天皇杯 JFA 第105回全日本サッカー選手権大会
2回戦vs FC町田ゼルビア 町田GIONスタジアム
(2025年6月11日 18:30 KO)

【スターティングメンバー】
GK 1 (C)徳若碧都(4年=高川学園高)
DF 6 田代紘(3年=ヴィッセル神戸U-18)
DF 4 小野成夢(3年=愛媛FC U-18)
DF 5 逵村健斗(4年=三重高)
MF 3 滝口晴斗(3年=サンフレッチェ広島ユース)
MF 23 大倉慎平(1年=ガンバ大阪ユース)
MF 10 伊藤翼(3年=セレッソ大阪U-18)
MF 8 末谷誓梧(3年=セレッソ大阪U-18)
MF 7 皿良立輝(2年=セレッソ大阪U-18)
MF 14 長谷川裟恭(4年=京都橘高)
FW 9 妹尾颯斗(3年=サンフレッチェ広島ユース)
(フォーメーション 1-3-4-2-1)

【サブメンバー】
GK 12 中原碧琉(3年=サンフレッチェ広島ユース)
DF 35 夘田大揮(4年=東山高)
DF 24 西川宙希(1年=セレッソ大阪U-18)
MF 27 森田皇翔(1年=ヴィッセル神戸U-18)
MF 38 福島健太(2年=青森山田高)
MF 13 山村朔冬(2年=帝京長岡高)
MF 17 福永裕也(2年=京都橘高)
FW 26 高川諒希(1年=カターレ富山U-18)
FW 11 小濵弘貴(4年=東海大福岡高)
【選手交代】
69分
IN 高川諒希 OUT 妹尾颯斗
75分
IN 福永裕也 OUT 皿良立輝
IN 山村朔冬 OUT 長谷川裟恭
80分
IN 夘田大揮 OUT 末谷誓梧
【スコア】
京都産業大 1-2 FC町田ゼルビア
58分 長谷川裟恭
【試合内容】
舞台は天空の城の愛称をとる、町田GIONスタジアム。雨でグラウンドは水を含み、軽い霧がかかる。試合前練習では各選手から緊張高まる表情が感じ取れた。「すごい緊張して、アップから結構口数少なく固かった」(長谷川)、「試合前はちょっと緊張した」(伊藤)と振り返る。平日のナイトゲームながらも、ホームゴール裏から熱烈な応援が響き渡る。京産大側ゴール裏には直前にケガでベンチ外となった前原を始め、B・Cチームの選手、マネージャーら総動員。こちらも負けじと試合開始前から一段と大きな声援で盛り上げた。




関西選手権に続き、3-4-2-1、撤退時は5-4-1のブロックを敷く形を取った。大倉がボランチ、ライン間でのドリブルで運ぶことに期待し、長谷川をボランチではなく、左のシャドーに置いた。町田も基本陣形は3-4-3のミラーゲームとなった。望月ヘンリー海輝や藤尾翔太、ナサンホら主力選手もスタメンに名を連ねるまさに真剣勝負の様相。緊張をほぐすため、試合前の撮影では、いつも以上に冗談めいたかけ声でピッチへ散る。


立ち上がり流れをつかんだのは京産大、右サイドで深さを取った妹尾のクロスに長谷川が合わせ、ゴールを脅かす。


6分には、左サイドでボールを奪うと、長谷川が運び、左サイド末谷がエリア内で受ける。最後は中央に待っていた妹尾が左足でワンタッチシュート。しかし相手GKが弾き、こぼれ球もクリアされ、先制とはならなかった。18分、1本目のCK、アウトスイングのボールに田代が頭で合わせていく。19分には、妹尾が相手DFに服を引っ張られる形でFKを獲得。自慢のキープ力でファウルを誘った。

対する町田は徐々に得意とする両サイドからのスピードを活かしたクロス攻撃、セットプレー、ロングスローから攻め込む。最初のピンチは27分、CKから折り返したボールに至近距離でのシュート。GK徳若がブロックしたこぼれ球を拾った白崎にミドルシュートを浴びる。すると30分、ナサンホの左クロスに合わせた仙頭のヘディングを徳若がセーブ。こぼれ球を押し込まれるもオフサイドフラッグが上がり、一命を取り留めた。その後も、CKからピンチを迎えるが、徳若のキャッチングで先制を許さず、スコアレスで折り返した。
変わらず後半も、球際への強さと背後を狙う姿勢、DFラインの上げ下げなど徹底していく。54分にバスケスバイロンを投入、右サイドの攻撃の厚みを持たせる町田。58分、滝口のクロスにオフサイドラインギリギリを抜け出した末谷がヘディングで中央へ折り返すと、長谷川が下がりながら左足を振り抜く。ボールは相手GKに当たりながらもゴールラインを割り、待望の先制点となった。「もう本当に夢中で走ったというか、すごく嬉しかった」(長谷川)と、歓喜のスタンドへ一直線。ベンチの選手たちも一斉に駆け寄った。


このまま終わるわけにはいかない町田は、61分に相馬勇紀、西村拓真を投入。すると流れは一気に傾く。直後の63分、左サイドに張った相馬のワンタッチでの浮き球で、エリア侵入を許すと、大外へのクロスボールにダイレクトボレー、枠を捉える。ここも徳若のファインセーブでピンチを脱した。69分、前半からポストプレーに裏抜けと、身体を張り続けた妹尾に代わって、多彩なシュートが持ち味の高川を投入。

先制後は前線に4、5枚並べサイド攻撃を繰り返す町田に、粘り強く弾き返す京産大という構図。71分、相馬の縦への動きから左足クロス、ファーサイド、中央と順にヘディングで折り返すと、難しいバウンドに仙頭が左足で合わせてゴール。と思われたが、今度はハンドの判定で取り消し。ここまでツキは京産大にあるようだ。75分には、2シャドーにキック精度の高い山村、スピードのある福永を入れた。「もう本当、1分1分がすごい長かった」ベンチに下がった長谷川もこの心境。末谷、滝口の両WB、DF陣にも疲労が見え始める。そんな中、交代で入ったフレッシュな前線陣がカウンターに出る。山村のカットインからの右足は枠を捉え、福永も左足でゴールを狙う。


80分には、末谷に代わってCBの夘田。逵村が左WBに回り、1点を守りにいくことをチーム全体で共有する。しかし、この時間帯には疲労がピークに達し、ボールホルダーへのプレスが効かず、エリア内で跳ね返すのが精一杯となっていた。86分、相馬のインスイングのピンポイントクロスに藤尾がヘディングで合わせて、ついにゴールをこじ開けられた。

まだ同点、気を取り直し延長戦も見据えた戦いに持ち込みたい京産大だったが、90分、エリア内での1対1の場面。滝口の足は先にボールに触っていたようにも見えたが、相馬の足にかかっていると判断され、痛恨のPK献上。キッカーは相馬、徳若の読みは当たっていたが、シュートスピードが上回り、1-2と逆転を許した。


残された時間はわずか4分程度、CBの小野を前線に張り出し、パワープレイに持ち込んで行くが及ばず、試合終了のホイッスル。一時は勝利も夢見たが、J1の底力を前に勝ちきることはできなかった。だが、町田相手に一切怖気付くことなく、ゴールに向かって戦い続ける姿は逞しく麗しいものだった。


