関西六大学野球秋季リーグ
第3節 / 対龍谷 / 1回戦 (2023年9月16日)
意地とプライドを懸けた伝統の一戦。春季では2敗ストレート負けの雪辱を果たすべくチーム力で奮闘。藤川の熱投に野手が答え三点差をものともせず逆転し、新しい指揮官とエース藤川に“一勝”を飾った。
ー試合結果ー
龍谷大 000 003 000=3
京産大 000 001 03×=5
ー試合成績ー
1 中. 西峯(滋賀学園・法3)3打数1安打1得点
2 遊. 河渕(市立和歌山・営2)4打数2安打三打点
3 捕. 藤井(京都外大西・営4)2打数0安打1四球1死球
4 一. 三宮(大分東明・法3)4打数1安打1打点
5 三. 星田(乙訓・営2)4打数2安打
走左.岩田(東海大市原望洋・法4)
6 左. 小野(社・法3)3打数0安打
打.村山(鳥羽・済3)1打数0安打
三.秋里(日星・法3)
7 指. 山本(奈良大附属・法3)3打数0安打
8 右. 川田(高知・法1)3打数1安打
9 二. 井上(東山・営4)1打数0安打
打.坂東(奈良大附属・営1)1打数0安打
二.木村(報徳学園・営1)0打数0安打1死球
走.吉村(報徳学園・法3)
二.石井(福知山成美・済2)
先発 藤川(京都すばる・営4) 9回,156球,被安打8,4奪三振,0四球,3失点
ー試合展開ー
9月ながらまだ暑さの残る西京極で熱い戦いが始まった。
試合は両者投手戦が続く。京産大は初回は先頭打者を失策で塁に出すも4-6-3の併殺打で守り切り抜ける。序盤粘られ球数が増える場面も見られながらも三振やフライで打ち取っていった。攻撃では相手投手茨木の変化球にうまく対応できずノーヒットが続いた。5回で9個の三振を奪われ得点の糸口が掴めない。そのまま両者無得点の中グランド整備を挟み後半戦へ。
流れが変わりやすい6回。先頭打者にヒットを打たれ出塁を許してしまう。続く打者は犠打を成功させ一死2塁に。そこから3ボールと少しコントロースが乱れた後フルカウントまで追い込むも、ライトの頭上を越えるタイムリースリーベースヒットを浴び先制を許してしまう。なおもピンチは続き内野は前進守備になるも打球はセカンドの間を抜け2-0に。ここからライトへのタッチアップでこの回三点を奪われた。
その裏、京産大は二死からチャンスを作った。ここまで変化球に揺さぶられヒットの出ていなかった京産大だが、先頭の西峯がフルカウントからスライダーをうまく捉え、ライト線への長打を放つ。得点のチャンスに一気に流れが変わり河渕も続く。抜け球を見極め1ストライクからのスイングはライトを抜けチーム二本目のヒットはタイムリーとなるスリーベースに。ランナー三塁とチャンスは続いたが、続く藤井は三振に終わり1点にとどまった。
続くチャンスは8回。残りイニングが少なくなっていく中、ここまで3試合ヒットを続けている川田からの攻撃。初球を打ってセンターへ運ぶと、途中出場の木村がm着実に一点を取るためにバントを狙うが死球となりノーアウト1塁2塁。そこから西峯がバントを成功させランナーを送る。2塁ランナーが帰れば同点の場面で、足の速い吉村が二塁の代走に入る。バッターは、今日3塁打を放った河渕。1ボール1ストライクから高めに浮いた球を捉え中安打に。浅めの打球だったが、代走吉村が役割を果たしホームイン。同点に追いついた。まだ1アウトランナー2塁とチャンスはチャンスは続き逆転を狙う。バッターの藤井は際どいコースも冷静に見極め四球、4番へと打順が回る。セカンドの捕球かと思われた打球がライトへのヒットとなり、直後ライトがボールを落とし河渕が生還。作ったチャンスをうまく生かし逆転に成功した。さらに星田が1,2塁間を破るヒット。二塁ランナーの藤井は三塁でストップしたが、相手野手の送球が乱れでホームインしこの回一挙4得点獲得した。
9回、既に140球を投げているが、援護点を背に藤川がマウンドへ向かう。力強いストレートから入りセカンドゴロに打ちとる。続く打者にはライトへの安打を打たれるも、変化球も使いながらインコースへ直球を投げ込み三振に。150球以上投げながらも140キロ超えを投げ込む藤川。残すところ1アウトも落ち着いて自分の投球を続け、2アウト2ストライクからサードフライに打ち取り試合終了。156球と球数は多くなったものの、四球は0に抑えリズム良く守備ができるよう意識したピッチングでエースの意地を見せた。エースの一勝目と共に、新監督である今村監督の一勝目となり、ウイニングボールは川田から監督へ。全員で繋いだ勝利のボールに笑顔を見せた。
