第42回全日本大学女子駅伝対校選手権大会
於:宮城県仙台市(38.0km)
(2024年10月27日)

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 全日本大学女子駅伝は京産大として4年ぶりの出場。全選手が初めての経験となる杜の都は、笑顔でのフィニッシュとなった。
【取材・執筆:新川姫優】

レース結果
《 総合順位 》
第18位 京都産業大学 2時間13分12秒

《 区間記録 》
1区(6.6km) 今 絵里南②  22'42 区間17位
2区(4.0km) 坂本 有理佳② 14'26 区間23位
3区(5.8km) 永吉 悠倭②  20'44 区間21位
4区(4.8km) 飯田 有里彩① 17'03 区間20位
5区(9.2km) 政田 愛梨④  31'24 区間17位
6区(7.6km) 岡田 瀬奈①  26'53 区間15位

レース展開
 大会は予想外な出来事から幕を開けた。チームの主力として活躍が期待されていた2選手がコンディション不良により出場を見送る展開。結果、想定していたオーダーから大幅に変更する形となり当日を迎えた。
 1区を任されたのは今絵里南(2年・青森山田)。先頭が早いペースでレースを進める中、自分のペースを守り切り17番目に襷をつないだ。
 最短区間の2区は坂本有理佳(2年・奈良育英)、続く3区は永吉悠倭(2年・鹿児島)が走った。永吉は「想定していたより長い距離を急遽走ることになり、不安もあった」と話したが、堂々たる走りで4区へ襷リレー。
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▲2区・坂本から3区・永吉へ襷リレー(提供:立命スポーツ編集局)
 4区を任されたのは飯田有里彩(1年・香里ヌヴェール学院)。「もっと準備ができていれば」と悔しさを口にしたが、1人抜きの走りで第4中継所で待つエースへ襷を運んだ。
 最長区間の5区は、今シーズンはトラック種目でも好調の政田愛梨(4年・鳥取城北)が走った。今大会、京産大からは唯一の4年次ということもあり、最高学年の意地を見せる。他大学もエースを据えるこの区間で、順位を1つ押し上げ、6区で待つ岡田瀬奈(1年・龍野)へ襷を渡した。
 アンカーを走ったのは、1年次にも関わらず、上級生から「いつでもしっかり走ってくれる」「安定した走りが心強い」など、圧倒的な信頼をおかれる岡田。初めての全国大会だが、「リラックスして入れた」と話す。さらに、スパートでは前を走っていた関西外国語大を抜き去りフィニッシュラインを踏んだ。
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▲フィニッシュ直後の様子
 結果、京産大は総合18位でゴール。来年度の関西圏の出場枠を増やす17位には惜しくも届かなかったが、一方で収穫もある。6人中5人が下級生で構成されたオーダーに対し、稲原監督は「良い経験になったと思う」と前向きに話す。
 今後は、年末に控える富士山女子駅伝に向け、出場権を獲得するための厳しい戦いが続く。今大会の経験を活かし、大きく飛躍する京産大・女子駅伝チームからますます目が離せない。

試合後コメント
1区・今絵里南(現2・青森山田)
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◯全日本大学女子駅伝を振り返って
──全日本に出てみて率直に悔しいなという気持ちと、意外と勝利が見えてきたなというのがあって。今回は万全なオーダーを組めなかったけど、18位っていう順位で最終的に襷を繋ぐことができたので、もっとオーダーが万全だったらもっと高い順位で襷を繋げられたっていうことが見えたので。悔しいんですけど、収穫があるレースだったなと思いました。

◯レースプランは
──1区は元々は先輩が走る予定で、その代わりで走るっていう形での1区でした。1区を走るって決まってから周りの大学のオーダーが出るまでは「つけるところまでついて粘る」っていうのが自分のレースプランだったんですけど、前日に周りの大学のオーダーを見てから、各大学の主力を1区に持ってきているところが多くてハイペースになることが予想できたので、最初からつかずに自分のリズムで刻んで、最後まで一貫して自分のペースで走れたらいいなというプランに変更しました。

◯関西女子駅伝から全日本までで意識したことは
──関西女子駅伝とは違って区間ごとの距離が伸びるので、出場が決まってから練習の距離も伸びたんですけど、その距離の対して臆することなく、持久力をつけようっていう風に考えて取り組んできました。あと、まだ自分は大学に入ってから全国を1度も経験していなかったので、高校駅伝とかインターハイとかでこれまで全国を味わった時に、緊張していたということを思い出しながら取り組んできました。

