第36回出雲全日本大学選抜選抜駅伝競走
於:出雲大社正面鳥居前~出雲ドーム前
(2024年10月14日)


5年ぶりの出場となった出雲駅伝。今大会の目標は8位入賞。そして打倒関東勢。京産大にとって今シーズン1つめの挑戦となる駅伝。強い覚悟を胸に6選手が45.1kmを駆け抜けた。
【執筆 三村友之介】

レース結果
【総合順位】
12位 京都産業大学
2時間17分07秒

【区間記録】

1区(8.0km) 区間8位 中村 光稀④ 24:02
2区(5.8km)区間9位 粟井 駿平④ 16:44
3区(8.5km)区間5位 小嶋 郁依斗④ 24:46
4区(6.2km )区間17位 大久保 颯汰④ 19:32
5区(6.4km )区間13位 藤田 大輝 ② 19:47
6区(10.2km)区間17位 桒田 大樹③ 32:16

レース展開
レースの流れを決める重要な1区を任されたのは京産大のダブルエースの1人である中村 光稀(法4)。序盤はスローペースで進んだ先頭集団でレースを進め、終盤は粘りの走りを見せ8位で襷を渡した。
続く2区は今大会最短区間の5.8km。総合順位は落としたものの、持ち前のスピードで粘り区間9位で3区のエース小嶋郁依斗(現4)へと繋いだ。
IMG_2493

3区は小嶋が関東勢に臆することなく積極的に攻め、区間5位となるエースの走りを見せ入賞圏内で襷を渡した。
続く4区は大久保颯汰(法4)が走った。暑さに苦戦したものの懸命の走りでレースを進め5区へ襷リレー。
IMG_2492

そして5区は藤田大輝(現2)が走った。京産大の中では最年少での出走となったが、粘りの走りを見せ総合順位を落とすことなく時期エースが待つ6区へ襷を繋いだ。
今大会最長区間でアンカーである6区を務めたのは桒田大樹。目標である8位入賞を目指し必死に前を追いかけるも距離を縮めることができず、総合12位でフィニッシュ。
地方勢ではトップでゴールするも目標とする8位入賞、打倒関東勢には惜しくも届かなかった。3週間後に行われる全日本大学駅伝では目標を達成することができるのか。京産大駅伝チームの挑戦はまだ終わらない。

試合後コメント
山口太誉主将(済4・大阪)
◯レースを振り返って
結果良くなかったところもあるんですけど、誰も不満はないですし、全日本に向けてうまく切り替えてやっていきたい

◯学生陸上生活は残り僅かだが
──何かを「繋ぐ」ということは意識していきたい

1区・中村光稀(法4・和歌山北)
IMG_2486

◯レースを振り返って
──個人・チーム結果ともに悔しいと思っています。

◯レースプランは
──目標自体が関東を1校でも抜かそうとチームとして立てていたので、後の区間の方が余裕がないのでまずは関東の一部の大学を離そうというのは思っていました。

◯前半区間だけでは8位 好調だったが
──結果的に僕の区間がもっと前で渡せたのでもったいないなということと、後ろ2区間は本当に好走でうまくまとめあげてくれたなという感じです。

◯ややスローペースの展開
──ペース的にはかなりのスローで、けん制し合って最後の1km、コース的には曲がると1km地点になるんですけど、そこから仕掛けようかなと思っていました。

◯先頭集団の前の方でペースを刻んだ
──先頭の前の方でラストスパートに対応できるようにという点ではプラン通りではあったんですけど、後ろの集団にいたときに接触によって前に弾き飛ばされる形にはなってしまいました。ただ、位置的には問題なかったですし、僕は前にいたものの、ペースを作っていたのは後ろの方だったので、様子をみながらしっかり対応できたのかなと思います。

◯ラスト1kmのスパートをかけた上位チームに対しては
──ラスト1km手前から徐々に上がっていく形で、僕は対応できずにどんどん離されてしまって、なんとか追いつきたいという焦った気持ちを持っていました。

