第73回秩父宮賜杯全日本バレーボール大学男子選手権大会2回戦
対大東文化大(2020年12月1日)


出場メンバー※背番号順
#7 松岡 駿(経済・4)
#10 安達 漱(経済・4)
#11 マッキー アダム(経済・4)
#14 山田 塁(経営・3)
#16 堀川 貴之(現代社会・3)
#23 幡中 那由他(現代社会・2)
#24 立石 蓮(現代社会・2)
#25 叶世 悠吾(経済・2)
#30 安達 諒(経済・1)
#34 金沢 大真(現代社会・1)

●京産大2―3大東文化大〇
第1セット25-15
第2セット32-34
第3セット25-20
第4セット15-25
第5セット10-15

マッキー組のインカレは2回戦で幕を閉じた。関西リーグで快進撃を見せ、前年度11位から4位にジャンプアップして挑んだ全国大会。マッキー主将はリーグ戦終了後から試合中まで少しずつチームに充満していた「油断」が結果に反映されたと振り返った。

勢いに乗りたい第1セット。連携の取れたブロックで終始優位にゲームを進めた。3-3の場面で立石がこの試合初のブロックを決めるとそこから立て続けに5連続でポイントを奪取。その後も相手のスパイクに粘り強くついていくブロックで簡単に決めさせない嫌らしさを見せた。15-10とリードを保ったゲーム中盤では幡中の前後に幅を利かせたサーブで揺さぶりをかけ7連続得点。最後もマッキー、山田のブロックでシャットアウトし第1セットを25-15で先取した。

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▲見事なブロックで主導権を奪う叶世(左)と立石(右)

勝負の分かれ目となったのが第2セット。「第1セット目が簡単に取れたから生まれた油断」(マッキー)と先ほどの勢いが嘘のように消えスタート直後からミスを連発。いきなり4連続ポイントを奪われ窮地に立たされる。マッキー、幡中の連続スパイクで少しずつ差を縮め、6-6と追いつくもその後もレシーブミスなど小さな積み重ねが大きな差となって現れ一時6点の差をつけられた。しかし、ゲーム中盤からエースマッキーのエンジンがかかり始める。13-19の場面では相手のレシーブをはじく強烈なスパイクで2連続得点。後衛に回った後も積極的にバックアタックで攻撃参加し勢いをもたらした。16-21から4連続得点で一気に1点差に詰め寄ると、その後は互いに譲らぬ攻撃で23-24と大東文化大のセットポイントを迎える。ここで京産大はピンチサーバーに松岡を起用。前セットでは同じ起用でサーブミスをした松岡だったが、セットのかかったこの場面でも物怖じしない強烈なサーブを見せ相手のレシーブを乱しデュースに持ち込んだ。しかし、簡単に勝負は決まらない。互いに得点を重ね30点を超えると最後は安達諒のスパイクがラインを超えアウトの判定。32-34で大接戦を落としセットカウントは1-1の同点となった。

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▲強烈なスパイクを決めるマッキー

何としても取りたい第3セットは序盤から点の取り合い。なかなか点差を付けることができず膠着状態のまま中盤まで進んだ。17-17の競った状況で幡中のスパイクが決まりリードを奪うとそのまま流れに乗り連続得点。立石のダイレクトアタックなどで終盤にも立て続けに得点を重ね25-20でセットをとり勝利に王手をかけた。

勢いのまま勝負を決めたい第4セット。エースマッキーのスパイクで幸先よく先取点を奪うも、3連続で得点を奪われ追いかける展開となる。マッキーが立て続けにスパイクを決め食らいつくも、大東文化大のノビノビバレーを前に勢いをそぎ落とされていく。ジャッジミスやブロックにつかまるなど思い通りの攻撃ができず点差を広げられていった。中盤以降は「調子は悪くなかった」と途中出場の安達漱が得点を重ねるも最後まで差は縮まらず15-25でこのセットを落とし、最終セットにもつれ込んだ。

