令和6年度秋季関西地区大学準硬式野球大会
決勝戦vs.立命大
2024.11.06(水)
@大阪シティ信用金庫スタジアム
決勝戦vs.立命大
2024.11.06(水)
@大阪シティ信用金庫スタジアム
【試合結果】
立命大220|000|01=5
京産大000|010|00=1
【出場選手】
1右 西浦 昇真(2年・東山)
2中 岩崎 照英(3年・米子東)
打 日野 竣介(3年・京産大附)
左 岡治 尚希(1年・金光大阪)
走 二俣 周平(2年・京産大附)
3遊 児島 直希(3年・洛西)
4指 中西 健太(3年・狭山ヶ丘)
5一 辻 舜也(2年・山城)
6左中 石丸 晟智(1年・龍谷大平安)
7三 世取山 悠太(3年・乙訓)
8捕 前原 隼人(3年・岡山理大附)
9二 西岡 大祐(3年・天理)
打 菊本 大生(3年・羽水)
走 安武 佑真(2年・京産大附)
投 伊藤 蒼平(2年・葺合)
投 片井 勇輝(1年・京産大附)
投 升田 陽大(3年・愛知)
【試合内容】
前日の逆転勝利を収めた準優勝から一夜明け、ついにこの戦いで関西の王者が決まる。15年ぶりの優勝、そして春に続く関西の王者として君臨できるのか。また、秋で引退する選手にとっては、同じグラウンドでプレーするのは泣いても笑ってもこの試合が最後。優勝に向け、闘志を燃えたぎらせる彼らの最後の相手は、立命館大学だった。
決勝の先発は初戦から登板してきた2年生の伊藤。この大会では、初先発となる。先頭に内野安打で出塁を許すと、犠打や四球で一死1,2塁と早くも窮地に立たされる。さらに相手の4番打者に中安打を浴び、2失点。2回にも相手の7、8番に連続ヒットを打たれ、タイムリーやスクイズで走者をかえされてしまい、4-0。準決勝の大阪商業大学戦と同様に序盤から追いかける苦しい立ち上がりとなる。
◆今大会初の先発マウンドを任された伊藤(現2)
3回からは、1年生の片井が登板。出だしテンポ良く二死を取るもそこから左安打を打たれ、暴投で走者を進めてしまう。二死2塁のピンチだが、これ以上突き放されたくない京産大。何とか無失点で切り抜けたい。さらに、迎えた打者に右安打を打たれ、またもや点差を広げられるかと思いきや、ここでライトの西浦が魅せる。2塁走者を本塁で刺す好返球。このビッグプレーによって、京産大はこの試合初めて相手の攻撃を0に抑える。初戦からバットでチームの勝利に貢献してきた2年生の西浦が今度は守備でチームを救った。
◆ライトからの好返球を見せた西浦(済2)
一方の攻撃陣。先制された1回の裏。二死から3番・児島が出塁すると、4番・中西、5番・辻もヒットで続き、二死満塁の一打同点の好機。打席には初戦、準決勝とここまで2試合、チャンスでタイムリーを打ってきた1年生の石丸。しかし、ライトフライに倒れ得点することはできない。ここから走者を得点圏に置くものの中々、最後の一本が出ない攻撃が4回まで続いていく。
◆3回、盗塁を試みる児島(現3)
上級生の好守備に助けられながら、片井は4回の相手の攻撃も無失点に抑え、5回に升田にマウンドを託すまで無失点投球を続ける、好リリーフ。
◆準決勝に続いて、1年生ながら頼もしい投球の活躍の片井(現1)
そしてついに5回、京産大が反撃の牙をむく。1番からの好打順で始まった京産大。一死1,2塁の場面で4番・中西に繋ぐ。ここでリーグ戦からほとんどの試合で4番を務めてきた中西が気を吐く中適時打。追い込まれたカウントながらも、「次に繋ぐことだけを考えて、来た球を強く振ることを考えていた」と、4番としての勝負強い打撃を発揮。これによって、4ー1となり京産大は1点を返すことに成功する。しかし、ここからは両チームともに無得点の状況が続いていく。
◆追い込まれながらもしぶとくセンターへと弾き返す中西(現3)
