京産大アスレチック

学内スポーツ紙「京産大アスレチック」を製作・発行する、京都産業大学体育会本部編集局のBLOGです。

連載コラム

《連載コラム》追いかける2文字「男気ラモの決心」『前者の戯言』ラグビーシリーズ⑭

 『前者の戯言』 ラグビーシリーズ⑭
 下良好純(経営 4年次)
追いかける2文字「男気ラモの決心」

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『ラモさん』には誰も勝てっこない。
ひたむきな姿勢でラグビーに取り組み、誰よりも楕円を愛してきた。パスを受け取り、フィールド中央を駆け抜ける。どこにカメラを構えても下良好純(4年 東海大仰星)は写っている。運動量が豊富な証なのだ。

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同じCTBの松本拓也が語る。「ラモさんと組むと安心感がある。声を掛けてもらうと落ち着く」。その存在感でチームを牽引する。
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守りたいものがある。赤紺のプライドだ。「チームの雰囲気は良い。勝つ準備ができている」片手で相手を押し退けてゲイン。鍛えた腕でハンドオフ。ひた走るラモさん。

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楕円球と一緒に生きてきた。幼少からラグビーに興味を持ち始める。ラグビー歴20年目を迎えた節目の2016シーズン。ここまで勝ち残った『意味』を感じている。
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大学1年から3年春まではWTBで試合出場。3年秋からはCTBに定着した。「アタックだったんですけど、最近はディフェンスですね。チームのために身体をぶつける」。

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ぶち当たって倒す。すぐに起き上がり、再度タックルへ。この繰り返しを80分間、死ぬ気で続ける。自分を育ててくれた赤紺への恩返し。その背中をチームメイトが追う。

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追いかけるのは勝利の二文字だけ。もう、他には何も要らない。赤紺歴史に刻んだ名。『下良好純』はラグビー道を走り続ける。ずっと、これから先も。

東海大を破り、10年ぶりベスト4入りへ。年越しをも楕円と迎える。世界で1番「熱い冬」をこの男が掴み取る。

《連載コラム》妥協を許さない「チヨン先生の出張授業」 『前者の戯言』ラグビーシリーズ⑬

 『前者の戯言』 ラグビーシリーズ⑬
 李智栄〈リ・チヨン〉(経済 4年次)
妥協を許さない「チヨン先生の出張授業」

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一切の妥協を許さない。どんなときも自分を追い込み、鍛え上げられた肉体。そのハートも熱い。ときには悲鳴を上げる身体。それでも王者の道を追究していく。

李智栄〈リ・チヨン〉(4年 大阪朝鮮)は研究熱心な勉強家だ。スクラム練習では「まだまだ!最後まで押し切ろう!」と声を張り飛ばす。そんな李智栄を、指導歴44年の大西先生が『練習中の先生』とまで評する。

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グラウンドを離れると眼鏡をかけて授業を受けることが多い。マジメなオーラが全開。ひたすらノートを取る印象がある。だが、授業が終わってフィールドに帰ってくると、さっきとは別人。まるでスーパーマンに変身したかのような雰囲気で、日本一厳しいと言われる練習に励んでいく。
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練習中、李智栄を見ていると思い出すことがある。大西先生が開講する「スポーツと人間形成」という特別講義。「ゴールデン・ブーツ」との愛称を持つ、廣瀬佳司さん(元日本代表・キャップ数40・京産大ラグビー部OB)が言っていたことだ。

「走るメニューでは、ラインが目標になり終盤で失速しては伸びていかない。ラインを越えたところまで走り抜ける意識を持つことが重要」。

この言葉を聞いてから、何度か意識的に練習を見学してみた。FW陣のフィットネスで、毎回最後まで走り抜けているのは、中川将弥(3年 御所実)、伊藤鐘平(1年 札幌山の手)、そして李智栄の3人だ。特に李智栄は主将・眞野よりも半歩速くゴールすることを心掛けているようにも見える。もちろん、眞野が手を抜いている訳ではない。

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妥協を許さない性格は、試合中でも生きる。先日のメイジ撃破。80分間のホーンが鳴り、ラストワンプレーとなったとき。必死のディフェンスで相手を食い止める京産大。そこに「ピッ」とレフリーが笛を吹く。

