第103回 関西学生サッカーリーグ(前期)
第10節vs大院大 アクアパルコ洛西(2025年5月31日 11:30 KO)

【スターティングメンバー】
GK 1 (C)徳若碧都(4年=高川学園高)
DF 3 滝口晴斗(3年=サンフレッチェ広島ユース)
DF 35 夘田大揮(4年=東山高)
DF 4 小野成夢(3年=愛媛FC U-18)
DF 24 西川宙希(1年=セレッソ大阪U-18)
MF 6 田代紘(3年=ヴィッセル神戸U-18)
MF 10 伊藤翼(3年=セレッソ大阪U-18)
MF 13 山村朔冬(2年=帝京長岡高)
MF 7 皿良立輝(2年=セレッソ大阪U-18)
MF 8 末谷誓梧(3年=セレッソ大阪U-18)
FW 26 高川諒希(1年=カターレ富山U-18)
(フォーメーション 1-4-2-3-1)

【サブメンバー】
GK 12 中原碧琉(3年=サンフレッチェ広島ユース)
DF 5 逵村健斗(4年=三重高)
DF 2 前原慶維(4年=神村学園高)
DF 28 吉井泰生(1年=ガイナーレ鳥取U-18)
MF 38 福島健太(2年=青森山田高)
MF 14 長谷川裟恭(4年=京都橘高)
MF 23 大倉慎平(1年=ガンバ大阪ユース)
FW 11 小濵弘貴(4年=東海大福岡高)
FW 9 妹尾颯斗(3年=サンフレッチェ広島ユース)
【選手交代】
ハーフタイム
IN 逵村健斗 OUT 西川宙希
59分
IN 長谷川裟恭 OUT 山村朔冬
66分
IN 大倉慎平 OUT 皿良立輝
IN 妹尾颯斗 OUT 高川諒希
85分
IN 吉井泰生 OUT 夘田大揮
【スコア】
京産大0-2大院大
【試合内容】
稀にみる大敗となった前節から中2日、主将の徳若を始め、主力選手がスタメンに名を連ねた。大院大と昨年のインカレプレーオフ以来となる対決。「自分たちにベクトルに向けて」(徳若)まずは京産大のサッカーを表現することを軸に挑んだ。3分、高川が左足でファーストシュート。7分には、前線からのハイプレスで伊藤ボールを奪い、1度は相手GKが詰め寄るも、後方でフリーになっていた高川が右足でシュート。惜しくも枠を捉えることはできなかったが、1つチャンスをつくった。しかし9分、右サイドから左足でクロスを上げると、大外から抜け出した選手にワンタッチで決められ、今日も先制を許す。持ち味である両サイドからの攻撃を仕掛けたい京産大だが、相手のマークに苦しむ。15分、「自分の左のサイドが閉められている分、逆に空いてるっていうのは認識してた」(小野)と、小野のフィードに対し、裏抜けした高川が右足でのシュート。手数の少ない中央からの攻撃でゴールへ迫っていく。その後は両軍の心臓である伊藤翼と山本未来翔(大院大・4年)が、最終ラインから左右に散らしながら組み立てる。前半も終盤に差し掛かった43分、皿良が中央の近い位置でFKを獲得。大院大は7枚の壁、さらに後ろにも1人を置いた。左足の皿良、右足の山村、いつもより入念に話し込む。蹴ったのは皿良、わずかに相手の壁に阻まれ、CKへ逃れられた。0-1と1点ビハインドで前半を折り返す。
後半から、開幕からここまでフル出場を続けてきた西川に替わり、逵村が昨年多く出た左SBのポジションに入った。50分、左サイドからワンツーで崩される。1度は徳若が触ったが、最後は右サイドから押し込まれ、前半に続き、立ち上がりに重い追加点を許した。
「もっと自分が守備の統率感を取らないといけない」CB小野はそう振り返る。「怖くない状況で、ボール回してるとか仕掛けるっていうところが多かった」(吉川監督)と、前半より支配率は高まったものの、エリアへ侵入する場面を作れない。それでも64分、途中出場の長谷川が右サイドからキーパーを襲うシュートを放つ。続く65分には、末谷がバー直撃のシュート。さらに78分にも末谷がエリア内でハンドを誘いPK。しかしここもバーに嫌われ、反撃することができず。結果的に1点が遠い展開となり、0-2のまま敗戦。
リーグ戦初の連敗を喫した京産大。6月からは負ければ終わりの関西選手権が始まる。昨年は半世紀ぶりの決勝進出、準優勝を果たした。天皇杯でも見せた勝負強さを発揮し、今季2つ目のタイトルを目指す。
【試合後のインタビュー】
主将・徳若碧都選手
ー第4節以来のスタメン
久々のスタメンで、前の試合阪南に負けて、自分なりに出る責任感を持って挑んだつもりだったんですけど、結果的に0-2ってところは、個人としてのチームとしてもすごい課題ですし、入りのところでいったら、正直そんな悪くなかったので。
ー先制される試合が増えている