そして、迎えた最終回。しかし、5回からマウンドで踏ん張る升田に再び立命大打線が襲い掛かる。四死球も重なり、二死2,3塁の窮地に立たされる升田。フルカウントの状況から痛恨の暴投で3塁走者をかえしてしまい、5ー1。4点ビハインドで9回裏の攻撃に臨むかたちとなる。
◆5回から粘り強く相手打線を封じ込んでいた升田(済3)
最終回の京産大の攻撃。先頭の打席には、代打の菊本を送る。準決勝の大商大戦で、代打で逆転適時三塁打と結果を残した菊本。この場面でも右安打で起用に応える打撃を見せ、1番・西浦もヒットで出塁。途中からレフトを守る岡治も相手守備のミスを誘う打撃で後ろに繋ぐと、無死満塁。無死で走者を3塁に置いた状況はこの試合で、初めてとなる。まだ、勝負の結末は分からない。しかし、続く3人の打者が出塁することができず、5-1で敗退。最終回に粘りの攻撃を見せるも、春に続く関西連覇はならず、準優勝という結果で関西大会は終幕となった。
◆最終回、ベンチから声援を送り続ける選手たち
近年、初戦敗退が続いていた今大会。また、前原世代にとっては初めて挑む大舞台でもあった。しかし、今年は初戦、さらには逆転勝利を収めた準決勝と7年ぶりの決勝の舞台まで勝ち上がる快挙を成し遂げてきた。目指していた「春秋連覇」は達成ならずとも、結果は堂々の準優勝。しかし、選手たちには少しの慢心もない。「あと一歩届かなかった優勝をもう一度見つめ直して何がいけなかったのか、何が足りなかったのかをもっと追求していく」とチームを率いた前原主将。ここからチームはオフ期間に入る。34年ぶりの関西の王座をつかみ取った春。次に目指すべくは、「春2連覇」だ。求められるハードルは確かに高いが、チームは既に次の戦いに向け着々と準備を進めている。
【試合後のインタビュー】
前原 隼人 主将~チームの精神的大黒柱~
○1-5で敗れて準優勝
→「優勝したかったです。」
○昨日と同じように劣勢からの試合展開
→「序盤に先制点を取られて苦しい状況だったんですけど、チームでの逆転しようという士気が高まっていって、雰囲気としては良かったかなと思います。」
○得点こそ少なかったが走者は常に出す
→「毎回走者も出して好機を作っていたんですけど、ここぞの一本が出なかったので、課題として勝負強い打撃を磨いていきたいなと思います。」
○9回には無死満塁も
→「最後で粘り強く塁を埋めたことが準優勝になれた強みだと思いますし、粘り強くやれたと思います。」
○引退する5名の3年次生には
→「一緒にずっと(野球を)やってきて最後に関西大会優勝という名誉と共に、金メダルをかけさせてあげたかったんですけど最後は準優勝の形に終わってしまって、でも最後まで一番長く試合をできたと思うので、これからいろんな試練だったりが5人にはあると思いますが、応援もしっかり来てもらって輝いてほしいなと思っています。」
○来年の春連覇への挑戦について
→「決勝で負けた、あと一歩届かなかった優勝をもう一度見つめ直して何がいけなかったのか、何が足りなかったのかをもっと追求して、春2連覇を成し遂げるためにチーム一丸となって頑張っていきたいと思います。」
中西 健太 選手~今大会の打席は、全て走者を背負った場面 決勝ではチーム唯一の適時打を記録~
○準優勝という結果
→「序盤が昨日と同じような入り方だったんですけど、早く一点を取ってピッチャー陣を楽にしたかったです。得点圏であと一本ヒットが出なかったので、すごい悔しさが残っています。」
○初回から追いかける展開、予想していたことか
→「立命館大学のこれまでの試合を見ていると、序盤に点を取って、そのあとに良いピッチャーで逃げ切る戦い方だったので、その部分はある程度頭にありました。」
○『春秋連覇』が懸かる 7年ぶりの決勝の舞台、プレッシャーのかかる試合だったと思うが、どんな心持ちで今日を迎えた?