試合終了後、ホームサポーター、バックスタンド側へ挨拶。ゼルビアの選手らとも抱擁を交わした。好ゲームを披露した京産大に、スタンドからは大きな拍手が送られる。やりきった感覚と悔しさの両方が入り混じった選手たち。最後は自分たちを全力で鼓舞し続けたゴール裏へ感謝の礼。スタンドの仲間たちはピッチで戦った選手たちへ熱い言葉で労った。試合後の滝口の目には涙。日本を代表するドリブラーとの差を目の当たりにし、終盤ワンプレーの重さを痛感。随所にスピードを活かした突破でチャンスをつくるプレーもみせた。左WBとして攻守に貢献した末谷も、「いい経験で終わらせたくはなかった」と、悔しさを滲ませた。




それでも、「京産大サッカー部にとっては、すごく大きな1試合だった」(吉川監督)、京産大サッカー部の歴史において、ここまで辿り着いた功績は色褪せない。「やっとチームが1つ本気になった」(徳若)、ここまでの学生リーグとは違い、プレッシャーからの解放なのか、陰を潜めていた積極性、集中力をチャレンジャーとして存分に発揮できた。「本気で毎試合、毎試合臨めるかって言ったら、まだまだ彼らはそこに課題があると思う」(吉川監督)と、続く関西での戦いでも1秒たりとも無駄にしない、今日のようなフットボールに期待したい。
好調の2部・びわこ大との関西選手権4回戦が中3日で行われる。移動を含め、身体への負担もいつも以上に大きい。また難しい試合になることは間違いないが、2年連続の総理大臣杯出場へ負けられない戦いが続く。
【試合後のインタビュー】
長谷川裟恭選手
ーどういった気持ちで試合へ入ったのか
ポジションもボランチから直前に1個前になって、やっぱりポジション変更もですし、J1相手ってところもあって、すごい緊張して、すごいアップから結構口数少なく、固かったんですけど、もう本当にピッチ入ってみればやる、モチベーション高くやれたと思うので、そこはすごく良かったかなと思います。
ー最初チャンスを振り返って
1個本当にカウンターで相手も入り悪かったんで、ここしかないなと思って走ってたんですけど、うまく合わせられずに、今思うと悔しい思い。決めれば勝てたと思うんで、すごい悔しい思いはあります。
ーハーフタイムでのミーティング
ずっとうまくいってないわけではなかったんで、やっぱり自分たちを鼓舞しながら続けようっていうふうにあったのと、やっぱり少しエラーも出てたりとか、相手の選手のレベルの高さのところで、ちょっと剥がされそうなところもあったんで、そこはしっかりチーム内で確認して、コミュニケーションを取りながら、全体で修正できたかなと思います。
ー先制点を振り返って
もうほとんどこけながらなんで、見てなかったんですけど、あんまりシュート得意じゃなくて。ただ今、1個ポジションを上げた中で、ゴールを意識して、プレッシャーの中でいいところにこぼれてきたんで、もうゴールに流し込むだけだったので。そこは本当に狙いというか、当てる、インパクトしてゴール狙って流し込むというか。もうゴール取った時はすごいもう本当に夢中で走ったというか、すごく嬉しかったです。
ー交代後ベンチから試合を見て
もう本当最後の10分、5分で、ああやって逆転されたところで、もう本当、1分1分がすごい長かったというか、ベンチ下がってからもすごい長かった。もう下がって願うだけだったんですけど、すごい長かったというのもありますし、ピッチ内の選手はもっと長かった中で、しんどい中でよく戦ってくれたと思うんで。ただやっぱり勝ちきれないところは、結構課題に出たと思うんで、それはしっかり持ち帰って、これからのリーグ戦と関西選手権とかにつなげていきたいなと思います。
ーJ1の選手相手に手応え
差のところで言うと、もう試合始まってからすぐにやっぱり球際の強さったり、体の強さ、あとは個の力強さのところだったり、スピードのところはすごい差を感じたというか、1個1個の質もすごいありましたし、すごい圧倒されたところはあったんですけど、やっぱり自分たちの強みである1個1個質高く、細かいところでもビビらずに、受けてさばいて、ボールをつなげてゴールに素早く攻撃するってところはすごいできたと思うし、みんなビビらずにできてた中で、やっぱり1人1人強みを出せたかなというふうに思いますし、そこは自信に。なんでレベルの差を感じたところは突き詰めていくのと、これをきっかけに自信を持てたと思うので、これから学生相手にはもっとできると思うんで、質高く、もっとレベル高くやっていきたいと思います。
ー吉川監督は受けて運ぶところを求めたと話した
自分自身のプレースタイル的には、受けて隠して取られずにっていうところがあったんですけど、前への推進力やったり仕掛け、ゴール前のところは課題ってずっと言われていて、試合前もそこはチャレンジしてほしいというふうに言われました。ポジションも1個前になったんで、言われてた中で、J1相手に少し怖いところもあったんですけど、チャレンジして前に運んでチャンス作れたりとか、ゴール、先制点もですし、できたところはすごく多かったので、自信持って、もっと受けれるように自分自身になりたいと思うんで、もう1個レベルアップできるように、普段の練習から意識して取り組みたいと思います。
ー今後チームとして
前回の関西選手権のときから、新しいポジションでやっていく中で、いろいろエラーもあるんですけど、前向きにチームとしては取り組めていると思いますし、この天皇杯ってところで、やっぱり全員が気持ち高ぶってた中で、こういう試合ができたっていうのはあるんで、ただ、こういうすごい大きい舞台ではないですけど、1個1個のこれからある関西選手権もリーグも、これぐらいのモチベーションやったり、熱量で1個1個取り組んでいきたいですし、チームで大事にしてること。練習もこの基準でやっていかないといけないところなので、それはこれからもこの基準を意識していきたいと思います。
ー自身の将来について
自分自身もラスト1年で、正直、サッカー続けるかどうかって悩んでるところもありますし、今年から出だして、やっぱり可能性というのは難しい中ではあると思うんですけど、最後まで自分も目指しながら続けたいって思ってますし。どう注目が集まるか分かんないんですけど、そこだけにならずに、まずチームで大切にしているところは、チームのためにっていうところがあるので、まずはこのチームで目標を達成するために自分がしないといけないことをして、結果出した上で、プロを目指していきたいなというふうに思っています。
ー天皇杯を通して4回生としての責任感
4回生少ない中で、やっぱりまだまだパワーが足りないってところはすごいあって、課題の中でこういう試合があったんですけど、ただ、やっぱり1人1人、パワー足りないけど、意識してることはあったと思いますし、後輩の力を借りながら、今年はチーム作りをしてるんで、出た中でのコミュニケーションを取って協力するってところが、すごい見せられたかなというふうに思いますし、やっぱり4回生がああいうところで引っ張ってチームを勝たせるってところは、まだまだ課題だと思うんで、これから意識していくっていうふうに、自分たちで決めてますし、これを全員感じた中で、どう変われるかというところがあるんで、もう1回4回生の中だけでもコミュニケーションを取って、チームを作っていきたいなと思っています。
ー関西選手権に向けて
次の試合からも、びわこを相手に難しい試合にはなると思うんですけど、この経験を機に基準高く、自分たちも関西選手権優勝して、全国優勝を取るのを目標を置いているんで、この基準を1試合1試合できたらなというふうに思ってるんで、しっかりと内容もって、結果もしっかり持ってこれるように、これから練習トレーニング、普段のトレーニングを意識してやっていきたいと思います。