ここ何試合かずっと入りでやられてるんで、試合でいきなりどうこうできる問題じゃないと思うんで、日頃の練習のアップのところやったり、日々のこの成長を積み上げるところっていうのを、もっとやっていかないと思っています。
ー組み立ての部分
今日は組み立てる部分は、自分の長所なので、前半は特に出せましたし、下でつなぐ部分もうまいことコミュニケーション取れたんで、できた部分は引き続きやれたらいいなと思っています。
ーセービングについて
後半止めたところは、止めて当たり前っていう感じの、自分的にそういうセーブがほとんどだったので、ああいう失点を救えるようなキーパーに成長したいなというふうに思っています。
ー改善傾向のセットプレー
セットのところは今シーズン始まってずっと課題で、最近やっと形になってきたところなので。まだ完璧じゃないんで、少しずつ毎試合毎試合整理しながら隙をつぶしていけたら、セットからの失点というのは、これからもなくいけるかなと思っています。
ー相手への分析、戦い方
阪南に負けて作りっていうのを変えて、今週、特に学院の分析やらずに臨んで、自分たちにベクトルに向けてっていう週だったんで、学院のところに分析やってっていう形はやらずにっていう感じでした。
ー関西選手権に向けて
去年は同志社に負けてるんで、あれ以上のステージに行って、自分たちが結果を残すのもそうですけど、後輩にああいう景色を見さして、経験させてあげたいって気持ちはあるんで、また大会変わりますけど、より集中してトーナメントなんでやっていきたいなと思います。

伊藤翼選手
ー阪南大戦からの取り組み
負けて5失点したけど、もうほんまに切り替えてやるっていうのはチーム内で共有して、昨日もいいトレーニングできていたから、その重さというのはなかったけど、立ち上がりに失点したところはあんまり変わらないんで、今日もスコアは課題がまだ続いてるかなと思います。
ー立ち上がりに失点が多い
あそこで失点したらギアを上げたいところで上げにくいし、ほんまに集中力のところだと思うので、そこの立ち上がりとか、はっきり前にプレーするというとこは、チームにまだ足りてないとこだと思います。
ー序盤にチャンスも
1個のチャンス決めれるかどうかが、やっぱり試合を分けると思うので、そういうところは、ボランチだけど、そこは決められる選手にならないといけないかなと思います。
ー後半はトップ下でもプレー
ハイプレスの守備のところで、自分がスイッチを押してっていうところは、多分求められているとこだと思うから、そういうところはやり方というか変わるけど、そこで自分が前でプレーできたら、自分の成長にもつながると思うので、そこはチャレンジしていきたいかなと思います。もう1個、周り巻き込む力とかそういうところをもっとつけていきたいです。
ー攻撃の組み立て
背後見せたら、ああいう下のところでつなげるところが出てくると思うから、そこが今日足りてなかったとこやし。犠牲になる背後に抜けるランニング大事にするとか、そういうのは今日足りてなかったかなと思います。
ー連敗中のチームの雰囲気
練習とかではできてないっていうわけじゃないと思うんで、試合になったときに、力、チームを勝たせる選手だったり、守りきる選手というのは出てこないと。この連敗だけど、下向くことなくやっていくことが大事かなと思います。
ー大院大の警戒したポイント
8番キャプテンのケアっていうところはチームであって、そこまで相手というよりも、自分たちがこの前負けたので、そこから中2日で改善というか、自分たちは変えるっていうところは共通してありました。
ーハーフタイムでのミーティング
1失点して、自分たち逆転できる力があるっていう話だったけど、そこで立ち上がり、後半失点してしまったんで。もう1失点しないという話があった中で、それが本当に今日の敗因かなと思います。
ー関西選手権に向けて
天皇杯もあるし、関西選手権もある中で、1か月リーグはないけど、このトーナメントというところで勝っていったら、自分たちの勢いがついてくると思うし、レギュレーションは変わるけど、一歩ずつ勝っていって決勝に行って、また去年負けたので、優勝できたらいいなと思います。

小野成夢選手
ー試合を振り返って
いや、もう本当に失点の部分っていうところで、前節の5失点で今回2失点というところで、やっぱりもっと自分がまとまりというか、守備の統率感っていうのは取らないといけないし、それができていないから、こうやって失点するっていうのは、分かっている中でも、まだまだやれてないんで、そこはみんなで練習からもっとやっていかないといけないなって話をしました。
ー先制点を許す試合が多い