◯当日のコンディションはどう感じたか
──仙台に3、4日前に到着して、出陣合宿をしていたんですけど、大会当日は事前に合宿していた時よりも気温が高いなと思って、暑くなると後半で脱水になることが考えられたので、そこはしっかり水分を摂ろうと思っていました。

◯富士山女子駅伝に向けて
──富士山女子駅伝は万全なオーダーで組めるように、自分もチームの一員として、みんなと声を掛け合って団結したチームを作れるように頑張りたいっていうのと、あと個人的に、今回1区を走って、自分の実力不足を痛感したので、富士山では自分の力をしっかり出し切れるように、練習から一生懸命頑張りたいと思います。

◯来シーズン以降の課題・目標
──来シーズンは自分たちの学年がチームを引っ張っていくという立場になっていくと思うので、まずは学年で団結して、チームがまとまるような取り組みとかをやっていきたいというのと、個人としても、日本インカレに出場するという目標があるので、それに向けて標準記録を突破できるように頑張っていきたいです。


2区・坂本有理佳(現2・奈良育英)
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◯全日本大学女子駅伝を振り返って
──元々は走る予定ではなかったんですけど自分に回ってきて、いま怪我をしていて1ヶ月くらい練習を詰めていない中で走ったので、思うようなタイムとか結果が出なかったので悔しいです。「回ってきたから出た」じゃなくて、自分の力で走りたかったという思いがあります。

◯レースプランは
──練習ができていなかったので、とりあえずはイーブンペースで走って襷を繋ぐっていうことを意識しました。

◯京産大としては4年ぶりの全国舞台。学んだことは
──他の大学さんとのレベルの差っていうのはすごく感じたし、改めて陸上頑張ろうって思うきっかけにもなりました。

◯当日のコンディションはどう感じたか
──気温は暑いなって思っていました。

◯4年生と全日本を走ることについての思い
──4年生とは結構遊びに行ったりもする仲なので、そんな大好きな先輩たちと行ける最後の全日本は嬉しかったです。

◯富士山女子駅伝に向けて
──富士山は7人なので、まずは今の足の痛みを治して、7人までのメンバーに入れるようにしていきたいと思っています。

◯来シーズン以降の課題・目標
──1個上の先輩が1人なので自分たちが支えつつ、自分たちの代が引っ張っていって今年みたいに全国の舞台に行けるように頑張っていきたいなと思います。


3区・永吉悠倭(法2・鹿児島)
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◯全日本大学女子駅伝を振り返って
──初めての全国規模の大会で。まず1番思ったのは、走っている時、ずっと沿道に人がいて、ずっと応援してもらいながら飽きずに走るっていうのが初めてだったので、5.8kmって自分にとっては長く感じたんですけど、すごく幸せで楽しい5.8kmでした。

◯レースプランは
──元々は2区の4.0kmを走る予定で、最初から突っ込んで後半は粘るというプランだったんですけど、距離が1.5倍に増えたので、稲原さんからも「落ち着いて入って後半から徐々に上げればいい」という風に言われていたので、自分でもゆっくりかなというくらいのペースで入って、ラストでそこまで上げられなかったんですけど、今までの自分と違って極端に落ちるっていうことはなくて。東京農大の選手とほぼ同時に襷をもらってずっと2人で引っ張りあって、という感じのレースになったので、タイムよりもその引っ張り合いということを意識したレースでした。

◯関西女子駅伝から全日本までで意識したことは
──ラスト200mからのスパートでは誰にも負けたくないという思いがあって、メインの練習が終わった後の流しを長めにしたり、スピードを上げたりというところを意識していたのと、怪我をしないというところを気をつけていました。

◯京産大としては4年ぶりの全国舞台。学んだことは
──全国のレベルの高さと、全国の準備の仕方だったり当たり前のことを当たり前にすることがこういう場面で結果を出すには大切なんだなということを実感しました。

◯当日のコンディションはどう感じたか
──自分のコンディションは、夏合宿から練習が積めていたので、関西女子駅伝の時に比べたらコンディションも良くて。天候はすごい暑さを感じて、普段サングラスをかけてレースに出ないんですけど、日光が眩しかったりしたので、初めてサングラスをかけてレースに出ました。

◯4年生と全日本を走ることについての思い
──去年はチームの状況もあまり良くなくて、みんなで一緒に練習するっていうことがあまりできていなくて、練習内での会話だったりモチベーションもあまりなかったんですけど、今年チームの雰囲気が良くなって、練習中でもみんなでポジティブな言葉を掛け合ったり、寮内でも会話が増えて、いい雰囲気で練習や生活ができていたので。4年生と一緒に走りたいという気持ちは去年より大きかったと思います。紗衣先輩とは一緒に走れなかったんですけど、紗衣先輩のタイムがあったからこそ全日本に出れたとも思うので、4年生には感謝の気持ちを持って、一緒に楽しむという思いで走っていました。

