Iリーグ 2022 C,D,Eブロック 第7節
大阪学院大学II,III,IV(2022年7月16日)


トップチームの活躍と共にIリーグでも強さを発揮している京産大。今節の時点で3チーム共に3位に位置付けており、年間総合優勝チーム決定戦の出場圏内にいる。目指すはその先の全国大会、互いに刺激し合い更なる高みを目指す。
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【試合結果】
京産大I1 3-0 大院大II
(得点者)
前半3分 菅野翔斗(2年=サンフレッチェ広島ユース)
前半20分 菅野
後半32分 山嵜陽(1年=京都サンガU-18)

京産大I2 2-0 大院大III
(得点者)
前半21分 中田樹音(2年=岡山学芸館高)
後半35分 小林映斗(4年=金光大阪高)

京産大I1 1-2 大院大IV
(得点者)
後半4分 辻夕雲希(2年=神戸弘陵学園高)

【京産大I1 試合内容】
3試合消化し、未だ無敗の京産大I1。メンバーには学生リーグでもプレー経験のある選手たちが多くおり、経験値の差からも強さを見せつけ3-0と快勝した。
試合開始直前には河井哲太(4年=ガンバ大阪ユース)、食野壮磨(3年=ガンバ大阪ユース)が応援に駆け付け、明るい雰囲気で試合に入った。前半3分、左サイドから菅野が放ったシュートが先制点となり良い立ち上がりとなった。菅野の公式戦でのゴールは4月23日の京都FA杯準決勝以来。「久しぶりのゴールでちょっと気持ちが楽になりました」という言葉通り、若きストライカーの勢いが止まらない。前半20分、山嵜からのクロスを菅野が頭で合わせ、早くも2ゴール。前半の半分を経過する前に2-0とリードし、相手を圧倒する京産大。セットプレーやクロス、息の合った連係プレーで相手のゴールへ迫り続ける。しかし、攻撃陣のみならず守備陣も大活躍。中でも林憲太朗(2年=滝川第二高)が好セーブを連発した。CKでは右手一本で弾き、1対1のピンチも冷静にセーブし、チームを沸かせる。エンド変わって後半、山嵜のクロスを起点にチャンスを作りだすが追加点が少し遠い展開に。試合を決める3点目が欲しい京産大は後半9分、菅野に代えて好調の岩村匠馬(2年=東山)を投入したが、停滞する時間が続く。後半32分、チャンスを演出し続けた山嵜が3点目を奪った。裏に抜け出しGKとの1対1を冷静に流し込み3-0と突き放し、タイムアップ。無敗記録を伸ばした。
山嵜は自身のプレーを「クロス、DFラインと中盤のラインで受けてからのボールの持ち出しが自分の持ち味なので、それを活かせたゲームになりました」と振り返るが、プレーに点数を付けるなら10点台と伸びしろを感じさせる。Iリーグで経験を重ね「チームに必要な選手」を目指す。
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【京産大I2 試合内容】
最後はキャプテンの小林が試合を締め、京産大I2は4勝目を挙げた。
少し押される展開となったこの試合、坂本充(2年=大津高)がパスを供給し攻撃を組み立てる。前半21分、少ないチャンスをものにし先制に成功した。前半21分坂本充(2年)のパスを受けた中田がドリブルでシュートまで持ち込みゴール。中田のIリーグ合計7ゴール目となる得点で優位に試合は進むが、追加点が遠かった。相手のスピードのある攻撃を受け、1対1や危ない場面も見られたが守備陣中心にしのぎ続ける。しかし、前半39分ポストに弾かれたこぼれ球を押し込まれ、ゴールネットが揺れた。失点と思われたが副審がフラッグを挙げ、オフサイドの判定。判定に救われ1点リードで後半を迎える。
