京産大アスレチック

学内スポーツ紙「京産大アスレチック」を製作・発行する、京都産業大学体育会本部編集局の公式BLOGです。

サッカー部

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【サッカー部】激闘のPK戦。そして決勝の舞台へ。

第72回 全日本大学サッカー選手権大会
準決勝 流通経済大戦(2023年12月21日)

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複数の主力選手を欠く中で挑んだ準決勝は、前後半ともにリードするも、追いつかれる展開となり、延長戦へ。互角の戦いで勝負はPK戦へと持ち越された。最後は流経大5人目のキッカーが外し、決勝への切符を掴み取った。

【スターティングメンバー】
1 GK 山本 透衣(4年=コンサドーレ札幌U18・FC大阪内定)
2 DF 西矢 慎平(4年=神戸弘陵学園高・カターレ富山内定)
5 DF 横窪 皇太(3年=金光大阪高)
24 DF 小野 成夢(1年=愛媛FC U-18)
25 DF 楠瀬 海(3年=高知高)
6 MF 川上 陽星(4年=作陽高)
20 MF 伊藤 翼(1年=セレッソ大阪U18)
7 MF 福井 和樹(4年=ガンバ大阪ユース・SC相模原内定)
10 MF 食野 壮磨(4年=ガンバ大阪ユース・東京ヴェルディ内定)
11 MF 夏川 大和(4年=草津東高・FC大阪内定)
9 FW 菅野 翔斗(3年=サンフレッチェ広島ユース)

【サブメンバー】
12 GK 林 憲太朗(3年=滝川第二高)
3 DF 佐藤 幸生(4年=サンフレッチェ広島ユース)
14 MF 城水 晃太(3年=サンフレッチェ広島ユース)
15 MF 石原 央羅(3年=サガン鳥栖U18)
28 MF 滝口 晴斗(1年=サンフレッチェ広島ユース)
29 MF 末谷誓梧(1年=セレッソ大阪U18)
30 MF 田代紘(1年=ヴィッセル神戸U18)
8 FW 中野 歩(4年=ガンバ大阪ユース)
13 FW 中田 樹音(3年=岡山学芸館高)

【交代】
78分
中田樹音菅野翔斗
86分
石原央羅夏川大和
滝口晴斗楠瀬海
延長前半開始
中野歩西矢慎平

【スコア】
前半 1-1
後半 1-1
延長前半 0-0
延長後半 0-0
PK戦 4-3
結果 2-2 (4-3)

【試合内容】
 初戦、準々決勝と同じ龍ケ崎フィールド、相手は本拠地とする関東5位の流通経済大。400人以上で埋め尽くされたホームスタンドに対して、神山から駆けつけた青と白の戦士たちも全力で声援を送る。福岡大戦の警告により出場停止の西村、負傷した大串もメガホンを叩く。
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彼らの代わりには、小野、楠瀬が抜擢された。1年生ながらチームの危機に起用された小野は「正直プレッシャーは感じていた。それ以上に翔くんが負けたら終わるので、バトンを繋げるっていうことだけ意識して」と、重圧と覚悟の中で試合へ挑んだ。
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 冷たい風が吹き付ける中で試合開始のホイッスルが吹かれた。今季は立ち上がり厳しいが多い中、スタメン復帰となった菅野をターゲットに、両サイドの夏川、福井へとボールを散らす。7分、右サイドの深い位置をとった川上のパスを受けた食野から、西矢がロングシュートを放つ。16分にも同じ位置から積極的なシュート。食野が自由に動き回り、空いたスペースに川上、伊藤が飛び出す形も見せる。14分、クロスボールに対して飛び出した山本がこぼしたボールに反応されるも、横窪が右足で逸らし先制点を許さない。33分、相手キーパーのパスを食野が引っかけると、プレスをかけにきていた伊藤がそのままボールをさらい、ゴールへ流し込んだ。リーグ戦前期第3節からスタメンを張り続けているルーキーが、全国の舞台で数字を残した。
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しかし、そう簡単に試合を運ばせてはくれないのが関東のチームだ。34分、右サイドからクロスが上げると、勢いのあるヘディングでゴール右横へ。36分、後方からの縦パスを叩くと、DFラインを抜け出す。京産大DF3人の猛追を振り切ると、間を詰めてきた山本に対しても、落ち着いてファーサイドを選択。わずか3分で試合は振り出しに戻った。その後も、スピード感あふれるドリブルとパス回しで我慢の時間が続く。前半は計8本のシュートを打ち込まれるも、最小失点で乗り切った。
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 後半の立ち上がり、上の空間を使ったパスで打開すると、食野がエリア内でボールを受ける。相手DFがマークを強める中、思い切って左足を振り抜くと、クロスバーを直撃。スタジアムがどよめいた。62分、4対4の状況で横窪が前へ釣り出され、強烈なシュートを放たれるが、川上の身を投げ出すブロックで枠外へ。なんとしても勝ち越しは許さない姿勢を見せ続ける。攻撃面では、丁寧かつ大胆に、トライ&エラーを繰り返しながら敵陣でのプレー時間を増やしていく。すると65分、クリアミスを川上が拾うと、食野がキープ。相手を引き寄せるようなフェイントを入れると、ペナルティアーク付近でフリーになっていた福井が、両手を開くジェスチャーを見せる。阿吽の呼吸で食野は相棒へと柔らかいパスを出し、得意の左足でゴールポストの外から内へと巻き付けるショットでニアサイドを見事に打ち抜いた。2試合連続でゴラッソを決めた福井。全国大会という大一番で自分の強みを生かしたパフォーマンスを発揮し続けている。
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前半のような反撃は防ぎたい京産大は、よりリスクを回避する戦い方で時間を進めていく。しかし81分、山本がクロスボールを弾いたこぼれ球が、逆サイドのフリーになっていた選手へ渡る。西矢が対峙するが、カットインからゴール左側へ打ち込まれると、山本は反応できず、残り10分というところでまたも追いつかれた。会場全体が今日一番の盛り上がりをみせる。それでも、ここで一気に流れに呑まれないのが今年のチーム。まだ勝ち越されたわけではない。リーグ戦から1点差ゲームをモノにし続けた粘り強さは本物だ。スタンドの一角からは「京産が好きだから」のチャントが鳴り響く。決して焦りをみせることなく、相手の攻撃を跳ね返し、カウンターを狙う。ATは5分。GK山本は「前でいい」と、堅実にクリアすることを指示。西矢がクロスを上げたところで後半終了のホイッスルが鳴った。
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 悔しい思いをした関西選手権以来の延長戦。後半途中から足をつっていた西矢に代わって中野を投入。この寒さと前半から続く激しいぶつかり合いで疲労も見え始めた。そんな状況でもお互いに素早いカバーを的確に実行するイレブン。97分、チャンスが訪れる。中野のドリブルからFKを獲得。福井が蹴り込んだクロスはクリアされるも、右サイドから伊藤が大外で待っていた中田へクロス。中田は胸でトラップし左足でシュート。しかし、大きく右側へ逸れた。延長前半のATには、福井、食野のホットラインから中田を狙ったパスを出すも反応しきれず、スコアは動かず延長後半へ。109分、相手の左サイドからドリブルでPAに侵入されシュートを打たれるが、またも川上が身を挺して守り切った。
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 勝負はPK戦へと持ち込まれた。先行の京産大。先陣を切るのは川上。左下へ蹴り込んだが、相手キーパーに読まれ、失敗。この嫌な流れを止めたのは守護神山本だった。キッカーから見て右側へ飛んだ山本。両手で丁寧に止めきると、ベンチ、スタンドへガッツポーズ。
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2人目のキッカー横窪は、ゴール右上の完璧なコースに決めきった。流経大の2人目に対しては、コースの読みは当たっていたものの、キッカーが上回り、成功。3人目の中野もキーパーの逆を突き、右側へ決める。後攻の3人目は、山本のタイミングをずらすような形で成功。続くは、PK戦では苦い思い出のある福井。それでも絶好調の福井は右上へ完璧に決めてみせた。止めれば大きく勝利が近づく流経大の4人目は、長い間を置くと、しっかりと沈めた。勝負の5人目、もちろんキッカーはキャプテン食野。流経大スタンドから響き渡る大きなブーイング。気にする素振りは全く見せない食野。笛が吹かれるとすぐさま助走を開始した。右上へ蹴り込んだ。京産大ベンチ、スタンドから歓声が上がると、両手ともに強く握り、仲間の歓声に応える。
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止めれば決勝への道が開かれる5人目。キッカーは小刻みに助走をつけた。山本は右手を広げ、プレッシャーをかける。蹴り込むと同時に山本は左側へ。ボールはクロスバーの大きく上を通過した。大きな悲鳴と歓喜の声が響く龍ケ崎フィールド。大きく手を広げ、仲間を迎える守護神山本。ベンチから仲間たちが駆けつけ、歓喜の渦ができた。これまで苦しんできた延長、PK戦。ついに掴んだ日本一への挑戦権。食野の目には涙が溢れていた。
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 王者に相応しい戦いをしていることには間違いない。勝者のメンタリティを手にしつつあるが、全ては次の一戦で決まる。「翔のため」と全員が意気込み、勝利をもぎ取った。休養十分の西村がピッチへ帰還する。120分間戦い、中2日で迎える決勝戦。これほどの自信と実力をつけた京産大は、栄光の瞬間へ突き進む。(細井雅貴)
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【試合後のインタビュー】
吉川監督
ー初の決勝進出
初の決勝進出っていうよりも、初のベスト4、準決勝進出だったんで、関西でも初優勝っていうところで。初っていうところは、もうあらゆるものをこの年の選手たちは、経験してきてるので、今シーズン、本当に最初から新たな歴史を積み上げる1年にしようっていう話をしてたので、自分たちが掲げている目標を1つずつ、手にしてる結果かなと思います。
ー西村選手を欠く中での試合
実を言うと今週の紅白戦の時は、3番の4年生の佐藤使ってたんですけども、昨日で佐藤と小野入れ替えるっていう決断して。1つは、横窪が、佐藤が出る時には左に回らないといけないっていうことがあったので、そうするとDFライン4枚が大きく変わるっていうことがあったので、佐藤もしっかりやってくれてたんですけども、DFラインのバランスっていうところを考えた時に、小野をチョイスしたって感じです。
ー小野選手のパフォーマンス
十分やってくれたと思います。今シーズン、本当にいろんな場面で、悔しい思いを持ってる選手。チャンスがなかなか来ない中で、チャンスが来た時になかなか勝ちに持っていけない、自分のミスで敗戦を経験してるっていう選手だったので、本当にこの大舞台で、しっかりと結果を残すことができたので、また彼にとってもすごく大きな一戦、成長につながる一戦だったと思います。
ー新たな歴史を積み上げるということを掲げての結果
それはもう全て日々の積み重ねっていうところが、1番かなって思ってます。勝っても負けても、色んなこと1年間あったんですけども、その中でも本当に隙なく、毎日のトレーニングで、こういうゲームのことを全員が意識しながら基準高く、隙なくっていうとこは、常にみんなで言いながらやってきたので、そこが本当に間違ってなかったっていう証明できてると思います。
ーPK戦の順番
PK戦の順番は、コーチに任せました。コーチに任せて見せた時に、 あとは選手たちでっていうのと、前日は、その時にピッチに立ってる4回生が、蹴りなさいっていう話はしてた。僕は、本当に4年生のチームだと思ってるので。僕のチームでも何でもなくて、本当に4年生のチームっていうことを常々言い続けてるので、最後5人目で食野が外したとしても、それはもう納得できる。4年生がいけるっていう中で、ちょっと自信ない4年生は少し後っていう感じで。そんな順番の決め方でした。
ーPK戦で食野選手が出てくるのが遅かったが、5番目ということも含め
決まってました。多分、ウェアを脱ぐ時間がちょっとかかっただけだと思います。ちょっと嫌な間はあったんですけど。
ー戦い方
大串、西村がいなかったので、 少しビルドアップっていうところは、今まで自分たちが積み上げてきた中で言うと、割合的には2割、3割減ぐらいかなっていうところで、先頭に菅野を今回は選択した中で、相手の2CBと、多少アバウトなボールが入っても、ビルドアップが自分たちのやりたいことできなくても、そこをターゲットにしながら、2CBを疲弊させるっていうところも、ゲームプランでは持ってたので、もう少しボールは持ちたかったっていうところは、本来の思いではあるんですけど、ただ今日のゲームを勝つっていうところと、出場停止、怪我人とかっていうところ含めた中では、本当に今できる最善を尽くしてのゲームプラン、選手起用だったかなと思います。
ー1年生の伊藤翼選手の評価
今日のパフォーマンスは、本当にパーフェクトに近い内容だったかなって思います。彼には、その中でもアシストや得点っていうところを求めてたんですけど、今日は得点ってところも結びついて。見て分かる通り120分やっても、パフォーマンスが落ちないというか。波がないっていうところは、春先のいろんな遠征とか、合宿とか、リーグ戦とかも含めて、そこのタフさっていうのは、本当に1年生ではないような、ずっとリーグ戦に出てるようなプレーぶりかなっていう風に思うので、こういう経験を今、1年生の段階でできてるので、さらに飛躍して、もっともっと大きな場所に、彼が行くことを期待しながら今後も見守りたい。
ーボールをつなぐスタイルへの考え方
人を魅了するアグレッシブなアタッキングフットボールっていうところを掲げてますので、もちろんボールつないで、今年のチームで言うと、クオリティ高い選手が揃ってますので、そういったところをチョイスしてるんですけども、今回のシーンでも、ゴールの最後、ゴールラインを割るまで、体投げ出してとか、スライディングしてとか、ゴールキーパー出てるけど、最後フィールドプレイヤーが、ボール掻き出すとか、そういったところも僕自身は大事にしてる部分なので、本当につなぐっていう部分で言うと、チームスタイルにはなるんですけども、あらゆる面で、人を見てる人が、ワクワクとか、この選手すごいなっていう風に、ポジティブな感情を与えられるようなサッカーしたいなっていう風に思ってます。その中で、今年の選手たちのクオリティ見た中では、ボールをつなぐっていうところに重きを置いて、1番それが彼らのストロングというか、強みが出るなっていうところで、選択させてもらっている。
ー決勝の相手は明治大学
僕の記憶というか、僕が知ってる限りは、初対戦になると思うんで、本当に伝統あるというか、もう皆さんご存じの通りっていうところと、京産どこどこ?っていう、それは当然だと思うので、そこを覆すというか、それを積み重ねていける今年の1年にしようっていうところなんで、それは本当に10年、20年じゃ多分、明治さんとか、伝統校に追いつくことは、なかなか難しいと思うんです。ただ、スタート切らないと、伝統校に肩を並べるとか、追い越すっていうことはできないと思うんで、そういった意味では、決勝戦の相手に不足なしというところだと思うので、自分たちはしっかりとやってきたことを出せればなと。
ー関東相手に関西のサッカーが通用している
そうですね。インカレに出る時に、関西第1代表で出るっていう思いと、関西のチームがやっぱり負けてしまって、自分たちしかいないっていうところで、勝てば勝つほど、関西のいろんな方の思いを背負ってっていうのが、ほんとに1個1個、東洋さん、今回も流経さんの思いをまた背負ってっていうところがあると思うので、そういったところで言うと、関西のインカレ破れてしまった3チーム、関西の学生リーグの大学の思いをしっかりと背負って、自分たちが表現する権利があると思いますし、そういったところは責任があると思うんで、相手どうこう、もちろん関東とか地域性のところはあると思うんですけども、ただ自分たちが背負ってるのはやっぱり関西代表だっていう、第1代表だっていうところの責任をしっかりと持って、今日みたいにPK戦までもつれても、最後の最後まで、しっかりと戦いたいなと思います。
ー監督就任初年度からの快進撃
以前までのっていうところは、ちょっとわからない部分でもあるんですけども、さっきも言わしてもらった通り、日々の積み重ね、日々のトレーニングっていうところは、選手たちには、本当に厳しいトレーニングっていうところは、曜日ごとに、どういう内容でやるっていうのを設定して、毎週毎週、試合に向けてやってますので、そういったところで、週1回、必ず10キロ近く走る、スプリントも20から多い時、30分ぐらい行くようなトレーニングが、中日、水曜日とか、木曜日に設定されてるんですけど、そういったところで結果に繋がってるっていうところは、1つあるかなっていう風に思うんですけど、選手たちを成長させたいっていうのが、やっぱり1番あるので、まだまだ彼らはあの上でやらないといけないしっていうところで言うと、大学生でっていうよりも、調整、調整っていうよりも、まあ鍛えて勝っていくっていうところは、頭に入れながら指導をしてる。 あとは、今まで積み上げ入れてきてもらったスタッフの方だったりOBだったり、本当にいろんな方々のご尽力とか、その積み重ねが今年花開いてるのかなっていう形なので、たまたま僕が1年目、就任さしてもらってるっていう巡り合わせも含めてなんで、今までの方々の積み上げが実ってきてるっていうところだと思います。
ー楠瀬選手のスタメン起用
それも日々のっていうか、今週、今日迎えるまでの紅白戦のところで、滝口を最初スタートで使って右で、西矢を左っていうところで回してたんですけど、紅白戦のところだったり、トレーニングのところ見てると、少し自信がなさげという、自信ないような形でプレーしてるのが、ちょっと気になったっていうところがあったので、今週の紅白戦で選択をした中で、西矢も元々はやっぱり右サイドで、福井との縦関係でやるのが1番生きるっていうポジションではあるんですけど、大串がいるから左に回ってたっていうところがあるので、元々の場所に戻ったっていうところがあるかなと思います。
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【取材:細井雅貴】