◯富士山女子駅伝に向けて
──自分はこれまで主要区間じゃない区間に入ることが多かったんですけど、大きい駅伝の大会で1区を走ることが高校生の時からの目標なので、1区でチームに勢いをつけられるような走りをするために、そのためにはタイムを出すのと勝負強さをアピールしていかないといけないと思うので。まず富士山女子駅伝の出場が決まるまでの記録会でタイムを出したいです。

◯来シーズン以降の課題・目標
──3年生が少ない分、自分たちが引っ張っていかないといけないというのもあるし、走っている人数が少ないというのもあるので、まずはみんなが試合に出るっていうことを目標にしたら、相乗効果でチームも自然と力がついてくると思うので、怪我をしている人に対しても気配りとかができるような、練習に戻ってきやすいような環境を作っていきたいと思っています。来シーズンは、紗衣先輩と愛莉先輩みたいに今ちゃんと2人でエースになることが目標なので、それを達成するために頑張りたいと思います。


4区・飯田有里彩(現1・香里ヌヴェール学院)
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◯全日本大学女子駅伝を振り返って
──チームで目標にしていた17位というのには届かなくて、タイム差というのも結構あったので、そこに届かなくて悔しいというのが1番あります。個人としては、全国という舞台が初めてだったので、楽しんで走れたと思います。

◯レースプランは
──元々走る予定だった選手の代わりで急遽出場が決まったんですけど、その子の努力も近くで見てきたので、「その子の分も頑張ろう」という気持ちで走りました。私が襷をもらった時に前に2人見えて。走る前に、情報として「今20位くらい」ということを聞いていたので、1人でも自分の区間で抜かないと目標の17位が見えてこないなというのを感じていたので、絶対に抜かすという気持ちでずっと走っていました。

◯4年生の政田選手との襷リレーにはどういった思いを込めたか
──4年生は、今年の京産大が4年ぶりの出場ということで、この全日本に懸ける思いは1番強いと思っていました。私は「4年生が待っている」という気持ちで安心して走れたという部分や「政田先輩なら絶対やってくれる」という信頼感もがあったので、楽しんで走って欲しいなと思って、笑顔で襷を渡すことを心がけました。

◯入部から約1年。京産大陸上競技部に持つ印象は
──チームメイトが先輩後輩関わらず全員仲が良いチームで、でも練習が始まればみんなで切磋琢磨できるチームなので、すごくメリハリがあるチームだなと思います。

◯大学在学中の4年間の目標
──個人としての目標は、日本インカレの10000mのB標準を切ってインカレに出場することです。チームとしては、全日本とか富士山駅伝で入賞するっていうことが目標です。

◯富士山女子駅伝に向けて
──まだ出場は決まっていなくて、7人の平均タイムで出場が決まるんですけど、私がチームの7番目で。他の6人は5000mで16分台を出してるんですけど、私のシーズンベストが17分台なので、16分台は絶対に出してパーソナルベストを更新するっていうのが今年の目標です。


5区・政田愛梨(文4・鳥取城北)
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◯全日本大学女子駅伝を振り返って
──出場が決まった時はチームが1番まとまっていて、「上位で戦えるチームができているな」と感じるくらい良い状態で「楽しみだな」と思っていたんですけど、仙台に到着してから色々トラブルがあって。結局たくさんメンバーが変わったり、走る区間も変わったりして、万全じゃなかったというか、元々走る予定じゃなかった人たちが走ったりすることになって。予想がつかない状態で、自分自身も「どんな順位で走ることになるんだろう」みたいな不安もあったんですけど、結果的に自分が思っているよりもみんなが頑張ってくれて、今回走ったメンバーでは最高のパフォーマンスができた大会だったかなと思います。

◯京産大としては4年ぶりの全国舞台
──私が1年生の時から、全日本の連続出場記録が途切れさせている状態だったので、春に新チームになってから、私が「全日本大学女子駅伝に出たい」とずっと言っていたので、タイムの平均枠で決まったんですけど、そこからはチームみんなでまとまって練習することを意識して練習していました。他の大学もこの大会に向けて練習を積んできたので、やっぱりレベルが高い戦いだったから、上位に食い込むことはできなかったんですけど…。監督から「このタイムで走れば、区間10位くらいに入れる」みたいなタイムを設定されていたんですけど、実際そのタイムより早く走ることができて。「区間順位で上の方まで行けたかもしれない」と思っていたんですけど、結局区間順位を見てみたら17番だったので、自分の区間は早い人が集まるっていうのもあったんですけど、すごい大会の調整というか、うまく合わせて来れる強い選手が集まってくるんだなと思いました。