切り替えて後半、開始早々坂本がチャンスを演出する。サイドチェンジから中央の小林へとパスがつながり相手の守備を崩す。後半5分に中田が相手DFに競り勝ちシュートに持ち込む。後半の立ち上がりから怒涛の攻撃、エンジン全開でゴールを狙う。しかし、あと少し決めきることができない。前試合、初黒星となった京産大I2「勝ち点3を取る、失点0で勝ち切る」という共通認識を持つ。その意識の元、守備陣が大活躍する。ゴールラインギリギリでクリア、GK西野祐輝(2年=常翔学園高)がセーブし、無失点に抑えつづける。待望の追加点が生まれたのは後半35分、久保奏人(2年=久御山高)の左からのクロスを小林が決めきり、2-0とする。「今日取ったら3試合連続ゴールやったんで、決めたいと思ってた」とキャプテンの3試合連続弾で勝利をつかみとった。
今日の試合全体を70点と評する小林。「無失点で勝てたのはよかったけど、まだ自分たちのいいい所がまだ出せてない」と勝利後も慢心はない。「今年はなんとしても全国出たい」という熱い気持ちを持つキャプテンがブロック1位通過、全国大会出場へと牽引する。
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【京産大I3 試合内容】
陽が沈みだした18:00に京産大I3の6試合目がキックオフ。後半立ち上がりに先制するも、相手に2得点を許し逆転負けと今季初黒星となった。
立ち上がりから相手のプレスに苦しみ、押される展開に。前半14分に亀井賢(3年=作陽高)が縦に鋭いパスを送りスイッチを入れ、クロスからチャンスを生み出す。続く19分は中島虎太郎(3年=守山北高)が右サイドから中央へパスを送り、森本匠(2年=作陽高)がシュートを放つが枠の外へ。チャンスをものにしようと奮闘するが、前半は互いに得点は生まれずスコアレスで試合を折り返す。
後半の立ち上がり、華麗な連係プレーで先制点が生まれた。左サイドの大渕空(3年=立正大湘南高)が中央へパス、これを梅原樹(2年=大阪桐蔭高)がかかとで落とし、後ろを走る辻へと渡る。辻が力強く蹴ったボールはネットに突き刺さり、先制に成功した。「バモ!」と喜びを表し、ベンチに駆け寄りチームメイトから祝福を受けた。いい流れがやってきたと思われたが、後半15分に右サイドからのクロスに合わせられ失点と再び同点に。この9分後にはカウンターから失点し逆転を許してしまう。途中出場の豊永拓弥(3年=大分トリニータU-18)がドリブルからシュートを放つなど、果敢に攻めるが追いつけないまま時間は過ぎる。アディショナルタイムは3分、終盤に豊永が左からのクロスをダイレクトでシュートを放つが、相手GKに正面で受け止められ試合終了。
先制ゴールを決めた辻は課題を「どの試合も点の後、受け身になってしまう」と話す。毎試合の収穫と課題をチームの成長材料にし、成長を続ける京産大I3。目標は「チーム内得点王」の辻。「4回生も全国連れて行きたいので、夏休み明け全勝してまずは決勝トーナメント行けるように頑張りたい」と意気込む。次戦は辻の得点が勝利への道を切り開くだろう。
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熱戦を繰り広げるIリーグ。各ブロックの上位3チームは年間総合優勝チーム決定戦のトーナメントに出場でき、この大会で上位2チームに入るとIリーグ2022 第20回 全日本大学サッカーフェスティバルへ関西代表として出場する。悲願の全国大会へ、彼らの戦いの熱量は高まっていくばかりだ。

