京産大アスレチック

学内スポーツ紙「京産大アスレチック」を製作・発行する、京都産業大学体育会本部編集局の公式BLOGです。

サッカー部

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【サッカー部】インカレ直前!決戦前を控えたチームの声

京産大にとって2年ぶりの出場となるインカレが明日スタート。金曜日の練習終了後にチームに直撃インタビュー!対戦2日前という生の声をお聞きしました。
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吉川監督
―インカレを目前にして
やっぱり注目はされている。京産良いサッカーするだろうと色んな方から、期待値は、ひしひしと感じる。でも、実際ゲームを見ているかって聞かれるとそうではないと思う。披露できる場が4試合、まずは1試合目。最大4試合あるので本当に楽しみでしかない。自信を持っていける。色んなプレッシャーを感じながら後期リーグやってきた。選手もチームも苦しみながら、勝ち点拾いながらやってきた。思う存分披露できる場で自分たちの力を示せれば、1個1個、勝って行ける、そんな自信がある。後は、選手とチーム信じて、やってきたことを披露、表現してくださいという感じ。なので、今日の紅白戦は、何やってんの、もっとやろうよって感じ。2日前にそういうのがあってよかったかな。インカレは楽しみやし、思う存分暴れてくださいって感じ。楽しみです。
―初戦の東洋大は関東6位、どんな気持ちで向かっていきますか
やってきたことですね。アグレッシブにゴールに向かう、アグレッシブにボールを奪いに行くとか、そういうことをやり続ける90分、120分にしたいと思う。初戦の立ち上がりは、すごく重要で慎重に大事に使っていかないといけない15分になると思う。ただ、置きにいくゲームじゃなくて、自分たちから仕掛けに行く、アグレッシブなサッカーを展開したい。それを表現させられるかがすごく重要だと思うのでやってきたこと、積み重ねてきたこと、この二週間、三週間なにか新たなことよりも今まで通りのことをやってきた。今まで通りやってきたことを思う存分、表現してほしいなと思います。

主将・食野壮磨選手
ー今の気持ちは
やっと始まるなという感じです。
ーインカレの対戦相手は東洋大学で、新井悠太選手と(東京)ヴェルディ対決になるが
彼は戦力としてJリーグの試合に出ていたり、最後のプレーオフの方にも出ていて、新井の方が今の自分よりも戦力として見られていると思いますし、ヴェルディのサポーターからも認知されていると思うので、そこで試合に勝つ事で、そこの見方を上回る事ができると思うので、何としても勝ちたいと思います。
ー今のチームの状態は
今日と昨日で紅白戦をしたのですが、少しゆるい所もあったのですが、そこを引きずるのではなく、明日のトレーニングでもう一回引き締めて良い状態で行ければと思います。
ーインカレに向けて
色々な人達の期待とか注目というのは2年前よりも全然高いものがあると思うので、期待に応える事とかを絶対出来るチームだと思いますし、日本一になれるチームなので、必ず日本一になれるように、自分達の力を信じて、仲間の力を信じて、頑張りたいと思います。

副将・川上陽星選手
サッカー人生最後なので頑張りたいです。

副将・佐藤幸生選手
集大成として、有終の美で終われるように頑張りたいです。

西矢慎平選手
もう一個今年タイトルを獲って、チームの新しい歴史を作れるように全員で頑張っていきたいと思います。

中野歩選手
2勝すればもう一回このグラウンドで練習出来るので、戻って来れるように頑張ります。

福井和樹選手
みんなでやるしかないので、4回生は最後のインカレなので悔いのないように日本一目指して頑張りたいと思います。

西村翔選手
いつも通り頑張っていきます。

夏川大和選手
2年前出場機会がなくて悔しい思いをしたので、チームも2回戦敗退だったので、今年こそは初戦を勝って日本一を目指したいと思います。

山本透衣選手
とりあえず1試合目を勝って2年前の記録を塗り替えてから、最後みんなで優勝して笑って終われるように頑張りたいと思います。

稲垣空斗選手
今年は優勝出来るチームだと思っているので、僕は(西矢)慎平の活躍に期待して、「慎平頑張れ!」って感じです。

三澤駿介学生コーチ
良い準備は出来ているので全員で笑って終われるように全力を尽くしたいと思います。

豊永拓弥選手(主務)
今年1年いろいろなことを乗り越えてきたからこそ優勝できる自信があるし、これまで携わってくれた方々やこれからの京産大サッカー部のためにも全国優勝します!

岡本壮吾学生トレーナー
僕は学生トレーナーでやれる事は限られているのですが、出来ることを全てやってチームの目標に貢献出来るように頑張りたいです。

坂口綾梨MG、田中未侑MG
チームが優勝出来るように全力でサポートします。

掛見直央選手
僕は副務として、向こう行ってからも対応していかないといけない事があると思いますが、みんなに100%以上の力を出してもらう為に、僕も出来ることを100%を出せるように、みんなで日本一を獲って終わりたいなと思います。

中村青選手
直接関わる事は出来なかったのですが、全力で応援して4回生に頑張ってもらいたいです。

石原央羅選手
日本一目指して全力で頑張ります。

楠瀬海選手
ベンチスタートだと思うのですが、ベンチをまず温めて、ベンチからベンチワークをして、ベンチでまず試合を勝てるように。そしてベンチがやってスタメンもしっかりやり切る。そしてチームとして頑張ります。