伊藤翼選手
ー試合を振り返って
自分たちは相手がというよりも、自分たちがやってきたことをやろうって臨んだ試合の中で、ああやって先制して、でも最後には決められたのは、やっぱりプロと自分たちの差が出たかなというところがあるので、そういうところはいい経験になったで終わらさずにこれを次につなげられたらなと思います。
ー3バックでの手応え
練習の中でもやっぱりうまくいってないシーンが多かった中で、それを修正して、自分たちでコミュニケーションを取りながら試合で出せたと思うので、それは練習のところで成果が出たかなと思うので、相手は次変わりますけど、関西選手権でも3バックやったら個人的にはやりやすいので、いいチャレンジかなと思います。
ープロを見据えて
できたところもあるし、球際のところとか、やっぱり1個いつもより速かったから、あそこが自分が上に行くには、そこをもっともっと突き詰めていったら、セカンドボールだったり、走りきるというところは自分の特徴でもあるから、そこをもっともっと伸ばしていきたいです。
ー学生リーグでは味わえない雰囲気
試合前はちょっと緊張したんですけども、ピッチに入れば逆に、いい方向に気持ちが持っていけてプレーできたかなと思います。
ー関西選手権へ向けて
今日みたいな熱量でやらないと絶対負けてしまうし、この連戦の中で自分たちの課題である負けたあとの次というところが本当に大事だと思うので。メンバーも総力戦になることはみんな分かってるんで、全員が良い準備して勝ちたいと思います。

末谷誓梧選手
ー試合を振り返って
本気で勝ちにいった中で、うまく先制できたんですけど、やっぱりああいう時間帯っていうのは、相手の特徴を生かせる時間帯だと思うので、あそこで自分たちが守り切れなかったのは悔しいですし、ほんまにいい経験で終わらせたくはなかったので、本当に次に進みたかったなっていうのは、1番の思いです。
ー3バックでの手応え
スリーで、結構自分と晴斗が低い位置を取るようにというのは監督からもあったんで、我慢強く耐える時間っていうのは、長かったんですけど、自分も最後つってしまいましたけど、やっぱり最後まで走る力だったり、攻撃にもっと自分がパワーを使えるようにならないといけないなと感じました。
ープロを見据えて
攻撃の時間が少なかったというのはありますけど、少ないシーンですけど、自分もしっかりと仕掛けられたシーンというのはあったと思うし、正直、もっと自分も仕掛けたいという思いはあったんですけど、やっぱりそう簡単にはいかない相手だったんで、大学が相手ってなったら、やっぱり自分たちが持てて仕掛ける回数というのは増えると思うので、今日みたいに守備のところの意識っていうのも忘れずに、攻撃のところで違いを出さないといけないと思っているので、自分はそこは大学っていう相手に戻っても、ちゃんと自分がもっともっと高いレベルでやれるように意識してやっていきたいと思います。
ー学生リーグでは味わえない雰囲気
去年も奈良クラブありましたけど、プレッシャーにはならずにできたかなと思います。
ー関西選手権へ向けて
今日勝ちたかったですけど、ほんまに切り替えるしかないですし、次は関西選手権で戦い方も相手の基準というか、それも流石にJ1レベルとは変わってくるので、うまくいかないこともあると思うんですけど、最近勝ててないっていうのもありますけど、しっかり切り替えて、次の選手権の気持ちも全員で持っていきたいと思います。

大倉慎平選手
ー試合を振り返って
すごく厳しいゲームになりましたけど、自分としては良かった点はいっぱいあったので、そこはすごい自信にできますし、でもあと1歩だったり、80分超えてからのところは、まだまだ課題だと思いました。
ーこの経験を今後に活かすために
今日のような高いモチベーションを常日ごろから、練習だったり、リーグ戦だったりで、ずっと維持しなければならないと思いますし、今日見つかった課題をしっかり関西選手権だったり、リーグ戦だったり、全国大会ではっして、またこの舞台に戻ってこれるように頑張りたいと思います。
ーこの大舞台
京産のサポーターだったり、町田のサポーターだったり、見えないところでみなさんが運営だったりをしてくださっているので、そこは感謝してこれからもやっていきたいと思います。

徳若碧都選手
ー町田相手にも互角に戦った
サイズ感とかパワーっていうのは、やっぱり僕たちは全然劣ってたかなと思うので、まだまだ帰ってそれはチームとしてですけど、個人もですけど、まだまだやっていかないといけないかなと思います。
ー試合後の気持ち
やっぱりリードしてた試合なだけあって、悔しさもあります。
ー自身のプレーを振り返って
やっぱり大舞台ってなると去年もですけど、その前の透衣くんとかも大舞台、すごい止めていたイメージもあって、こういう舞台って失点したら、すごいキツいって個人としても分かってますし、そういう場面では助けれた部分も多分あったと思うんで、それはすごい自信につながるところかなと思います。
ーセットプレーの対応
セットのところはチームとして、今日の相手はセットを強みにしてるっていうのも分かった上で、今日を乗り越えたら、自分たち、もう1個自信につながるっていう話はスタッフからもされていた中で、セットからの失点がなかったっていうのは、すごいポジティブなところかなと思ってます。
ーPKにどういう気持ちで臨んだのか
PK入る前に慎平が自分のとこ来て、いけるぞみたいな声かけてくれたんで、自分も行けると思ってましたし、正直、味方にはセカンドボール拾いに来るように声をかけた中で、やっぱりここはキーパーとしてもキャプテンとしても、止めたかった場面ではあったかなと思います。
ー天皇杯での成長
成長したっていうか、大会変わって、相手も変わってすごいやっとチームが1つ本気になったかなっていう試合だと思うんで、今日のような気持ちで、これからの学生リーグとか、今から始まる関西選手権臨めれば、そこまで苦戦せずというか、苦戦はするんですけど、多分あんなに負けたりとかはないかなと思っています。
ー熱い応援も
試合始まる前に、前原がケガで外れて、自分もすごい悔しかったですし、想大も怪我で外れてっていうところは、応援リーダー姫野がいるんですけど、想大とかにもLINEして、絶対に難しい試合になるから、応援を頼むぞという連絡を入れていたので、そこは本当に感謝しかないなと思ってます。
ー関西選手権に向けて
また大会も変わりますし、またすぐに日も迫っているんで、今日出たメンバーが全員出るかというと、多分そういうわけでもないと思うので、またチーム一丸となって戦えればいいなと思います。