【サッカー部】Focus① 山本透衣(4年=FC大阪内定)「最後の砦」

第72回 全日本大学サッカー選手権大会
3回戦 福岡大戦(2023年12月13日)


激闘の3回戦。最後の砦として君臨したのはGK・山本透衣(4年=FC大阪内定)。後半ロスタイムに失点したものの、相手の猛攻を最少失点に抑えた。ゴール裏から見届けた90分、1年次生の学生記者が山本にFocus。PKの局面で感じていたことは。
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九州王者との準々決勝は、2-1で勝利。後半は、10人で戦う展開となったが、関西王者としての忍耐力をみせ、準決勝へと駒を進めた。

前半の福井和樹(現4=SC相模原内定)と西矢慎平(現4=カターレ富山)の得点で2-0とリードした中での後半戦。52分、左CBの西村翔(現4)がPA内でハンドを取られ、一発退場の宣告を受けた。1人少ない戦いとなり、1点差となると一気に相手に流れが渡る状況。そこで最後の砦としてチームを救ったのはGK・山本透衣(営4=FC大阪内定)だった。主将・食野壮磨(済=東京ヴェルディ内定)や時久省吾コーチによる決死の抗議、相手スタンドからの殺伐とした声援、戦術変更に伴う選手交代。少し嫌な間ができた。それでも、「来年からプロの道に進むので、こういうのは当たり前になる」と、冷静さを失わなかった守護神。相手キッカーは2回戦でゴールから見て右側へ蹴り込んでいた。10.97㍍の中で行われる駆け引き。「右重心にしつつも、真ん中(の選択肢)も持っておこう」と、左足を残しつつ、右側へ飛ぶと、残した左のつま先で弾き返した。こぼれ球を伊藤翼(済1)が冷静に対処し、危機を脱した。

しかし、1人欠く中での戦いは難しく、耐え忍ぶ時間が続いた残りの30分。セービングは勿論、数多くのセットプレーとサイドからのクロスボールに対して積極的な飛び出しやキャッチとパンチングの判断など、最善のプレーを選択し続けた。また、後方から味方への的確な指示と鼓舞も欠かさず、守備陣形を崩さずに守り続けた。後半ATには、左サイドから強烈なミドルシュートを決められるも、落ち着いた様子のイレブン。最後はCKからのボールをクリアし、1点のリードを守りきると、一気に喜びを爆発させた。

(PKに関して)「今の透衣ならやってくれるんじゃないか、というところまで基準は上がっている」(吉川監督)と、来季からプロの舞台へ飛び立つ守護神は、チームから全幅の信頼を置かれる存在となった。多くてもあと2試合。このチーム、最高の仲間とプレーする姿を目に焼きつけたい。【細井雅貴】
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【サッカー部】これが関西王者、これが京産大。勇敢に戦い抜いた90分の激闘制し、初の全国4強入り!!

第72回 全日本大学サッカー選手権大会
3回戦 福岡大戦(2023年12月13日)

西の王者対決は京産大に軍配が上がった。2-0で折り返した後半。開始早々にレッドカードが提示され10人での戦いを余儀なくされたが、勇敢に戦い抜いた京産大イレブン。2-1で福岡大を下し、初のベスト4入りを果たした。
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【スターティングメンバー】
1 GK 山本 透衣(4年=コンサドーレ札幌U18・FC大阪内定)
16 DF 大串 昇平(3年=ガンバ大阪ユース)
5 DF 横窪 皇太(3年=金光大阪高)
4 DF 西村 翔(4年=ガンバ大阪ユース)
2 DF 西矢 慎平(4年=神戸弘陵学園高・カターレ富山内定)
6 MF 川上 陽星(4年=作陽高)
20 MF 伊藤 翼(1年=セレッソ大阪U18)
7 MF 福井 和樹(4年=ガンバ大阪ユース・SC相模原内定)
10 MF 食野 壮磨(4年=ガンバ大阪ユース・東京ヴェルディ内定)
11 MF 夏川 大和(4年=草津東高・FC大阪内定)
13 FW 中田 樹音(3年=岡山学芸館高)

【サブメンバー】
12 GK 林 憲太朗(3年=滝川第二高)
3 DF 佐藤 幸生(4年=サンフレッチェ広島ユース)
25 DF 楠瀬 海(3年=高知高)
14 MF 城水 晃太(3年=サンフレッチェ広島ユース)
15 MF 石原 央羅(3年=サガン鳥栖U-18)
28 MF 滝口 晴斗(1年=サンフレッチェ広島ユース)
29 MF 末谷誓梧(1年=セレッソ大阪U18)
8 FW 中野 歩(4年=ガンバ大阪ユース)
9 FW 菅野 翔斗(3年=サンフレッチェ広島ユース)