吉川さんからも先制点を取られたら難しい試合展開になるっていう話は、このシーズン始まった中でも言われている中で、前節も今節も入りでの失点っていうのが、まだ開始15分も経たずにどっちつかずの状態で失点して、結局、相手のペースになって、前半は終わってしまうみたいな展開が多いんで。そこを本当に失点しないという言葉で言うのは簡単ですけど、それに尽きるんじゃないですけど、本当もっとこだわってやっていかないといけないと思います。
ー集中力の問題なのか
個人の力もそうですけど、この後ろの4人とキーパーを含めた距離感だったり、逆に前プレ行くときだったら、全体の距離感だったり、強度だったりっていうのはもっと合わせていかない。やっぱりそこでズレが生じてるんで、もっとチームとしてまとまって、攻撃も守備もできたら、もっといい試合運びもできるのかなと思います。
ー西村選手がケガで離脱した中
シーズン始まる前からやっぱり想大とある程度お互いの思っていることやったり、やりたいことは分かっている中で、誰が出てもっていうところは自分自身変わらずやるっていうのは変わらないし、でも現状、連係取れてないシーンだったり、ラインの高さ、ダウンのタイミングだったりっていうのはまだ取れてないんで、もっと自分がコミュニケーションを取って、誰に合わせるのかやったり、どうするのかっていうのは、もっとコミュニケーションを取っていくべきかなと思います。
ーセットプレーからの失点は減少傾向
前日のセットプレー練習のところで、前に比べると、全員締めなあかんという雰囲気というか、気持ちというのは、練習のときに1発目から出ていますし、前日の練習のクオリティというのは、やっぱり試合に直結していると思うので、たぶん練習でできていることが試合にそのまま出てるかなと思います。
ーロングフィードからチャンスも
今日、ビルドアップに関しては、前半、自分の左のサイド、自分と宙希ところで、ちょっと詰まりがあったんですけど、そこが閉められている分、逆に空いてるっていうのは認識してたんで、そこの自分のロングボールの精度だったり、受け手にもっといいボールを供給するっていうのは、もっとこだわっていけるかなと思います。
ーチームの雰囲気
もちろんポジティブにっていうとこは、吉川さんを含め、みんな言ってるけど、チーム状況としてはよくないというのが、はっきり率直に思うことで、みんな言ってるように、これを成長につなげるには、本当にやるしかないので、これをどういう気持ちで誰がどう変えていくかっていうのは、次のオフ明けの練習で変わってくると思うので、自分がまずやるっていう気持ちと、チーム全員でもっとパワー出せると思いますし、もう1回パワー出して次の試合に向かいたいと思います。
ー関西選手権に向けて
関西選手権、トーナメントは天皇杯もそうですけど、負けてたら上にはいけないんで、多分結果が求められるというところで、この直近2試合のような試合をしてたら、やっぱり上には行けないですし、もっとチームで戦うっていうところ、ベースの部分をもう1回認識し直して、チームとして進んでいきたいと思います。

吉川監督
ー今日も先制点を許した
前半も後半も8分と4分の失点で、タイミング、前半のっていうところがあったんですけど、ハーフタイムにしっかり修正というか、そこは全員で意識を持ちながらというところがあるんですけど、流れ悪いときって、やっぱり分かっててもっていうところがあったりするゲームが続いてしまうと思うので、今の流れでいうと、リーグ戦で言うと良くない流れとだなというところがあるので、それをどういうふうに変えていくか、自分たちがしっかり前向いて、1個1個課題をつぶしていくしかないと思うんで、そのあたりで言うと、今、ぱっと話してっていうところで下向かずに次に向かうということです。
ーPKなど決定機もつくった
ただ阪南の時と一緒で、それが0-0のPKを取って1-0にできる1なのか、0-2からの1なのかではやっぱり大きく違うと思うので、そのあたりのゲームコントロール、マネージメントみたいなところでいうと、もっともっとチーム全体が成長しないといけないかなと思います。
ーボール保持時も足元で受ける形が多く見られた
後半もどっちかっていたら、PK取るぐらいまでは、前にボールを回しるだけとか。そもそもファーストコントロールのところが、ちょっと横とか後ろに置いちゃって、怖くない状況で、ボール回してるとか仕掛けるっていうところが多かった。ボールの置き方でいうと、ゴール方向に大きくとか、ゴールにより近いところにボールを置くということは、ちょっと意識したさせてたので、そういったところはトレーニングの中から、そういう意識は、再度植えつけていかないといけないなと思います。
ーハーフタイムでの交代