林憲太郎選手
全員で日本一獲れるように頑張りたいです。僕が出る出ない関係なしに、チームの為に働きたいと思います。

城水晃太選手
クリスマスイブに優勝出来るように頑張ります。

梅原樹選手
4回生と1試合でも多く戦えるように頑張ります。

中田樹音
1年生の時もインカレを経験をして、関東の強敵の筑波大学を倒すことが出来ず、関東との差を感じていたので、この2年でどれだけ縮めれたかを自分達で試す良い機会なので、しっかり勝ってみんなで優勝して、最後4回生と笑って終われるように頑張りたいです。

横窪皇太選手
このチームで戦うことが出来るのももう数える程しかないので、最後の24日まで行って、この1年間支えてくれた4回生にしっかり恩返ししたいです。

大串昇平選手
最後に笑って終われるように頑張ります。

新川翔太選手
今年1年間やってきた事が、日本一達成というところに繋がる自信は各自あると思うので、全力で出し切って頑張って下さい。

菅野翔斗選手
ー最終戦の涙の理由は
嬉しいだけではないのですが、ホッとしたという気持ちが大きいです。後期は中々自分が出れなくて悔しくて、(中田)樹音が復帰して活躍した事もありますが、それより優勝出来て良かったです。
ーチームの期待に応える自信は
あります。
ーコンディションは
怪我から復帰した感じはないです。いつもの怪我明けとは違う感じで、リハビリもインカレを目標にして実践的な動きでやっていたので、入っても違和感がなかったです。
ーインカレに向けて
4回生とするのが最後なので、ここまで繋いでもらったので、自分が少しでも活躍して、1日でも引退を伸ばせるように頑張ります。

前原慶維選手
どんな形でもチームに貢献出来るように頑張りたいです。

徳若碧都選手
僕はメンバーから外れたのですが、(インカレは)今年みんなが目標にしていた大会なので、メンバー外れましたが同じチームだと思っているので、みんなで頑張って勝利を掴みたいと思います。

長谷川裟恭選手
帯同出来るので、試合に関われるように、関われれば結果出したいなと思います。

末谷誓梧選手
神山魂!!

伊藤翼選手
4回生ともっと長くサッカー出来るように優勝したいと思います。

妹尾颯斗選手
良い準備をし続けて、出た時には点を取りたいです。

滝口晴斗選手
試合にちょっとでも出させてもらったら勝利に貢献できるように全力で戦い抜きたいなと思います。

中原碧琉選手
自分はこの大会はB,Cの4回生は引退してしまったので、その人たちの思いも背負って戦いたいと思います。

田代紘選手
チームの全国優勝に貢献出来るように、ベンチでもベンチ外でも貢献出来るように頑張りたいです。

小野成夢選手
チームの目標である日本一に向けて自分に出来ることを全力でやって、チームの勝利に貢献したいと思います。

原田輝選手
この1年間、シーズンの最初から関西制覇と日本一という目標を掲げて、4回生を中心に引っ張ってくれたので、その4回生はインカレが最後なので、最初の目標である日本一というものを達成する為に、自分はピッチに立って貢献する事は出来ないのですが、しっかり応援という立場からしっかりその目標に貢献出来るように頑張りたいです。

岡部草太学生コーチ
全国制覇という目標を達成できるように、僕は応援という形で選手をサポートしていきたいと思います。
(取材 福田明音)

「📸ゴール裏から 番外編」
金曜日というインカレ前々日。練習が終わったころに神山球技場に向かうと、リーグ期間中の時と同じような雰囲気が流れていました。「いつも通り」、リラックスしながら、グランド上では自主練に励む選手と、コンディションを整える選手、グラウンドを出るとちょっとおふざけ気味な選手も。これまでの積み上げに自信があるからこそ、この空気が流れているのかなと感じるサッカー担当でした。
同い年の選手たちと初めて顔を合わせてから2年半。さっきまで賑やかだった取材部屋を片付けながら「みんな活躍してほしいな」と思った夕暮れ。その通りに全員が活躍し、1人も欠けることなく、さらには心強いファイターも加わってこの舞台まで昇りつめたこと、全員を心から尊敬します。
私にとっても最後の取材、ドキドキとワクワクが混ざりながら新幹線でこれを執筆中。どうか、彼らの努力が報われますように。よし、頑張るぞー!
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【サッカー部】インカレ直前!期待のルーキーに直撃取材!

半世紀以上の時を経て、遂に掴み取った栄光の瞬間から約1ヶ月。2年ぶりの全日本大学選手権の初戦を控える京産大の注目ルーキー2人に迫り、今季の総括、目標、インカレへの意気込み等、語っていただきました!

ハードワークを生かし全国の舞台へ!「1試合ずつ勝って、今まで通り」
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(伊藤翼=MF リーグ戦21試合1ゴール2アシスト)

