関西六大学野球春季リーグ第3節対大経大2回戦(2021年4月19日)
打線と投手陣がかみ合わず今季初の敗戦となった。先発の荒木が序盤から試合を作れず4失点。打線も4回以降完全に抑え込まれ逆転することができなかった。そんな中でリーグ戦初登板となった藤川が好投。敗戦の中にも収穫のあるゲームでもあった。

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大経大 103 000 010 = 5
京産大 101 000 000 = 2

試合成績
1.8 遠藤(滝川第二・営3) 3打数3安打1犠打
2.4 酒井航(桜宮・営4) 3打数0安打2三振
3.D 材木(綾部・営3) 4打数1安打2打点1三振
4.9 川岸(京都成章・法4) 3打数0安打1四球1三振
5.2 久木崎(京都成章・済3) 4打数1安打2三振
6.6 川田(高知・法2) 4打数1安打2三振
7.5 德永(紀央館・営4) 2打数0安打2三振
H 井上(東山・営2) 1打数0安打1三振
3 楠田(福知山成美・済4)1打数0安打
8.3 山田(網野・済3) 1打数0安打1三振
H35 中村(市立和歌山・済3) 2打数0安打
9.7 山本貴(鳥取城北・営4) 3打数1安打1三振

先発投手 荒木(宮津・営3) 2回2/3 38球 4安打1四球0死球0三振 自責点4失点4
二番手 舩槻(北稜・法4) 1/3回 5球 1安打0四球0死球0三振 自責点0失点0
三番手 山口(済美・済3) 4回1/3 61球 5安打1四球0死球3三振 自責点1失点1
四番手 藤川(京都すばる・営2) 1回2/3 27球 0安打1四球0死球3三振 自責点0失点0


試合展開
開幕3連勝と勢いに乗る硬式野球部。勝ち点奪取へ先発を任された荒木は初回、先頭打者をエラーで出塁させると、二死3塁から右前に運ばれ先制点を許す。「味方のエラーをかばうピッチングをしなければいけない」と悔しさを漏らした。しかし、取られたら取り返すのが今年の京産大打線。先頭の遠藤が二塁打を放ちすぐさまチャンスメイクすると、酒井の犠打、材木の二ゴロでホームまで返り同点に追い付いた。

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二塁打を放った遠藤

リズムを作りたい荒木だったが、二回を三人で片付けるもストレートの制御が効かない。三回一死からストレートの四球を与えると、甘く入るスライダーを狙われ3連打。4番吉安には二打席連続となるタイムリーを浴びる無念の降板に勝村監督は「4番のタイムリーが全て初球を打たれている。不用意に感じた」とバッテリーの配球に改善を促した。北山に続く先発の柱として期待される荒木。優勝のためには欠かせないピースだけに次回の登板に期待したい。

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打ち込まれマウンドを舩槻(右)に譲る荒木(左)

3点のビハインドを背負った打線は先頭の山本が絶妙なセーフティバントを決め出塁。二死2塁となって3番材木がこの日2打点目となるタイムリーを放ち1点を返す。開幕4試合で8安打4打点と3番としての役割をきっちり果たしている材木。遠藤、荒木ら3年次生の躍動がチームにさらなる勢いをもたらしている。このまま同点まで持ち込みたかったが、5番久木崎が三振に倒れ追加点はならず。「あそこで同点にできていたら試合の展開も変わっていた」と勝村監督は振り返った。

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仕事人材木

試合は3番手で登板した山口が前回登板同様安定したピッチングで失点を与えず膠着状態に。打線も走者を出すことができず苦しい展開が続いた。試合が動いたのは8回。5イニングス目に入った山口が先頭打者に左線へ二塁打を許すと、犠打と中前タイムリーで追加点を奪われる。次打者にも二塁打を打たれたところでの降板に「球に力はあったがコントロールがアバウトだった」と自身の投球を振り返った。

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1点は失ったものの好調をキープしている山口

ここでマウンドに上がったのがリーグ戦初登板の2年次生藤川。威力のある直球が武器の本格右腕は「自分にできることを思い切ってやるだけ」と堂々とマウンドに立つ。絶対に追加点を許してはいけない一死1・2塁とシビアな場面での登板に、先頭打者へ四球を与えたものの「一番自身のある直球を投げ込みました」と後続を二者連続三振に切り抜けピンチを脱する完璧な投球。上々の初登板に勝村監督も「こちらが思っていたピッチングをしてくれた」と称賛を送った。北山とはいつもキャッチボールをする間柄。憧れの先輩を彷彿とさせるノビのある直球に今後も期待が高まる。

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堂々としたデビューを果たした藤川

なんとか逆転したい打線だったが、8回から登板した才木を相手に突破口を掴めないまま試合終了。今季初の敗戦となった。勝負となる第3戦に向け勝村監督は「しっかり守り、少ないチャンスをものにしたい」と意気込んだ。【記事編集 松田拓真、写真撮影 朝倉力】