カードトラブルというか、もしかしたら起こるかなというところがあったので、0-1で11人でっていうところでいうと、後半、逆転っていうところはプランとしては持っていたので、ただ、それが10人対11人になった時に0-1ってとか、結構難しくなってくる。宙希のところでカードをもらってたのと、あとちょっといつも対人の距離感っていうところは、持っていかれてるというか、相手の間合いに入られているシーンが結構あったので、健斗もこの2日間のトレーニングで悪くなかったので。
ーCBの西村選手が離脱した中
そこの安定感というところは、ちょっと物足りなさを感じるんですけど、ただ想大が怪我して、今離脱してるっていう段階でいうと、新たに変わって出てくるセンターバックが、しっかりとしたパフォーマンスを出さないといけないっていうのは、チームの状況としてはあると思うので、このあたりは本当にプレーできる選手がしっかりと責任を持ってプレーするというところが、すごく重要かなと思います。
ー主将の徳若選手もスタメン復帰
ビルドアップのところであったりとか、ゲームを締めるみたいなところでいうと、しっかり声かけながらっていうとあったと思うんですけど、やっぱり立ち上がりのところの前後半を含めての失点というところは、チーム全体としてはいただけない部分であるし、徳若がそういった部分もキャプテンとして、もっともっと締める必要が結果としてはあったのかなと思います。
ーサイドからのスプリントが少なかった
中2日でコンディション的にはっていうところでは、山村にしても、末谷に関してもこの前の試合で45分しか出てないので、しっかりとスプリントも出していけるであろうって、ゲームには出したんですけど、ただ、スプリントの数であったりとか、アクション強さみたいなところで言うと、物足りなさは感じたかなと思うので、あとは相手のプレスパックが来てる来てないに関わらず、スピードダウンしてしまうシーンが結構多かったので、相手からしたら楽な攻め方というか、怖くない攻め方になってしまったかなと思います。
ーチームの雰囲気
うーん、そうですね。正直、2-5で阪南に負けた後の2日間というのは、みんなしっかりと切り替えながら、2日間やってた部分は、間違いなくパワーを持ってやってたんですけど、ただ、今シーズンで言うと2連敗初めてというのは、直近の昨年とか一昨年でも連敗っていうのはさほど多くないチームだったんで、そういったところで言うと、自分たち、チームが成長しないといけないタイミングであるというところが、いいポジティブな要素がありながら、成長していくのも1つだと思うんですけど、こういうどうしようもできないというか、なかなか難しい状況の中でも、1人2人チームの中でも大きく変わっていく選手もいると思うので、そういったものに期待してこの2連敗というところを本当に前向きに捉えていくしかないのかなと思います。
ー選手にとってはチャンス
そうですね、もう本当にそういうふうな捉え方をしていかないと、シーズンは長いですし、まだここから後期も含めて前期も残り1試合あると思うので、しっかり勝ちを積んでいけば、まだまだ分からないところにもなってくると思うので、ここでただもう大崩れしていくと、それは見えてこないと思うので、自分たち次第かなと思います。
ー関西選手権に向けて
1個、大会が変わってっていうところになってくる。1発勝負というところでのギアの上げ方っていうところも含めて、どんな形でも次に駒を進めるっていうところでいうと、天皇杯を含めて、そういったところでは勝負強くあるので、そういった大会も使いながら、またチームとして右肩上がりできるようにしていきたい。戦い方自体は本当に1戦1戦ということで、トーナメントもそうですし、リーグ戦も勝ち点3を積む、1戦1戦ということは変わらないんですけど、やっぱりチームはどっかで、これ負けたらもうそれで終わってしまうっていうゲームの入り方と、リーグ戦あと12試合、11試合あるとかっていうところで言うと、多少なりともそういったところがあるから、リーグのところでは勝ちを積めてないかなというのもあるので、そういったメンタリティがぶれないようにすることもチームとして大事だなと思って、この大会をうまく使えたらなと思います。大会は変わりますけど、今のチーム状況で、1つの勝ちとか1つの得点というのは、すごくチームを勇気づけるものになってくるんで、本当にネガティブにならずに下向かずに辞めることなく、続けることが長いスパンで見たときには、必ず良い結果になっていると思うので、そこは本当にチームには強く求めたいところ。歩みを止めずに下向かずにやり続ける。そのメンタリティが大事かなと思います。

【取材:細井雅貴】