【交代】
前半38分
滝口晴斗大串昇平
後半12分
佐藤幸生中田樹音
後半36分
菅野翔斗夏川大和
後半90+1分
城水晃太福井和樹

【スコア】
前半 2-0
後半 0-1
結果 2-1

【試合内容】
ついに始まった京産大のインカレ。2年前、このピッチに立った時は関東第6代表の筑波大に敗れ2回戦敗退に終わった。関西王者として挑む今年はシードで2回戦からの参戦。2年前と同じく関東第6代表の東洋大と対戦し、立ち上がりの2得点を守り抜き無失点で突破した。3.4年次生は2回目となるインカレ。2年前とは違い自信に満ち溢れた表情、風格を纏っていた。「この1年で積み重ねてきた自信と2年前相手にビビッて何もできなかった経験。いい具合にマッチして試合に臨めたのかなと思います」と2回戦後に主将の食野は語った。リーグ戦を通して積み重ねてきた自信は関西の頂点に立ち、強固なものになっていた。関西勢で2回戦を突破したのは京産大のみ。関西の意地を見せるためにも、ここで姿を消すわけにはいかない。中2日で良い準備を続け、3回戦を迎えた。
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九州王者・福岡大。九州大学サッカーリーグでは22試合で70得点。2回戦は関西大と対戦し4得点。関西学生サッカーリーグ最少失点を誇る関西大に複数得点を挙げて勝ち進んだ脅威の得点力を持つチームだ。中でも6番の重見(アビスパ福岡内定)はJ1リーグ5試合に出場し、U-22日本代表にも選出されている世代を代表する選手の1人。他にもSBの18番岡田は北海道コンサドーレ札幌に内定とJ1内定選手を擁する福岡大。全国に京産大の力を見せることに十分な対戦相手だ。

3日ぶりに龍ケ崎フィールドに戻ってきた京産大。いつもと同じく、リラックスした表情で時折笑顔を見せながらウォーミングアップを続ける。スタメンは前回同様のメンバー、サブメンバーは小野成夢(1年=愛媛FCU-18)と末谷の1枚の入れ替えのみ。全員で盛り上げながら11時の試合開始まで時間を過ごす。
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ウォーミングアップを終えロッカールームに引き上げる前、スタンドに笑顔を見せたチーム。平日開催、2回戦のように仲間の大応援はない。しかし、帯同している約10人の仲間がスタンドに集まった。福岡大の大応援団に比べると人数は少なく、声の圧も小さいかもしれない。だが、仲間の声は確実にピッチに届いている。スタンドからの声に嬉しそうな笑顔を浮かべて拍手で応える選手。グッドポーズで応える選手。ピッチに立つ彼らの戦う準備はできている。
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両チームがロッカールームにはけた後、前哨戦(?)がピッチでは行われていた。赤色の福岡大が「welcome!! 京都産業 かかってこいよ!!」と歌い始める。赤色の大声援に「えぐい!」と笑顔を見せながらも、全力で煽りに応えた。「welcome!! 福岡大学 かかってこいよ!!」。両者「ありがとうー!」と隣のスタンドに笑顔で手を振る姿もあった。スタンドの戦う準備も整った。あとは11時の試合開始を待つのみ。
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12月らしくない暖かい気候。空は雲ひとつない晴天に恵まれた。今日身にまとうのは白色のユニフォーム。公式戦で白ユニは関西選手権の準々決勝以来。約5ヶ月ぶりにセカンドユニフォームで戦う。選手入場を終え、ベンチ前で行われる写真撮影。福岡大の掛け声を見届けてから、京産大の元気印が声をかける。「今日も全員で勝ちましょう!54321!」。いつも通り西矢の声で試合開始を迎えた。
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2回戦同様に「立ち上がり!」という声がピッチ内外で飛び交う。福岡大のキックで始まった前半。開始早々に相手のCKから始まった。吉川監督が西村、横窪に「怖がるな」と声をかける。試合開始からガンガン仕掛けてくる福岡大。ゴール前で対応する2選手は冷静に対応を続けた。西村がギリギリでブロックすると、横窪は頭で大きくクリア。相手に押し込まれる時間が続く中、西村が縦に鋭いパスを送る。繋がれたパスから夏川が仕掛け、攻撃の形を作り出す。少しバタついた入りから次第に落ち着きを見せ始め、徐々に保持する時間が伸びてきた。一瞬の隙を突くカウンター。福井のスーパーすぎる得点で先制に成功した。
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前半14分。左サイドを夏川がドリブルで突破すると、中央の食野へ。食野が中盤右の福井にパスを送ると福井の個人技が炸裂した。「トラップした瞬間に右に食いついてくれた。自分は左利きでおいしいと思ってシュート打ったらいい感じに行けた」。カーブを描きながら回転するボール。美しすぎる軌道はGKの腕上を通り越して、ゴールネットに突き刺さった。「あれはゴラッソ!」と吉川監督。「スーパーミドル」と食野。「芸術シュート」と福井本人。福岡大のスタンドからも感嘆の声が出る福井のプレー。「相手の逆を突くプレーを意識している」。ボールで遊ぶように、相手の反応を楽しむようにボールを操る曲芸師。自身の得点を見届けると両腕を広げてピッチを右から左へと大きく走り回る。最後はベンチの元へやってきて吉川監督とハグを交わしていた。「ミドルシュートが今シーズンずっと課題だった。ペナ外から仕留める得点が、全国大会で出ればという話をしていた。彼はずっと努力してきた。この大舞台で魅せたことは、1年間やってきた努力の積み重ね」と吉川監督も大絶賛。2試合連続先制に成功、さらには先制した試合で負けのない京産大。喜びを爆発させるが、すぐに表情を引き締めて切り替える。GKの山本が「翔!(得点)取ったあと!」と守備陣で再度集中を高め、食野が「まだ10分!」とピッチ全体を締める。
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先制したことで勢いづく京産大。前半18分、1本目のCK。セカンドを伊藤が回収すると、右に大きく開いていた食野がクロスを上げる。ゴール前で構えていた横窪が頭で合わせるが惜しくも枠外。全方位から攻めの姿勢を感じる中、シンデレラボーイが吠えた。
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前半28分、裏に抜けた中田に中盤の伊藤がロングボールを送る。ゴール前で保持し、少し前進すると最後は西矢にラストパス。「後ろから慎平くんの声がしたから、いけると思って見ないでパスを出した」。得点機会をしっかりと見逃さなかったファイター。力強く右足を振り抜くと大きくゴールネットが揺れた。吠えた後に大きく飛んでガッツポーズを見せた。これで2-0、前半2回戦同様に前半のうちに2得点を奪いリードを広げることに成功した。
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しかし、前半35分に大串が負傷交代。1年生の滝口が投入された。2回戦も後半16分からプレー。今日は前半の終わりからと長い時間プレーすることになった。「正直アップもしてなかったですし、身体が動かないところもあった。早く試合に慣れて自分の特徴をどれだけ出せるか意識してました」。アクシデントによる急な出場でも動じなかった1年生。『成長』という部分に期待を込めて指揮官は送り出した。「自分で修正をして、自信を持ってピッチに立つことが、彼の成長にとっては大事」。
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相手の攻撃を跳ね返し、2点リードで前半も残り約5分の時間帯。守備の要 西村がピッチに投げた言葉は「足を止めるな!」。発する言葉、披露するプレー、醸し出す雰囲気。全てから気迫を感じた西村。「自分の持っているものを全て出せるように」と今大会に挑む。西村は大学でサッカー人生にピリオドを打つ。「自分の力を試す場所」。他地区の強豪やプロ内定選手にどこまで力が通用するのか。1つ1つ確認しながらプレーを続ける中、後半に思わぬ展開が待ち受けていた。
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15分のハーフタイムを終えてピッチに戻ってきたチーム。再び立ち上がりを大事にと試合に挑み、前半と変わらず西村がボールを掻き出し大きくクリアする。いつもと変わらない集中した入り、気迫のこもったプレー。だが、後半7分。相手の放ったシュートがPAエリア内で西村の腕に当たり、相手にPKが与えられる。そして、少し遅れて提示されたのはレッドカード。西村に退場が告げられた。「審判に抗議していいのはキャプテンだけ。キャプテンとして抗議しに行った」。レッドカードに抗議する食野。しかし、異議でイエローカード、ベンチの時久コーチにもイエローが提示され、荒れた空気に包まれる会場。10人で戦うことになった京産大はFWの中田を下げて、CBの佐藤をピッチに送りだした。
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交代を終えてから行われたPK。山本にとってPK戦以外でPKの局面を迎えたのは6回目。学生リーグデビュー戦となった2022年前期1節大産大戦も前半の立ち上がりにDFのハンドを受け、デビュー早々でPKを経験していた。「今まで止めれなかった分、ここに持ってきた。翔のためにも絶対に止めなあかん状況」。リーグ戦終盤にかけて神がかったセーブを連発し、何試合も勝利に貢献してきた守護神。審判が笛を吹き始まったPK。キッカーから見て左に飛んだ山本、キッカーは中央右寄りに蹴ったが意地の脚でストップ。「2回戦で同じ選手が僕から見て右側蹴っていて、またこっち蹴るか、何かしてくるかというのがあった。実際はちょっと真ん中から右側で、足がいい感じに残せた。残し足で反応できた」。まさに、守護神。守護神、ここにあり。これが関西1のGK。「自分の調子がいい時に勝たせられるキーパーに。求めるところは高いけどなってほしい」。昨年の前期第7節後に白井淳前監督(現東京ヴェルディGKコーチ)が話した言葉通り、勝たせるGKへと成長した山本。大仕事をこなし、相手に傾きつつあった流れをぴしゃりと止めてみせた。
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後半立ち上がりの大ピンチを乗り越えた京産大。しかし、10対11と劣勢の展開は続く。派手なプレーは無くとも、確実なプレーでチームを支えたのは川上だった。セカンドボールを回収し、攻撃に繋げる。守備時には身体を投げ出してブロックと広範囲の守備をカバーしてみせた。「これといったプレーはなかったけど、要所要所で弾いたり、拾ったり。翔が退場する前からもセカンドボールとか大事だったので、自分の特徴を少しは出せたかなと思います」。リーグ22試合先発出場、数字には残らずとも川上が中盤を制圧することで勝てた試合が何試合もある。同じくボランチを組む伊藤も同様に1年生とは思えないフィジカルで相手を引きずりながら前進し、バタついたボールを落ち着かせるプレーを見せた。これが関西1のボランチ。中盤の攻防、中盤でボールロストをせずに、10人という劣勢の局面で後ろを後支えした。
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後半だけでシュート9本、CK7本。数字だけ見ても猛攻を受けた痕跡が見える。2回戦も守備陣の活躍が光っていたが、3回戦も同様に守備陣の活躍なくして勝利はなかっただろう。スタメン出場のCB横窪は身体を投げ出し、頭でクリア。同じくスタメンのSB西矢は豊富な運動量で左サイドを上下に大きく動き、フィジカルを活かし1対1を制する。途中出場のCB佐藤は副将という立場でもある中、チームに声をかけて鼓舞、ゴール前の1対1は足元で冷静に対応。滝口は守備のみならず、スピードのあるドリブルで中央からPA付近に侵入してクロスを上げるなど、大串に変わってひとつの起点を作りだした。
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守備陣だけではない。後半は京産大のシュートは0本。相手サイドでプレーすることが多かった中、1ミリでも長く足を伸ばしてブロック、大きく飛んで空中戦を制す、1歩でも踏み出して相手のコースを消す。10人とは思えない気迫で相手の攻撃を跳ね返し続ける京産大。これが関西1のチームの底力。「翔のためにも」という気持ちが見えてくるプレーが連発した。
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後半ロスタイムは5分。スコアは2-0、勝利の瞬間が少しずつ見え始めた段階に突入した。しかし、油断は1ミリもない。離れた距離からもシュートを打ち始めた福岡大、強烈なシュートをブロックし、セーブやパンチングで跳ね返してもセカンドボールを相手に拾われる。終始守る時間が続いた中、ロスタイム4分を指す頃。相手が素早くリスタートさせたCK、ショートコーナーから中央に切り込まれると、PA左からゴール右隅に強烈な一撃を打ち込まれた。「関大戦を思い出した」(佐藤)。思い出すのはロスタイムで勝利を逃してきたリーグ戦の数々。今季のみならず、昨年も一昨年もロスタイムで悔しさを感じることが多々あった。しかし、関西王者として得た自信は力になっていた。ロスタイムは目安の5分を指す頃、再び相手のCK。GKも上がり数的不利な状況。横窪が大きくクリアすると、勝利の笛が鳴り響いた。拳とともにピッチに倒れ込む選手、吠える選手、大きくジャンプして喜びを爆発させる選手。九州王者を下してベスト4進出。京産大史上初の快挙に感情があふれる。
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今季試合を重ねるごとに成長した姿を見せてきた京産大。全国の舞台でも確かに成長を続けている。「失点してもう1回失点して終わってたのがこれまでの俺たち。全国で点決められたけど追いつかれずに勝てたのは自分たちの成長だと思う。短い期間でも、みんなで成長していけば、日本一取れると思う」(福井)。戦いの中で得た自信を力に変える。
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関西代表の意地を見せた。「僕たちは関西1位でインカレに挑んでる。関西第一代表として、僕たちが勝っていく責任があると思う」(川上)。戦いを進めていく中で背負うものが次第に大きくなっていく。「関西の思いを背負いながら表現する。自分たちがやらないといけないこと。勝てば勝つほど、思いや期待を背負ってプレーすることになる。そういったものを背負いながらプレーできることはすごく幸せだし、チームの成長につながると思う」(吉川監督)。全国の大学サッカー所属チームでまだ冬を過ごせるのは4強入りのチームのみ。日本で一番熱い冬、ここで終わるわけにはいかない。
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試合終了後、スタンドに挨拶をする際、西村の姿があった。いつも通り、勝利の喜びを全員で喜び合う。そして、ロッカールームに戻り始めた瞬間、隣にいた食野とハグを交わした。
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「西村を決勝のピッチに立たせる」(食野)。中学からともにプレーをしてきた仲間の思いを背負う。お互いのやんちゃな時期も知り尽くして、9年目の仲。前期第4節で西村がリーグ初得点を決めた際には1番に駆け寄り、自分が得点した時以上に喜びを爆発させていた食野の姿があった。「別に…誰が決めても嬉しいけど1点が大きかった」。言葉は素っ気なくとも、表情は少し緩やかだった今年の春。西村も「いつか一緒に試合に出て勝てたらいいなと考えていた。今一緒に試合に出て、歩は途中からの出場だけど、個人的には嬉しい」と同試合でコメントを残していた。1年次は怪我の影響で試合に絡めず終わり、同期の活躍を悔しさを抱えながら見ていたからこそ、同じピッチの上で戦える喜びを知っている。普段はいじられキャラの西村に笑顔で無茶振りを投げかける4年次生の姿があるが、今日は真剣な眼差しで話した。「もう一回あいつとやるためにも次の試合を勝たないといけない」(西矢)。「中学の頃からずっと一緒にやってるあいつもサッカー人生ここで終わり。最後の最後ピッチに立たすためにもう1試合頑張りたい」(食野)。「ここで引退させるわけにはいかない。ちょっとあいつのために頑張ったろうかな」(山本)。
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史上初の全国ベスト4。「満足しちゃいそうやけど、もうちょっと背中で引っ張って、1週間トレーニングして。次もみんなで喜び合えるように頑張りたい」(食野)。関西王者、ここで姿を消すのは早すぎる。