伊藤翼選手
ーリーグ優勝の瞬間を改めて振りかえって
優勝の瞬間を振り返って。ずっと今年の目標だった関西制覇っていうところを達成できたことが、1番嬉しかったですし、その中で、自分が試合に出て、チームに少しでも貢献できたっていうところもよかったのかなと思います。
ー第3節からスタメンを張り続けたことについて
1節目と2節目はスタメンじゃなくって、この大学来たときにちょっと高校のときとの違いはあって、強度の部分とか。だから1節目、2節目とか試合出れてなかったと思うし、でもずっと試合出させてもらう中で、強度とか自分の強さのタフさっていうのは、ずっと出続ける中で成長できたのかなと思います。
ー入学当初の目標
ここまでスタメンっていうか、壮磨くんとか、陽星くんという存在があったから、 スタメンを奪う気持ちでもちろんやってたけど。壮磨くん、陽星くんの控え、まずベンチにずっと入り続けようとは思ってました。
ーリーグ戦で通用したと感じた部分
ハードワークっていうところで、ボールを奪いに行くところだったり、球際で負けないっていうところは、結構通用したのかなとは思います。
ー逆に通用しなかったと感じた部分
それは結果のところで、壮磨くんとか和樹くんみたいに、ゴールを決めたり、アシストして、チームを勝たすっていうところ、結果を残すっていうところが、自分はまだまだなのかなって思います。
ーボランチながらも数字へのこだわりは
プロ行くには、そこが1番見られるところやと思うんで、今、インカレでもそうですけど、来年からも、そこはこだわってやらないといけないなと思います。
ーその中でも、後期第2節の劇的な決勝弾を振り返って
後期で同点に追いつかれて、前期の試合だったら、あのまま引き分けに終わってしまってっていうのが結構あったけど、後期 に入って、自分のゴールで逆転して、チームを勝たせられたっていうのは、すごい自分の自信にもなりました。
ーアシストに関して
アシストの方がなんか難しいっていうか、パス、ラストパスとかの方が、自分はボランチだから、こっちの方が大切やと思うけど、そこが本当に自分は全然足りてないかなって思いますね。
ーもっとアシスト数を伸ばすために
壮磨くんみたいに、常に前を選び続けるっていうことで、 ボール持って簡単に後ろに下げるんじゃなくて、前向いて出せる状態でいつづけるってことですかね。
ー印象的な試合
やっぱり最後、最後かな、最終節。前半あれだけ押し込まれてて、先制されて、前半は個人としてもチームとしてもダメだったけど、ハーフタイムに監督からも、このままじゃあかんっていうのも言われたし、これで優勝できるのかっていうのもあって。そこから後半の45分で、あの関学に逆転して優勝したっていうのは、インカレに向けてもすごい良い勢いになれたのかなと思います。
ー最終節、ハーフタイム時のメンタル面
大丈夫ではないけど、みんな、個々で負けてたっていうのが多かったから、そこは絶対負けないようにっていうのはあって。 後半、大和くんのとこもそうやけど、そこが修正できたのがよかったのかなって思います。
ーインカレに向けて
トーナメントなんで、1点の重み、大きさが、ほんまに勝敗に繋がってくると思うから、立ち上がりの立ち上がりで、失点したら、ほんまに苦しい展開になるやろうし、逆に立ち上がりで、すぐに入れれたら、自分たちの思うようなサッカーができると思います。この立ち上がりっていうところが本当に重要になってくるのかなと思います。目標は日本一ですけど、1試合ずつ勝って、今まで通りやって勝っていったら、その先に優勝っていうのが待ってると思います。


常に準備は怠らない「勝たせられる選手に」
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(小野成夢=DF リーグ戦4試合2ゴール)

小野成夢選手
ー入学当初の目標
まず1年目から、Aチームに入りたいっていうのはあって、ここで、まずAチームに、入れてもらえたこと、まずAチームに絡むっていう目標は、正直、今年、いろんなアクシデントとかで、出させてもらう機会がいっぱいあって短い目標は達成できたんですけど、今は、その試合に出て、勝たせるとか、そのチームに貢献するっていうのが、8試合くらい出たけど、負けてるときの方が多くて、勝たせるとか、勝った試合っていういうのが、少ないっていうのが、今の現状で、勝たせられる選手になるっていうのが今の目標です。
ーベンチでの試合中の準備の仕方
前期の中で声出せるのもそうやし、ベンチ居る中で、 いい方向性を持っていくための声かけだったり、自分が試合に入ってるときのをイメージしたりします。アクシデントとか、センターバックなので、最後の試合の締めで入ったり、もし誰かが、脚攣ったりするかもっていうのは意識していて、試合の流れを早く掴むために、試合中も、体動かしながら、ずっと見るっていうのは、意識してました。
ーリーグ戦で通用したと感じた部分
完全に100パーセント勝ててたわけじゃないけど、もっとトレーニングとかすれば、ヘディングとか、体の当て合いとか、ビルドアップとか、その3つは、あと1段階とか、1回り、2回りもっとこだわって成長できたら、学生リーグでも全然通用するなと感じました。
ー力の差を感じた部分
プレースピードとかはもっと上げないといけない。やっぱり練習とかでも、ゲーム出てる人と出てない人で違いとか、テンポの違いとかは、差を感じることはある。自分が何試合か出て、やっぱり守備の時のスライドのスピード感とか、ビルドアップのときのボールを回すスピード感っていうのは、自分のところでテンポを詰まらせて感じはあったし、スライド遅れてるとか、ラインの上げ下げバラバラになってるとか、そういうのがあったから、もっと基準を上げていかないといけないと思う。
ーCBとして意識していること
個人としてだったら、もう単純に負けないっていうところ。そこは、できてるわけじゃないけど、自分の持ち場をまずやられないっていうのはあって。チームだったら、1番意識してるのは、スライドとか上下のラインを揃えるっていうところ。学生リーグとかでも、自分だけ下がってたり、逆に自分だけちょっと上がってて自分の背後が使われたり、そういうとこはもっと大事にしていかないといけない。
ービルドアップにおいて意識すること
空いてるとこ探すとか、個人で話すとか、FWから探していったりということで、フォワードの背後とか、1番前に入れて送るっていうのは意識してます。
ー印象的な試合
後期第7節の大体大戦。その前の試合、びわスポ大に負けてて、次の試合自分が出るってなって、やっぱり勝ちたいっていう気持ちもあったし、優勝するためには、ここは落とせないっていうのがあったけど、結果2-3で、3点目が、自分のクリアミスから失点して、この大一番というか、優勝するために勝たないといけない試合で、ミスで負けてしまって。そういうミスをしたっていうのが印象にも残ってるし、勝ちたい気持ちがあった分、悔しさが大きくて、自分のミスで負けた分、結構印象に残ってるかな。
ーチーム内でお手本にしている選手
翔くん。同じポジションっていのも1番大きいけど、一緒に練習とかする中で、ラインのコントロールとか、声かけとか練習のときからすごいし、自分が全くできてないことをできてるから、見習うものがいっぱいある。
ーインカレに向けて
残り数日しかないけど、しっかりメンバーに入るっていうこと。もし、メンバーから外れたなら、チームが、日本一獲るためのサポートを全力ですることが、役目だと思うし、メンバーに入れたら、与えられた中で、100%でやりたいと思います。


【取材者:細井雅貴】

【サッカー部】50年待ち望んだ瞬間。昨年王者を下し、京産大初関西制覇!!