吉川監督
ー試合を振り返って
先制して、自分たちの狙っていたというか、自分たちとしては良い展開で最後の5分までは迎えたんですけど、相手の底力といいますか、日本を代表する選手たちがパワー持って、出てきたときに、我々はまだまだ力不足だったところが、最終的には1-2という結果に終わったかなと思います。
ー立ち上がりの狙い
学生リーグのときからの課題でもある立ち上がりっていうところであったので、相手は町田さんということも関係なく、まず我々が今課題としていることを、しっかりとこのゲームでも克服しようというところで、しっかりとワンタッチプレーであったりとか、前線の選手は背後を狙うというところを意識して、それは今日のゲームでいうと前後半うまくいったかなと思います。
ーDF陣の活躍
本当に相手関係なく、引くことなく、しっかりと自分たちがやるアグレッシブに前から行くっていうところ、ハイプレスをかけていくっていうところはもちろん、回数的には全部が全部いけるわけではなかったと思うんですけども、しっかりと狙いを持ちながら、このタイミングではしっかりと前線の選手、3トップはボール保持者に行く、後ろはライン上げるっていうところは、チームとしては共有してた部分であったので、うまく80分過ぎぐらいまではできてたんですけど、最後、やっぱり4トップといいますか、5トップの前線に本当に人が溜まったときに、そのラインの上げ下げの、前線からの前半からの、そういったところが少し後ろの選手にとっては、足に来てた部分があったかなと思います。
ー対町田への戦い方
町田さんにっていうよりも、我々が目指しているアグレッシブに戦う、攻守において戦うというところを、選手たちの特徴を見たときに、今少し4バックでやったときにはここ2試合ぐらい少しそれが出てない部分があったので、そういった部分でも、もう1回、自分たちでしっかりと主導権を握りながら、主体的なアクションを攻守において起こしていきたいというところで、システムを少し変えたっていうところだったので、対町田さんっていうよりも、自分たちが自分たちらしくスタイルを貫けるシステムが何なのかということを考えたときに、今日は3バックっていう選択をしました。
ーチームの強み
最後1-2でやられたんですけど、90分プラス最後主審の方は失点後、PKのあと4分って言っておられたので、その4分ですら無駄にしたくないという思いで。今日のゲームで1分1秒たりとも、無駄にせず、ファウルを受けても、すぐ立ち上がって、すぐプレーするっていうところは、本当に根底にあるチームスタイルで、その中で選手たちのスキルであったりとか、我々のスタイルっていうところでいうと、ボールをしっかりと大事にしながら、勇気を持って、どんな相手にもアクションを起こしていくっていうところではあるので、根底の部分は本当にアグレッシブに最後までひた向きにやるというところが、我々のスタイルかなと思います。
ーセットプレーやクロス対応について
対応というか、もうまさにトップクラスのっていう質の高いクロス上がって苦しい、中に待ってる選手たちもパワフルでっていうところがあったんで、そういったあたりは本当に80分ぐらいまでは本当に守備陣キーパー含めて、しっかりと守れてた部分はたくさんあったかなというふうに思うんですけども、やっぱりあと1歩のところの本当に質というか、それを繰り返せる力っていうのは、もちろんJ1の選手たちではあるので、もちろんあると思うんですけど、やっぱりそれが90分ラストの笛が鳴るまでやり続けられるっていうところは、やっぱり大きな差かなと思います。
ー末谷選手への評価
彼の力であれば、こういう舞台でも、しっかりと力を発揮できるっていうところは、常々思っているところではあるんですけど、よく言えばやっぱりアシストだったり、得点であったりとかっていう目に見える数字をしっかりと出すことが、彼にとっては、こういう本当に素晴らしい舞台で、今後サッカーを続けていく上では大事なのかなと思います。
ー関西での戦いに向けて
この本当に素晴らしい経験っていうのは、京産大サッカー部にとっては、すごく大きな1試合だったと思うので。ただ本当に明日移動して戻って練習をして、中3日で関西選手権を迎えるので、そういったあたりでしっかりそれをぼかさないように、しっかりと持ち帰って、次のゲームに向かいたいなと思います。
ーハーフタイムでのミーティング
前半の振り返りとしては、良い悪いっていうよりも、今日のゲームでいうと15分を6セット延長まで考えた時には8セットっていう形で、町田さんに対して90分ゲームを自分たちでコントロールするというのは難しいという想定はあった中で、15分。前半で言うと15分、3回、後半の15分、3回をしっかりと15分ずつ乗り切っていこうという話をしてたので、そういったあたりで言うと、前半が良い悪いというよりも、次迎える後半の15分の4セット目のところをしっかりと迎えようっていうところで、試合前とハーフタイムと、そんなに大きな指示の変更はなかったんですけど、ただ、望月選手の右サイド、うちの左サイドのところは、結構破られたシーンが前半あったので、そこの修正は少しかけたかなというところです。
ー長谷川選手への評価
もともとボランチの選手なんですけど、今日は3-4-3同士でマッチアップしてくるだろうっていう想定もあったので、その中で彼は1人で持ち運びながら、エリアを変えれるっていうところが、彼の1つの良さでもあるので、ボランチのセカンドボールの回収の試合っていうところになると、ちょっと分が悪いかなというふうに思ったので、一列前に上げて、DFライン3枚とボランチの空間のところで、しっかりとボールを受けて、捌くではなくて受けて運ぶっていうところを、今日のプレーのタスクとして要求はしてたので、この前半から交代するまで、その要求にはしっかりと応えてくれたかなという思います。
ー試合後、涙を流す選手も
下向くことなく、しっかりと町田さんのところに挨拶にしっかりと行きなさいっていう話をして、こういう涙を流すっていうのは、本当に本気で今日のゲームを戦ったからこそだと思うので。ただ、それをしっかりと毎週の関西リーグであったりとか、そういったところで、本気で毎試合、毎試合臨めるかって言ったら、まだまだ彼らはそこに課題があると思うので。涙を流す経験を1試合、本当に本気でサッカーに向き合うことで、本当にこういう舞台でまたプレーできることになるのかなと思います。