「誰かのために戦うのがこのチーム」。
辿り着きたい場所がある。
見たい景色がある。
味わいたい感情がある。
もう一度同じピッチに立ちたい仲間がいる。

いつだって、「誰か」のために戦ってきた今季。悔しさを糧に、結果を自信に変えてガムシャラに駆け抜けてきた。準決勝対するは流経大。会場も流経大のグラウンドとアウェイの空気の中行われるだろう。劣勢だろうが、アウェイだろうが絶対に負けられない理由がある。関西の誇り、京産大の誇り、自分のために、仲間のために。激闘必須の準決勝。オール京産で戦い抜き、京産大クラップとともにファイナル進出を掴む。(福田明音)
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【試合後のコメント】
吉川監督
ー立ち上がり
2回戦をスカウティングしていたら、ああいう立ち上がりになるのは、どれだけ集中してても、仕方ないと思った部分もあった。自分たちのリズムがなかなか取れない中で、しっかり我慢できた。本当にインカレに来て、この間の2回戦も今日も、CK、FK、スローイン等々、多いのは多い。けど、安心して、選手を信じて見ていられる。セットプレーの集中力は今季やってきた中で素晴らしい練習が、試合前日に両方ともできている。そこに関しては、本当に自信を持ってやれてるかなって思います。
ー福井選手のスーパーゴール
もうあれはゴラッソ!昨日も今日のミーティングでも言ったんですけど、ミドルシュートが今季ずっと課題だった。クロスから、2.3人関わってはあるけど、ミドルシュートでペナ外からドンって仕留められるのが、こういう大会で出ればという話をしていた。そういう中で和樹が出してくれたことと、彼はずっと努力していた。練習後にシュートを何本も打ち込んでるので。この間、大和も努力がしっかりと報われたところで、大舞台で魅せたことは、本当に彼の1年間やってきた努力の積み重ねかなと思います。
ー2点目
狙い通り。相手の背後を狙いながら、 プラス後ろから出てくるところも含めて、慎平の思い切りの良さと上下運動が出たので、素晴らしいゴールだったなと思います。
ー負傷した大串選手に代わって入った滝口選手
この前の試合は物足りないというか、もっとやらなあかんことを彼自身も分かっていた。楠瀬を出す選択もこの間のパフォーマンス見たらできたかもしれない。けど、彼の成長を考えた時に、色んなものに気づいて、この中2日のトレーニングでやってたと思う。そういった中で自分で修正をして、自信を持ってピッチに立つことが、彼の成長にとっては大事だったと思う。本当によく修正して、今日のパフォーマンスは本当に良かった。しっかり自分で修正してやれたらなと。
ー東洋大戦と同じく2-0での折り返し
試合展開、相手の特徴が前の試合とは、まるで違うゲームだった。スコア的には一緒でも、展開等々含めたら、まるで違う試合。前半の立ち上がりからやってきた、1個1個セットプレーを積み重ねて、しっかりと守っていくところ。それに加えて自分たちの土俵。ショートパス繋いで、全員関わりながらという部分は出していかないといけない。追加点、ダメ押し点、3点目、4点目を取りに行けるようにというところはあったんですけど、早々に西村が退場という判定があった。そこでゲームプラン的には大きく変えないといけなかった。けど、最小失点で抑えられたので、そこは良かったかなと思います。
ー後半は10人での戦い
しっかりと90分やり切ってくれた。延長に持ち込まれないように中でやれたっていうのは、本当に彼らの成長だと思う。10人になっても、特に疲弊してる印象も全くなかった。やっぱり彼らの1年間の積み上げが、実ったかなと思います。
ー最終ラインの変更を余儀なくされた
2CB横窪、西村は覚悟を持ってこの間もプレーしてましたし、少々足つったりとか、 ちょっとしたアクシデントだったら、替えないつもりで準備していた中でアクシデント、退場があった。ただ途中から入った幸生も覚悟決めて。幸生を使うことも考えていたので、本当によくやってくれたと思います。
ー10人になってからの主将食野選手の貢献
食野のクオリティで言うと、1人少なくても2人、3人引き連れることができる選手。逆にあれだけ左のサイドハーフに入って30分、40分ぐらい守備ができたことは本当に彼の成長かな。選手交代も含めて食野は代えようかという部分もあったんですけど、全然いけるなと。キャプテンを最後までピッチに残すところが、ベンチからのメッセージかなと思うので、よくやってくれたと思います。
ー菅野選手を入れた狙い
できればもう少し早いタイミングで入れるプランもあった。けど、食野、福井、夏川、前線からプレス行ってる選手たちが、そんなに疲弊してない、疲れてる様子もなかった。失点もしなかったので、それだったら選手交代するよりも、今ピッチの中にいる10人が、しっかりと戦う方がいいなっていう選択。
ー守護神山本のPKストップ
あれはもう間違いなく、大きなターニングポイントの1つだったと思う。退場してPK決められるか、退場してPK止めるのか、大きな違いだと思う。ビッグプレーだったと思うんですけど、今の透衣やったらやるんじゃないかぐらいのところまで基準は上がってる。その中でビッグセーブ。透衣サンキューみたいな感じで称賛よりも、そういう感じ。右肩上がりで成長をしてくれてるなって。
ー1点差にされても焦りはなかった
後期リーグ、常に1点差の状況だった。学生リーグの11試合が、 本当に自分たちの身になって、経験になって。それをしっかりどこの舞台でも出せた。やられそうだなという雰囲気、思いは選手もスタッフもベンチも含めて、「あ、耐えれるな」という自信はみんな持ってると思う。あの時間帯までゼロで抑えたことは自信持っていきたい。
ー準々決勝に向けて
今日と同様、流経のホーム。慣れた場所で相手はやってくると思うし、ホームなので、雰囲気も応援も含めて作ってくると思う。けど、自分たちは関西や、もちろん京産の思いを色々背負ってやりながら。関西の代表者で残ってるチームが僕らしかいないことを考えたら、関西のチームの思いを背負いながらここで表現することが、自分たちがやらないといけないことだと思う。勝てば勝つほど、自分たちが勝ち進んでいくごとに、いろんな人の思い、期待を背負ってプレーする。そういったものを背負いながらプレーできることはすごく幸せだし、自分たちのチームの成長につながると思う。本当に次のゲームを1個勝つ。あとは翔をピッチに戻すことがサブテーマになると思う。決勝に翔を戻す、その辺も含めてやっていきたいなという風に思います。
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主将・食野壮磨選手
―今の気持ちは
最高です。最高。
―今日の試合を統括して
今シーズン10人で戦った試合は初めて。イレギュラーな戦い方に対して、チーム全員で集中切らさずに戦えたことは、本当に自信になったし、本当に良い試合だったかなと思います。
―西村選手退場時の抗議の意図は
審判に抗議していいのはキャプテンだけやから、キャプテンとして抗議しに行った。けど、良くないと捉えられてイエローもらった。仕方がないかなと思います。
―10人になった後に発信したことは
クロス上がってくることは分かっていた。弾くこと、守ることを徹底しながら、俺のところで攻撃で少し時間を作ってみんなを楽にさせてあげたい気持ちがあった。あんまりそういう時間を作れなかったのは俺の中で課題かなと思います。ただ、チームとして集中して統一して戦えたことは良かった思います。
―1点目は
あれは俺のパスよりも和樹のゴラッソ。あれは和樹の個人技です。スーパーミドル、福井スーパーゴラッソ。
―イレギュラーが多い中勝ち切れた部分はチームの成長を感じました
途中から出てきた選手を先発で出てた残りの9人がしっかりサポートしながら戦うことを全員で話した。晴斗のところに関しては、俺らがサポートすることは話していた。幸生のところはやってくれると思ってたので、何も心配せずにやってくれた。
―ロスタイムの失点時の心境は
あれは相手のスーパーミドルやったからそんなに。残り1分で、そこまであの1点でやられる気がしなかった。集中してやれば大丈夫とは俺は思っていたのでそこは良かったかな。
―プレー以外にも気迫を強く感じました
ここまで来たら気持ちの勝負。上手いとかボールを繋げるとかじゃなくて、本当に気持ちの部分やと思う。90分の勝負をどっちが持っていくか気持ちの勝負。最後ゴール前で身体投げ出す、今日だと慎平、ヨコ。それが本当に勝負を分けるところだと思う。今日だけじゃなくて、この大会通じて出せてるので良いところかなと思います。
―試合終了後はピッチに倒れ込む姿が
とりあえず今日全部出し尽くしたので、疲れたっすね。喜びとそんな感じ。
―これで初のベスト4
満足しちゃいそうやけど、もうちょっと背中で引っ張って、この1週間トレーニングして。次もみんなで喜び合えるように頑張っていきたいなと思います。
―西村選手が次戦出れない
西村を決勝のピッチに立たせることは最後のミーティングでも言った。あいつもサッカー人生ここで終わり。俺が中学くらいからずっとやってる。最後の最後ピッチに立たすためにもう1試合頑張りたいなと思います。
―準決勝に向けて
どこが相手、どこのチームとか関係なく、俺らがやることやって最後勝ちたい気持ちが強い方が勝つと思う。その戦いを次も見せればなと思います。
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副将・川上陽星選手
ー仕事量が多かったんじゃないかなと
翔が退場してそういう状況になったけど、そこはチームとして割り切ってできた。僕はそういうところで貢献しないといけないと思っていた。これといったプレーはなかったけど、要所要所で弾いたり、拾ったり。今日の試合では翔が退場する前からもセカンドボールとかが大事だったので、自分の特徴を少しは出せたかなと思います。
ー西村選手退場時にピッチで話したことは
退場じゃないやろと抗議してた中で、笛が鳴ってプロじゃないしVARとかもないし、あんま変わらないだろうなと。僕は切り替えて考えたり、このあとどうするかをみんなで話していた。うまく頭切り替えれたかなと思います。
ー具体的に
シンプルに幸生が入って4-4-1。あんまり出過ぎず。吉川さんからもボランチが前に出ないでくれと言われてた。前期関大戦の時に少し僕が出てしまったところを後ろ使われてサイドからクロスを上げられた。ボランチがある程度我慢してCBの前で拾うことをを僕は意識してたし、吉川さんも言ってたところです。
ー滝口選手が投入される際に「陽星カバー」と吉川監督から声かけが
晴斗と昇平は違った特徴がある。僕が受けて晴斗が高い位置とかは昇平がいない時にやってたところ。確認を少し言われた感じです。
ー全国ベスト4
僕たちは関西1位でインカレに挑んでる。他の関西チームは負けてるし、僕たちが勝っていく責任は関西の中であると思う。嬉しいことですけど、当たり前にしていかないと行けないと思います。
