第60回西日本大学選手権大会
(2023年5月21日)
(2023年5月21日)
誰もが目を奪われる蹴りが歓喜のスターターロープを引いた。男子決勝・副将戦、京産大 田山連太郎の上段蹴りが決まった瞬間、悲願の男女アベック優勝が決定した。試合直後、選手らは円になって優勝の喜びを分かち合った。
【試合結果】
《男子団体組手》
優勝: 京都産業大学
準優勝:近畿大学工学部
3位:九州産業大学、近畿大学
《女子団体組手》
優勝:京都産業大学
準優勝:近畿大学
3位:福岡大学、同志社大学
《優秀選手》
ー男子ー
稲垣 博大
武田 風人
中島 友希
近藤 大斐樹
松本 龍魁
ー女子ー
小堂 利奈
大西 照葉
山本 文香
*他大学の選手の表記は割愛させていただきます。
ー男子ー
《2回戦》
⚪️京産大 9-0 宮崎産業経営大
中島 友希 2-0富永
田山 連太郎 2-0 川原
松本 龍魁1-0 神宮
近藤大斐樹4-0新宮
《3回戦》
⚪️京産大 11-0大産大
稲垣博大4-0玉井
原田翔哉1-0 吉田
武田風人6-0川野
《準々決勝》
⚪️京産大 4-1 大阪経済法科大
稲垣 博大(先取)1-1林
近藤大斐樹 2-0菅根
松本 龍魁1-0 瀬戸口
《準決勝》
⚪️京産大 12-4 近大
武田風人 5-1 池田
稲垣博大 4-1 赤曽部
中島友希 3-2 伊東
《決勝》
⚪️京産大 23-3 近大工
稲垣博大 9-0新井
武田風人 9-1豊田
松本龍魁 0-1北代
田山連太郎 5-1崎山
ー女子ー
《1回戦》
⚪️京産大 14-0 宮産経大
松本 星来4-0 首藤
小堂 利奈 5-0 新名
山本 文香 5-0 栗原
《2回戦》
⚪️京産大 10-2 大商大
池田 真白 4-1首藤
向井 瑠杏6-1新名
《準々決勝》
⚪️京産大 17-0 神大
大西照葉 8-0 中野
池田 真白 9-0 武政
《準決勝》
⚪️京産大 6-4 福大
小堂 利奈2-4 龍野
山本 文香 2-0 世古
大西 照葉 2-0 園田
《決勝戦》
⚪️京産大3-3近大
山本 文香 0-0 藤田
大西照葉 0-1片岡
小堂利奈 3-2 岡崎
代表戦:大西 3-1 岡崎
男女とも一回戦から勢いよく勝ちを重ねた。先鋒がテンポの良い試合運びで勝ちを得ると、後続も良い流れのまま技を決める。近間に入っても相手の動きを恐れることなく、一瞬の隙を最小限の手数で仕留める京産大。しか準決勝では手強い強敵が立ちはだかった。
女子の相手は福岡大。2021年のインターハイで女子組手個人を優勝した龍野率いる強豪だ。龍野と対決した先鋒の小堂は2-4で敗戦。後がなくなった京産大は中堅の山本が2-0で勝ち、勝負は大将戦へ。ここを大西が2-0で強さを見せつけ、決勝へ駒を進めた。
▼山本
一方、男子の相手は関西で何度も戦ってきたライバル、近畿大。決勝を前にヘビーな戦いが要求される一戦となった。しかし始まれば京産大の勢いが止まらない。先鋒の武田が蹴り技を含め5ポイントを取って勝つと、続く稲垣、中島も全日本強化選手などに打ち勝ち3人で勝利を決めた。
▼準決勝後、喜びを分かち合う男子たち
迎えた決勝戦。女子の相手は近畿大だった。先鋒の山本はアジア大会で優勝経験のある藤田と対戦。先鋒の勝敗が試合の流れを左右するため、どちらも慎重な試合運びの中、一挙手一投足に緊張が走った。結果は引き分けに終わり、中堅の大西の試合に注目が集まる。こちらも間合いを慎重に詰めていく試合だった。しかし近大の片岡に1ポイントを取られ、0-1で敗戦。続く大将の小堂は最低でも一本差での勝利が必要となった。相手は岡崎。23年度の強化指定選手同士の戦いとなり、会場も盛り上がる中、小堂が3-2で勝利した。これでスコアが1-1と同じになる。
優勝は代表戦へと委ねられ、大西と岡崎がコートに立った。この2分で色が決まる。金か銀か。固唾を飲む場面、しかし「あまり緊張しなかった」と動じないのが大西だった。試合が始まるとこれまで張っていた糸がぷつんと切れたように、激しい試合展開に。流れを掴んだ大西がその後2ポイントを追加して見事、西日本の頂点を決めたのだった。
▼残心を決める大西
▼決勝戦後、選手らと抱き合う中村コーチ(右)
さあアベック優勝まで目の前だ。対するは強豪の近大工学部、一瞬たりとも気が抜けない。しかし、女子の優勝に気合をもらった男子は勢いそのまま、相手の技の出し終わりを突く鮮やかな身のこなしで観客を沸かせた。先鋒の稲垣が3ポイントの技である上段蹴りを決めるなどして、9-0で完封勝利すると、続く武田が9-1で勝利。松本は惜しくも0-1で敗戦したものの、副将の田山が5-1で勝ち、この瞬間に男子の優勝が決定。悲願の男女優勝を成し遂げた。
▼技を決め雄叫びを上げる稲垣
▼技を決める田山
【記事、写真:大谷賢之介】
《選手インタビュー》
■武田風人
ー優勝おめでとうございます。
🗣️1人1人が自分の仕事に忠実にしてくれた結果として優勝があると思いますし、日頃の練習で指導してくださる監督やコーチ、応援に来てくれた親族の方々のおかげでもあると思うので、本当に感謝しかないです。
ーチーム全体で蹴り技でポイントを取っていた印象がありますが、そこは意識していたのでしょうか。
🗣️もともとのみんなのポテンシャルだと思います。技の後をしつこくという意識が全体的にありましたが、各々が培ってきた技の中で特に蹴り技が目立っていたのかなと思います。
ー7月2日には全日本個人がありますが、そこに向けての意気込みをお願いします。
🗣️自分自身、昨年はすごく悩むことがあって苦しい1年間でしたが、助けてくださっている方がいますし、津山師範でしたり荒賀監督でしたり、いろいろ迷惑をかけてしまっている部分もあるんですが、今回の試合のように自分の組手を貫いて、周りの人に元気を与えるような組手がしたいです。その中で結果がついてくればいいなと思います。
■大西照葉
ー優勝おめでとうございます。感想を聞かせてください。
🗣️嬉しいです。
ー代表戦という緊張する場面での心境はいかがでしたか。
🗣️みんなが繋いで回してくれていたので、そこまで緊張というのはなくて、楽しんでやりました。
ー決勝戦の相手は関西で何度も対戦したライバルの近大でしたが、試合前に監督やコーチ陣にかけられた言葉はどのようなものでしたか。
🗣️自分が無理に勝ちにいかなくも、いつも通りの組み手で繋いで繋いでいけば大丈夫とアドバイスもらいました。
ー新チームになってまだ序盤ですが、どういったチームにしていきたいですか。
🗣️上回生になって後輩がいるので、見本までは行かなくても、頼りになる引っ張っていけるように。やる時はやるというメリハリをつけれるチームにしていきたいです。