第10節vs大院大 アクアパルコ洛西(2025年5月31日 11:30 KO)

【スターティングメンバー】
GK 1 (C)徳若碧都(4年=高川学園高)
DF 3 滝口晴斗(3年=サンフレッチェ広島ユース)
DF 35 夘田大揮(4年=東山高)
DF 4 小野成夢(3年=愛媛FC U-18)
DF 24 西川宙希(1年=セレッソ大阪U-18)
MF 6 田代紘(3年=ヴィッセル神戸U-18)
MF 10 伊藤翼(3年=セレッソ大阪U-18)
MF 13 山村朔冬(2年=帝京長岡高)
MF 7 皿良立輝(2年=セレッソ大阪U-18)
MF 8 末谷誓梧(3年=セレッソ大阪U-18)
FW 26 高川諒希(1年=カターレ富山U-18)
(フォーメーション 1-4-2-3-1)

【サブメンバー】
GK 12 中原碧琉(3年=サンフレッチェ広島ユース)
DF 5 逵村健斗(4年=三重高)
DF 2 前原慶維(4年=神村学園高)
DF 28 吉井泰生(1年=ガイナーレ鳥取U-18)
MF 38 福島健太(2年=青森山田高)
MF 14 長谷川裟恭(4年=京都橘高)
MF 23 大倉慎平(1年=ガンバ大阪ユース)
FW 11 小濵弘貴(4年=東海大福岡高)
FW 9 妹尾颯斗(3年=サンフレッチェ広島ユース)
【選手交代】
ハーフタイム
IN 逵村健斗 OUT 西川宙希
59分
IN 長谷川裟恭 OUT 山村朔冬
66分
IN 大倉慎平 OUT 皿良立輝
IN 妹尾颯斗 OUT 高川諒希
85分
IN 吉井泰生 OUT 夘田大揮
【スコア】
京産大0-2大院大
【試合内容】
稀にみる大敗となった前節から中2日、主将の徳若を始め、主力選手がスタメンに名を連ねた。大院大と昨年のインカレプレーオフ以来となる対決。「自分たちにベクトルに向けて」(徳若)まずは京産大のサッカーを表現することを軸に挑んだ。3分、高川が左足でファーストシュート。7分には、前線からのハイプレスで伊藤ボールを奪い、1度は相手GKが詰め寄るも、後方でフリーになっていた高川が右足でシュート。惜しくも枠を捉えることはできなかったが、1つチャンスをつくった。しかし9分、右サイドから左足でクロスを上げると、大外から抜け出した選手にワンタッチで決められ、今日も先制を許す。持ち味である両サイドからの攻撃を仕掛けたい京産大だが、相手のマークに苦しむ。15分、「自分の左のサイドが閉められている分、逆に空いてるっていうのは認識してた」(小野)と、小野のフィードに対し、裏抜けした高川が右足でのシュート。手数の少ない中央からの攻撃でゴールへ迫っていく。その後は両軍の心臓である伊藤翼と山本未来翔(大院大・4年)が、最終ラインから左右に散らしながら組み立てる。前半も終盤に差し掛かった43分、皿良が中央の近い位置でFKを獲得。大院大は7枚の壁、さらに後ろにも1人を置いた。左足の皿良、右足の山村、いつもより入念に話し込む。蹴ったのは皿良、わずかに相手の壁に阻まれ、CKへ逃れられた。0-1と1点ビハインドで前半を折り返す。
後半から、開幕からここまでフル出場を続けてきた西川に替わり、逵村が昨年多く出た左SBのポジションに入った。50分、左サイドからワンツーで崩される。1度は徳若が触ったが、最後は右サイドから押し込まれ、前半に続き、立ち上がりに重い追加点を許した。
「もっと自分が守備の統率感を取らないといけない」CB小野はそう振り返る。「怖くない状況で、ボール回してるとか仕掛けるっていうところが多かった」(吉川監督)と、前半より支配率は高まったものの、エリアへ侵入する場面を作れない。それでも64分、途中出場の長谷川が右サイドからキーパーを襲うシュートを放つ。続く65分には、末谷がバー直撃のシュート。さらに78分にも末谷がエリア内でハンドを誘いPK。しかしここもバーに嫌われ、反撃することができず。結果的に1点が遠い展開となり、0-2のまま敗戦。
リーグ戦初の連敗を喫した京産大。6月からは負ければ終わりの関西選手権が始まる。昨年は半世紀ぶりの決勝進出、準優勝を果たした。天皇杯でも見せた勝負強さを発揮し、今季2つ目のタイトルを目指す。
【試合後のインタビュー】
主将・徳若碧都選手
ー第4節以来のスタメン
久々のスタメンで、前の試合阪南に負けて、自分なりに出る責任感を持って挑んだつもりだったんですけど、結果的に0-2ってところは、個人としてのチームとしてもすごい課題ですし、入りのところでいったら、正直そんな悪くなかったので。
ー先制される試合が増えている
ここ何試合かずっと入りでやられてるんで、試合でいきなりどうこうできる問題じゃないと思うんで、日頃の練習のアップのところやったり、日々のこの成長を積み上げるところっていうのを、もっとやっていかないと思っています。
