関西リーグ王者が決まる順位決定戦の最終試合。京産大は神戸医療未来大を大差で下し、3年ぶりとなるリーグ制覇を果たした。

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■2024年度関西学生バスケットボール1部リーグ戦
2024.11月4日(月)
順位決定戦 3戦目 vs神戸医療未来大
@同志社大学京田辺キャンパス

■試合結果
○京産大90-59神医大●
1Q 27-12
2Q 25-18
3Q 24-15
4Q 14-14

■試合内容
 「春からずっと目指してきたバスケットを最後にできた」。丸岡総監督が話す通り、シーズンの集大成とも言える試合運びだった。
 試合序盤からチームの「伝統」であるディフェンスが光る。最終戦開始前時点でのリーグポイントランキング1位中村、3位フセイン、4位山際を擁する神医大のオフェンスを抑え込み、1Q終了27-12の大幅リードで好発進。2Qではルーキーの太田(1)が3ポイント、途中出場の中井がドライブで切り込むなど、各々が自身の強みを見せ、52-30の大差で折り返す。後半も固い守りと早いトランジションで逆転のスキを与えず、90-59で圧勝。最終戦を文句なしの勝利で終え、3年ぶりのリーグ制覇、そして春の選手権に次ぐ関西王者となった。
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丸岡総監督「春からずっと目指してきたバスケットできた」
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中井、途中出場で11得点
 
 今季が最後の年となる宇都宮世代は、1年次以来のリーグ優勝。「ここ数年優勝できてなくて、悔しいシーズンが続いたので、自分らの代で優勝できたのは本当に嬉しいです(宇都宮)」。苦難を乗り越えつかんだ栄光に、喜びを嚙み締めた。
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1年次以来のリーグ優勝となる宇都宮
 また個人賞では、最優秀選手賞に宇都宮、優秀選手賞にオーギル(3)、新人賞に太田が選出されている。太田はリーグを通して、3ポイントシュートを武器に京産大の勝利に貢献。神医大戦でも2本のスリーを決め14得点と、ルーキーらしからぬ活躍を見せた。
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優秀選手賞・オーギル
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新人賞・太田

 残るは12月の全日本インカレ。「関西春秋2冠」のタイトルを引っ提げ、目標である4強入りを目指す。

■選手・監督コメント
《丸岡総監督》
優勝の感想
―1試合目、11点差で勝ってたから10点差で負けても優勝だったんだけど、勝って優勝を決めるというのを選手もその気持ちでやってきたから。リーグ戦14試合の中で1番いいゲームが最後にできたのが非常に良かったね。積み重ねていって最後にベストゲームができた。今日のゲームは非常に良かった。

今シーズンの集大成のようなディフェンス
―今まで練習から積み重ねてきたディフェンスができて、リバウンドを獲ったり相手のミスを誘ったりした後のトランジション、ファストブレイクが今日はすごい良かった。これが春からずっと目指してきたバスケットなんで、それを最後にできたというのは非常に良かった。

全員に見せ場があった
―相手からしたら誰を抑えたらいいかわからん。ベンチから出てきた中井とか星野とかも活躍してて、これはもう理想で、やっぱりみんなが出てきてマックス100%の力でやって、15人ぐらいで戦えるのが理想なので、ほんとに良かった。だから、逆に京産大は10人15人が出るから、僕や村上の時からそうだったけど、得点王とかリバウンド王とかの個人タイトルが取れない。それはチーム全員で戦ってるから。それがうちのいいところ。だから今日はそのいいところが出たね。誰を褒めたらいいかわからない。

インカレに向けて
―関東の大学はこの関西リーグよりもまだもう一、二段強度があるから、今日のゲームを最低限にして、さらにはそれ以上の力を出さないと関東には勝てないと思っている。だからこの試合をベースにしたい。一発勝負のトーナメントは何が起こるかわからないからこそ、これをベースに、東京に行ってもこれができるように。そのためにはあと一カ月もないインカレまでの間に、この強度を保って常にできるような練習をして東京に臨みたい。

《村上監督》
3年ぶりの優勝
―まずはほっとしてますけど、チーム目標としているところの通過点なので、ここ数日はちょっとゆっくりして、もういっかいそこを目指してチームで頑張りたいなと思います。

試合を振り返って
―しっかり気持ちを持って試合に臨むように選手には言っていたので、それに関してはみんなが一つになって、どういう風にしなければいけないかというのをイメージして試合に入ってくれていたのかなと思いますし。春には勝ちましたけど、すべての結果を残せれているわけではなかったので、挑戦者というところで気持ちだけは負けないで行こう、40分間当たり前のことを積み上げてそこで勝ち切れるようにやろうという話はしていたので、よくやってくれたなという気持ちです。