第101回 関西学生サッカーリーグ(後期)
第11節 関学大戦(2023年11月12日)

ついに今季リーグ最終戦。最後の最後まで優勝が決まらない関西1部、京産大と関西大に優勝候補が絞られる中、京産大が2連覇の王者・関学大を破り初優勝の栄冠を掴み取った。
表紙


【スターティングメンバー】
1 GK 山本 透衣(4年=コンサドーレ札幌U18・FC大阪内定)
16 DF 大串 昇平(3年=ガンバ大阪ユース)
5 DF 横窪 皇太(3年=金光大阪高)
4 DF 西村 翔(4年=ガンバ大阪ユース)
2 DF 西矢 慎平(4年=神戸弘陵学園高・カターレ富山内定)
6 MF 川上 陽星(4年=作陽高)
32 MF 伊藤 翼(1年=セレッソ大阪U18)
7 MF 福井 和樹(4年=ガンバ大阪ユース・SC相模原内定)
10 MF 食野 壮磨(4年=ガンバ大阪ユース・東京ヴェルディ内定)
11 MF 夏川 大和(4年=草津東高)
13 FW 中田 樹音(3年=岡山学芸館高)

【サブメンバー】
12 GK 林 憲太朗(3年=滝川第二高)
3 DF 佐藤 幸生(4年=サンフレッチェ広島ユース)
25 DF 楠瀬 海(3年=高知高)
33 DF 小野成夢(1年=愛媛FC U-18)
15 MF 石原 央羅(3年=サガン鳥栖U-18)
28 MF 滝口 晴斗(1年=サンフレッチェ広島ユース)
29 MF 末谷 誓梧(1年=セレッソ大阪U-18)
14 MF 城水晃太(3年=サンフレッチェ広島ユース)
8 FW 中野 歩(4年=ガンバ大阪ユース)