ー準決勝に向けて
あと関東3つ残ってて、関東に負けて決勝が関東対関東になるのは少し僕たちも嫌やし、関西の代表としても恥ずかしいことなので、関西代表としてりゅうけい、関東に負けないやうにしないといけないと思います。
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副将・佐藤幸生選手
ー今の気持ち
ホッとした気持ち。良かった。
ー急遽の出場、考えてたこと
びっくりはしてたけど、すぐ切り替えて自分が出てやらないといけないと思ったので、すぐ準備して。心の準備も常にしてるので、もう一回気引き締めて入ろうと。
ー日頃の準備のおかげもあったか
やっぱり、周りに助けられてばっかやなっていうのはずっと思ってる。自分が試合出た時も周りの選手に助けられてばっか。自分自身特徴があったり、チームを助けれるような武器がない。今日も周りに助けられながら4年生で、もっと引っ張らないといけないけど、周りにめちゃくちゃ助けられた。ベンチも含めて俺が出る時に声かけてくれたりしたし、助けられたかなと。
ー言われたことは
頑張れとか緊張すんなよとか。そういう声掛けで愛を感じるな。
ー後半は押し込まれる状況
みんな割り切っていた。1人少ないし、セットプレーで向こうは特徴あるチーム。みんなで割り切って守る判断をしたのが良かったかな。
ーロスタイムで失点
まじで関大戦を思い出して、ほんまに耐えようって
ー史上初のベスト4のタイミングでピッチに立てたこと
まじで運がいい。運がいいかな。
ーベスト4
優勝目覚まして頑張ります
ー準決勝に向けて
ぶっ倒します!
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西矢慎平選手
―今の気持ちは
10人になっても変わらず全員がやるべきことをやって勝てた。全国来てみんな自信もってやってると思うし、今日も勝ててよかったなと思います。
―2点目は
翼が前向いた時点で樹音が良い動き出しをした。そこにボールが出る感じはしてて、相手はそれまでのDFラインがあんまり揃っていなくて、ボランチもあんまり下がらなくてゴール前が結構空いているのが見えた。直感的にボール入るかなと感覚で走ったら樹音が良い感じで相手交わして打つだけのボールをくれたので決めるだけでした。
―全国大会で結果を残して
自分の結果がすべてとは思ってないけど、自分も結果を残したいと意識していた。その思いの中で今日ゴールという形で自分の価値を示すことができたのは良かったと思うし、自信にもつながるかなと思います。
―後半は耐える時間が長かった
スカウティング通り、相手はセットプレーに特徴があった。CK、ロングスロー、FK、ロングキックをでかい選手に入れるのは分かっていたこと。DFとして身体張ることは普通。というか、ずっと俺らがやってきたこと。身体を張ることはずっと言ってきたので、その通りに全員が身体張ってやれたのかなと思います。
―西村選手の退場後は
10人になって逆にやることもはっきり。全員がしっかり守り抜いて身体張る、カウンターで狙いに行く。特にやることは変わらずできたのかなと思っていて。全員が翔の分までじゃないですけど、勝ちにこだわる姿勢を全員で。最後失点してしまったけど、全員が身体張って守るのは体現できたかなと思います。
―ベスト4
今日は翔が退場してしまって、もう一回あいつとやるためにも次の試合を勝たないといけない。僕たちは関西優勝という新しい歴史を作って、もうひとつ日本一という新しい歴史を作るチャンスがある。1週間京都戻って良い準備して、勝てる準備をしていきたいなと思います。
―準決勝に向けて
全員がしっかり翔のためにじゃないですけど、そういう意識を持って勝つだけ。1戦1戦を勝つためにもしっかり勝てるように頑張りたいなと思います。
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福井和樹選手
―今の気持ち
前半立ち上がりが大事とみんなで話してて、前の試合も立ち上がり2点決めれて、今回も自分の得点から流れできて2点ポンポンって入ったのはすごく大きかったと思う。翔が退場してしまったけど透衣が止めてくれて、そこでみんながひとつになれたかな。
―鮮やかすぎる1点目
マッチアップがコンサドーレ内定の選手で楽しみにしていた。自分がトラップした瞬間に右に食いついてくれて、自分は左利きでここがおいしいと思ってシュート打とうと思った。そしたらいい感じに行けたので、すごい良かったかなと思います。
―福井選手のプレーは遊び心溢れる
中学校からドリブルチームで相手の逆取ることはすごく練習していた。蹴るフリしてトラップ。トラップするフリして、樹音や壮磨に当てるとか。相手の逆を突くようなプレーは意識してやってる。
―どんな意図でプレーを選択しているか
俺は結構感覚でサッカーしてる。こう来たら抜けるなとか頭の中で結構できてて、中学校がドリブルチームやったから、良かったかな。他の選手と違う部分はある。
―2回戦はチーム最多4本のシュート。自分が点を取る気持ちは
毎試合毎試合得点しようと最近は強く思うようにしてる。前の試合はシュート打っても、止められたりキーパーに弾かれたりしたのが多かった。今日は決めようと思っていて、それが良いシュートで決めれてすごく気持ちよかったです。芸術シュート。
―ベンチから見つめた失点
もう1回失点して終わってたのがこれまでの俺たち。学生リーグもずっとそう終えてきた。全国で点決められたけど、追いつかれずに勝てたのはすごく自分たちの成長だと思う。全国でも成長してると感じるし、短い期間でもみんなでもっと成長して、日本一目指してやっていけば、日本一取れると思う。自分たちを信じて、応援してくれるみんなもいるので、感謝して頑張りたいと思います。
―ベスト4
歴史を塗り替えたというのはあるし、ここまで来たら日本一しかないと思う。みんなで頑張って日本一取れるようにしたいと思います。
―準決勝に向けて
関東の方が強いと思われがち。関西で残ってるのは京産だけやけど、俺たちが優勝して関西の強さを証明できるようにみんなで頑張りたいと思います。
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山本透衣選手
ー2回戦に引き続き、2-0での折り返し
2-0で折り返したことは、すごくポジティブなことだと思っていた。自分たちのやることを徹底すれば、後半も大丈夫だろうと思っていたので、そういう感じでハーフタイム話してました。
ーPKストップについて
翔のためにも絶対止めなあかん状況だなって。1人少なくなるし、1点差になるという中で、結果的に止めれて、ホッとしました。
ー90分の中で初めてのPKストップ
練習も全然PK止めるキャラじゃないので、大丈夫かなと思ってたんですけど、今日はいけそうな感じがしてた。今までの止めれなかった分、ここには持ってきた感じ。前の試合で同じ選手が僕から見て右側蹴ってて、またこっち蹴ってくるか、なんかしてくるかなっていうのがあった。ちょっと真ん中から右側で、足がいい感じに残せた。残し足で反応できたので良かったです。
ーその後も好セーブ連発
でかい選手がいっぱい入ってきて、その選手らに目がけて蹴ってくるサッカーをしてきた。その相手にヨコ、幸生、前線も身体張ってくれるし、壮磨、陽星とかも、みんな走って身体張ってくれた。本当にに最後の最後の僕という形だった。いつも通り僕のとこに来たボールを処理することを意識してました。
ー負傷交代と退場によるDFとの連携
本当にチームにとってすごく重要な選手が2人いなくなって、ちょっときついかなという部分はあった。でも、逆に1人少なくなって、割り切る選択肢が増えた。ビルドアップは捨てて、割り切って勝てばいい精神でやってました。
ー相手スタンドからの声援
来年からプロの道に進む。アウェイとかの試合になったら、こういうのが当たり前になってくるかなと自分の中で思いながらやってた。相手の野次でどうこうとかはなくて、逆にしっかり勝って最後、あおり返したろうみたいな感じだった。
ー九州のチームとの対戦
関西にはない割り切ったサッカーしてくる相手。ああいう相手とあんまりやること機会がなかったんで、難しかったですけど、しっかり耐えれたんでよかったです。
ー次戦の流通経済大戦へ向けて
日本一取る上で絶対に関東は倒さないといけない相手。あと2つ勝てば僕たちは当初掲げた日本一という目標を達成できる。まずは1つ、 流経に流経のホームで勝って、決勝に進めれたらなって思います。
ー退場となった西村選手について
ここで引退させるわけにはいかない。ちょっとあいつのために頑張ったろうかなと思います。
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滝口晴斗選手
ー試合前の雰囲気
当たり前ですけど、以前よりも 1人1人気合入っていた。歴史を塗り替える気持ちを全員が持って、絶対次につなげる雰囲気だったし、絶対勝つという雰囲気は試合前から出てました。
ー前半をベンチから見ていて
立ち上がり、ロングスローとか、ロングボールとかで押し込まれるシーンがあった。けど、全員がちゃんと守れてたし、やっぱりそういった場面では失点する気はしなかったかなと思います。
ーアクシデントによる出場
前半の途中から出るってなると、正直アップもしてなかったですし、身体も動かないところもあった。けど、早く試合に慣れて自分の特徴をどれだけ活かせるかを意識してました。
ー前の試合との違い
正直、前回の試合では自分のミスでピンチを何回も作られたり、自分を出せてなかった。攻められることが多かったし、テンパってしまったり。サイドの守備で対応が難しく、上手くいかなかった場面もあった。そこを改善して今日試合に挑めて、ある程度の守備は最低限できたので良かった。
ー福岡大の印象
見て分かる通り全員でかいですし、つなぐよりは、ロングボールバンバン入れてくるチームだった。しかも最後、俺ら10人で戦ってたので、競り合いの大事さとか、1個1個の球際の強さとかが大事になる試合だったかなと思います。
ー最終ラインの連携
ディフェンスラインの1番真ん中が抜けてしまって、10人で1番頂点のフォワードもいない状況。ずっと攻められてて、苦しい展開とは分かってたんですけど、ディフェンスラインキーパー含めて後ろから焦れずに全部しっかり対応できた。勝利につながったのかなと思います。
ー先輩のサポート
絶対カバーしてくれる力が全員ある。絶対カバーしてくれると分かっていたので、自分を思いっきり出せたかな。思いっきり球際、サイドで人数少ない中でも上がっていったり、競り合いでチャレンジしに行ったりとか、そういったところが良かったと思います。
ー次戦に向けて
最初から出たらしっかり自分の力を最初から最後まで出し切って、ちょっとでも勝利に貢献できるようなプレーをしたい。
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【取材:福田明音、細井雅貴】