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勝利だと思い込み、喜ぶ選手たち。だが、李は冷静だった。「まだ終わってないことを知っていた」と振り返るように、歓喜に舞う選手たちに一喝。「広がれ!」そう、アドバンテージが出ていたため、まだ試合は終わっていなかった。

『京産大26-22明治大』と4点差。気が緩んだ隙にトライを奪われると、逆転負けを喫することになる。「勝つことしか考えてないので」絶対に白星を掴むための状況判断だった。

そして最後に試合を決めたのも、やはりこの男。仲間が低いタックルでディフェンスを重ね、相手が怯んだところに『一撃タックル』。研ぎ澄ませたボール獲得の『本能』で勝利を掴んだ。

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ふと脳裏をよぎったは開幕試合の同志社戦。「最後も絶対に止めて、勝ち切りたかった」。今季チームは確実に成長している。もちろん、味わった悔しさは計り知れないほど大きい。それでも、自分たちの手でリベンジの機会を掴んできた。負けたことに意味を感じ、それを『教訓』としてやってきた。「どんなときも僕は、試合に負けるなんて思ったことがない」。不屈の精神が『赤紺の支え』となっている。
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12時03分、縦1列で選手がフィールドへ。円陣を組み、李智栄は仲間に伝えた。「たくさん観にきてくれた。声援を味方にしていこう」入場行進でスタジアムに踏み出した瞬間、ファンの温かさに気が付いたという。

実は、その前日。チームメイトと共に京都・宝ヶ池球技場へ足を運ぶ。関西リーグのAB入れ替え戦をスタンドで観ることが目的だった。観客目線で試合を観た赤紺の背番号「7」。応援してくれる人の存在を感じたという。

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死闘を繰り広げてのメイジ撃破。
その根本には「練習に取り組む姿勢」がある。

試合後の取材で「練習で力を出し切れないチームは、試合でも出し切れない」と、元木ヘッドコーチが語るように、主将・眞野を筆頭として練習から100%出し尽くしてきた。その横には李智栄がいる。バイスキャプテン(副主将)として眞野主将を献身的にサポート。
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〈近畿大戦でMOM受賞〉

今季からトーナメント制に戻された大学選手権。温存なんて要らない。目前の1戦に勝つか負けるか。それですべてが決まる。

3回戦では聖地・花園で明治大を倒し「7度目の正直」を成し遂げた。更なるステージは東京・秩父宮。相手は関東大学リーグ1位の東海大だが、ここまで来たら肩書きなんて関係ない。勝てば10年ぶりのベスト4進出。お正月まで熱い「京産大ラグビー」を見せつけられる。

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12月17日〈準々決勝〉、1月2日〈準決勝〉、1月9日〈決勝〉。会場はすべて東京・秩父宮。チームメイト、そして赤紺ファン全員が、1試合でも多く『チヨン先生の出張授業』を受けたい。頼んだぞ、李智栄!

《連載コラム》俺たちの役割!「OneTeam」 『前者の戯言』ラグビーシリーズ⑫

 『前者の戯言』 ラグビーシリーズ⑫
 俺たちの役割 「OneTeam」
 ・絹川誠吾(経営 4年次 洛北)
 ・三木雄太(法 4年次 太成学院)
 ・青谷貴文(法 4年次 石見智翠館)
 ・城間広志(法 4年次 大阪桐蔭)

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〈写真左から、城間・青谷・絹川・三木〉

花園スタンドで肩を組んで泣いた。自然と学歌を口ずさみ、次第に大声を張り上げる。12月11日(日)のメイジ撃破。80分間を闘い終えた戦士たちに感動の拍手。それには理由がある。

