第103回 関西学生サッカーリーグ(後期) 第10節vs京都橘大 兵庫県立三木総合防災公園第2陸上競技場(2025年11月8日 14:00 KO)
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【スターティングメンバー】
GK 1 (C)徳若碧都(4年=テゲバジャーロ宮崎内定・高川学園高)
DF 6 田代紘(3年=ヴィッセル神戸U-18)
DF 4 小野成夢(3年=愛媛FC U-18)
DF 32 沖野眞之介(1年=高川学園高)
MF 3 滝口晴斗(3年=サンフレッチェ広島ユース)
MF 23 大倉慎平(1年=ガンバ大阪ユース)
MF 10 伊藤翼(3年=セレッソ大阪U-18)
MF 17 福永裕也(2年=京都橘高)
MF 7 皿良立輝(2年=セレッソ大阪U-18)
MF 14 長谷川裟恭(4年=京都橘高)
FW 9 妹尾颯斗(3年=サンフレッチェ広島ユース)
(フォーメーション 1-3-4-2-1)
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【サブメンバー】
GK 21 脇谷静香(1年=ファジアーノ岡山U-18)
DF 28 吉井泰生(1年=ガイナーレ鳥取U-18)
DF 24 西川宙希(1年=セレッソ大阪U-18)
MF 40 金鍾真(3年=京都朝鮮高)
MF 38 福島健太(2年=青森山田高)
MF 27 森田皇翔(1年=ヴィッセル神戸U-18)
FW 26 高川諒希(1年=カターレ富山U-18)
FW 29 太仁紫音(1年=大谷高)
FW 25 湯山大輔(1年=藤枝東高)
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【選手交代】
ハーフタイム
IN 高川諒希 OUT 妹尾颯斗
76分
IN 福島健太 OUT 長谷川裟恭
89分
IN 金鍾真 OUT 福永裕也
IN 太仁紫音 OUT 大倉慎平
90+3分
IN 吉井泰生 OUT 滝口晴斗
【スコア】
京産大2-1京都橘大
得点
49分 沖野眞之介 AS 皿良立輝
69分 高川諒希 AS 田代紘
失点
24分 松村尚樹
【試合内容】
勝てば1節を残して3年連続のインカレ出場が決まる大一番。「悔いのないように、逞しく」(吉川監督)試合前のミーティングでの言葉を胸に、京産大イレブンはピッチに立った。
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18分、小野のロングフィードを起点に福永、長谷川とつなぎ、皿良がシュート。22分にも伊藤から妹尾を経由し皿良が再び狙うが、いずれも枠を捉えられない。すると24分、ビルドアップの場面で徳若が出しどころを迷った隙を突かれ、痛恨の失点。36分にはCKからサイドネットを揺らされるなど、追加点を許してもおかしくない場面もあった。それでも、京産大は慌てることなく丁寧に攻め続ける。43分、小野の展開から右サイドの滝口が抜け出し、鋭い右足シュートを放つも、相手GKの好セーブに阻まれた。続くCKでは長谷川がこぼれ球に反応し、ゴールに迫るも決め切れず。1点ビハインドのまま前半を終えた。
ハーフタイムには、裏抜けを得意とする高川を投入。2シャドーの皿良と長谷川が空いたスペースを狙う形で後半に臨んだ。その狙いは早々に実を結ぶ。49分、CKのセカンドボールを皿良が拾い、滝口がクロス。再び皿良がインスイング気味のボールを送ると、沖野が「最終的には気持ちでゴールを取った」と、相手選手に競り勝ち、ヘディングで同点ゴールを叩き込んだ。
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流れを完全に引き寄せた京産大は、56分に高川がネットを揺らすもオフサイドの判定。続く61分、田代の正確なロングフィードから高川が裏へ抜け出し、右足で枠をとらえるシュート。惜しくもGKに阻まれたが、ゴールへの道筋が見え始める。そして69分、再び田代のロングパスに反応した高川が、今度は左足から右足へと切り返し、冷静にゴール左へ流し込んだ。狙い続けた形でついにネットを揺らし、チームを逆転に導く一撃。頼れるルーキーが、自ら掴んだリズムを結果で証明してみせ、リーグ戦チームトップとなる8ゴール目を記録した。