ー組み立ての部分
今日は組み立てる部分は、自分の長所なので、前半は特に出せましたし、下でつなぐ部分もうまいことコミュニケーション取れたんで、できた部分は引き続きやれたらいいなと思っています。
ーセービングについて
後半止めたところは、止めて当たり前っていう感じの、自分的にそういうセーブがほとんどだったので、ああいう失点を救えるようなキーパーに成長したいなというふうに思っています。
ー改善傾向のセットプレー
セットのところは今シーズン始まってずっと課題で、最近やっと形になってきたところなので。まだ完璧じゃないんで、少しずつ毎試合毎試合整理しながら隙をつぶしていけたら、セットからの失点というのは、これからもなくいけるかなと思っています。
ー相手への分析、戦い方
阪南に負けて作りっていうのを変えて、今週、特に学院の分析やらずに臨んで、自分たちにベクトルに向けてっていう週だったんで、学院のところに分析やってっていう形はやらずにっていう感じでした。
ー関西選手権に向けて
去年は同志社に負けてるんで、あれ以上のステージに行って、自分たちが結果を残すのもそうですけど、後輩にああいう景色を見さして、経験させてあげたいって気持ちはあるんで、また大会変わりますけど、より集中してトーナメントなんでやっていきたいなと思います。

伊藤翼選手
ー阪南大戦からの取り組み
負けて5失点したけど、もうほんまに切り替えてやるっていうのはチーム内で共有して、昨日もいいトレーニングできていたから、その重さというのはなかったけど、立ち上がりに失点したところはあんまり変わらないんで、今日もスコアは課題がまだ続いてるかなと思います。
ー立ち上がりに失点が多い
あそこで失点したらギアを上げたいところで上げにくいし、ほんまに集中力のところだと思うので、そこの立ち上がりとか、はっきり前にプレーするというとこは、チームにまだ足りてないとこだと思います。
ー序盤にチャンスも
1個のチャンス決めれるかどうかが、やっぱり試合を分けると思うので、そういうところは、ボランチだけど、そこは決められる選手にならないといけないかなと思います。
ー後半はトップ下でもプレー
ハイプレスの守備のところで、自分がスイッチを押してっていうところは、多分求められているとこだと思うから、そういうところはやり方というか変わるけど、そこで自分が前でプレーできたら、自分の成長にもつながると思うので、そこはチャレンジしていきたいかなと思います。もう1個、周り巻き込む力とかそういうところをもっとつけていきたいです。
ー攻撃の組み立て
背後見せたら、ああいう下のところでつなげるところが出てくると思うから、そこが今日足りてなかったとこやし。犠牲になる背後に抜けるランニング大事にするとか、そういうのは今日足りてなかったかなと思います。
ー連敗中のチームの雰囲気
練習とかではできてないっていうわけじゃないと思うんで、試合になったときに、力、チームを勝たせる選手だったり、守りきる選手というのは出てこないと。この連敗だけど、下向くことなくやっていくことが大事かなと思います。
ー大院大の警戒したポイント
8番キャプテンのケアっていうところはチームであって、そこまで相手というよりも、自分たちがこの前負けたので、そこから中2日で改善というか、自分たちは変えるっていうところは共通してありました。
ーハーフタイムでのミーティング
1失点して、自分たち逆転できる力があるっていう話だったけど、そこで立ち上がり、後半失点してしまったんで。もう1失点しないという話があった中で、それが本当に今日の敗因かなと思います。
ー関西選手権に向けて
天皇杯もあるし、関西選手権もある中で、1か月リーグはないけど、このトーナメントというところで勝っていったら、自分たちの勢いがついてくると思うし、レギュレーションは変わるけど、一歩ずつ勝っていって決勝に行って、また去年負けたので、優勝できたらいいなと思います。

小野成夢選手
ー試合を振り返って
いや、もう本当に失点の部分っていうところで、前節の5失点で今回2失点というところで、やっぱりもっと自分がまとまりというか、守備の統率感っていうのは取らないといけないし、それができていないから、こうやって失点するっていうのは、分かっている中でも、まだまだやれてないんで、そこはみんなで練習からもっとやっていかないといけないなって話をしました。
ー先制点を許す試合が多い