Bチームは「仮想明治」として練習相手となった。ビデオ研究を重ね、明治大への対策を練る。その成果が大学選手権で生きた。

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179㎝87㎏と大型ロック(LO)青谷が語る。「ケガ組でリハビリをしていたので、明治に勝たないと復帰して練習できなかった。まだラグビーをさせてくれてありがとう」。
第2節の天理戦。後半からの途中出場でAデビューを果たす。「出場は嬉しかった。責任を果たさないと、と思っていた。自分が出ることで流れを変えたかった。練習でやってきたことしか、試合では出ない。1日1日、積み重ねてやってほしい」とコメントした。
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応援部隊を指揮するのはフランカー(FL)城間だ。
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Aチームでの試合経験があったが、今季はケガのため出場できなかった。そんな”ケビン”が裏方に徹する。

「応援はシンプルな方が良い。スタジアムの皆さんと一緒に応援できるのが理想のスタイル」と、こだわりを語る。メイジ撃破、最後のシーン。『京産!京産!京産!』と、鼓動の高鳴る大声援があった。「あの応援は元木コーチに助言してもらいました。至ってシンプルなので本当に良い効果がある」。

決戦を迎える、前々日。「準備が大切、勝ちに備えよう」とメンバー外で、全体練習後に『学歌と部歌』を稽古。それが当日の『大応援』にも繋がった。”ケビン”が応援部隊を秩父宮でもスタンドをまとめる。

絹川さん

プロップ(PR)絹川は夏の菅平合宿を目前にして負傷。チームから離脱した。帰ってきてからは「スクラムコーチ」として自身の経験をC・Dチームに染み込ませる。
絹川さん (2)

「柴田(桂 3年次)は、本当に成長している。(明治戦で)スクラムを押し切ったときは感動した」。後輩の活躍を認め、目尻を下げた。

同じくプロップ(PR)で、Bチームを牽引し、開幕試合の同志社戦ではAチームのリザーブに入った三木。
厳しいフィットネス練習やスクラムでも「3本目ー!」。ボイスで仲間に気合を入れる。いつの練習でも『闘将・三木』の声が響き渡る。
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12月17日(土)の東海大戦。全力でスタンドでの応援に力を注ぐ。
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ここまでのベストプレー集を作り、メンバー23人に披露。映像の最後1分間では「スタンド組」全員が集結するシーン。「部員全員で勝ちましょう!!」精一杯作った動画に、泣いてくれたメンバーもいた。

主将・眞野拓也が言う。
「東海大に勝って、またここ(神山グラウンド)で汗を流したい」。
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誇らしい左胸のエンブレムは赤紺ジャージだけじゃない。試合に出られないブレザー組も同じ思いで闘っている。大声援が背中を押す。【京都産業大学ラグビー部】全員で『未来』を勝ち取る。

《連載コラム》クールに決める赤紺戦士「AYATO!」 『前者の戯言』ラグビーシリーズ⑪

 『前者の戯言』 ラグビーシリーズ⑪
 坂本英人 (経済 3年次)
クールに決める赤紺戦士 「AYATO!」

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凄まじい勢いで走り抜けた。わき目も振らず、ゴールラインだけを見て。湧き上がる声援を背に駆けていく。

WTB⑭坂本英人(3年 御所実)が無人のフィールドを一直線。ひたすら80mを全力疾走。相手選手は誰も追いつけない。紫紺を置き去りにした「独り舞台」だった。

観衆5000人の視線を集め、想いを背負った決死のダイブ。レフリーが笛を吹き右手を高々と上げた瞬間、クールな男が吠えた。
その雄叫びが次のステージである秩父宮までも届くように。

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勝敗を分けた独走シーン。尋ねてみると謙虚に語る。「運が良かったのもある。少ないチャンスを掴めた」。50m5秒9の快速を生かし、赤紺を歴史的勝利に導く。

逆転の「キッカケ」を作ったのは、LO④伊藤鐘平の渾身タックル。坂本英人は、そのことも忘れていない。

ボールを拾い上げた瞬間、スタンドは総立ち。湯気が沸くほどの熱気に満ち溢れる。
だが、クールな男は至って冷静だった。「取られたらダメなんで」。右手で拾いあげた楕円球を走りながら左手に持ち変えたのだ。
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あの瞬間をHO②中川将弥(3年 御所実)が『証言』する。「拾ったとき『あ、行くな』と思いました。何回も見てきたので。あいつ、拾ってから速いんですよね」と、高校時代からの戦友がにこやかに語る。
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京産大を選んだ理由はシンプルだ。「1番最初に声をかけてもらったから」。『報恩謝徳』の心を持ち、受けた恩を忘れない。口数こそ多くないが義理人情に厚い男なのだ。