町田ゼルビア・黒田剛監督
ー試合を総括して
まずはやはり予想していた通り、昨年と同じではないですが大学生の勢いやパワー、もちろんその中に空気を持った選手が数人いて。そういったものがひっかりと彼らの対策のもとに展開してきたゲームであったということ。我々もメンバーを変えながら出来たにせよ、かなり危ない場面も1つや2つ作られたなという印象があります。先制されることだけは避けながら、多分難しいゲームになるだろうと、1点差のゲームになるだろうということはあらかじめ選手に伝えていたのですが、やはり先制されると難しい状況になること。最悪は延長まで行くことPK戦まで行くこと、もちろん敗戦することもそうですが、そういうことを絶対に避けたい中、2日後に控えた次のリーグ戦にかなり疲労度が増してくるなという印象もあったので、布陣を前の方に使ったことでまた一つ勢いが出たこともありましたし、後から出た選手が攻撃のバランスや勢い、クオリティをもたらしてくれたなと思います。本当にゲームとしては難しいものになりましたが、しっかりと逆転してくれたあたりは、やはりカップ戦は結果を出して次に行くことがすごく重要なので、そういう意味ではひやっとはしましたが、とりあえず良かったと思います。あと中2日でリーグが始まりますので、後半戦に向けて気を引き締め直して、もう一度ギアを入れ直して戦っていきたいなと思います。まずはしっかりと蓄積した疲労をとってコンディショにングをしながら、対湘南ベルマーレ戦に向けて調整したいなと思います。
ー同点弾を決めた藤尾翔太の奮起をどう評価するか
ちょっとツートップ調にしたというかね、そういう形で攻撃をツートップというところで、彼が自分の専門ポジションで力を発揮したということ、相手を背負ってプレーするというところに、彼の巧みさがあると思うのですが、今年はターゲットがいるためにシャドウで使ったりウィングバックで使ったりという起用があったのですが、一つこれでやり方がオプションとして出来ましたし、彼を前に持ってった中で良いパフォーマンスをしてくれたなという印象です。
ーこの試合前の心境・雰囲気などは
昨年の教訓ということで、特に相手大学生の情報も多くある訳でもなくて、普段やるチームでもなく、カテゴリーも違くて、世間一般的には勝って当たり前という風に見られますし、負ければ昨年みたいにジャイアントキリングだとか飛び交う中で、凄くやりにくいゲームではありましたね。ただ昨年の悔しさを持ってピッチ上に立った選手も3,4枚いたと思うので、その時の教訓、絶対に簡単ではない、大学生をなめればなめるほど絶対に痛い目に合うということ。まさにその通り京都産業大学の選手たちが躍動してパワーも持っていて、テクニカルなとこもしっかり発揮したゲームになりましたし、彼らの巧みさも改めてね。私も出身が関西の大学(大阪体育大学)ですから、よく学生の頃は京都産業大学とやったことがありまして、彼らの巧みさや関西における名門の素晴らしさというのはわかっていましたので、そういうのを改めてベンチから見ていて感じましたし、本当に素晴らしいチームだと思いました。
ー後半の相馬勇紀選手のプレーは
比較的中が相当しめられていたということと、彼らは先に先制していたので中に相当人数が増やしていたので、ツートップにして中の人数を増やして、相馬がシャドーのとこから抜けていくということで、左に張るというよりかは彼のプレーの特徴であったので、そこにボランチの下田北斗も入ったと思うのですけど、1枚前をしっかり埋めてシャドーは外に出て、中の厚みを増やすことによってクロスが有効になるということは、指示の中で彼らがしっかりやってくれたと思いますし。あとは(バスケス)バイロンも入って(望月)ヘンリー(海輝)が張り上がったところで、バイロンが中に入って仕掛けていくこと、またはそこでのワンツー、ポケット攻略ということで、両サイド恐らく主戦となるというところがあったので、そういうところを急遽変えた戦略がハマったのかなと思います。形としては左右非対称の5-3-2というか、形を崩さざるを得ないというか、どっちにしてもカウンターを喰らう形になったのですが、どうしても点数を取られれば形を崩さざるを得ないということだったので、出来るだけヘンリーが張り上がって後ろ2枚、またはボランチ1枚を残して、3枚でしっかりカウンター対策をするということ。そこは多少リスクもありましたが、そうしていくしかない状況でしたし、多少そういった右肩上がりみたいな形になってしまったと思います。
ー京産大ここまで4バックだったが今日は3バックだった
情報の中ではスリーで試しているというのはありましたので、最終的には4でくるか3でくるかというのはわかりませんでしたが、恐らく我々のラインの背後、今まで自分たちが志向していたポジションというのもちょっと封印しながら、ディフェンスの背後を着きながらサポートしていく。またはボールサイドに対してコンパクトにしながら強いプレッシャーを与えてタイトに戦っていくことは彼らが準備してきたところだと思うので。そこに我々がつまずいたというか上手くいかなかった所は多く見られたと思うので、そこを左右どんどん外から入っていくところもありましたし、もっと積極的に彼らの高いラインの背後も狙うこともあっただろうし、前半から持っていたそういうところを重要視しながら、展開していければ良かったなと思うのですが。でもしっかりと京都産業大学が我々の分析をして、みんなが士気を高めて入ってきた、まさに去年と同じような構図というかね、改めて大学生のパワーは凄いなと思いました。
ー京産大で気になった選手など
やはり10番の子(伊藤翼)もそうですし、常に背後を狙い続けたトップもそうですし、ゴールキーパー(徳若碧都)も随所に良い判断をしていましたので、特にこの選手といったのではないですが、ポイントポイントで最後ドリブルで仕掛ける凄く上手な選手もいたので、その辺は凄く巧みだなと思ってみていました。あとね今日は相手ベンチに青森山田高校時代の教え子の福島健太もいましたし、そういう意味では感慨深いものもありましたし、しっかり面目を保てて良かったと思います。

【取材:細井雅貴、川瀬正浩】
2回戦vs FC町田ゼルビア 町田GIONスタジアム
(2025年6月11日 18:30 KO)

【スターティングメンバー】
GK 1 (C)徳若碧都(4年=高川学園高)
DF 6 田代紘(3年=ヴィッセル神戸U-18)
DF 4 小野成夢(3年=愛媛FC U-18)
DF 5 逵村健斗(4年=三重高)
MF 3 滝口晴斗(3年=サンフレッチェ広島ユース)
MF 23 大倉慎平(1年=ガンバ大阪ユース)
MF 10 伊藤翼(3年=セレッソ大阪U-18)
MF 8 末谷誓梧(3年=セレッソ大阪U-18)
MF 7 皿良立輝(2年=セレッソ大阪U-18)
MF 14 長谷川裟恭(4年=京都橘高)
FW 9 妹尾颯斗(3年=サンフレッチェ広島ユース)
(フォーメーション 1-3-4-2-1)

【サブメンバー】
GK 12 中原碧琉(3年=サンフレッチェ広島ユース)
DF 35 夘田大揮(4年=東山高)
DF 24 西川宙希(1年=セレッソ大阪U-18)
MF 27 森田皇翔(1年=ヴィッセル神戸U-18)
MF 38 福島健太(2年=青森山田高)
MF 13 山村朔冬(2年=帝京長岡高)
MF 17 福永裕也(2年=京都橘高)
FW 26 高川諒希(1年=カターレ富山U-18)
FW 11 小濵弘貴(4年=東海大福岡高)
【選手交代】
69分
IN 高川諒希 OUT 妹尾颯斗
75分
IN 福永裕也 OUT 皿良立輝
IN 山村朔冬 OUT 長谷川裟恭
80分
IN 夘田大揮 OUT 末谷誓梧
【スコア】
京都産業大 1-2 FC町田ゼルビア
58分 長谷川裟恭
【試合内容】
舞台は天空の城の愛称をとる、町田GIONスタジアム。雨でグラウンドは水を含み、軽い霧がかかる。試合前練習では各選手から緊張高まる表情が感じ取れた。「すごい緊張して、アップから結構口数少なく固かった」(長谷川)、「試合前はちょっと緊張した」(伊藤)と振り返る。平日のナイトゲームながらも、ホームゴール裏から熱烈な応援が響き渡る。京産大側ゴール裏には直前にケガでベンチ外となった前原を始め、B・Cチームの選手、マネージャーら総動員。こちらも負けじと試合開始前から一段と大きな声援で盛り上げた。




関西選手権に続き、3-4-2-1、撤退時は5-4-1のブロックを敷く形を取った。大倉がボランチ、ライン間でのドリブルで運ぶことに期待し、長谷川をボランチではなく、左のシャドーに置いた。町田も基本陣形は3-4-3のミラーゲームとなった。望月ヘンリー海輝や藤尾翔太、ナサンホら主力選手もスタメンに名を連ねるまさに真剣勝負の様相。緊張をほぐすため、試合前の撮影では、いつも以上に冗談めいたかけ声でピッチへ散る。