吉川さんからも先制点を取られたら難しい試合展開になるっていう話は、このシーズン始まった中でも言われている中で、前節も今節も入りでの失点っていうのが、まだ開始15分も経たずにどっちつかずの状態で失点して、結局、相手のペースになって、前半は終わってしまうみたいな展開が多いんで。そこを本当に失点しないという言葉で言うのは簡単ですけど、それに尽きるんじゃないですけど、本当もっとこだわってやっていかないといけないと思います。
ー集中力の問題なのか
個人の力もそうですけど、この後ろの4人とキーパーを含めた距離感だったり、逆に前プレ行くときだったら、全体の距離感だったり、強度だったりっていうのはもっと合わせていかない。やっぱりそこでズレが生じてるんで、もっとチームとしてまとまって、攻撃も守備もできたら、もっといい試合運びもできるのかなと思います。
ー西村選手がケガで離脱した中
シーズン始まる前からやっぱり想大とある程度お互いの思っていることやったり、やりたいことは分かっている中で、誰が出てもっていうところは自分自身変わらずやるっていうのは変わらないし、でも現状、連係取れてないシーンだったり、ラインの高さ、ダウンのタイミングだったりっていうのはまだ取れてないんで、もっと自分がコミュニケーションを取って、誰に合わせるのかやったり、どうするのかっていうのは、もっとコミュニケーションを取っていくべきかなと思います。
ーセットプレーからの失点は減少傾向
前日のセットプレー練習のところで、前に比べると、全員締めなあかんという雰囲気というか、気持ちというのは、練習のときに1発目から出ていますし、前日の練習のクオリティというのは、やっぱり試合に直結していると思うので、たぶん練習でできていることが試合にそのまま出てるかなと思います。
ーロングフィードからチャンスも
今日、ビルドアップに関しては、前半、自分の左のサイド、自分と宙希ところで、ちょっと詰まりがあったんですけど、そこが閉められている分、逆に空いてるっていうのは認識してたんで、そこの自分のロングボールの精度だったり、受け手にもっといいボールを供給するっていうのは、もっとこだわっていけるかなと思います。
ーチームの雰囲気
もちろんポジティブにっていうとこは、吉川さんを含め、みんな言ってるけど、チーム状況としてはよくないというのが、はっきり率直に思うことで、みんな言ってるように、これを成長につなげるには、本当にやるしかないので、これをどういう気持ちで誰がどう変えていくかっていうのは、次のオフ明けの練習で変わってくると思うので、自分がまずやるっていう気持ちと、チーム全員でもっとパワー出せると思いますし、もう1回パワー出して次の試合に向かいたいと思います。
ー関西選手権に向けて
関西選手権、トーナメントは天皇杯もそうですけど、負けてたら上にはいけないんで、多分結果が求められるというところで、この直近2試合のような試合をしてたら、やっぱり上には行けないですし、もっとチームで戦うっていうところ、ベースの部分をもう1回認識し直して、チームとして進んでいきたいと思います。

吉川監督
ー今日も先制点を許した
前半も後半も8分と4分の失点で、タイミング、前半のっていうところがあったんですけど、ハーフタイムにしっかり修正というか、そこは全員で意識を持ちながらというところがあるんですけど、流れ悪いときって、やっぱり分かっててもっていうところがあったりするゲームが続いてしまうと思うので、今の流れでいうと、リーグ戦で言うと良くない流れとだなというところがあるので、それをどういうふうに変えていくか、自分たちがしっかり前向いて、1個1個課題をつぶしていくしかないと思うんで、そのあたりで言うと、今、ぱっと話してっていうところで下向かずに次に向かうということです。
ーPKなど決定機もつくった
ただ阪南の時と一緒で、それが0-0のPKを取って1-0にできる1なのか、0-2からの1なのかではやっぱり大きく違うと思うので、そのあたりのゲームコントロール、マネージメントみたいなところでいうと、もっともっとチーム全体が成長しないといけないかなと思います。
ーボール保持時も足元で受ける形が多く見られた
後半もどっちかっていたら、PK取るぐらいまでは、前にボールを回しるだけとか。そもそもファーストコントロールのところが、ちょっと横とか後ろに置いちゃって、怖くない状況で、ボール回してるとか仕掛けるっていうところが多かった。ボールの置き方でいうと、ゴール方向に大きくとか、ゴールにより近いところにボールを置くということは、ちょっと意識したさせてたので、そういったところはトレーニングの中から、そういう意識は、再度植えつけていかないといけないなと思います。
ーハーフタイムでの交代