【交代】
後半36分
中野歩中田樹音
城水晃太食野壮磨
後半42分
滝口晴斗大串昇平
後半ロスタイム
石原央羅夏川大和

【スコア】
前半 0-1
後半 2-0
結果 2-1

【試合内容】
残り30秒、掴みかけた優勝トロフィーが手から溢れ落ちた。前節の関西大戦、勝てば優勝が決まる大一番を迎えた京産大。前半29分、CKの混戦から西村が得点をもぎ取り、1-0で試合を折り返した。後半は終始相手の猛攻を受け続ける時間が続く中、隙を1ミリも見せず守備陣を中心に跳ね返し続ける。しかし、後半ロスタイム。時計は目安の5分頃、浮き玉をゴール前に送られるとGKと逆方向に撃ち込まれて失点。1-1に追いつかれ試合終了を迎えた。優勝が途絶えた訳ではないが、あと僅かに迫った優勝がまた少し遠ざかり、チームは悔しさに包まれていた。泣いても笑っても次節で全てが決まる。相手は去年、一昨年王者の関学大。直近4年間の1部所属チームで唯一白星を挙げていない相手だ。初優勝をするために1つ1つパズルのピースを埋めるように勝利を重ねてきた今季、最後のラストピースを埋めるべく最終戦を迎えた。
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舞台は舞洲。海が近く時折風が吹き、冷たい雨が降るコンディション。気候とは裏腹に熱くアップを行うチーム、今節はゴール裏に用意された応援席からもチャントが飛び交う。これから戦う90分で最高のパフォーマンスを発揮するために真剣に準備を重ねる。
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アップを終え、スタメン11名がユニフォームに着替えてピッチに再び現れる。「顔つきも変化してきた」と古井総監督。前期最終節から一度も順位を落とすことなく首位に居続けた京産大。ピッチに向かう表情は凛々しく、自信に溢れる戦士の目つき。ここまでの数字や成績が自信となり、漂う風格に結びついている。
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今季最後のリーグ戦、関西での試合。スタメンはGK山本、DF大串・横窪・西村・西矢、MF川上・伊藤・福井・食野・夏川、FW中田と今季多くの試合でスタメン出場をしてきた経験豊富なメンバーが並んだ。その中でも4年次生がスタメンに7名、ベンチにも2名名前を連ねた。「この先の京産大に残るものを創り出す」と意識しピッチ内外でチームを牽引し続けた4年次生。31年ぶりインカレ出場の歓喜、コロナでサッカーができない苦しさ。喜び、悔しさ、様々な感情を味わい続けた。ここまで78試合、この関西リーグで成長を続けてきた4年間。まずは関西の集大成を見せるべく試合に挑む。
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試合開始直前。いつの間にか、雨も止んだ。会場には学生リーグ所属大学や両チームを応援する方々や家族が応援に駆けつけ、いつもよりも多い視線がピッチに降り注ぐ。優勝するのは京産大か、関西大か。101回大会の結末を決める試合がキックオフ。慎重な立ち上がり、常にボールを保持できなくとも冷静に得点機を伺う。しかし、前を向き仕掛けようとしても相手の中盤に刈り取られ、福井・夏川の両サイドからの仕掛けが思うように通用しない場面が多々見られた。難しい状況でピッチを指揮するのは食野。ひとつのパスで相手の守備を突破し攻撃の形を描く。関西1部の選手たちからもどよめきが起こる。食野を中心に右サイドの大串・福井のガンバトリオが阿吽の呼吸で守備を掻き回す。3人で細かく繋ぐと最後は福井がシュートまで持ち込む。枠は捉えられなくても相手に通用する1つの形を作り出す。
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前半も残り時間が少なくなってきた。一進一退の攻防が続き、スコアレスで折り返すと思われたが、速いカウンターを受ける。左から右へと大きく揺さぶられると最後はGKと逆方向に仕留められ失点。前半終盤、痛恨の失点。今季、先制点を許した試合で勝利を挙げることができたのは1試合のみ。「先制点が大事になる」と川上も話していたように、京産大の勝利の方程式は先制点を奪うこと。しかし、新たな王者になるには新たな方程式が必要。1-0をひっくり返すために残りの45分を迎えた。
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後半の立ち上がりはリズミカルに攻撃を組み立て、相手ゴールに襲いかかる。まずは1点を追いつき試合を振り出しに戻す。起死回生の同点弾を生んだのは、やはり10番だった。相手がクリアしたボールは主将の前に転がった。ここぞという時、チームに勢いをもたらす得点を決め続けてきた食野。自他共に認める努力家の右足で振り抜くとゴールネットに突き刺さった。後半の立ち上がりに追いつく、値千金の同点弾。真っ先にベンチに向かいハグを交わす。京産大の優勝条件は引き分け以上。追いついたことにより、優勝が近づいた。しかし、目指すは白星のみ。勝利を掴むための追加点を奪うために切り替えて、残りの時間に挑む。
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後半は守備陣の活躍が目立った。CBの西村、横窪が身体を張って空中戦を制し、相手のクロスボールを対処しシュートを打たせない。最後尾に立つ山本は好セーブを連発。「少しのミスで失点してしまうのが悔しい」と今季クリーンシートに抑えたのは5試合。悔しさを抱えながら、もがいて鍛錬を重ねてきた守護神がこれまでの悔しさを晴らすように、鮮やかなセーブで会場を魅了する。パンチング、キャッチ、長い腕を存分に伸ばしてセーブ。観客席から感嘆の声が山本に降り注ぐ。「自分が失点しなかったらこのチームは勝てる」(山本)。これ以上の失点は俺が許さない、あとは前線の選手に勝利を託すと言わんばかりのプレーを披露。ピッチ内に好プレーの波は伝染する。守備陣が好プレーを見せると、次は攻撃陣へ。それぞれの立場から勝利を掴むためのプレーを選択し相手を揺さぶり続ける。
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後半36分に食野と中田を代えて城水と中野が投入された。前線にフレッシュな選手を入れ、活性化させる。キャプテンマークを引き継いだのは川上。誰よりも勝利へ熱い思いを持つ主将の想いはピッチに残ったまま。「全員で優勝を」時間も残り少なくなってきた。後半43分、劇的な瞬間が訪れる。