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その後も勢いは止まらない。71分にはカウンターから大倉のクロスに高川がヘディングシュート。惜しくも枠を外れたが、試合の主導権を握り続けた。終盤の88分には、相手のFKからヘディングで合わせられ、ゴール右へわずかに外れるヒヤリとする場面も。「あんまり良い前日のセットプレー練習ではなかった」(吉川監督)と、試合前に懸念していた形だったが、それでも守備陣が集中を切らさず、1点差を守り抜いた。結果が何より求められる終盤戦で、貴重な勝ち点3を死守。失点に関与した主将・徳若は「助けてくれて本当によかった」と、ルーキーたちの奮闘に安堵の表情を浮かべた。
この勝利でインカレプレーオフへの出場及びリーグ戦5位以上を確定させた。最終節は、勝ち点で並ぶ3位桃山大、4位甲南大との順位争いとなる。相手は開幕戦以来の対決となる大体大。「1個でも順位上げれるように。前期引き分けてる相手なので、勝って終われるように良い準備をしていきたい」(徳若)と、関西学生リーグラストゲームへ臨む。
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【試合後のインタビュー】
主将・徳若碧都選手
ー3年連続のインカレ出場が決定
3年連続出れるってのはそんな簡単なことじゃないと思うし。出れるということに関しては、すごい嬉しいっていうのと、ここから全国大会チャレンジできるんで、上位目指すために日頃から良い練習、良い取り組みができればいいなと思ってます。
ーどういった気持ちで試合へ臨んだのか
これ勝てばインカレ出場決まるっていうのもわかってた上で、望んだつもりではあったんですけど、自分のミスもあって、チームを苦しい状況に持ってしまったっていうのはやっぱり自分の責任でしかないと思うので、残り少ないチームでできる活動っていうのが限られてるんですけど、キャプテンとして常に先頭立って、苦しいときもやれればいいかなと思ってます。
ーハーフタイムでの修正
自分のミスで失点した以外は相手にピンチを作られることもなかったんで、ネガティブにならずにやり続けようっていうとこはあったし、紘のところの右サイド漏らしてるところも、なかなか漏らしてなかったんで、そういうところはうまいこと修正は入れれたかなとは思ってます。
ー1年生の2得点を守り切った
1年生2人が取ってくれたんは、諒希は普段取ってる選手ですし、オキに関しては高校の後輩やったりするんで、助けてくれてほんまによかったなというか、安心というか、そういう気持ちが強かったのと、ああいうセットプレー、終盤になるについて、インカレもあると思うんですけど、ああいう締めるシーンっていうのがすごい大事になってくると思うんで。自分中心に締めれればいいなと思ってます。
ー最終節に向けて
1個でも順位上げれるように、前期引き分けてる相手なんで、勝って終われるように良い準備していきたいと思います。
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高川諒希選手
ー今日の試合ベンチからのスタートでしたがどのような準備をして試合に臨みましたか
ベンチで最初前半見てて、思わぬ形で失点してしまって、なかなかリズムが作れないっていうところではあったんですけど、ハーフタイムに吉川さん中心に自分たちがやってきたことを出そうっていうふうな話はしてたんで、自分は点を取る準備だけしていました。
ー高川選手が入ってから結構チーム全体もギアが上がった感じでしたけど、どこを変更したり、改善点として後半に入りましたか
監督からは背後へのアクションっていうところは常に起こせっていうのは言われてて、自分は背後からのとアクションは得意としているので、その自分の得意な形で動けましたしそこが得点につながったかなっていうふうに思います。
ーその得点のシーン、得意な背後からの抜け出しでしたけど振り返ってどうですか