【サッカー部】自信に満ちた関西王者がベスト8進出!

第72回 全日本大学サッカー選手権大会
2回戦 東洋大戦(2023年12月10日)

史上初の関西王者として挑む大学日本一への闘いが始まった。前半の2得点を守り切り、全国ベスト8へと駒を進めた。
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【スターティングメンバー】
1 GK 山本 透衣(4年=コンサドーレ札幌U18・FC大阪内定)
16 DF 大串 昇平(3年=ガンバ大阪ユース)
5 DF 横窪 皇太(3年=金光大阪高)
4 DF 西村 翔(4年=ガンバ大阪ユース)
2 DF 西矢 慎平(4年=神戸弘陵学園高・カターレ富山内定)
6 MF 川上 陽星(4年=作陽高)
20 MF 伊藤 翼(1年=セレッソ大阪U18)
7 MF 福井 和樹(4年=ガンバ大阪ユース・SC相模原内定)
10 MF 食野 壮磨(4年=ガンバ大阪ユース・東京ヴェルディ内定)
11 MF 夏川 大和(4年=草津東高・FC大阪内定)
13 FW 中田 樹音(3年=岡山学芸館高)

【サブメンバー】
12 GK 林 憲太朗(3年=滝川第二高)
3 DF 佐藤 幸生(4年=サンフレッチェ広島ユース)
24 DF 小野 成夢(1年=愛媛FC U-18)
25 DF 楠瀬 海(3年=高知高)
14 MF 城水 晃太(3年=サンフレッチェ広島ユース)
15 MF 石原 央羅(3年=サガン鳥栖U-18)
28 MF 滝口 晴斗(1年=サンフレッチェ広島ユース)
8 FW 中野 歩(4年=ガンバ大阪ユース)
9 FW 菅野 翔斗(3年=サンフレッチェ広島ユース)

【交代】
後半61分
滝口晴斗大串昇平
後半74分
菅野翔斗中田樹音
後半87分
城水晃太福井和樹
後半90+2分
石原央羅夏川大和

【スコア】
前半 2-0
後半 0-0
結果 2-0

【試合内容】
 京産大は、規定により2回戦からの登場。1回戦を勝ち上がり、勢いに乗った東洋大との対戦となった。公式戦から1ヶ月ほど間隔が空いた中で挑んだ。スタメンは、リーグ戦終盤から変更はなく、4-2-3-1の布陣。試合前には「積み上げてきた日常」と、記された戦術ボードが立てかけられていた。「神山球技場でやってきたことをそのまま出そうっていう話をした」(吉川監督)全国の舞台でも、いつも通りを心がけ、落ち着いた様子でゲームへと入った。
 今シーズンの課題である立ち上がり。開始直後にコーナーキックを与え、この試合も苦しいスタートかと思われたが、チームリーダーであり、司令塔の食野のパスから素早い攻撃でゴールへ近づく。6分、川上から自陣を向いてボールを受け、同時に動き出した左サイドの夏川へ難しい体勢から正確なスルーパスを通すと、思わず観客はどよめいた。すると7分、中央へ入ってきた福井、食野のワンタッチパスで、相手CBがつり出され、空いたスペースに走りこんできた中田が左足を強く振り抜くと、GKの正面へ。跳ね返りのボールが相手DFに当たり、ゴールネットへ吸い込まれた。リズミカルなパスからオウンゴールを誘発し、立ち上がりの大きな先制点となった。この流れに乗りたい京産大は、9分、左CBの西村からボールを受けた夏川が、低い位置からドリブルで駆け上がり、カットインから右足で巻くようなシュートはGKの頭上を越えてゴールイン。「(いつもは)シュートっていう選択肢はなかったけど、今日は思い切ってやろう」(夏川)と、ペナルティエリア外からのゴラッソを決めてみせた。早々に2点差とすると、丁寧なボール回しと非保持の際は4-4-2のような陣形をとることで、落ち着いた試合運びを狙う。17分には、右サイドの低いクロスから強烈なシュートを放たれるも、大串が身体を張ったブロックで枠へ入れさせない。激しいプレスでボールを刈り取ると、食野と福井を中心にカウンターへ持ち込み、即座にチャンスへと状況を変える。20分前後には、川上が高い位置を取り、相手のDFラインを下げることで、より福井の左足、ドリブルが生きるようなスペースを与える。ボールを失っても、西村、横窪の両CBのハイプレスと伊藤の的確なポジショニングでカウンターの芽を摘んでいく。しかし、徐々に相手の支配率が上回ると27分、これまで完封していた相手の左サイドから狭いパスが通り、ピンチを迎えるが、両CBと守護神山本が冷静な守りをみせる。31分のCKでは、ショートコーナーからDFラインを錯乱し、得点には至らなかったものの、自分たちで考えて日々積み上げてきたことを実行し続けた。前半は2-0のまま折り返しとなり、ハーフタイムへ。一番危険とも言われるスコアだが、優勝したチームに気の緩みはなかった。
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 後半の立ち上がり、「負けてるチームがイケイケになるっていうのは、結構あること」(山本)と、東洋大の攻撃に圧を受け、いきなり決定機をつくられるが、横窪のスライディングが相手へのプレッシャーを与え、枠外へ。55分、大串が中央へと引き出され、空いた右サイドからフリーでクロス、中央でもフリーで合わせられたが、山本の完璧な飛び出しで得点を許さない。その後も自分たちのサッカーができない時間帯が続き、61分には、大串に替わって滝口が入った。難しい時間からの出場となったが、必死に食らいつき、エリア内への侵入を防ぐ。74分には、中田に替わってケガから復帰した菅野を投入した吉川監督。リーグ戦10試合で6得点とストライカーとしてチームに欠かせない存在となっていたが、後期はケガによりほとんど出場できなかった。「まだ試合も始まってない、試合も終わってないのに、号泣しながら話していた」(吉川監督)と、優勝の瞬間にピッチに立てなかったことやチームメイトと一緒に優勝を分かち合えたこと、さまざまな感情が入り交じる中で試合前日を過ごした。試合展開として、攻撃の時間は少なかったが、持ち前のフィジカルでセットプレーを中心とした守備において、チームの勝利のために全力を尽くす。80分以降は、度重なるCKや高さを活かした勝負に苦しめられる。85分、相手の右サイドの高いクロスから大外で待っていたFWにヘディングで決められたように思えたが、守護神山本が今日一番のファインセーブを魅せ、勝利を大きくたぐり寄せた。6分以上のATがあったが、焦ることなくしっかりと試合を締め、前半立ち上がりの2得点を守り切った。
関西王者としての実力と自信を持って挑んでいる今大会。関東相手でも決して怯むことなく、攻撃陣と守備陣が互いに信頼し合ったことで掴んだ京産大史上初の全国ベスト8。勝利後、喜びはみられたものの、選手たちの目は次戦へ向かっているようにみえた。「まだこのチームで長く試合がしたい、サッカーがしたい」(食野)そのために一戦必勝で、全国の舞台を駆け上がる。