2区・粟井駿平(現4・奈良育英)
IMG_2487

◯レースを振り返って
──順位に関してはやはり8位入賞を目指していたので、そこに届かなかったというのは悔しいです。

◯最短区間の2区を担当 スピード勝負が得意だが
──区間が短めだったので距離の心配なく、自信を持って走れたかなと思います。

◯1区・中村が関東勢と競って襷を渡す
──良い順位で持ってきてくれて、前にも後ろにも関東の有名な選手がいて、いいところで持ってきてくれたなと思います。

◯常に関東勢が近くにいたレース
──前半は結構いっぱい抜かされて焦る気持ちもあったんですけど、松岡コーチから前半は抑えて後半で粘れるようにとアドバイスをもらって、そのアドバイス通りに後半は食らいつけたかなと思います。

◯ラストスパートでは法政大にも食らいつく
──分の区間の順位とかを考えたら最低ライン、及第点で渡せたかなと思います。あとは関東の大学を一つでも抜かすというところで、小嶋が次の区間にいるので少しでも競った形で渡せたのは良い流れを崩さずに渡せたと思います。

◯駅伝シーズンらしからぬ残暑厳しいレース
──走る前は氷とかを急遽用意してもらって、でも距離としては短かったので暑さによってバテることはなく問題なく走れたと思います。

◯出場決定からおおよそ1年間取り組んできたことは
──例年と特別変わることはないんですけど、かなり距離が短めの駅伝になるので、駅伝シーズン前の夏から秋にかけてはしっかりスピードを出して走れたと思います。

3区・小嶋郁依斗(法4・滋賀学園)
IMG_2488

◯レースを振り返って
──チームとしては、関東の大学を一つでも倒したかったという思いがあったので、悔しいなという思いはありますね。個人としては、8位以内でレースの流れを作るということはできたので、区間順位も自分の納得できるものであったなと思っています。満足度で言えば80%くらいです。

◯各大学がエースを据える3区を任されたが
──8位、9位くらいで持ってきてくれるとは思っていて、そこから入賞圏内の選手が近くにいると思ってたので、そこにしっかりついて走ろうかなと思っていました。

◯先に控える全日本駅伝に向けて
──僕はそんなに連戦が嫌ではないので、いつも通り調整できればいいかなと思っています。

◯今年のチームの強みは
──今年は勢いのある選手が多いかなというのと、特に勝負強さという意味では近年3年よりはしっかりついてきているのかなと思います。

4区・大久保颯汰(法4・洛南)
IMG_2489

◯レースを振り返って
──8位入賞を目標にして夏合宿とかもずっとやってきたので、入賞できなかったのは悔しいですし、その中でも関東勢に一つも勝てなかったというのは、来年に残る課題だと思います。

◯前半3人を終えて8位で襷が回る
──コーチと話をして前半は落ち着いて入って、本番前の記録会でも自己ベストが出て調子が良く体も動いていたので、そこからはガンガン攻めていけと言われたんですけど、やはりその場の雰囲気というか、最初の1、2kmは関東の選手と一緒に走っていたので、早めに入ってしまったので立てていたプランとはそぐわないようなレースになりましたね。

◯常に関東勢が近くにいたレース
──僕自身、大学ではあまり駅伝を走っていなくて、出雲という全国の舞台で走らせてもらったんですけど、プレッシャーや緊張というところで本来の実力を発揮できなかったと思っています。

◯5区・藤田へと襷を繋ぐ 会話などは
──あまりわからないんですけど、後から藤田に聞いた感じ、謝っていた、ごめんと言って襷を渡していたと思います。

◯先に控える全日本駅伝に向けて
──出雲では自分も不甲斐ない走りでチームに迷惑をかけてしまったので、すごく自信を無くても全日本も丹後も僕じゃなくて他の人が走った方がいいんじゃないかと思った時もあったんですけど、同級生でいえば多田とかは(全日本エントリーの)16人にも入っていないですし、入っている僕がそこで諦めてしまったら、多田や他の入れなかった後輩たちに示しがつかないと思います。全日本や丹後が短いスパンでありますが、4年次生の中で今までなかなかレースを走れなかった僕としても、走ることが目標ではなくてそのステージで戦うことを意識してやっていこうと思います。