カードトラブルというか、もしかしたら起こるかなというところがあったので、0-1で11人でっていうところでいうと、後半、逆転っていうところはプランとしては持っていたので、ただ、それが10人対11人になった時に0-1ってとか、結構難しくなってくる。宙希のところでカードをもらってたのと、あとちょっといつも対人の距離感っていうところは、持っていかれてるというか、相手の間合いに入られているシーンが結構あったので、健斗もこの2日間のトレーニングで悪くなかったので。
ーCBの西村選手が離脱した中
そこの安定感というところは、ちょっと物足りなさを感じるんですけど、ただ想大が怪我して、今離脱してるっていう段階でいうと、新たに変わって出てくるセンターバックが、しっかりとしたパフォーマンスを出さないといけないっていうのは、チームの状況としてはあると思うので、このあたりは本当にプレーできる選手がしっかりと責任を持ってプレーするというところが、すごく重要かなと思います。
ー主将の徳若選手もスタメン復帰
ビルドアップのところであったりとか、ゲームを締めるみたいなところでいうと、しっかり声かけながらっていうとあったと思うんですけど、やっぱり立ち上がりのところの前後半を含めての失点というところは、チーム全体としてはいただけない部分であるし、徳若がそういった部分もキャプテンとして、もっともっと締める必要が結果としてはあったのかなと思います。
ーサイドからのスプリントが少なかった
中2日でコンディション的にはっていうところでは、山村にしても、末谷に関してもこの前の試合で45分しか出てないので、しっかりとスプリントも出していけるであろうって、ゲームには出したんですけど、ただ、スプリントの数であったりとか、アクション強さみたいなところで言うと、物足りなさは感じたかなと思うので、あとは相手のプレスパックが来てる来てないに関わらず、スピードダウンしてしまうシーンが結構多かったので、相手からしたら楽な攻め方というか、怖くない攻め方になってしまったかなと思います。
ーチームの雰囲気
うーん、そうですね。正直、2-5で阪南に負けた後の2日間というのは、みんなしっかりと切り替えながら、2日間やってた部分は、間違いなくパワーを持ってやってたんですけど、ただ、今シーズンで言うと2連敗初めてというのは、直近の昨年とか一昨年でも連敗っていうのはさほど多くないチームだったんで、そういったところで言うと、自分たち、チームが成長しないといけないタイミングであるというところが、いいポジティブな要素がありながら、成長していくのも1つだと思うんですけど、こういうどうしようもできないというか、なかなか難しい状況の中でも、1人2人チームの中でも大きく変わっていく選手もいると思うので、そういったものに期待してこの2連敗というところを本当に前向きに捉えていくしかないのかなと思います。
ー選手にとってはチャンス
そうですね、もう本当にそういうふうな捉え方をしていかないと、シーズンは長いですし、まだここから後期も含めて前期も残り1試合あると思うので、しっかり勝ちを積んでいけば、まだまだ分からないところにもなってくると思うので、ここでただもう大崩れしていくと、それは見えてこないと思うので、自分たち次第かなと思います。
ー関西選手権に向けて
1個、大会が変わってっていうところになってくる。1発勝負というところでのギアの上げ方っていうところも含めて、どんな形でも次に駒を進めるっていうところでいうと、天皇杯を含めて、そういったところでは勝負強くあるので、そういった大会も使いながら、またチームとして右肩上がりできるようにしていきたい。戦い方自体は本当に1戦1戦ということで、トーナメントもそうですし、リーグ戦も勝ち点3を積む、1戦1戦ということは変わらないんですけど、やっぱりチームはどっかで、これ負けたらもうそれで終わってしまうっていうゲームの入り方と、リーグ戦あと12試合、11試合あるとかっていうところで言うと、多少なりともそういったところがあるから、リーグのところでは勝ちを積めてないかなというのもあるので、そういったメンタリティがぶれないようにすることもチームとして大事だなと思って、この大会をうまく使えたらなと思います。大会は変わりますけど、今のチーム状況で、1つの勝ちとか1つの得点というのは、すごくチームを勇気づけるものになってくるんで、本当にネガティブにならずに下向かずに辞めることなく、続けることが長いスパンで見たときには、必ず良い結果になっていると思うので、そこは本当にチームには強く求めたいところ。歩みを止めずに下向かずにやり続ける。そのメンタリティが大事かなと思います。

【取材:細井雅貴】
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