常に狙ってた中でいい形で抜け出して、その後も思ったよりも冷静に自分の中で時間があって切り返せて、ああいうシュートっていうのは自分の中で得意なので、こういう大一番でああやって決め切ることができて良かったです。
ー今日も得点されて、リーグで得点を積み重ねてきたと思いますが、自身の得点力についてはどうですか
前期はなかなか出番も少なく、仕留めきるところも仕留められなくて、得点は1点ぐらいだったんですけど、後期になってだんだん出場機会ももらえていく中で、少ないチャンスを決め切るだったり、シュートを積極的に打ててるの所がハマってるのかなと思います。
ー今日の試合でインカレも決まりましたし、次の試合が残り一節となりますが、今期の後期リーグの締めくくりとして最後に意気込みをお願いします。
インカレは決まりましたけど、リーグ戦はまだ試合残ってるんで、ラスト一戦勝っていい形でインカレにつなげていきたいなというふうに思います。
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大倉慎平選手
ー今日勝てばインカレが決まるという中での試合でしたが、まずはどういった気持ちで試合に臨みましたか
勝てばインカレが決まる試合でしたけど、そんなにいつもより気持ちが高まるっていうのはなかったですし、普段通り今やってる練習を重ねて、リーグ戦でまだ三連勝がなかったんで、そこを目指しながら、いつも通りの気持ちでプレーしました。
ー今日の試合を一日振り返ってどうでしたか
簡単なゲームではないっていうのは、昨日の前日練習から言ってましたし、本当にその通り、アクシデントで失点したんですけど、そこからうまく立ち直れたし、前期と違って連続失点がなかったんで、そこは一個成長かなと思いました。
ー前半はイレギュラーな形での失点だったと思いますが、後半に改善したところや、ハーフタイムでの修正点はどこにありましたか
いつも以上に芝が深くて、自分もチームも今季初のグラウンドだったんで、奪ってからのパスっていうのが前半はちょっとミスが多かったんですけど、りつくんやさきょうくんとコミュニケーションを取りながら、いつもより強いパスを出すみたいなところを意識して後半修正しました。
ー後半は自身のドリブルなどでも良いシーンがあったと思いますが、振り返ってどうですか
ミラーゲームっていうのもあって、マークが相手と一対一で決まってたんで、一人剥がしたら一気にチャンスができるというのは吉川監督もおっしゃってたんで、自分のストロングである中盤からの運びっていうのはしっかりプランで持ちつつ、運んだ後もうちょい得点につなげられればよかったと思いますけど、そこの特徴はラストの体大戦でも発揮していきたいと思います。
ー今日の試合でインカレも決まりましたし、次は最終戦となります。最後に意気込みをお願いします
一つでも順位を上げることと、まだインカレの先があるので、それに向けて全員パワーアップして、ラストの試合に臨みたいと思います。
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沖野眞之介選手
ーインカレ出場が決定
後期が始まって、順位が下からスタートってことで、6位以上を決めるってことを目標にしながら、インカレに出た後のことも見据えて、トレーニングしてきましたけど。今日決まってこれからまた全国に出て、もっと強いチームが出てくると思うんで、そこで勝つためにも残り1戦あると思うんで、また4連勝目指してやっていきたいと思います。
ー残留争い中の相手
自分も前期で橘とさせてもらって、自分のミスで2失点してしまって、チームとしては勝てたんですけど、自分のミスで、チームに良い雰囲気を持ってけなかったってことで、今日はそれも踏まえて、前半から自分のいいプレーも出て、そこから自分も乗っていけたと思うので、そこは良かったかなと思います。
ー同点弾を振り返って
リーグ戦初ゴールってところで、前半からセットプレーとかで、自分も点が取れるよなっていう自分の雰囲気も感じた部分もあって、そこで後半、良いボールがリツくんから上がってきて。あとは今まで試合に関われなかった時間だったり、ケガしてた時間分、今までの大学入ってからも含めて。最終的には気持ちでゴールを取ったと思います。