立ち上がり流れをつかんだのは京産大、右サイドで深さを取った妹尾のクロスに長谷川が合わせ、ゴールを脅かす。


6分には、左サイドでボールを奪うと、長谷川が運び、左サイド末谷がエリア内で受ける。最後は中央に待っていた妹尾が左足でワンタッチシュート。しかし相手GKが弾き、こぼれ球もクリアされ、先制とはならなかった。18分、1本目のCK、アウトスイングのボールに田代が頭で合わせていく。19分には、妹尾が相手DFに服を引っ張られる形でFKを獲得。自慢のキープ力でファウルを誘った。

対する町田は徐々に得意とする両サイドからのスピードを活かしたクロス攻撃、セットプレー、ロングスローから攻め込む。最初のピンチは27分、CKから折り返したボールに至近距離でのシュート。GK徳若がブロックしたこぼれ球を拾った白崎にミドルシュートを浴びる。すると30分、ナサンホの左クロスに合わせた仙頭のヘディングを徳若がセーブ。こぼれ球を押し込まれるもオフサイドフラッグが上がり、一命を取り留めた。その後も、CKからピンチを迎えるが、徳若のキャッチングで先制を許さず、スコアレスで折り返した。
変わらず後半も、球際への強さと背後を狙う姿勢、DFラインの上げ下げなど徹底していく。54分にバスケスバイロンを投入、右サイドの攻撃の厚みを持たせる町田。58分、滝口のクロスにオフサイドラインギリギリを抜け出した末谷がヘディングで中央へ折り返すと、長谷川が下がりながら左足を振り抜く。ボールは相手GKに当たりながらもゴールラインを割り、待望の先制点となった。「もう本当に夢中で走ったというか、すごく嬉しかった」(長谷川)と、歓喜のスタンドへ一直線。ベンチの選手たちも一斉に駆け寄った。


このまま終わるわけにはいかない町田は、61分に相馬勇紀、西村拓真を投入。すると流れは一気に傾く。直後の63分、左サイドに張った相馬のワンタッチでの浮き球で、エリア侵入を許すと、大外へのクロスボールにダイレクトボレー、枠を捉える。ここも徳若のファインセーブでピンチを脱した。69分、前半からポストプレーに裏抜けと、身体を張り続けた妹尾に代わって、多彩なシュートが持ち味の高川を投入。

先制後は前線に4、5枚並べサイド攻撃を繰り返す町田に、粘り強く弾き返す京産大という構図。71分、相馬の縦への動きから左足クロス、ファーサイド、中央と順にヘディングで折り返すと、難しいバウンドに仙頭が左足で合わせてゴール。と思われたが、今度はハンドの判定で取り消し。ここまでツキは京産大にあるようだ。75分には、2シャドーにキック精度の高い山村、スピードのある福永を入れた。「もう本当、1分1分がすごい長かった」ベンチに下がった長谷川もこの心境。末谷、滝口の両WB、DF陣にも疲労が見え始める。そんな中、交代で入ったフレッシュな前線陣がカウンターに出る。山村のカットインからの右足は枠を捉え、福永も左足でゴールを狙う。


80分には、末谷に代わってCBの夘田。逵村が左WBに回り、1点を守りにいくことをチーム全体で共有する。しかし、この時間帯には疲労がピークに達し、ボールホルダーへのプレスが効かず、エリア内で跳ね返すのが精一杯となっていた。86分、相馬のインスイングのピンポイントクロスに藤尾がヘディングで合わせて、ついにゴールをこじ開けられた。

まだ同点、気を取り直し延長戦も見据えた戦いに持ち込みたい京産大だったが、90分、エリア内での1対1の場面。滝口の足は先にボールに触っていたようにも見えたが、相馬の足にかかっていると判断され、痛恨のPK献上。キッカーは相馬、徳若の読みは当たっていたが、シュートスピードが上回り、1-2と逆転を許した。


残された時間はわずか4分程度、CBの小野を前線に張り出し、パワープレイに持ち込んで行くが及ばず、試合終了のホイッスル。一時は勝利も夢見たが、J1の底力を前に勝ちきることはできなかった。だが、町田相手に一切怖気付くことなく、ゴールに向かって戦い続ける姿は逞しく麗しいものだった。


試合終了後、ホームサポーター、バックスタンド側へ挨拶。ゼルビアの選手らとも抱擁を交わした。好ゲームを披露した京産大に、スタンドからは大きな拍手が送られる。やりきった感覚と悔しさの両方が入り混じった選手たち。最後は自分たちを全力で鼓舞し続けたゴール裏へ感謝の礼。スタンドの仲間たちはピッチで戦った選手たちへ熱い言葉で労った。試合後の滝口の目には涙。日本を代表するドリブラーとの差を目の当たりにし、終盤ワンプレーの重さを痛感。随所にスピードを活かした突破でチャンスをつくるプレーもみせた。左WBとして攻守に貢献した末谷も、「いい経験で終わらせたくはなかった」と、悔しさを滲ませた。




