれてしまった。調子が良いというわけではなかったが、調子が悪いなりにしっかり抑える事ができなかったということは反省点です。全体的に見ると60~70点ぐらいに感じています。

ー開幕投手に抜擢された際の心境を教えてください。

藤本 勝率制なので1戦も落とすことができないという気持ちを持っていました。練習中・試合前でもしっかり気持ちを作れていたと思います。

ー2戦目は完投勝利でした。良かったポイントを教えてください。

藤本 どの球種でもストライクが取れたのが大きかったです。ストレートだけではなく他の変化球でもストライクが取れるなど、投球に幅があったので9回まで楽に投げられました。すべての球種がまんべんなく良かった感じです。

ー課題とされていたストレートのキレは自粛期間でどのように変化されましたか?

藤本 自粛期間あまりキャッチボールができなかったんですけど、鏡を見てのシャドーピッチングで自分のフォームを固めていました。練習再開後は練習していくごとにストレートのキレが上がってきたと思います。ですが、まだ自分の納得のいく所までは到達していません。

ー最後のシーズンに挑む直前での春リーグ中止。どのように受け止められていましたか?

藤本 春リーグのでき次第で進路も変わってくると以前からわかっていたので、中止になってしまったことに痛いという気持ちはありました。ですが、切り替えて秋に向けて自主練習を行っていました。内容は主に夜のランニング。オンラインでのトレ―ニングでみんなの顔を見たり、友達とキャッチボールしたりもしていました。

ーモチベーションの維持も難しかったと思いますが、意識していたことはありますか?

藤本 何回か自粛期間が長いと感じたがその間に進路が決まり、そこに向けてという気持ちと秋に向けてもっと自分のレベルを上げたいと思って練習していました。

ー自粛を経てピッチングスタイルに変化はありましたか?

藤本 コントロールのまとまりという面がかなり成長できたのではないかと思います。基本的な部分を見直してフォームがしっかり固まったという部分もあります。

ー投手陣をまとめる立場でもあると思いますが、現在の投手陣の状態はどのように映っていますか?

藤本 北山(亘基・済2)の調子が少し悪かったんですが、龍大戦で調子を上げてくれたのでよかったです。2回生の荒木(智也・営2)と山口(直哉・済2)がしっかり投げてくれているので先発している身としてはう安心感があって投げやすく感じています。

ー次説から後半戦が始まりますがどのような投球をしていきたいですか?

藤本 まっすぐでしっかり空振りやファールもとれて、変化球で的を絞らせない投球をしたいです。わからない時にまっすぐでしっかり押していって、相手を詰まらせて打たせていきたいと思っています。ストレートを軸として抑えていきたいです。

ー神宮へ向けての想いを教えてください。

藤本 とりあえずリーグ戦を優勝しないとチャンスはないので、しっかり一戦一戦勝っていくことでつながっていくと思います。1つも負けないという気持ちでやっていきたいです。

ーそのためにどういった投手になりたいと考えられていますか?

藤本 勝てる投手になりたいです。とにかく先制点を絶対やらないという気持ちが大切になってくると思います。

ー最後に応援してくださる方々へ一言お願いします。

藤本 1つ1つのプレーを全力でやって、1つでも多く勝てたらチームも見ている人もうれしいと思うので、自分のピッチングをして勝利へ導けるように頑張ります。
【取材 松田拓真・構成 加藤弦】

◆藤本翔(ふじもと・かける)
1999年(平11)1月6日生まれ。京都学園高卒。コントロールが武器の左のエース。見てもらいたいプレーはミットに突き刺さるストレート。趣味はスポーツ観戦。左投左打。176㌢、79㌔。法学部。