ー逆転後も守り切った
守備に関しては、全員でセットプレーの練習とかでも、全員で雰囲気を作るというところ。全員で声を出したり、そういった部分を練習からやってきたので、危ないシーンはありましたけど、全員で最後ゴール守れたかなと思います。
ー最終節に向けて
ラスト1戦、このメンバーでやれるのもリーグ戦最後なんで。最後1戦、インカレ出た後も考えれば、絶対に落とせないゲームだと思うので、そこは全員でやっていきたいと思います。
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吉川監督
ーハーフタイムで妹尾選手に代えて高川選手を投入
ひずみがあって、失点を繰り返したとか、失点が起こったっていう感じじゃなかったんで、そんなにネガティブになることなかったんですけど。ただ前線のところで、ちょっとオフサイドポジションに居過ぎたりとか、ライン間が空くようなアクションも少なかったので、先頭を変えてっていう部分で。もうちょっと裟恭とか、立輝が活きるような形にしたいなと思って、後半立ち上がり変えたという感じですね。
ー沖野選手が同点弾
沖野は今日の前半でも、もうほとんどエラーなく。先発したゲームのここ数試合でも、本当にエラーが少なく、チームの求めることに対してしっかり表現できている選手だったので、あの得点はちょっと驚きですけど、でもあの身長でヘディング強い選手なので、こういう大きなゲームでしっかりと結果を残して、1つ自信になったかなと思います。
ー高川選手の逆転弾を振り返って
相手も5枚並べてってときに、ちょっと窮屈さがあった部分もあったので、どっちかというと諒希を囮にして裟恭と立輝を生かせればなというところで、諒希入れてっていう感じだったんですけど、結果的に諒希が背後取って得点っていう形だった。狙いとしてはそっちじゃなかったんですけど、結果的には良いタイミングで抜け出して、紘から良いフィード出てっていうところがあったので、結果的には良かったかなと思います。
ー終盤にCKからピンチ
Aサブの方に何回かコーナー触られてたのが前日練習であったので、ちょっと嫌な予感というか、あんまり良い前日のセットプレー練習ではなかったなっていう印象が昨日あったので。その辺やっぱり、良いも悪いもやっぱりゲームに直結するというか、ゲームに出るんだなというところは、改めて思った部分かなと思いますね。
ー今季は得点も多いが失点も多くあった
痛いところですね。不用意なっていうところが、今日も先に得点与えてっていうところであったりとか、最後に追いつかれてみたいなところでいうと、本当にゲーム、試合巧者になれていない部分が、今の順位なのかなというところが、インカレは取れたけど、上位争いで最後まで走れなかったっていうところが、その失点の多さにつながるかなと思うので。得点の多さで言うと上から3番目4番目くらい、失点の多さで言うと下から3番目くらいというところで言うと、本当に今4位、5位争いできてるのは良い方かなと。本当に6位7位で終わっても、おかしくない得失点の部分かなと思うんで、そのあたりはインカレを見据えたときには、やっぱり対処して、今日の最小失点、本当に最低1で抑えるっていうところは、修正していかないといけないなと思います。
ー京都橘大の沖選手と対峙した福永選手へ求めたもの
大臣杯の関学の山本くんと対峙した時に、ちょっとやられた部分も彼はあったので、今日は強気に。沖くんだったので、そこは橘のストロングだったので、しっかりと対峙した時に、1人で抑えきるっていうところのタスクは、予想より10分、15分くらい長くタフに最後までやってくれたので、よくやってくれたなと思いますね。
ー最終節に向けて
1つでも良い順位で終わるっていうところは、大事なことだと思うので、その先につながるプレーオフで。プレーオフ去年悔しい思いしてるので、そのプレーオフをしっかりと勝ち切って、自分たちが戦いたい舞台で、インカレを戦えるように、体大戦を、最終戦をしっかりと使って、その先につなげていきたいなと思います。
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【取材:細井雅貴、和田慎太郎】