左サイドの夏川が送ったクロスボール、一瞬の静寂の後に聞こえてきたのは歓喜の声。クロスボールがオウンゴールを誘発し、試合終盤の劇的な逆転ゴールを生んだ。もみくちゃになり喜びを爆発させるチーム。大きな大きな追加点、あとは守り抜くだけ。前節の悔しい引き分けを経験したチームに隙はない。リーグ終盤で身体もボロボロの状況で気持ちを全面に出してゴールを守り続ける11人。ロスタイムも目安の時間を過ぎる頃、ベンチでは祈るように試合を見つめる食野の姿があった。相手のクロスボールがゴールラインを割った。運命の時が近づく。ボールをセットし数歩後ろに下がる。助走をつけて山本が大きくボールを蹴った瞬間、長く待ち侘びた笛が鳴った。2-1、京産大の創部初優勝を告げる笛がピッチに大きく響き渡った。
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優勝が決まった瞬間、チームの目は涙で光っていた。スタッフ陣も一緒になり、喜びを噛み締める中、食野は立ち上がることができず腕で目を覆っていた。吉川監督に起こされたその目には涙。優勝するために京産大に入学してきたと東京V内定会見で古井総監督が話した通り、1年次生から試合に出続け主力として、京産大の看板選手として戦ってきた4年間。「入学してほんまに色々苦しいこととかきついことが多かった中で4年目の最後で優勝っていう最高な結果」。初めて見せた涙に思いがこもっていた。
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直後には閉会式が開催され、賞状、盾、トロフィーを主将陣が受け取った。その後に続いて最優秀監督賞が発表。吉川監督の名前が呼ばれると誇らしげに拍手がチームから送られる。京産大を卒業後はカターレ富山などでプレーし、育成年代のコーチも務めた経験豊富な吉川監督。昨年度、京産大に12年ぶりにコーチとして帰ってくると、今季から監督に就任。開幕前に話したことは「京産大のエンブレムに価値を持たせたい」ということだった。強豪校のエンブレムを見れば「〇〇大のサッカー部」と分かるように、京産大のサッカー部のエンブレムを多くの人に知ってもらう。そして、在籍した部員、卒業した部員がサッカー部に誇りを持てるようにと躍進し続けた結果、就任1年目でリーグ優勝という偉業を成し遂げた。試合終了直後、古井総監督と吉川監督が抱き合っていた。在学当時は監督と選手の関係性だったが、今は2人ともチームの舵取りをする立場。しかし、目に涙を溜めて抱き合う姿は教え子と監督の姿に見えた。選手だけでなく、コーチ陣にとっても悲願の優勝だった。
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表彰式を終え、トロフィーらを手に抱えて主将陣が戻ってくるとトロフィーリフトが行われた。食野、佐藤、古井総監督が掲げる中、石原が掲げると恒例(?)の周囲は無反応をみせ爆笑する一面も。その後に選手らは続々とコーチ陣の元へ駆け寄ると胴上げ。古井総監督と吉川監督、時久コーチが歓喜のウォーターシャワーと共に3回宙に舞った。
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チームは続々と最高です!とコメントを残した。ここまでたどり着くために無駄だったものはひとつもない。京都選手権、関西選手権の敗戦、歓喜の7連勝、残りワンプレーの悲劇。全てはこの日を迎えるために必要だった試練。流した涙は地面に染み込むだけでなく、自身を再び奮い立たせるパワーになっていた。とっぷり夜に染まった舞洲の空にカンピオーネの歌声が響く。新たに手にした関西1位の称号と共に京都へと戻る。さあ行こうぜどこまでも 走り出せ 走り出せ 輝く俺たちの誇り京産。次に目指すは日本一、信頼する仲間たちと共にその瞬間が来るまで足を止めない。【福田明音】
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「📸ゴール裏から 番外編」
初めて京産大のサッカーを見たのは2020年10月18日の関学大戦。初めて取材をしたのは食野選手。優勝を決める大一番、関学大と対戦し食野選手が復活の同点弾を決めて初優勝に輝く。巡り合わせを感じる1日でした。振り返れば、リーグ59試合を取材。毎週末試合に足を運んで、平日は写真整理と執筆に追われる。「もっと遊んだらいいのに」と言われることもありましたが、何よりも彼らの軌跡を記録することが楽しかった。シーズン中はパソコンとにらめっこする日々が幸せで、いつかを夢見てがむしゃらに活動してきました。悔しくて涙が溢れた試合も、嬉しくて帰り道スキップしちゃうような試合も、全てはこの日のためだと心底感じる1日でした。2023年11月12日、日本で1番幸せな学生記者だったんじゃないかなと思います。2023年12月24日、もう一度トロフィーを掲げるその時まで、担当記者を務めさせてください。初優勝、おめでとうございます!(福田明音)

【試合後のコメント】
主将 食野壮磨選手
最高です。ラストワンプレーぐらいから急に涙が込み上げてきて、グッときた感じ。入学してほんまに色々苦しいこととかきついことが多かった中で4年目の最後で優勝っていう最高な結果
副将 川上陽星選手
みんなの力で勝てて嬉しいです。プレッシャーもあったんですけど、それに打ち勝てる実力が僕たちにはあったので、それをこのピッチで体現できたことが優勝に繋がったかと思う。取り組みが実った優勝かな。
副将 佐藤幸生選手
最高ですね。とりあえず願うことしかできなかった。途中で出ないってなってからは願うことしかできなかったので、ずっと願ってました。ここまで結果出たのも1月から始まったきつい練習とかがあったおかげやし、きつい時もみんなでポジティブにやれたっていうのがいちばんの要因やと思う。サッカーが上手いとか下手とかじゃなくて、ポジティブにどんなきつい練習も取り組めたっていうのが優勝に繋がったかなって思います。

【サッカー部】一心不乱に戦った頂上決戦はドロー決着に

第101回 関西学生サッカーリーグ(後期)
第10節 関西大戦(2023年11月5日)

勝てば優勝が決まる大一番。首位・京産大、2位・関西大の頂上決戦、前半に西村の得点で先制に成功するも、後半ロスタイムに失点。前期と同じく悔しさの残るドローで優勝決定は最終節に持ち込まれた。
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【スターティングメンバー】
1 GK 山本 透衣(4年=コンサドーレ札幌U18)
16 DF 大串 昇平(3年=ガンバ大阪ユース)
5 DF 横窪 皇太(3年=金光大阪高)
4 DF 西村 翔(4年=ガンバ大阪ユース)
2 DF 西矢 慎平(4年=神戸弘陵学園高・カターレ富山内定)
6 MF 川上 陽星(4年=作陽高)
32 MF 伊藤 翼(1年=セレッソ大阪U18)
7 MF 福井 和樹(4年=ガンバ大阪ユース・SC相模原内定)
10 MF 食野 壮磨(4年=ガンバ大阪ユース・東京ヴェルディ内定)
11 MF 夏川 大和(4年=草津東高)
13 FW 中田 樹音(3年=岡山学芸館高)

【サブメンバー】
12 GK 林 憲太朗(3年=滝川第二高)
3 DF 佐藤 幸生(4年=サンフレッチェ広島ユース)
25 DF 楠瀬 海(3年=高知高)
15 MF 石原 央羅(3年=サガン鳥栖U-18)
18 MF 掛見 直央(3年=東山高)
28 MF 滝口 晴斗(1年=サンフレッチェ広島ユース)
29 MF 末谷 誓梧(1年=セレッソ大阪U-18)
8 FW 中野 歩(4年=ガンバ大阪ユース)
49 FW 新川翔太(3年=長崎創成館高)