【試合後のインタビュー】
吉川監督
ーシードによる2回戦スタートの難しさに関して
初戦やったり、雰囲気とかっていうのも、やってる中でっていう部分はあったんですけども、選手たちに言ったのは、ほんとに取り組んできた「積み上げてきた日常」を、神山球技場でやってきたことをそのまま出そうっていう話をしたので、そういったところで、初戦で固くなってるっていう印象とか、特になく。特に前半とかっていうのは、いつも通りやれてたかなっていう風に思います。
ー2得点を振り返って
そうですね。樹音は1発目で決めてくれって感じですけど、こぼれとか、跳ね返りっていうところで、まあまあ綺麗に決めてほしいなっていうところは、ストライカーとしてあるんですけど。大和に関しては、シーズン中、春先からああいうのを、思い切って足を振るっていうことは、 常々言ってた部分で課題でもあったので。夏過ぎから、ああいうエリアから足振ったりとか、クロスあげたりとかっていうのを、出してきたので、こういう舞台で、あの力を発揮したのは、彼のこの1年の成長かなと。
ー課題の立ち上がりに関して
うちもチャンスありっていう状況はあったんですけど、慎重に入ることなく、丁寧に入れっていう話はしたので、そういった中では守備の中でも0に抑えながら、丁寧に守備をしながら、少ないチャンスというか、1個1個のチャンスをしっかりとものにしたっていうところは、立ち上がりの15分を、丁寧に選手たちが表現してくれたのかなという風に思います。
ーハーフタイムの雰囲気等
できない部分とできてる部分と、選手交代の部分とっていうところを、チームの中で共有しながら、この時間帯になったら、こういう風な選手交代するよっていう話も少し入れながら、ハーフタイムを過ごし っていう感じなんで、もう少し相手コートで、相手のゴール前で、 プレーできたら良かったんですけど、少し押し込まれる展開が、長かったかなと思います。
ー交代に関して
(大串選手が)また次どうなるかっていうのはわからないですけど、晴斗もいい経験ができたと思うんで、1個、2個、プレースピードが遅かったりとか、対応がずれてたりとかっていうのをありながら、ただ、上級生とか、リーグ戦を常にやってきた選手たちがそれをカバーしてっていうのを、それがチームだと思うんで。そういった中で、経験を積めた選手とチーム全体でしっかりそれをリカバリーできたっていうのがよかったのかなと思います。
ー負傷離脱の菅野選手について
昨日夜こっちに移動してきてミーティングしてたんですけど、まだ試合も始まってない、試合も終わってないのに、号泣しながら話してたんで、まあまあいろんな思いを持ちながら、怪我して、優勝っていうところのピッチには立てず、もどかしい思いになりながら、このインカレに、チームメイトが繋いできた。インカレに間に合って、こうやって戻ってこれたっていうのは、彼は本当に、いつも言ってる通り真面目で努力家で、裏切らない選手なので、努力がちゃんと報われたのかなって。次にも期待という感じで、ちょっとずつ出場時間を伸ばしていけると思うんで、次に期待したいと思います。
ー合計4枚のイエローカードが出た
それも含めてサッカーだと思うんで、次、その警告持ってる選手は、警告を2枚もらったら出場停止とかあるんで、そういったところも含めて、トーナメント立ち上がっていくっていうことに繋がると思うので、それはそれでしっかりと受け止めるというか、それもありきで、選手も含めて、次のゲーム準備したいなと思います。
ー吉川監督自身初のインカレということに関して
僕自身あんまり初めてだとかっていう、僕の個人的な感情っていうのは、あんまりなくって、ほんとに4年生が、悔いなくこの4試合を全てやりきって、引退してほしいなっていう思いがあるので、個人的な思いとか、気持ちっていうのは、あんまりないかな。
ー関西のチームとの違い
関西でやってるようなゲームとそんなに変わりはないなとは思ったんですけど、ただやっぱり後半のゲーム展開とか見ちゃうと、個人で 1個運ばれるとか、ミドルゾーンでボール取れるところが取れなかったりとかっていうのは、関東の力強さというか、そこで押し込まれて、フリーキック、コーナー、スローインっていうのを連続して取られてみたいな、ああいうのはやっぱり関西ではあまりないものなのかなっていうところがあったので、あれを1点取られたらっていうハーフタイムでもしたんですけど、1取られてたらその勢いっていうのは、多分、2-3まで持ってかれる勢いっていうのがあったと。もうほんとに0にしっかりと抑えたっていうのが、勝因かなと思います。
ー次の試合へ向けて
関大さんは、もう何回もやらしてもらってっていうところで、福岡大さんも手ごわい相手で、今年、力があるっていうところも聞いているので、どっちが来ても、本当に簡単な試合ではないっていうのは間違いないので、あとはもう自分たちが中2日でしっかりとその連戦を乗り切れるというか、しっかりとパフォーマンスさせるように、もうこの試合後からしっかりと準備したい。
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主将・食野壮磨選手
―今の気持ちは
引退が伸びたなってホッとした気持ちです。
―立ち上がりの2点が大きかったと感じます
1点目はある程度ラッキーで2点目もラッキーといえばラッキー。でも大和があそこで足を振るっていう意識が大事だと思う。立ち上がり15分吉川さんからも慎重に行かんけど、丁寧に行こうっていう話をしていて、俺らもダイナミックにアグレシブに行こうっていう話はしてたので2点は非常に大きかったと思います。
―食野選手がボールを持つたびに会場が沸いていました
1本か2本スルーパス出したときにわー!ってなったのは聞こえてました。今日応援に来てくれたBCのメンバーもオール京産で戦ってる中で、キャプテンとしてチームの一番先頭を走る人間はそこを示していかないといけない。
―2年前も関東第6と対戦、当時とは風格、姿勢すべてが違って見えました
自信かな。この1年で積み重ねてきた自信と相手にビビッて何もできなかった経験。自信がいい具合にマッチして今日の試合に臨めたのかなと思います。
―関西王者として得たものは結果以上
自信はもちろん、戦い方とかある程度1点差でも守備陣が守ってくれるし、守備からしても攻撃が1点決めてくれる信頼関係ができてるので、そこは良いところかなと思います。
―守備
毎試合救われてるところはあるけど、俺らが3点目決めてたら楽なゲーム展開になったと思うので、次の試合は攻撃陣が大量得点とは行かなくても、攻撃陣が救えるように頑張っていきたいなと思います。
―意気込み
まだこのチームで長く試合がしたい、サッカーがしたい。引退を伸ばすためにもう1試合全力で頑張りたいと思います。
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夏川大和選手
ー勝利した今の気持ち
まず初戦勝つってところ、重要視したから、突破できて嬉しいなって思います。
ー大切な立ち上がりで2得点できたことについて
立ち上がりを大事にするっていうところは、昨日のミーティングとかでも、結構話してて、そこは全員が認識してたと思うし、だからこそ後ろ向きなプレーじゃなくて、みんな前向きなプレーっていうのが、先制に繋がったと思います。
ークロスにみえるような華麗なシュート
いつも練習とかでも、ああいう形で行くことあって、シュートっていう選択肢はなかったけど、今日は思い切ってやろうって思ってたから、うまく得点になったかなと思います。
ーこの1年間、仕掛けるっていうところを言い続けて、最後の関学戦の2点目も、今日の得点も仕掛けからだったが
去年から試合出てたけど、ドリブルで仕掛けるっていうところは、明らかに少なかったし、今年に比べて。今年シーズン始まった当初とか、試合出れない時期とかもあって、そういうところで何が必要なのかなと、自分のストロングってなんなのかって考えた時に、やっぱりドリブルだなっていうところで、早く仕掛けるとか、回数増やすとか、クロスの質を求めるとか、そこはこだわってたから、シーズン初めからうまくいったわけじゃないけど、今、マシになってきてるのかなと思います。
ー初めてのインカレ
2年前は、ベンチで見守ったっていうところで、ベスト16で終わって、やっぱり悔しい思いして、今日、ピッチ入る時も、やっぱり感じるものはあったし、ダメっていうところで、ベンチとか、ベンチ外の選手とか、応援回ってくれてる人とか、そういう人の想いも背負って戦おうって決めてて、それが勝利というところで、 応援来てた組とかも嬉しかったと思うし、成果出てよかったなと思います。
ー入団内定したFC大阪のファンの方への気持ち
リリース出て、まだ名前とか覚えてもらってないと思うけど、ここのインカレで活躍して、来シーズンから夏川くん来るっていうので、もっと期待してもらえるように頑張りたい。
ー関西大と福岡大への印象
関大やったら関大で、リーグ戦両方引き分けて悔しい思いしてるし、福大やったらやったことない。島原(合宿)でAの方はしてたけど、俺、その時Aサブだったからできてなくて、だからこそ、成長した姿っていうの、福大やったら、圧倒して勝ちたいと思います。
ー準々決勝への意気込み
今日の試合もそうやったけど、一戦必勝っていうところ。チームとしてやってるから、まずは目の前の相手に負けないっていうところを次も出して、立ち上がりとかも、もう1回しっかり、 自分のストロングのドリブルから、得点に繋がるプレーってのをいっぱいして、また応援してくれてる人とかと一緒に笑顔で終われるように頑張りたいと思います。
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横窪皇太選手
ー今の気持ち
とりあえずホッとしてます。難しい戦いになるのわかってましたし。その分、立ち上がりで2点、前が決めてくれたんで、後ろはゼロで終わるってことで、しっかり無失点で勝てたのはよかったかなと思います。
ー後半厳しい時間帯でも相方の西村、守護神の山本、両選手との連携で凌いだようにみえたが
前半に先制して追加点決めて、 後半相手に押されるっていう時間帯で、リーグ戦でもあったんで。そこは慣れてるというか、そんなに焦ることもなく、しっかりゼロで終われたかなと思います。
ー山本透衣選手のセーブを見ていて
後ろからっていうか、ヘディングされたとこ見てたんで、やばいかなと思って、止めてくれたんで、流石透衣くんでした。
ー初のインカレの舞台
そんなにいつもの試合と変わらず、全国の舞台やからと言って、何か違うことするわけじゃないんで。いつも通りの試合で、いつも通りの流れで、自分がやるべきことをしっかりできたかなと思います。
ー個人としても大事な大会になる
この大会次第では、自分自身の見られ方っていうのも変わってきますし。そこでどれだけJ1のチームに見てもらえるかっていうのも大切に。自分自身プロ目指していて、大事になってくるんで、また次、アピールしたいです。
ー次戦の相手について
どっちが上がってくるかわかんないですけど、一戦一戦、目の前の相手に勝つだけなんで、そこは変わらず、しっかりやっていきたいです。
ー次戦の目標
ゼロで抑えて、セットプレーでは自分自身、リーグ戦まだ得点取れてないんで、ここで、初ゴール決めて、恩返しできればいいかなと思います。
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山本透衣選手
ー難しい初戦の入り方
僕たちにとって初戦なので、入りが大事だなっていう話をしてた中で、立ち上がりにぽんぽんとしっかり2点取れたっていうのは、やっぱり気楽にって言いますか、いい形で試合に入れたかなと思います。
ー後半セーブ機会が多かった
やっぱり点差もあって、相手が後半イケイケになる、負けてるチームがイケイケになるっていうのは、結構あることなんで、その中で自分のプレー機会増えたんですけど、しっかり止めることできたし、翔のゴールカバーだったり、ヨコがヘディングの折り返ししっかり触ってクリアしてくれたっていうおかげで、この無失点で次に繋げれたのは、すごいチームとして1個の成長かなっていう風に思います。
ー毎試合の目標であるクリーンシート達成
関東のチームにクリーンシートで90分終われたってのはすごい自信になりましたし、 やっぱりこのチーム絶対点入るんで、僕含めて後ろがしっかり守って、次も勝ちたいなっていう風に思います。
ー関西のチームとの違い
セットプレーだったりっていうのは、関東のチーム迫力あって、すごい強いなっていう風にやってて思ったんで、そこは ま次は、関西なのかわかんないですけど、どっちも高さはあると思うんで、また気を引き締めて頑張りたいと思います。
ー準々決勝へ向けて
歴史を変えるっていう意味でも、まず2年前の記録塗り替えたのはすごい嬉しく思いますし、 応援に来てくれてる選手とか、誰かのためにっていうところで、次の試合も勝ってしっかり次に駒を進めれたらなって思います。
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中田樹音選手
ー2年前との違い
2年前は最後とか、筑波とかもちょっとしかできんくて、悔しい思いはしたんですけど、今年は 出て、しっかりこの前の壁を越えれたっていうのが1番嬉しいです。
ー立ち上がり少し押された中での先制点
多分、当たったのが相手入って、でもとりあえず最初なんで、流れもちょっと悪かったから、とりあえず1発振っとこうかなと思って振ったのが、自分のゴールじゃなかったっすけど、結果的にゴールになったんで、それはよかった。
ー前半からハイプレス
自分のとこで押すっていうの、ミーティングは決まってたんで。でももっと強度高く行くべきやったなっていう反省があって、それは次に活かせれたらいいなと思います。
ーこの季節にしては暖かい気候
京都はめっちゃ涼しいから。でもいつも半袖でやるんで、ちょうどいいかな。
ー関東相手ということに関して
東洋が関東の上位って言ったら、上位じゃないと思うんで、筑波とかに負けてるっていうのは、2年前、負けたっていう結果があって、でも打倒関東って目標はしてたんで、どこが相手でも、関東は関東やったんで、まずそこで勝てたっていうのはチームの優勝に向けて良い流れは作れるのかなと思います。
ー準々決勝へ向けて
次戦は1番、どの試合も大事やと思うんすけど、1番。優勝に向けて自分は大事な2試合目っていうのは、そこを乗り切ったら、あとは行けると思うんで、まずそこを勝って、4回戦頑張って、長く参加できるように、出たら少しでも試合に勝てるように、貢献できるように頑張りたいです。
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【取材:細井雅貴、福田明音】