◯レースプランは
──長い区間で初めの方にしんどくなってしまったら後半タイムも一気に落ちちゃうと思っていたので、初めの3kmくらいは自分の余裕のあるペースで走ることを意識して、なので最初は結構抑え目で入って、後半から上り坂とか下り坂とかもあるのでそこを利用して、上り坂の時に力を抜いて、下り坂の時に一気に上げるみたいな感じで。9kmくらいある中で、細かくペースを決めて走っていました。

◯当日のコンディションはどう感じたか
──まず、気候の方はすごく良くて、そんなに暑くもなく寒くもなく、走ったら本当にちょうどいいってわかるくらいの気温と、あと風もなかったので走りやすい状態ではあったんですけど、前日からすごく頭が痛くて。実際走ってみたら何もなかったんですけど、多分緊張とかもあるんですけど、それもあって走る前は体調を見たりしていました。

◯6区間中、1、2年生が5区間を占めたが、4年次として唯一出場
──レースとしては、最上級生で最長区間だったので、チームの中の順位やタイムを変えやすいというか。後半の区間だったのである程度は決まっちゃってるんですけど、少しでも最上級生・先輩としての意地を見せれたらいいなという感じがあったのと、4年の坂牧が出場予定だったんですけど、変更も結構ギリギリだったのでそれまで坂牧も含めたみんなで一緒に練習していました。レース前の離れちゃう時とかも頑張れるように声をかけたり、練習中には坂牧と一緒に練習を引っ張ったりしていました。

◯次の世代に期待することは
──もちろん、もう一度仙台の出場権を獲得してほしいというのはありますし、全国で戦えるチームになってほしいというのがあって。連続で出場していた時は結構上位で戦えるチームっていうのが印象的だったので、それくらいのチームに戻ってきて、全国の舞台の上位で名前を見るようなチームになってほしいなと思います。

◯富士山女子駅伝に向けて
──今回の順位に納得いっていない選手たちもたくさんいるので、大きい目標にはなるんですけど入賞を目標に、1区からずっと粘れる走りが全員でできたらいいなと思います。個人としては、どの区間になるかわからないですけど、長い区間を任されると思うし任されたいので、長い区間でレースの流れを変えられるような走りができたらいいなと思います。


6区・岡田瀬奈(現1・龍野)
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◯全日本大学女子駅伝を振り返って
──全日本は初めての舞台だったので、走る前は緊張と不安が大きかったんですけど、実際走ってみると、沿道からの応援が今まで経験したことないくらいのもので、走っている時はリラックスして、楽しんで走ることができました。

◯レースプランは
──前に2校の学校が見えていたので、最初は冷静に抑えめで入って、追いついて抜かせたらなと思っていて、ペース的には最初の方が上り坂が多いのでそこは抑えて、後半の下りで上げるイメージでした。

◯フィニッシュ後の笑顔が印象的だったが
──最初に2校見えていたんですけど、思ったより差が縮まらず、「最後で絶対抜く」っていう気持ちではいたんですけど、競技場に入ってやっと追いついたって感じで、最後の最後に抜くことができたので、それが嬉しくて笑顔でのゴールになりました。

◯入部から約1年。京産大陸上競技部に持つ印象は
──高校までと比べてだいぶ練習のレベルが上がって、しんどいことの方がハッキリ言って多かったんですけど、先輩とか同期とかすごい気にかけてくれてここまでやってこれたと思っています。関西女子駅伝の時は思ったような結果が出せなかったので、「ここでみんなの力になれたらな」「少しでもチームに貢献できればな」という思いで全日本は走りました。

◯大学在学中の4年間の目標
──まずは、やっぱり富士山に向けてここから頑張っていきたいのと、タイムとしては5000mで16分前半が出せるように。全日本出場がこれからも続けていけるように頑張っていきたいです。

◯富士山女子駅伝に向けて
──全日本は4年生の先輩が1人、コンディション不良でメンバー入れ替えになって走れなかったので、やっぱり富士山は最後にベストメンバーで挑みたいので、ここからチームで力を合わせて5000mのタイム出して、富士山の切符をつかみたいなと思います。今回の駅伝が区間15位で、チームには区間8位以内が目標と言ったいたので、富士山は10位以内に入ることが目標です。

【撮影:亀本皐介、榎本祐一郎、新川姫優】