チャンスを繋いだ京産大の勝利。力強いピッチングが野手の得点を呼び込みまずは京産大に軍配が上がった。明日の二戦目を勝ち取れば伝統の一戦の勝者と勝ち点を獲得する。今後の戦いに弾みをつけるためにも、2戦2勝に期待したい。
【記事 森本真子】
ーコメントー
藤川投手
ー今日のピッチングを振り返って
まずは勝つって言うことを1番に考えていた中で、先に点を許してしまうって言うのが自分の課題であるのでその問題に対してしっかり向き合っていくっていうことは大切ですし、勝ちに繋がるっていう最後まで粘り切れたっていう面では良かったかなと思います。
ー球数が150球を超えた
特に球数とかで調子が落ちていくって言うことは無いタイプなので。球数はもちろん少ない方が野手のリズムが作れると思うんですけど、多いなりに上手く流れてはいるのかなと思います。
ー9回のマウンドは
一旦ベンチ裏で落ち着いていつも通りにピッチングしようと心がけてマウンドに上がりました。
ー1節目同様1回戦を勝ち取った
先に失点してはいるんですけど1戦目チームとして勝てたということはチームとして非常に大きいと思うので明日しっかり勝ち切れるように、もう一回気を引き締めていきたいと思います。
西峯選手
ー試合を振り返って
前半流れが悪い中で藤川投手が抑えてくれてたので、整備中のイニング間でピッチャーを助けれるようにみたいな声掛けがあって。それがしっかり形となって6回から攻撃できたので
ーチーム初ヒットとなった打席
ツーアウトだったんですけど、次出たらどんどん打順が繋がるので1番バッターとして出塁して次のバッターに繋ぐことが出来たのでよかったです。ノーヒットというのはみんな頭の中にあって、誰かが打たないとと流れが変わらないので、そういう意味でも流れを変えることが出来たのかなと思います。
ー変化球に対して意識は
いい意味で開き直れて。真っ直ぐきたらしょうがないって頭の中にあったので、結果としてツースリーでもスライダーをタイミングはずられることなく打ててよかったです。
ー明日に向けて
3戦目に行くと選手の体力もしんどいですし、2戦目しっかり勝って、勝ち点取れるようにしたいです。
河渕巧選手
6回裏の右適時三塁打の打席を振り返って
ー1点でいいから点を取ろうという気持ちがタイムリーに繋がったので良かったと思います。
8回裏の逆転適時安打の打席を振り返って
ーあの場面は全員が繋いでくれて、何としてでも1点で良いからという気持ちで立った打席で、あの最高の結果になりました。
球種は
ー高めの真っ直ぐです。
何か意識していたことは
ー浮いてきた球を打とうと思っていて、そこに浮いてきてくれたので、そこに上から被せて行きました。
集中打が出たが何かあったのか
ー前半は全く打てずに投手がが苦しい状況だったので、何としてでもこのワンチャンスを逃さずに取り切ろうという気持ちがあのようなビッグイニングに繋がったと思います。
打てない回が続いた中で打てた要因は
ーチームの中では割り切っていこうと話していたので、割り切った結果があのような結果になったと思います。
新監督になって初戦でしたが、気持ちの面は
ーいつもと違う新鮮な感じがあって、なんとしてでも監督の初めての試合を絶対に勝とうという気持ちと、チームとしても一節の初戦を絶対に取ろうという気持ちがあのような結果に繋がりました。
エラーがありながらも好守が目立った
ー守備は初回にミスをしてしまってチームに迷惑をかけていたので、なんとしてでもバッティングで取り返そうという気持ちがありました。
今秋からショートに戻ったが
ー見ての通りまだまだなので、ここから上手くなっていかないといけないので、今は試合に出てる以上は何としてでもアウトにしないといけない気持ちで頑張っています。
明日に向けて継続点や課題点は
ー終盤に点を取れて、チーム的にもいい状態で来れているので、明日は初回からどんどん波に乗って行きたいと思います。
秋季リーグの目標は
ー個人ではなくてまずチームとして勝ち点を多く取ることが目標です。
【取材 森本真子、川瀬正浩】