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▲中盤にかけ得点を重ねた安達漱

最終セットは15点先取。早めに得点を重ねたい思いとは裏腹に開始早々5連続得点を奪われ崖っぷちに立たされる。マッキーの強烈なスパイクなどで3点を返すも相手の雰囲気を覆すことはできず得点は縮まらない。8-12の場面で投入されたピンチサーバー松岡がサービスエースを決め盛り返したかに見えたが、反撃もここまで。10-15で最終セットを落とし悔しい逆転負けとなった。

試合後、マッキー主将は「リーグ戦優勝という目標がなくなり、気持ちが緩んでしまっていた。波のあるチームで、そこを改善してこの大会に挑みたかったが修正しきれなかったことはキャプテンである自分の責任」とチームをまとめきれなかった部分を語った。悔しさの残るまま引退をする4回生。後輩に向けて「インカレ初戦敗退という結果は絶対に越えられると思います。リーグ戦4位という記録も超えてもらいたいです」と期待を言葉を投げかけた。【記事編集 松田拓真、写真撮影 田口陽香】

コメント
マッキー アダム主将
ー今日の試合を振り返って
全体的に良くなかった。すごく波のあるチームで1セット目簡単にセットが取れたが、そこで後半に油断が生まれてしまった。前々からそういったことはあって、それが原因で負けたことも何度もあった。それを改善して最後の集大成としてこの大会に臨みたかったんですが、修正しきれなかったことはキャプテンとしての僕の責任だと思います。2セット目以降も油断から生まれた隙を突かれてしまいました。

ーリーグ戦終了後はどのように練習されていましたか?
リーグ戦優勝を目標に動いてきたチームだったので、リーグ戦が終わったことによりどこか気が緩んでしまった部分があった。表上は気を引き締めているように見えていたが、やっぱりどこかで油断があったと思う。練習の時もキャプテンとして時に怒ったりもしていたんですが、リーグ戦が終わってから見逃してしまっていた部分もあったように思います。リーグ戦に優勝するという目標が無くなって、すぐに目標設定し直していればこういうことにはならなかったと思います。

ーリーグ戦4位という結果はどのように受け止められていましたか?
去年は1勝しかできなくて負けていることが普通だったんですが、今年は勝てることが多くなった。ですが目標は優勝だったので、全然満足はしていなかったです。

ーコロナでどのようにコミュニケーションや練習をされていましたか?
(自粛期間中は)ZOOMを使って各学年ごとに筋トレや現状報告などを行っていました。活動再開後は練習はシンプルにあまり変えてはいないんですが、練習の中で一つのミスに追求して改善していくということを意識してやっていました。あとはどんな時でも優勝する、勝つという言葉を投げかけていました。

ー今日のご自身の調子はいかがでしたか?
全然ダメでした。足に疲れが溜まりやすくて、いつもの本調子でできなかった部分悔いが残ります。打数もいつもより少なめでした。正直僕がいつも通り決めれていたら勝てていたのではないかというのはあります。

ー主将としての1年間はどう感じていますか?
約半年以上バレーボールができなかったので、もう少しこのチームでバレーがしたかったなと感じています。

ーこの4年間を今後どのように活かしていきたいですか?
目標に向かって具体的に目標設定することが結果を出す1番の大切なポイントだと学ぶことができた。それはどこに行っても自分の中で目標を決めて、それをこなしていけるように頑張っていきたいなと思います。

ー今後後輩に期待している部分はありますか?
自分の抜けたチームを想像したことがなくて、今あるチームをどうするかということばかり考えてきた。インカレ初戦敗退という結果は絶対に越えられると思います。リーグ戦4位という記録も超えてもらいたいです。

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安達漱選手
ー今日の試合の調子はいかがでしたか?
僕としてはいつも通り最初は待機して、後半に備えるという感じ。調子は悪くなかったです。チームの雰囲気的に2セット目以降は悪い中で、その流れを自分でガラッと変えることができなかった悔しさはあります。細かい部分でもう少しいつも通り安定した試合運びができていたら負ける試合ではなかったし不完全燃焼という感じでした。