【交代】
後半31分
中野歩中田樹音
後半35分
佐藤幸生食野壮磨
後半45分
楠瀬海夏川大和

【スコア】
前半 1-0
後半 0-1
結果 1-1

【試合内容】
いよいよ、この舞台まで上り詰めた。勝てば優勝が決まる天王山、誰一人として経験したことのない大一番だ。前節同志社大に勝利し、優勝遠のく連敗から復活の連勝を果たした京産大。プレッシャーのかかる試合の前でもやることは変わらない。「90分間を全力で戦い抜く」。試合前の吉川監督、主将の食野から言葉が聞こえて来る。勝利後の栄光を描くのではなく、まずは90分で勝利することを意識して京都から遠く離れた熊取、大阪体育大学に乗り込んだ。
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アップ中に漂う雰囲気は大一番を前にしても変わらなかった。リラックスしながらも、スイッチが入ると真剣な眼差しに変化。良い緊張感で身体を温めていると、Bチームの4年次生、中野領太(4年=京産大付属高)、舞田翼(4年=京産大付属高)の姿が。BCチームもバスに乗って応援に駆け付けた。2人の姿を見つけると、嬉しそうな笑顔を浮かべ、グーのポーズでタッチを交わすAチームの4年次生たち。同期からのエールを受け、試合開始を迎えた。
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スタメンは前節と固定のメンバー「常に最善のメンバーを」と話していた吉川監督。攻守ともに多くの試合で経験を積み、実力を備えた面々が並んだ。集合写真撮影時、恒例の西矢の掛け声。「さぁ今日も“全員”で勝ちましょう!54321!」。ピッチに立つ者だけではなく、スタッフ、応援も含めて“全員”で勝つ。熱い思いを胸に円陣を組み、京産大のキックで試合が始まった。
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立ち上がりの失点が課題となっている京産大。連敗を喫した試合では立ち上がりに先制を許し、そのまま敗戦に終わった。敗戦からも学びを得て、成長してきた彼らに1ミリの隙も無かった。空中戦はCBの横窪と西村が対応し、クロスボールを上げられるかギリギリの攻防は両SBの西矢と大串が対応。シュートを打ち込まれても山本が立ちはだかり、キャッチとパンチで跳ね返し続ける。
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一方で相手の守備陣を崩せずに苦しむ時間が続いた。現在リーグ最少失点の関西大、CBの髙橋、木邨のツインタワーに攻撃を刈り取られシュートまで展開できない。京産大の応援からも「4番(髙橋・関西大)うまいなぁ!」と声がかけられるほどだった。京産大の4番と関西大の4番は互いに4年次生、そしてガンバ大阪ユース出身。互いの意地がぶつかり合い、激しい攻防が繰り広げられる。

両者の固い守備、先に崩したのは京産大だった。前半29分に獲得したCK、左サイドのボールを西村が頭で押し込むもブロック、セカンドをPA右から西矢が打ち込むもセーブされる。チャンスを逃さず、諦めなかった京産大、最後はゴール前の混戦から西村が決めた。右人差し指を天高く掲げ、向かった先はベンチ。全員が集まり喜びを爆発させる。西村は今季2得点目、前期第4節の阪南大戦以来の得点。前回同様にCKから大きな仕事をこなしてみせた。両足にはテーピングが広範囲に巻かれている。リーグ戦も終盤、「あと数試合は何とか」と身体もボロボロの中、身体を張り続ける京産大のDFリーダーが大きく試合を動かした。
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前半の良い時間帯に先制することに成功した京産大。先制後も高い強度で相手の守備を跳ね返し続け、攻撃時には食野がピッチをコントロールし、追加点を奪いにかかる。全員が今まで以上の集中力を元に、今季最高のパフォーマンスを発揮し続け1-0の1点リードで試合を折り返した。

いつものように円陣を組み、互いにハイタッチしてから迎えた後半。耐えて、耐えて、耐えしのぐ45分になった。立ち上がりから連続でCKを3本与え、ポストにシュートが直撃する、肝を冷やして後半が始まった。終始、関西大ペース、クリアをしてもセカンドを拾われ攻撃につなげられる。そして、一度CKを与えると連続でCKやFKになり、セットプレーを受け続ける展開。一瞬の油断が失点につながる、緊迫した空気が流れる中、ピッチから聞こえて来るのは「全員でやるぞ!」という言葉だった。ポジション関係なく、まずはボールマンに着いて簡単にゴールに近づけない。クロスが上がると、前に大きいクリアでゴールから遠ざける。ギリギリの状況で相手の猛攻を防ぎ続け時間が過ぎていく。攻撃の時間はほぼ無く、ワンサイドゲームの形で試合は進む。
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何とか耐え続け、残り時間も短くなってきた中、35分にCBの佐藤を投入。前節同様に5バックで守備を固めると、45分にはMFの夏川を下げて、SBの楠瀬を投入。6枚のDFを配置し、今季初めて守備陣で守りを固める布陣となった。守備陣を固めながらも、山本が好セーブを連発。42分に山本と1対1という危機的状況を伸ばした左手でシュートの勢いを弱めると、覆いかぶさるようにしっかりとキャッチ。互いに声をかけ続け、油断は1ミリも無かった。その瞬間までは。
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表示されたロスタイムは5分。このときスコアは1-0でリードを保っていた。すなわち、優勝まであと5分。最後までFKとCKでセットプレーを与えるものの、しっかり守り抜き、王者へのカウントダウンが始まっていた。しかし、最後のワンプレー。守備が手薄になっているタイミングで浮き球をゴール前に送られると、GKと逆方向に打ち込まれた。1-1。倒れ込む山本、この時手元の時計では目安となる5分を指す頃。あとわずかに守り抜くことができなかった。試合再開後、長い笛が鳴りピッチに倒れ込む両チーム。まさに死闘、激闘の90分の結末は勝ち点1を分け合う結果に終わった。
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守れなった悔しさを吐き出すように、叫んだ横窪。立ち上がれない山本、西村。楠瀬に背中を支えられる西矢。限りなく負けに近い引き分けに終わったかのように、無念に包まれるチーム。わずかに届いた関西王者の栄冠はまた少し遠ざかった。関西1部リーグ、そう簡単に優勝できるリーグではない。