【サッカー部】インカレ直前!決戦前を控えたチームの声

京産大にとって2年ぶりの出場となるインカレが明日スタート。金曜日の練習終了後にチームに直撃インタビュー!対戦2日前という生の声をお聞きしました。
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吉川監督
―インカレを目前にして
やっぱり注目はされている。京産良いサッカーするだろうと色んな方から、期待値は、ひしひしと感じる。でも、実際ゲームを見ているかって聞かれるとそうではないと思う。披露できる場が4試合、まずは1試合目。最大4試合あるので本当に楽しみでしかない。自信を持っていける。色んなプレッシャーを感じながら後期リーグやってきた。選手もチームも苦しみながら、勝ち点拾いながらやってきた。思う存分披露できる場で自分たちの力を示せれば、1個1個、勝って行ける、そんな自信がある。後は、選手とチーム信じて、やってきたことを披露、表現してくださいという感じ。なので、今日の紅白戦は、何やってんの、もっとやろうよって感じ。2日前にそういうのがあってよかったかな。インカレは楽しみやし、思う存分暴れてくださいって感じ。楽しみです。
―初戦の東洋大は関東6位、どんな気持ちで向かっていきますか
やってきたことですね。アグレッシブにゴールに向かう、アグレッシブにボールを奪いに行くとか、そういうことをやり続ける90分、120分にしたいと思う。初戦の立ち上がりは、すごく重要で慎重に大事に使っていかないといけない15分になると思う。ただ、置きにいくゲームじゃなくて、自分たちから仕掛けに行く、アグレッシブなサッカーを展開したい。それを表現させられるかがすごく重要だと思うのでやってきたこと、積み重ねてきたこと、この二週間、三週間なにか新たなことよりも今まで通りのことをやってきた。今まで通りやってきたことを思う存分、表現してほしいなと思います。

主将・食野壮磨選手
ー今の気持ちは
やっと始まるなという感じです。
ーインカレの対戦相手は東洋大学で、新井悠太選手と(東京)ヴェルディ対決になるが
彼は戦力としてJリーグの試合に出ていたり、最後のプレーオフの方にも出ていて、新井の方が今の自分よりも戦力として見られていると思いますし、ヴェルディのサポーターからも認知されていると思うので、そこで試合に勝つ事で、そこの見方を上回る事ができると思うので、何としても勝ちたいと思います。
ー今のチームの状態は
今日と昨日で紅白戦をしたのですが、少しゆるい所もあったのですが、そこを引きずるのではなく、明日のトレーニングでもう一回引き締めて良い状態で行ければと思います。
ーインカレに向けて
色々な人達の期待とか注目というのは2年前よりも全然高いものがあると思うので、期待に応える事とかを絶対出来るチームだと思いますし、日本一になれるチームなので、必ず日本一になれるように、自分達の力を信じて、仲間の力を信じて、頑張りたいと思います。

副将・川上陽星選手
サッカー人生最後なので頑張りたいです。

副将・佐藤幸生選手
集大成として、有終の美で終われるように頑張りたいです。

西矢慎平選手
もう一個今年タイトルを獲って、チームの新しい歴史を作れるように全員で頑張っていきたいと思います。

中野歩選手
2勝すればもう一回このグラウンドで練習出来るので、戻って来れるように頑張ります。

福井和樹選手
みんなでやるしかないので、4回生は最後のインカレなので悔いのないように日本一目指して頑張りたいと思います。

西村翔選手
いつも通り頑張っていきます。

夏川大和選手
2年前出場機会がなくて悔しい思いをしたので、チームも2回戦敗退だったので、今年こそは初戦を勝って日本一を目指したいと思います。

山本透衣選手
とりあえず1試合目を勝って2年前の記録を塗り替えてから、最後みんなで優勝して笑って終われるように頑張りたいと思います。

稲垣空斗選手
今年は優勝出来るチームだと思っているので、僕は(西矢)慎平の活躍に期待して、「慎平頑張れ!」って感じです。

三澤駿介学生コーチ
良い準備は出来ているので全員で笑って終われるように全力を尽くしたいと思います。

豊永拓弥選手(主務)
今年1年いろいろなことを乗り越えてきたからこそ優勝できる自信があるし、これまで携わってくれた方々やこれからの京産大サッカー部のためにも全国優勝します!

岡本壮吾学生トレーナー
僕は学生トレーナーでやれる事は限られているのですが、出来ることを全てやってチームの目標に貢献出来るように頑張りたいです。

坂口綾梨MG、田中未侑MG
チームが優勝出来るように全力でサポートします。

掛見直央選手
僕は副務として、向こう行ってからも対応していかないといけない事があると思いますが、みんなに100%以上の力を出してもらう為に、僕も出来ることを100%を出せるように、みんなで日本一を獲って終わりたいなと思います。

中村青選手
直接関わる事は出来なかったのですが、全力で応援して4回生に頑張ってもらいたいです。

石原央羅選手
日本一目指して全力で頑張ります。

楠瀬海選手
ベンチスタートだと思うのですが、ベンチをまず温めて、ベンチからベンチワークをして、ベンチでまず試合を勝てるように。そしてベンチがやってスタメンもしっかりやり切る。そしてチームとして頑張ります。

林憲太郎選手
全員で日本一獲れるように頑張りたいです。僕が出る出ない関係なしに、チームの為に働きたいと思います。

城水晃太選手
クリスマスイブに優勝出来るように頑張ります。

梅原樹選手
4回生と1試合でも多く戦えるように頑張ります。

中田樹音
1年生の時もインカレを経験をして、関東の強敵の筑波大学を倒すことが出来ず、関東との差を感じていたので、この2年でどれだけ縮めれたかを自分達で試す良い機会なので、しっかり勝ってみんなで優勝して、最後4回生と笑って終われるように頑張りたいです。

横窪皇太選手
このチームで戦うことが出来るのももう数える程しかないので、最後の24日まで行って、この1年間支えてくれた4回生にしっかり恩返ししたいです。

大串昇平選手
最後に笑って終われるように頑張ります。

新川翔太選手
今年1年間やってきた事が、日本一達成というところに繋がる自信は各自あると思うので、全力で出し切って頑張って下さい。

菅野翔斗選手
ー最終戦の涙の理由は
嬉しいだけではないのですが、ホッとしたという気持ちが大きいです。後期は中々自分が出れなくて悔しくて、(中田)樹音が復帰して活躍した事もありますが、それより優勝出来て良かったです。
ーチームの期待に応える自信は
あります。
ーコンディションは
怪我から復帰した感じはないです。いつもの怪我明けとは違う感じで、リハビリもインカレを目標にして実践的な動きでやっていたので、入っても違和感がなかったです。
ーインカレに向けて
4回生とするのが最後なので、ここまで繋いでもらったので、自分が少しでも活躍して、1日でも引退を伸ばせるように頑張ります。

前原慶維選手
どんな形でもチームに貢献出来るように頑張りたいです。

徳若碧都選手
僕はメンバーから外れたのですが、(インカレは)今年みんなが目標にしていた大会なので、メンバー外れましたが同じチームだと思っているので、みんなで頑張って勝利を掴みたいと思います。

長谷川裟恭選手
帯同出来るので、試合に関われるように、関われれば結果出したいなと思います。

末谷誓梧選手
神山魂!!

伊藤翼選手
4回生ともっと長くサッカー出来るように優勝したいと思います。

妹尾颯斗選手
良い準備をし続けて、出た時には点を取りたいです。

滝口晴斗選手
試合にちょっとでも出させてもらったら勝利に貢献できるように全力で戦い抜きたいなと思います。

中原碧琉選手
自分はこの大会はB,Cの4回生は引退してしまったので、その人たちの思いも背負って戦いたいと思います。

田代紘選手
チームの全国優勝に貢献出来るように、ベンチでもベンチ外でも貢献出来るように頑張りたいです。

小野成夢選手
チームの目標である日本一に向けて自分に出来ることを全力でやって、チームの勝利に貢献したいと思います。

原田輝選手
この1年間、シーズンの最初から関西制覇と日本一という目標を掲げて、4回生を中心に引っ張ってくれたので、その4回生はインカレが最後なので、最初の目標である日本一というものを達成する為に、自分はピッチに立って貢献する事は出来ないのですが、しっかり応援という立場からしっかりその目標に貢献出来るように頑張りたいです。

岡部草太学生コーチ
全国制覇という目標を達成できるように、僕は応援という形で選手をサポートしていきたいと思います。
(取材 福田明音)

「📸ゴール裏から 番外編」
金曜日というインカレ前々日。練習が終わったころに神山球技場に向かうと、リーグ期間中の時と同じような雰囲気が流れていました。「いつも通り」、リラックスしながら、グランド上では自主練に励む選手と、コンディションを整える選手、グラウンドを出るとちょっとおふざけ気味な選手も。これまでの積み上げに自信があるからこそ、この空気が流れているのかなと感じるサッカー担当でした。
同い年の選手たちと初めて顔を合わせてから2年半。さっきまで賑やかだった取材部屋を片付けながら「みんな活躍してほしいな」と思った夕暮れ。その通りに全員が活躍し、1人も欠けることなく、さらには心強いファイターも加わってこの舞台まで昇りつめたこと、全員を心から尊敬します。
私にとっても最後の取材、ドキドキとワクワクが混ざりながら新幹線でこれを執筆中。どうか、彼らの努力が報われますように。よし、頑張るぞー!
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