ー苦しい場面でのスパイクが光っていましたが、意識されていたことはありますか?
基本的に途中出場の選手なんでなるべく元気に振る舞って、その元気がセッターに伝わればトスがくれるという関係性でした。そういった部分で今日もいつも通りトスを呼んで決め切るということはできたかなと思います。

ー今日の結果はどのように受け止められていますか?
自分達の方が総じて弱かったから負けたと振り返っていますが、負ける相手ではないという認識のチームにこんな負け方をして納得のいく終わり方ではない。後輩に何かを残すといった感じでやってきてはいなかったので、そこは気にすることはないと思っていますが、自分自身と一緒に頑張ってきた同期のメンバーにはもっと納得のいく結果を届けたかったです。

ー今後後輩に頑張ってもらいたい部分はありますか?
今日のゲームに関しては押されながらのゲーム展開で頑張ってきたのは後輩なんで。今年一年でチームとしても点をとっていたのは僕やったりマッキーだったりするんですが、チームとしてレシーブであったりトス回しで作っていくことをしていたのは間違いなく後輩達。細かい部分はいくらでもこれから頑張れるし自信を持ってやってほしいです。

ーこの4年間を振り返っていかがですか?
ずっと1・2年はレギュラーで出させていただいたが、3年秋に右肩を怪我で手術してリハビリもして約1年離脱した。この一年は自粛期間中もリハビリや筋トレに費やした。なんとか秋には間に合ってそれからでもある程度の結果を出せたので、これからはそういう大きな変化することに関して臆病にならずにやっていきたいということと、6人制でバレーは続けるのでそこでも思い切って頑張ってやっていきたいです。不甲斐ない負け方になってしまったが、コロナで少なくなっている全日本インカレの枠に入れたことも結果の一つだと思っているのでいい部分は良かったと思います。

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立石選手
ー今日の試合を振り返って
いつも通り試合して、いけるとこまで行こうという気持ちで臨んだ。それでも、勝たないといけない緊張感からかいつもはポンポン決まってたのが決まらなくつまずいた。1セット目を取って気が緩んでしまったのかもしれない。相手の方が特別何か上回っているというのが無かったし勝てた試合だったと思う。自分はブロックの中心。最初タイミングが微妙で合わせられずフェイントにやられた。ブロックも終盤は慣れて来たが、フルセットでみんなの攻撃力が落ちた。相手も自分たちに対応してきて、緩んだところに圧をかけられた感じ。

ー自粛期間
高校の指導者をしているお父さんのところで一緒に練習したり、走ったりと各自でトレーニングしていました。

ーこれからのチームについて
1.2年生が多く若いチーム。3回生が少ない分、後輩の面倒も見ながら引っ張っていく。自分が声出して盛り上げて、攻撃力が落ちてきたらセッターに「トス回して」と決めるとこは決めたい。

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叶世選手
ー今日の試合で意識していたことについて
出たしで結果が決まりやすく、2.4.5セット目はあまり出だしが良くなかった。リーグ戦は出たしが良く勝てた。自分は日頃からやってきたことを出せたので全力はつくせたと思う、それでも負けたから負けは負けって感じ。マッキーさんの調子はリーグ戦終わりから良くなかったけど、4年生が最後の大会ということもあって5セット目とかは特に意識してマッキーさんと、安達さんにトスを集めた。サイドに速いトスをトス回しでは意識しています。

ー自粛期間について
9月ごろ、リーグ戦が始まる1ヶ月前くらいに練習が再開した。地元に帰っていたけど、同学年で、ビデオ通話をしたりとコミュニケーションは取っていました。

ー来年のチームについて
自分に遠慮してか仲間に怒られたりしないので、もっと色々言ってほしい。言われたら自分も思うこと言っていい意味で喧嘩したい。

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【取材 松田拓真・田口陽香】