5区・藤田大輝(現2・小豆島中央)
IMG_2490

◯レースを振り返って
──チームの目標が8位入賞だったので、シンプルに悔しいなとは思っています。個人としては、チームの8位入賞という目標にはまったく貢献できていないということと、最低限でしかパフォーマンスが出せていないというところで、どうしても悔しさが残ったかなと思います。

◯予選会で掲げた「メンバー入り」を実現
──1週間前の記録会で決まる形で、本来なら夏合宿もこなして記録会の前には決めておくべきではあったんですけど、それができなくて記録会で合わせることになったので、安心した、やっと戻ってこられたのかなという感じはしています。

◯5区は関東勢との僅差からスタート
──最初はみんな突っ込んではいると思うので、自分のペースでしっかりと走って、後半で差を詰められたら、あわよくば抜けたらというイメージを持って走っていました。アップダウンが特徴的なコースなので、上りでできるだけ体力を使わないように、単独走で自分のリズムで走るようにはしていました。

◯初の全国の大舞台 学んだことは
──準備にはなってくるんですけど、駅伝はどうしても単独で走ることが多くなってくるので、前で引っ張って単独走のイメージをしながら練習していくということと、強い選手と比べて準備不足であったり、気持ちや心構えの違うと思ったので、そこは来年もう一回出るときに締められるところは締めてやっていきたいと思います。

◯先に控える全日本駅伝に向けて
──全日本も8位入賞という目標をチームで掲げているので、出雲の感じで難しいかなとは思われていると思うんですけど、走る選手が諦めたらダメなので、8位入賞はブレずにやっていくのと、距離が長くなるので単独走も増えるところで、そこは練習で前で引っ張ったりして単独でやることで補っていっていかないといけないなと思っています。

6区・桒田大樹(営3・神辺旭)
IMG_2491

◯レースを振り返って
──出雲駅伝を振り返ってチームとしては12位、個人としては区間17位という不甲斐ない結果に終わってしまい、悔しいという一言ですね。

◯最長区間・アンカーの6区を任されたが
──僕がゴールした順位がチームの順位になるので、その持ってきてもらった襷をもらった以上の順位でゴールして「8位入賞」というチームの目標を達成するという気持ちでスタートしたんですけど、チームの流れ的にも自分の状態的にもあまり良くなくて、目標を達成できなかったという結果でしたね。

◯フィニッシュした瞬間の心境
──2キロ過ぎあたりから差し込み(脇腹痛)が来てしまって、自分のいつもの走りができてなかったのでその悔しさと、チームの目標を達成できなかったという悔しさで、フィニッシュ後はああいった状態になってしまいました。

◯先に控える全日本駅伝に向けて
──今回、期待も含めて最長区間のアンカーに選んでもらったんですけど、自分がこういう不甲斐ない結果に終わってしまったので、まずはメンバー選考のところも考えて。「走りたい」という気持ちは強いので、この気持ちを忘れずに、走るとなったら関東と戦えるように。距離も伸びてくると思うので、どの区間を任されても走れるように、距離に対する不安を無くすのと、「これまで頑張ってきた」と思ってスタートラインに立てるような取り組み方を1から考え直してやりたいと思います。

◯次期主将としてどんなチームにしていきたいか
──山口さんが停滞していたチームをここまで全国に復活させてくれたので、力的に、「来年また落ちるだろう」という世間からの評価ではあると思うんですけど、ここを乗り越えれば後輩たちの代からも伝統を築いていけると思うので、同期の間で、もう一回出雲全日本で戦えるチームを作り直そうというミーティングも何度かしているので。そこがまとまれば後輩も特に1年生は、結果を残してくれているので後輩だけに頼らず、まずは3年生が最上級生になった時にチームの大黒柱となれるような学年になっていって、そこからチームに広げていきたいと思います。

【取材・撮影 亀本皐介 新川姫優 松本直大 三村友之介】