コメント
勝村監督
-今日は少し残念な結果になってしまいました。
前半での相手の4番のタイムリーが全部初球だった。一つ目はがストレートで打たれて、その次は変化球でこれも初球を打たれた。そこは不用意かなと感じました。

-序盤から継投策
今日は荒木をなんとか5回までと思っていたんですが、少し球に力がなかった。そこまで悪いというわけではなかったです。山口はしっかり流れを作ってくれたので、本当ならあの後にうちができるだけ追いついてないといけなかった。

-山口の成長について
1・2年の頃は長打を浴びたりだとか、得意の変化球も少し早めに曲がってしまって高校の時なら振ってくれていたボールで振らせれなかったり、空振りさせる球をファールさせられたりと苦しんでいた。2年の秋以降、ストレートの力が強くなった。ノビがすごく良くなって、変化球もキレるようになるなど、OP戦の頃から良いところがどんどん出てきた。練習もしっかり取り組んで、ストレートの質が変わってきたかなと思います。いずれは先発も考えています。

-4番手の藤川投手が公式戦初登板
どこかで投げさせたいとずっと思っていた。こちらが思っていたピッチングをしてくれたので今後に役立てれるかなと思います。現状は中継ぎか抑え。低めのストレートが伸びてくるようになりました。

-打線が4回以降沈黙してしまった
右バッターが変化球に体が合わなかった。遠藤がすごくいい形で出塁しているので、なんとかクリーンアップで返したいと思っています。

-川田選手が初スタメン
小林がずっとピッチャーに合っていなかったので、骨折が治った川田を使おうということになった。最後ヒットも出たのでこれからやと思います。しっかりやっている子ばかりなので競争意識を持たせて、戦いながら層を厚くしていかないといけないと思っています。

-これで3戦目にもつれ込みました
相手のピッチャーもいいですし、ロースコアになると思うのでまずはしっかり守れるかが大きなポイントだと思います。あとは少ないチャンスをどのように点に結びつけるかだと思います。

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荒木投手
-今日の登板を振り返って
準備の段階から最大限の力を出せるよう試合に望んだが、自分の力が出し切れず、悪いに流れにしてしまった。初回は、味方のエラーをかばうピッチングができないといけない。3回はランナーを出してからを悪い流れのまま行ってしまった。止められなかった。

-前回登板から良くなった点はあったか
前回登板同様粘れなかったので良い部分はなかった。

-次回登板に向けて
試合までの準備の段階からしっかりやりきれば良い結果がついてくると信じてやっていく。

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山口投手
-今日の試合は
悔しい。ストレートに力があったが、コントロールがアバウトだった。明日以降コンディショニングが良い状態にして試合に入りたい。

-自己最速に近い149㎞/Hが出たが
まっすぐは悪くなかった。

-現在の起用について
先発で投げたいという気持ちはあるが、リーグ戦に入った以上、任されたところで投げてチームに貢献したい。

-高校時代からの変化は
高校時代は空振りが撮れていた変化球が振られなくなった。まっすぐは成長している。両方とも精度が課題。コースには投げているけどまだアバウト。キャッチャーの構えたところに行けるように

-北山先輩について
まっすぐのスピード、キレともにすごい。自分は変化球のキレで勝っていかないと先発にはなれない。先輩でありライバル。ストーレートの持ち方だったり、どうしたら開かずに投げれるか等も教えてもらった。自分も(北山先輩のように)人間性だったり基本的な所を上げていきたい。

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藤川投手
-公式戦初登板でした
ピンチの場面だったんですが、自分にできることを思い切ってやるだけだと思っていたので、その強い気持ちがピッチングにつながったと思います。

-満塁になってから気持ちの変化はありましたか
(前打者の)四球も悪い四球ではなかったと思っているので、抑えるぞという強い気持ちで勝てました。割り切ったとか切り替えたとかは特になかったです。今までやってきたことを出すしかないので、自分に自信のあるストレートをを思い切って投げるだけでした。

-ストレートへのこだわりについて
スピードよりかは質にこだわって、低めに伸びるボールを投げればバッターは打てないと思うのでそこを練習から意識して取り組んできたことが公式戦で出せたかなと思います。

-ストレートの質にこだわるという点で、北山主将から何かアドバイスはいただきましたか?
北山さんとはいつもキャッチボールをさせてもらっていて、質が大事だというアドバイスはいつもいただいているので、意識して取り組んでいます。

-ここからどのようにチームに貢献していきたいですか。
自分はまだデータもない無名のピッチャーなのでどことやっても初対戦。自分のボールを投げていければ十分通用すると思っているので、変に気負ったりせずに自分のボールを投げていきたいです。

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【取材 松田拓真、朝倉力】