それでも、「京産大サッカー部にとっては、すごく大きな1試合だった」(吉川監督)、京産大サッカー部の歴史において、ここまで辿り着いた功績は色褪せない。「やっとチームが1つ本気になった」(徳若)、ここまでの学生リーグとは違い、プレッシャーからの解放なのか、陰を潜めていた積極性、集中力をチャレンジャーとして存分に発揮できた。「本気で毎試合、毎試合臨めるかって言ったら、まだまだ彼らはそこに課題があると思う」(吉川監督)と、続く関西での戦いでも1秒たりとも無駄にしない、今日のようなフットボールに期待したい。
好調の2部・びわこ大との関西選手権4回戦が中3日で行われる。移動を含め、身体への負担もいつも以上に大きい。また難しい試合になることは間違いないが、2年連続の総理大臣杯出場へ負けられない戦いが続く。
【試合後のインタビュー】
長谷川裟恭選手
ーどういった気持ちで試合へ入ったのか
ポジションもボランチから直前に1個前になって、やっぱりポジション変更もですし、J1相手ってところもあって、すごい緊張して、すごいアップから結構口数少なく、固かったんですけど、もう本当にピッチ入ってみればやる、モチベーション高くやれたと思うので、そこはすごく良かったかなと思います。
ー最初チャンスを振り返って
1個本当にカウンターで相手も入り悪かったんで、ここしかないなと思って走ってたんですけど、うまく合わせられずに、今思うと悔しい思い。決めれば勝てたと思うんで、すごい悔しい思いはあります。
ーハーフタイムでのミーティング
ずっとうまくいってないわけではなかったんで、やっぱり自分たちを鼓舞しながら続けようっていうふうにあったのと、やっぱり少しエラーも出てたりとか、相手の選手のレベルの高さのところで、ちょっと剥がされそうなところもあったんで、そこはしっかりチーム内で確認して、コミュニケーションを取りながら、全体で修正できたかなと思います。
ー先制点を振り返って
もうほとんどこけながらなんで、見てなかったんですけど、あんまりシュート得意じゃなくて。ただ今、1個ポジションを上げた中で、ゴールを意識して、プレッシャーの中でいいところにこぼれてきたんで、もうゴールに流し込むだけだったので。そこは本当に狙いというか、当てる、インパクトしてゴール狙って流し込むというか。もうゴール取った時はすごいもう本当に夢中で走ったというか、すごく嬉しかったです。
ー交代後ベンチから試合を見て
もう本当最後の10分、5分で、ああやって逆転されたところで、もう本当、1分1分がすごい長かったというか、ベンチ下がってからもすごい長かった。もう下がって願うだけだったんですけど、すごい長かったというのもありますし、ピッチ内の選手はもっと長かった中で、しんどい中でよく戦ってくれたと思うんで。ただやっぱり勝ちきれないところは、結構課題に出たと思うんで、それはしっかり持ち帰って、これからのリーグ戦と関西選手権とかにつなげていきたいなと思います。
ーJ1の選手相手に手応え
差のところで言うと、もう試合始まってからすぐにやっぱり球際の強さったり、体の強さ、あとは個の力強さのところだったり、スピードのところはすごい差を感じたというか、1個1個の質もすごいありましたし、すごい圧倒されたところはあったんですけど、やっぱり自分たちの強みである1個1個質高く、細かいところでもビビらずに、受けてさばいて、ボールをつなげてゴールに素早く攻撃するってところはすごいできたと思うし、みんなビビらずにできてた中で、やっぱり1人1人強みを出せたかなというふうに思いますし、そこは自信に。なんでレベルの差を感じたところは突き詰めていくのと、これをきっかけに自信を持てたと思うので、これから学生相手にはもっとできると思うんで、質高く、もっとレベル高くやっていきたいと思います。
ー吉川監督は受けて運ぶところを求めたと話した
自分自身のプレースタイル的には、受けて隠して取られずにっていうところがあったんですけど、前への推進力やったり仕掛け、ゴール前のところは課題ってずっと言われていて、試合前もそこはチャレンジしてほしいというふうに言われました。ポジションも1個前になったんで、言われてた中で、J1相手に少し怖いところもあったんですけど、チャレンジして前に運んでチャンス作れたりとか、ゴール、先制点もですし、できたところはすごく多かったので、自信持って、もっと受けれるように自分自身になりたいと思うんで、もう1個レベルアップできるように、普段の練習から意識して取り組みたいと思います。
ー今後チームとして
前回の関西選手権のときから、新しいポジションでやっていく中で、いろいろエラーもあるんですけど、前向きにチームとしては取り組めていると思いますし、この天皇杯ってところで、やっぱり全員が気持ち高ぶってた中で、こういう試合ができたっていうのはあるんで、ただ、こういうすごい大きい舞台ではないですけど、1個1個のこれからある関西選手権もリーグも、これぐらいのモチベーションやったり、熱量で1個1個取り組んでいきたいですし、チームで大事にしてること。練習もこの基準でやっていかないといけないところなので、それはこれからもこの基準を意識していきたいと思います。
ー自身の将来について
自分自身もラスト1年で、正直、サッカー続けるかどうかって悩んでるところもありますし、今年から出だして、やっぱり可能性というのは難しい中ではあると思うんですけど、最後まで自分も目指しながら続けたいって思ってますし。どう注目が集まるか分かんないんですけど、そこだけにならずに、まずチームで大切にしているところは、チームのためにっていうところがあるので、まずはこのチームで目標を達成するために自分がしないといけないことをして、結果出した上で、プロを目指していきたいなというふうに思っています。
ー天皇杯を通して4回生としての責任感
4回生少ない中で、やっぱりまだまだパワーが足りないってところはすごいあって、課題の中でこういう試合があったんですけど、ただ、やっぱり1人1人、パワー足りないけど、意識してることはあったと思いますし、後輩の力を借りながら、今年はチーム作りをしてるんで、出た中でのコミュニケーションを取って協力するってところが、すごい見せられたかなというふうに思いますし、やっぱり4回生がああいうところで引っ張ってチームを勝たせるってところは、まだまだ課題だと思うんで、これから意識していくっていうふうに、自分たちで決めてますし、これを全員感じた中で、どう変われるかというところがあるんで、もう1回4回生の中だけでもコミュニケーションを取って、チームを作っていきたいなと思っています。
ー関西選手権に向けて
次の試合からも、びわこを相手に難しい試合にはなると思うんですけど、この経験を機に基準高く、自分たちも関西選手権優勝して、全国優勝を取るのを目標を置いているんで、この基準を1試合1試合できたらなというふうに思ってるんで、しっかりと内容もって、結果もしっかり持ってこれるように、これから練習トレーニング、普段のトレーニングを意識してやっていきたいと思います。

伊藤翼選手
ー試合を振り返って
自分たちは相手がというよりも、自分たちがやってきたことをやろうって臨んだ試合の中で、ああやって先制して、でも最後には決められたのは、やっぱりプロと自分たちの差が出たかなというところがあるので、そういうところはいい経験になったで終わらさずにこれを次につなげられたらなと思います。
ー3バックでの手応え
練習の中でもやっぱりうまくいってないシーンが多かった中で、それを修正して、自分たちでコミュニケーションを取りながら試合で出せたと思うので、それは練習のところで成果が出たかなと思うので、相手は次変わりますけど、関西選手権でも3バックやったら個人的にはやりやすいので、いいチャレンジかなと思います。
ープロを見据えて
できたところもあるし、球際のところとか、やっぱり1個いつもより速かったから、あそこが自分が上に行くには、そこをもっともっと突き詰めていったら、セカンドボールだったり、走りきるというところは自分の特徴でもあるから、そこをもっともっと伸ばしていきたいです。
ー学生リーグでは味わえない雰囲気
試合前はちょっと緊張したんですけども、ピッチに入れば逆に、いい方向に気持ちが持っていけてプレーできたかなと思います。
ー関西選手権へ向けて
今日みたいな熱量でやらないと絶対負けてしまうし、この連戦の中で自分たちの課題である負けたあとの次というところが本当に大事だと思うので。メンバーも総力戦になることはみんな分かってるんで、全員が良い準備して勝ちたいと思います。

末谷誓梧選手
ー試合を振り返って
本気で勝ちにいった中で、うまく先制できたんですけど、やっぱりああいう時間帯っていうのは、相手の特徴を生かせる時間帯だと思うので、あそこで自分たちが守り切れなかったのは悔しいですし、ほんまにいい経験で終わらせたくはなかったので、本当に次に進みたかったなっていうのは、1番の思いです。
ー3バックでの手応え
スリーで、結構自分と晴斗が低い位置を取るようにというのは監督からもあったんで、我慢強く耐える時間っていうのは、長かったんですけど、自分も最後つってしまいましたけど、やっぱり最後まで走る力だったり、攻撃にもっと自分がパワーを使えるようにならないといけないなと感じました。
ープロを見据えて
攻撃の時間が少なかったというのはありますけど、少ないシーンですけど、自分もしっかりと仕掛けられたシーンというのはあったと思うし、正直、もっと自分も仕掛けたいという思いはあったんですけど、やっぱりそう簡単にはいかない相手だったんで、大学が相手ってなったら、やっぱり自分たちが持てて仕掛ける回数というのは増えると思うので、今日みたいに守備のところの意識っていうのも忘れずに、攻撃のところで違いを出さないといけないと思っているので、自分はそこは大学っていう相手に戻っても、ちゃんと自分がもっともっと高いレベルでやれるように意識してやっていきたいと思います。
ー学生リーグでは味わえない雰囲気
去年も奈良クラブありましたけど、プレッシャーにはならずにできたかなと思います。
ー関西選手権へ向けて
今日勝ちたかったですけど、ほんまに切り替えるしかないですし、次は関西選手権で戦い方も相手の基準というか、それも流石にJ1レベルとは変わってくるので、うまくいかないこともあると思うんですけど、最近勝ててないっていうのもありますけど、しっかり切り替えて、次の選手権の気持ちも全員で持っていきたいと思います。