【執筆 福田明音】

【試合後のコメント】
菅野翔斗選手
ー2ゴールお見事でした
1点目はちょっとラッキーもあったんですけど、自分の中で最後に点を取ったのがFAくらい前なので、点が欲しかったのもあるし、久しぶりのゴールで気持ち晴れたじゃないですけど、ちょっと気持ちが楽になりました。点取り出したら結構点取れるタイプなので、とりあえずここで2点取れてよかったかなと思います。
ー今後に向けて弾みのつきそうなゴールです
そうですね、自分らしいクロスから頭っていうのは自分の中で形としてあるんで、そういうのが入ったのはこれからいい流れになるんじゃないかなと思います。
ー試合全体を振り返って
自分が最近調子いい匠馬とやり切って交代するっていうのがあったんですけど、みんな今日試合してきて2試合目で、ハードで足をつる人も結構いたんですけど、それでもチームとしてやることやれて、3-0で勝てたのはチームとして一つ良かったんじゃないかなと思います。
ー関西選手権では岩村選手の活躍もありましたがどのように見てましたか
自分は最初出てて、そこでちょっと慣れというか試合に慣れてきて、感情的にも出れるやろうみたいな気持ちがあった中で、匠馬が結果を残してくれて自分ももっとやらなあかんなっていう気持ちにはさしてくれた。そういうのがあって自分も成長できると思うんで、もう一回ここから、お互いに成長できるように頑張っていきたいです。
ー学生リーグ次節は関学戦です
前期あと2試合でここ勝たないと結構インカレまで厳しくなってくると思うので、あと2試合6ポイント積んで後期にいい流れを持って行けるようにしたいです。
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山嵜陽選手
ー3点目について
裏の抜け出しして、直央くんがいいボール出してくれたので、あとは決めるだけでしたね。
ー試合を振り返って
相手も強いって聞いていたので、みんなで戦おうっていう気持ちで戦って勝つことができて良かったです。
ー自身のプレー振り返って
クロスやったり、DFラインと中盤のラインで受けてそこからのボールの持ち出しやったりっていうところが自分の持ち味なので、それを活かせたかなっていうゲームになりました。(点数つけるなら)まだまだ、10点台とかですね。
ーリーグや選手権にも出ていますが、手応えとかは
Iリーグとトップチームで出る強度の違いやったり、相手のレベルも変わってくるので、1年とか関係なしに、トップチームでしっかり闘えるようなチームに必要とされるような選手になっていきたいです。
ートップチームとの違いは
1番は雰囲気とか緊張感とか、どの試合も責任感は変わらないですけど、すごいなんか重いもの背負ってるなとか重圧感はあります。
ー1年生の目標は
まずは学生リーグで点を決めることです。それが、一番の目標です。
ーこれからの意気込み
次関学戦があって、そこに試合に絡んで点を取っていってチームに貢献していけるような選手になりたいです。
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小林映斗選手
ー試合を振り返って
前の試合ギリギリのところで負けて、今日はどうしても勝ち点3取りたかった。勝ててよかった感じです。
ー追加点が遠く感じました
自分らでも早めに2点目が欲しい中で、守備は粘り強く守って、後半最後の方になるんですけど2点目取れたんでよかったかなと思います。
ー守備陣がハードワークしていました
僕ら失点が多くて今までの試合で。全員で失点をできるだけ少なくしようという話はしてたので、最後まで粘り強くやるっていうのはみんなで話し合ってできたかなと思います。
ーどのような共通認識で
まずは勝ち点3取るっていうのと、あとは失点を0で勝ち切るっていうのはみんなでミーティングのときから話してました。
ー試合全体に点数つけるなら
70点くらいですね。0失点で勝てたのはよかったんですけど、まだ自分たちのいい所が、まだ出せてないっていうのはみんな分かってると思うんで、そこを出しながら勝てたらベストかなって思います。
ー小林選手はとどめを刺すゴールを決めましたが
僕自身2試合連続ゴール中で今日取ったら3試合連続ゴールやなって感じやったんで、決めたいなと思ってて。いいところにボール来たので、ちょっとダフったんですけど入って良かったなと思います。
ーIリーグ中の目標は
今年でラストイヤーなので、毎年全国行くって言いながらやってて、決勝トーナメントとか行っても負けたりとかで、なかなか全国が遠いので、今年はなんとしても全国出たいなって思います。
ー意気込み
夏の中断期間までにまだ1試合あるので、そこは絶対に落とさずに勝ち点3取って1位通過でトーナメント行けるように全員でやりたいと思います。
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辻夕雲希選手
ー試合を振り返って
得点後のチームの雰囲気が飲まれてたので、そこが課題かなっていう感じです。
ー緩みみたいなものですか
どの試合も点の後ちょっと押し込まれるというか受け身になってしまうっていう。リードしてるからこそ、受け身になってしまうっていのがあると思うんで、そこは改善していかないとダメだなと思います。
ー先制弾について
まず、落ちた時にいいパスが入って、匠がいいランしてたので、そこを出してっていう感じで。あとは樹もいい落としやったし、流し込むだけっていうか綺麗に入ったかなと思います。
ープレーを振り返って
65点くらいですかね。他にもFWながらシュート2本っていうのはずっと自分の課題で、前半やと1本バックパスで危なかったり、もっとチーム全体、後ろがちょっと受け身になって前との連携がダメだった時ももっと早めに修正するべきっていう感じですね。
ー目標
チーム内で得点王を取ることです。
ー意気込み
4回生も全国連れて行きたいと思うんで、夏休み明け全勝してまずは決勝トーナメント行けるように頑張りたいと思います。
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【取材 福田明音】