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入学してすぐにAチームに合流。1年秋の大体大戦では4トライを奪うなど鮮烈デビューを果たす。

2年生でもWTB(ウイング)の座を離さない。3年となった今春には関西学生代表に選出され、全国に存在感をアピール。
そして今秋には、⑪濱田と⑭坂本で「駆け抜ける男前」を結成する。
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WTBはアタック面のイメージが強いが、坂本はこう語る。
「京産大は相手をゲインさせないディフェンスが売り。さらにチームワークを良くして、次に臨みたい」。

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『メイジ撃破』から4日が経つ。もう余韻には浸っていない。大学選手権〈準々決勝〉の東海大戦に向けて意気込んだ。
「低いタックルで当たる。勝つチャンスはあると思うので、そのときは走り抜けたい」。そして続ける。「自分たちの120%力を出す。ディフェンスで前に出て、ロースコアで。1点でもいいので多く取って勝つ」。
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クールに決める『AYATO』が赤紺ウェーブを秩父宮スタンドにも生み出す。

《連載コラム》ドッシリ構えてプレゼント!「孝行息子ここに在り」『後輩女子が聞いてみた』ラグビーシリーズ⑩

『後輩女子が聞いてみた』
ラグビーシリーズ⑩

 山野将太朗 (経済 4年次)
ドッシリ構えてプレゼント!
「孝行息子ここに在り」

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固い決心がある。2016年12月11日の「メイジ撃破」。5分間にも及ぶ、長いラストワンプレー。意地のタックルで応戦する。

『死んでも止めよう』—。胸に秘めた強い思い。ノーサイドの笛で、赤紺魂が目の奥でキラリと輝いた。
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モールを形成したとき、1人だけ後ろを向いて進む選手がいる。LO[5]山野将太朗(4年 京都成章)だ。
まっすぐに投げ込まれるラインアウトをキャッチ。地面に着地する瞬間から、破れそうになるほどユニフォームを引っ張る。両腕を目一杯に伸ばして。それも、敵ではなく味方選手の。FW陣がゴールラインまで押し込めることを信じているから。

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小学1年からラグビーに興味を持ち、BKとしてプレー。中学では一度思い悩み、ラグビーから離れる。向かった先は陸上部。グラウンドの中心で砲丸を投げ込んだ。

「本気で取り組んでみようかな」とラグビーへの想いが再熱。一大決心で京都成章高へ進学した。高校時代からFWへ。リザーブでの途中出場が目立ったが、京産大ではレギュラーを掴み取った。

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今季リーグ4試合目の関大戦を終えたとき「次は完封します」と高々と言い放つ。その言葉には自信が詰まっていた。5試合目の関学大戦〈57-0〉と宣言通りの無失点。見事、MOM(マン・オブ・ザ・マッチ)に輝いた。

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受賞後、グラウンドにて聞いてみた。「そのトロフィーどうしますか?」即座に答えた。

「毎試合応援に来てくれている親にプレゼントしようかと思います」そして続ける。「まさか僕がもらえると思わなかったので…驚いてます」。困惑の中、言葉少なに孝行息子が喜びを語る。まさに、縁の下の力持ち。地道な努力を見る人はしっかりと見ているのだ。

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強烈に押し込むモールと、スクラムで圧倒する。FW陣8人が一枚岩に。その中心は、もちろん山野将太朗。ど真ん中でドッシリと構えている。完全にお株を奪った。伝統あるスクラム、縦長モールで「重戦車軍」を押し切る。その中心で背番号5が雄叫びを上げた。

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ひたむきに戦い抜いた「セットプレー職人」の目から、涙がこぼれ落ちる。
12月17日(土)@秩父宮。次なる強敵、東海大を撃破へ。
この男がいるなら大丈夫。もう1度、鉄人ばりの渋いマスクから、こぼれる歓喜の笑みをプレゼントする。
INFORMATION
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取材・活動報告等、随時更新していきます。

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