いよいよリーグ戦も次節で最終戦を迎える。優勝の可能性があるのは、京産大、関西大に絞られた。京産大は他チームの結果の影響に関わらず、最終節に対する関学大に引き分け以上で優勝が決まる。大一番はまだ続く。4年次生含む全学年、関学大に勝利したことがない。リーグ2連覇の関学大、今年の関西選手権の王者でもある。関西選手権終了後に食野は「関学に全部持って行かれるのは何としてでも阻止したい」と話した。動員試合、関西最終戦、唯一勝てていない関学大。舞台は揃った、最大の宿敵を打倒し新たな王者になれる最高の場所。最高の準備をチームは続ける。
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ここまで21試合、悔しさも喜びも学生リーグで存分に感じ続けてきた。最後の最後まで何かをかけて戦うことはこの4年間なかった。4年次生は関西最後の試合、チームに何を残すか、残せるのか。成長を続けてきたこのリーグ戦で全てを出し切り、90分後に新たな歴史を創り出す。大観衆が見つめる中、今季積み上げてきた京産大のサッカーで会場を魅了し、新たな一歩を踏み出す。関西最後、笑って終わろう。(福田明音)

【サッカー部】Iリーグ、連日の無念の敗退。試合後には涙。

Iリーグ 2023 (2023年10月28、29日)

B、Cチームともにグループリーグを突破し、負ければ終わりの全国へのトーナメントへ挑んだ。
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【試合結果】
28日
京産大C 0-1大経大Ⅱ
29日
京産大B0-4 びわスポ大Ⅰ1

【京産大C 試合内容】
グループリーグを12戦10勝の首位で通過した京産大Cは、同ブロック2位通過の大経大Ⅱをホーム神山に迎えての初戦は、前半33分にPA内で厳しい判定を受け、PKにより失点。後半ATには、前に出ていたGK西谷信吾(3年)の頭上を越えるゴールを許し、0-2で敗戦。Cチーム今季最後の公式戦となった。
試合は、両チーム慎重な立ち上がりとなったが、徐々に自分たちの形をつくる。17分、FW豊嶋蓮央(1年)が難しい体勢から振り向きざまにシュートを放つがクロスバーの上を通過。その後も、豊嶋や左サイドの藤田大地(2年)を起点として攻めていく。しかし、33分、自陣PAからボールを掻き出す際、厳しい判定を受け、PKを献上。右側へ飛んだGK西谷の逆を突かれ、0-1。それでも37分の古野稜河(4年)のヘディングシュート、57分の藤田のクロスから豊嶋のヘディングシュートなど、セットプレーを含む高さを生かすプレーでチャンスをつくった。79分には、藤田が強烈なシュートを放つも、相手GKの正面へ。試合終了への時間が刻一刻と迫る89分、前がかりとなっていた京産大は、カウンターで抜け出されそうになったところを古野が相手FWの袖を引っ張ってしまい、一発退場。悪質なプレーではなかったが、決定機阻止とみなされた。10人で戦うこととなった京産大は、さらに攻めの姿勢をみせるが、GK西谷が少し前に出ていたところを、自陣センターサークル付近からロングシュートを狙われ、そのままボールは西谷の頭上を越えてゴールネットへ吸い込まれていった。無情にも相手ベンチが湧く中で、試合終了の笛が吹かれた。
試合終了直後には、その場で倒れ込む選手、呆然と立ち尽くす選手、そして涙を流す姿も見られた。4回生にとっては、負ければ引退。少しでも先延ばしに、全国へ。その想いは届かなかったが、スタンドの仲間への挨拶では、今までの感謝とともに、翌日試合のA、Bチームを鼓舞する言葉も送った。
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【京産大B 試合内容】
前日のCチームの敗戦を受け、より一層気持ちを高めて臨んだBチーム。相手は難敵びわスポ大、午前9時半の肌寒い中、そしてアウェイでの戦いとなった。そんな中でもCチームのメンバーが応援に駆けつけた。
高いインテンシティで試合に入る。しかし、5分、クロスからピンチを招き、混戦となったこぼれ球をミドルシュートによって失点。幸先の悪いスタートとなった。その後も、15分頃までは落ち着かない展開が続く。20分には菊池柊哉(2年)が強烈なシュートを放つが、相手キーパーの正面を突く。徐々にボールを持つ時間を増やし、攻撃の形をつくり出したところでハーフタイムへ突入。後半の立ち上がり、辻夕雲希(3年)が左足を振り抜くも、クロスバーの上を通過。しかし、その後は前半同様、攻撃を組み立てることができず、流れを掴めない。すると56分、右からのフリーキックのピンチから、ヘディングシュートを決められ、0-2と重たい追加点となった。59分には、PKを献上し、0-3と立て続けに失点した。3点を追う京産大Bは、選手交代による活性化とGK中村青(3年)がいくつかの決定機を阻止するセービングをみせるも、チャンスをつくることができなかった。試合終了間際の89分にも、エリア中央からダメ押しの追加点を入れられ、0-4。
自分たちのスタイルを出せず、悔しい敗戦となった。試合終了のスタンドからは激励の声と感謝の言葉が飛び交った。この結果をもって、今季の戦い残るはAチームのみとなった。気持ちの整理をつけるのも難しい中、彼らは、すぐさま午後から行われたAチームの応援へと駆けつけた。
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【執筆・撮影 細井雅貴】
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