ベンチメンバーの活躍
―僕らも相手によって、この選手がマッチするかなとか、こういう強みを出せるかなとか考えながらやってる中で、特に今日は誰がでても役割をしっかり果たしてくれて、なにを求めているかをすぐに理解してもらって、コートの中で表現してくれたので、ほんとにいい準備をしてくれていたなと思います。

優勝の要因
―選手全員にいい思いをさせてあげられないのはわかっているなかで、思うことがあるとは思うんですけど、その中でもチームのことを思って最終的には全員が当事者となってやってくれていたのはすごくいいことだと思いましたし、僕からしても感謝しました。それが結果に出てると思っているんで、この考えをもう一回チームで大切にしていきたい。


《宇都宮》
感想
ーここ数年優勝できてなくて、悔しいシーズンが続いたので、自分らの代で優勝できたのは本当に嬉しいです。

リーグ戦通じて、バスケの内容で良かったところは
ー今年はよく我慢できたゲームが多かったなという風に思っていて、相手の流れが多かった時でも自分たちのペースを乱さずにゲームをやれていたことが勝利につながったと思います。今年は我慢できた年だったと思います。

唯一関学大に負けたが、改めて振り返ると何が悪かったのか
ー受け身になっていて、チャレンジャーじゃなかったというのことが1番の敗因になったと思います。どんな相手でも受けて立つのではなく、自分たちが挑戦してチャレンジャー精神でいくことが大事なのだと思いました。

4年間ガードというポジションでも関西を代表する立場だったと思うが、上位チーム見ると板敷選手や山際選手がいるが、彼らから刺激をもらってたか
ーもちろんその2人もそうですけど、他のガードの選手には負けたくないという気持ちは個人的にもあったので、より切磋琢磨できて良かったと思います。

上位4チームに彼ら2人とも残って何か思うことはあるか
ープライベートでも仲良いですし、2人はBリーグを目指している選手だと思うので、Bリーグの時にまた対戦や同じチームになったら嬉しく思います。

インカレまでどういうところに力を入れていきたいか
ー一つ一つのプレーの遂行力がまだまだ甘いと思っています。勢いだったりそういう部分は良いんですけど、セットプレーの遂行力をもう少し丁寧にしてやっていけたら、安定したゲームをつくっていけるのではないかと思います。

ベスト8の経験がある中で、その時と比べて今のチームが優れている点、または足りない点は
ー勢いだったりやるぞという気持ちは、当時僕が1年の時より全員があると思っているが、1年生の時より1人1人能力も違ってくるので一つ一つのプレーの重みをもう少しみんなが共通理解してやっていけたらもっと強くなっていくのではないかと思います。

キャプテンとしてのプレッシャーはあるか
ー京産は伝統のあるチームですし、そういったチームのキャプテンになるということはすごく重圧を感じつつ、でも楽しむことを忘れてしまったらついてくるにもついてこれないので、プレッシャーはあったんですけど、どちらかというと楽しんでたという感じです。

やはり全関西で勝ったというのがそういうところにつながったのか
ーそうですね。

今までの試合は70点と前におっしゃっていたが、今日の試合終えて最終的に何点ですか?
ー100点です


《太田》
優勝への感想
ー素直に嬉しいです。

高校までの優勝との違い
ー僕高校で優勝したことなくて。優勝したのが関西(選手権)だったので、久しぶりで嬉しかったです。

1年間プレーして、手応えはどういうところがあるか
ー3ポイントシュートが結構入ったのと、最近ではドライブからの得点も出来るようになって良かったと思います。

先輩には宇都宮選手やオーギル選手などのかなり個性的な選手がいるが、その中で自分の良さを発揮しようとする時に少し引いてしまう部分とかはないか
ー最初はあったが、最近はあんまりなくなっててたまに遠慮してしまうときもあります。

それに関して先輩から何か言われることは
ー「どんどんやっていけ」とプラスな言葉をかけてくれます。

1年間やってきて自身の課題は
ーディフェンスの力と体面のフィジカルの弱さがあるので、そこが弱みだと思います。

そういうところが高校バスケとの違いなのか
ーはい。そうだと思います。

インカレに向けてどういう準備をしていきたいか
ー関西で通じたことがインカレでは通じなかったりするので、そこをもっと調整していきたいと思います。



【記事:榎本祐一郎】
【写真:榎本祐一郎、大道莉和】