第63回 全日本ターゲットアーチェリー選手権大会 (10月23日)

 晴れ渡った青空の下、アーチェリー国内最高峰の戦いが行われた。京産大からはリカーブ男子に岩崎智仁(営3)が初出場。結果は48位と振るわなかったが、全国の強豪が集まる中で大きな経験を得ることができた。

試合結果
リカーブ男子
48位 岩崎智仁 合計628点

試合内容
 高校生から社会人まで、全国各地のトップ選手が集まった今大会。岩崎は今年、初めて出場を果たした。
 序盤は緊張との戦いとなった。2エンド目では大きなミスが出て得点を落とすが、その後は落ち着いていた。「緊張しながらも、意識しなければいけないことが自分の中ではできていた」と気持ちを切らさずに立て直し、続く3エンド目では58点という高得点をたたき出す。勢いをそのままに安定した点数を出し続け、前半の36射終了時点では37位と上位で折り返す。
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 後半は更に点数を伸ばしていきたいところであったが、緊張が解けてしまい「意識が疎かになった」と1,2エンド目で大きく点数を落としてしまう。3エンド目では盛り返したものの、5エンド目からは突然止んだ風に悩まされる。試合開始時点から会場に強い風が吹いていたこともあり、風ありきの作戦を立てていたこともあり、調子を落としてしまう。最終エンドでは無風状態の作戦に切り替えることで持ち返したが、結果的に点数を伸ばすことができなかった。
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 最終順位は48位。上位32名が進出できる「ナショナルチーム 選考会」を惜しくも逃したが、岩崎は自身の成長を感じていた。以前から風が吹いている環境を苦手としてきた岩崎。しかし、今大会では環境ごとに対応し安定を維持できたという。
 選考会の基準点は640点と、岩崎の得点とは約10点差しかない。上位は届くところにある。技術に磨きをかけ、来年こそは更なる結果を出したい。

試合後コメント
岩崎
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▲矢とりを行う岩崎(中央)

―自身初の全日本選手権を終えての感想をお願いします
大学入ってから目指していた試合だったので、どんな感じになるかなと思いながら来ました。全国大会は今までも出ているのですが、社会人の選手も参加される日本最高峰の試合ということで、やはりいつもとは違う緊張があって、うまく乗りこなせなかったというのが反省点です。それでも、やれる部分はしっかりと高い点数を取ることができたので、そこは昔の自分ではできなかったとこなので、成長しているなと感じました。
調子が落ちるときに耐えないといけないところで下の方の順位に行ってしまって、結果的に自分が“射ちたい”ではなく“射つべき”点数を出せなかったということは反省点で、成長も感じられたんですけど、初出場ということで経験不足というか自分の技に磨ききれていなかったのが露呈しました。
(来年行われる同大会の)申請点は一応あって来年も出場できると思うので、そこへ向けて明日・明後日からしっかり磨きかけてやっていきたいと思います。

―前半は高順位で推移していました。前後半で変わったことは具体的にあったりしましたか?
前半はすごく緊張はしていて、出だしからどんな感じなんだろうと思いながらやっていたんですけど、緊張しながらも意識しなければいけないことが自分の中ではできていました。2エンド目では結構外れちゃったんですけど、そのあとの立て直しというか、1回高い点数も出ましたし、耐えなければいけない点数には収まっていたので、それなりの点数は射てていました。
後半になって、特に1、2エンド目ではスタートの時点で前半と同じ感覚で射っているつもりなんですけど、後から振り返ると、緊張がゆるんで意識しなければいけないところが少し甘くなっていたということがありました。
前半はガチガチになっていたのにそこまで悪い点数ではなかったのですが、後半では「行けるのではないか」と悪い意味で緊張が解けてきてしまって、意識が疎かになってしまったところで点数を落としてしまいました。
ただ、そのあとの3、4エンド目は盛り返したりはしたんですけど、5エンド目に風が止んで、風ありきで狙いっていたこともあったので、そこを1、2本で修正しきれずに1エンド分使ってしまって点数を落としてしまいました。最終エンドは風がないというのを頭に入れながらできたので、まとまった点数が取れました。後半は悪いところも良いところも詰まっていたんですけども、悪いところの方が大きく出てしまったので、結果的に点数は大きく下がってしまったというのがありますね。

―先ほど風について触れていましたが、コンディション面ではいかがでしたか?
王座決定戦の時と比べたら大分良かったと思います。ただ、僕は結構風が苦手で、昔はもっとこのコンディションでは外していたんですけど、そこはある程度のところまでは持っていけたという点で成長を感じているので、今日の良かったところを探すとそこになるんですけど、まだもっと上のレベルで耐えないといけないというのは感じています。

―48位という順位を受けて
上位32人がナショナルチーム選考会に出れてそこのボーダーが640点で10点足らなかったんですけど、前半の戦いを維持できていたらその点数は出たんですが、後半で崩れたということで「出せない点数」ではないものを取れなくて悔しいです。ですが、全く話にならないというわけではなく「行けるかもしれない」というところに自分を持っていけているというのが一ついいポイントではあるので、来年こそはという意気込みで行きたいと思います。

【記事執筆・撮影:藤田稜介】