→「主将の前原から今日の試合で関西の頂点を取るぞ、という話があったので絶対にみんなで一位を取るぞという強い気持ちで臨みました。」
○ 5回に一死2塁、3塁から追い込まれたカウントで適時打、打席内で考えていたこと
→「とにかく、追い込まれていたので、次に繋ぐことだけを考えて、来た球を強く振ることを考えていました。」
○4点ビハインドで迎えた最終回、チーム内で共有していたことは
→「まだ4点差だったので、ワンチャンスで全然ひっくり返せるぞ、と。チーム全員まだまだ諦めていなかったです。」
○見えた課題
→「攻撃面でチャンスで一本出すところ。今日の試合でも走者を得点圏に置いた場面で最後の一推しが足りなかったと感じています。」
○収穫
→「投手陣。初めて大きな大会で投げる投手もいた中で試合をまとめてくれる投手がこの大会を振り返っても多くいたので、そこは良かったと思います。」
○ここからチームとしてオフ期間に入るが、どんなところに重点を当てた練習がしたい?
→「一番は、バッティング。低反発バットになって得点が取りにくくなっているんですけど、やっぱりチャンスで一本を出せないと、無得点のままなので、チームとしてバッティングは磨いていきたいです。」
○今大会で引退する選手たちに一言
→「この大会で離れるメンバーがいるのは、すごく悲しいんですけど、ここまで一緒にプレーしてきた日々は、全部楽しかったので、本当に良い思い出をこのメンバーで作れたなと思います。」
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また、今大会を区切りに引退する5名の3回生の選手にもインタビューを行いました。
有巣 雄志(ありす・ゆうし) 選手
内野手/右投右打 経済学部 金沢学院大学附属高校出身
○準優勝に終わった今大会は
→「とりあえず1回戦を勝てたのがよかったということと、準決勝のあの逆転勝ちはすごくよかったと思います。」
○監督として見た景色は
→「気持ちが一回もきれなかったと思います。ずっと勝てると思ってやっていたので、それが準決勝の逆転勝ちに繋がったと思っています。」
○準硬式野球部としての活動を振り返り
→「結構自由にやらせてもらって、楽しくできたというか、みんなにも感謝したいと思います。」
○共に汗を流した3年次生に向けて
→「3年間ずっと一緒に(野球を)やってきて、プライベートも含めてすごく楽しかったのでありがとうと伝えたいです。」
○チームに今後期待すること
→「今回は準優勝という悔しい結果に終わってしまったので、春は優勝してそのまま全日でもとりあえず1勝はしてほしいと思います。」
松繁 輝昴(まつしげ・てるたか) 選手
内野手/右投左打 経営学部 高知小津高校出身
○今大会全体を振り返って
→「僕もコーチとしてベンチに入らせてもらったんですけど、チームの雰囲気も含めて全部よかったと思っていて、前回(春の関西選手権で)金メダルを獲ったときもベンチにいたんですけど、それよりも雰囲気良くて本当に楽しかったです。」
○伝令で度々マウンドへ どういった話を
→「みんな真剣な顔をしていたので、それをほぐしにいくような感じで行ったんですけど、普通のことをしゃべっていました。」
○リーグ戦では投手として登板することも
→「投手をしたら打ち取れますね(笑)。」
○準硬式野球部での活動は
→「一言で言います。楽しかったです。」
○共に戦ってきた3年次生には
→「ほんまにありがとうですね。」
○春以降も戦うチームに向けて
→「僕たちは銀メダルで(今大会は)終わってしまったので、関西1位を獲って全国も優勝してほしいと思います。」
日野 竣介(ひの・しゅんすけ) 選手
内野手/右投左打 経営学部 京都産業大学附属高校出身
○準優勝となった大会を振り返り
→「チーム一丸となって掴んだ結果だったので、悔しい気持ちもありますがやりきった気持ちが一番大きい、そんな準硬野球です。」
○代打として主に出場 準決勝では安打も
→「なんとかこの後に勢いをつけたかったので、初球から積極的にスイングをしていって自分の持ち味である元気よく明るさでチームの雰囲気を変えていこうと、頑張ってやってきました。」
○準硬式野球部での3年間は
→「これまでお世話になった先輩方や家族、そして何よりもチームメイトと一緒に野球ができたということは嬉しく、財産で宝物だと思います。」
○同じ3年次生のチームメイトへの言葉は
→「一人ひとり力も持っていて、すごく良い選手がいっぱいいるので、この悔しさを胸に春にリベンジをして僕たちを喜ばせてほしいと思っています。期待しています!」
○春以降の戦いを続けていくチームへ
→「春連覇の可能性はまだ残っているので、春連覇を一番の目標にして全国大会でも勝ち進んでいける強い京産を見せてほしいと思います。」
岩﨑 照英(いわさき・しょうえい) 選手
外野手/右投左打 現代社会学部 米子東高校出身
○この大会を振り返って
→「初戦から自分のバントミスが2打席続いたり、決勝戦も中々自分自身の思うようなプレーができないなかで、下級生や3回生の色んな選手が僕の代わりに打ってくれて、今大会を通して助けられた大会だったと思います。」
○ここまでの大学準硬式野球生活を振り返って
→「同い年のみんなもそうだし、下級生が真面目に練習をしているなかでわちゃわちゃ話しかけてくれたおかげで自分自身の学生生活での野球の中で一番楽しい3年間だったなと思います。」
○1番の思い出は
→「一番は、今大会。自分たちの代になって初めての大きな舞台に出ることができて準優勝という結果を残せたことが一番大きな思い 出です。」
○チームの好きなところ
→「他のチームと違って監督やチームがいない分、選手が主体となって自分たちのやりたいように楽しくプレーできるところが魅力です。」
○同級生の3回生にメッセージ
→「マネージャー合わせて14人の人たちがいたおかげで自分の野球人生が楽しくなったので、素直にありがとうと伝えたいです。」
○ チームに一言、成し遂げてほしいこと
→「自分たち5人の3回生が抜けることでベンチ入りや試合に出る機会も増えていくと思うので、下の学年からどんどん競争していって夏の関西大会を優勝して、全日でも優勝まで上り詰めていってほしいです。」
脇舎 駿 (わきや・しゅん) 選手
捕手/右投右打 法学部 金光学園高校出身
○この大会を振り返って
→「自分たちが思ったよりも良い試合ができました。粘り勝ちの経験もできたし、打線がつながったり、守り切るという、野球も経験ができたので、そこはめちゃくちゃ良かったと思います。」
○ここまでの大学準硬式生活を振り返って
→「本当に楽しくやらせてもらった。色んな勝ちや負けも経験できて仲間にも恵まれたし、人としても成長することができた2年半でした。」
○1番の思い出は
→「関西大会で優勝したことです。」
○チームの好きなところ
→「何でも言い合える関係だと思うし、プライベートでも仲良くしてもらっているし、みんながみんな優しいからこそ成り立っている学年だと思っています。」
○同級生の3回生にメッセージ
→「こんな俺と2年半一緒に野球をしてくれてありがとう。」
○チームに一言、成し遂げてほしいこと
→「もうこのチームは、夏の全日優勝に向けて動き出していると思うので、そこに向けてチーム一丸となって頑張ってほしいです。」
【取材・撮影:亀本皐介、村上暁】