大倉慎平選手
ー試合を振り返って
すごく厳しいゲームになりましたけど、自分としては良かった点はいっぱいあったので、そこはすごい自信にできますし、でもあと1歩だったり、80分超えてからのところは、まだまだ課題だと思いました。
ーこの経験を今後に活かすために
今日のような高いモチベーションを常日ごろから、練習だったり、リーグ戦だったりで、ずっと維持しなければならないと思いますし、今日見つかった課題をしっかり関西選手権だったり、リーグ戦だったり、全国大会ではっして、またこの舞台に戻ってこれるように頑張りたいと思います。
ーこの大舞台
京産のサポーターだったり、町田のサポーターだったり、見えないところでみなさんが運営だったりをしてくださっているので、そこは感謝してこれからもやっていきたいと思います。

徳若碧都選手
ー町田相手にも互角に戦った
サイズ感とかパワーっていうのは、やっぱり僕たちは全然劣ってたかなと思うので、まだまだ帰ってそれはチームとしてですけど、個人もですけど、まだまだやっていかないといけないかなと思います。
ー試合後の気持ち
やっぱりリードしてた試合なだけあって、悔しさもあります。
ー自身のプレーを振り返って
やっぱり大舞台ってなると去年もですけど、その前の透衣くんとかも大舞台、すごい止めていたイメージもあって、こういう舞台って失点したら、すごいキツいって個人としても分かってますし、そういう場面では助けれた部分も多分あったと思うんで、それはすごい自信につながるところかなと思います。
ーセットプレーの対応
セットのところはチームとして、今日の相手はセットを強みにしてるっていうのも分かった上で、今日を乗り越えたら、自分たち、もう1個自信につながるっていう話はスタッフからもされていた中で、セットからの失点がなかったっていうのは、すごいポジティブなところかなと思ってます。
ーPKにどういう気持ちで臨んだのか
PK入る前に慎平が自分のとこ来て、いけるぞみたいな声かけてくれたんで、自分も行けると思ってましたし、正直、味方にはセカンドボール拾いに来るように声をかけた中で、やっぱりここはキーパーとしてもキャプテンとしても、止めたかった場面ではあったかなと思います。
ー天皇杯での成長
成長したっていうか、大会変わって、相手も変わってすごいやっとチームが1つ本気になったかなっていう試合だと思うんで、今日のような気持ちで、これからの学生リーグとか、今から始まる関西選手権臨めれば、そこまで苦戦せずというか、苦戦はするんですけど、多分あんなに負けたりとかはないかなと思っています。
ー熱い応援も
試合始まる前に、前原がケガで外れて、自分もすごい悔しかったですし、想大も怪我で外れてっていうところは、応援リーダー姫野がいるんですけど、想大とかにもLINEして、絶対に難しい試合になるから、応援を頼むぞという連絡を入れていたので、そこは本当に感謝しかないなと思ってます。
ー関西選手権に向けて
また大会も変わりますし、またすぐに日も迫っているんで、今日出たメンバーが全員出るかというと、多分そういうわけでもないと思うので、またチーム一丸となって戦えればいいなと思います。

吉川監督
ー試合を振り返って
先制して、自分たちの狙っていたというか、自分たちとしては良い展開で最後の5分までは迎えたんですけど、相手の底力といいますか、日本を代表する選手たちがパワー持って、出てきたときに、我々はまだまだ力不足だったところが、最終的には1-2という結果に終わったかなと思います。
ー立ち上がりの狙い
学生リーグのときからの課題でもある立ち上がりっていうところであったので、相手は町田さんということも関係なく、まず我々が今課題としていることを、しっかりとこのゲームでも克服しようというところで、しっかりとワンタッチプレーであったりとか、前線の選手は背後を狙うというところを意識して、それは今日のゲームでいうと前後半うまくいったかなと思います。
ーDF陣の活躍
本当に相手関係なく、引くことなく、しっかりと自分たちがやるアグレッシブに前から行くっていうところ、ハイプレスをかけていくっていうところはもちろん、回数的には全部が全部いけるわけではなかったと思うんですけども、しっかりと狙いを持ちながら、このタイミングではしっかりと前線の選手、3トップはボール保持者に行く、後ろはライン上げるっていうところは、チームとしては共有してた部分であったので、うまく80分過ぎぐらいまではできてたんですけど、最後、やっぱり4トップといいますか、5トップの前線に本当に人が溜まったときに、そのラインの上げ下げの、前線からの前半からの、そういったところが少し後ろの選手にとっては、足に来てた部分があったかなと思います。
ー対町田への戦い方
町田さんにっていうよりも、我々が目指しているアグレッシブに戦う、攻守において戦うというところを、選手たちの特徴を見たときに、今少し4バックでやったときにはここ2試合ぐらい少しそれが出てない部分があったので、そういった部分でも、もう1回、自分たちでしっかりと主導権を握りながら、主体的なアクションを攻守において起こしていきたいというところで、システムを少し変えたっていうところだったので、対町田さんっていうよりも、自分たちが自分たちらしくスタイルを貫けるシステムが何なのかということを考えたときに、今日は3バックっていう選択をしました。
ーチームの強み
最後1-2でやられたんですけど、90分プラス最後主審の方は失点後、PKのあと4分って言っておられたので、その4分ですら無駄にしたくないという思いで。今日のゲームで1分1秒たりとも、無駄にせず、ファウルを受けても、すぐ立ち上がって、すぐプレーするっていうところは、本当に根底にあるチームスタイルで、その中で選手たちのスキルであったりとか、我々のスタイルっていうところでいうと、ボールをしっかりと大事にしながら、勇気を持って、どんな相手にもアクションを起こしていくっていうところではあるので、根底の部分は本当にアグレッシブに最後までひた向きにやるというところが、我々のスタイルかなと思います。
ーセットプレーやクロス対応について
対応というか、もうまさにトップクラスのっていう質の高いクロス上がって苦しい、中に待ってる選手たちもパワフルでっていうところがあったんで、そういったあたりは本当に80分ぐらいまでは本当に守備陣キーパー含めて、しっかりと守れてた部分はたくさんあったかなというふうに思うんですけども、やっぱりあと1歩のところの本当に質というか、それを繰り返せる力っていうのは、もちろんJ1の選手たちではあるので、もちろんあると思うんですけど、やっぱりそれが90分ラストの笛が鳴るまでやり続けられるっていうところは、やっぱり大きな差かなと思います。
ー末谷選手への評価
彼の力であれば、こういう舞台でも、しっかりと力を発揮できるっていうところは、常々思っているところではあるんですけど、よく言えばやっぱりアシストだったり、得点であったりとかっていう目に見える数字をしっかりと出すことが、彼にとっては、こういう本当に素晴らしい舞台で、今後サッカーを続けていく上では大事なのかなと思います。
ー関西での戦いに向けて
この本当に素晴らしい経験っていうのは、京産大サッカー部にとっては、すごく大きな1試合だったと思うので。ただ本当に明日移動して戻って練習をして、中3日で関西選手権を迎えるので、そういったあたりでしっかりそれをぼかさないように、しっかりと持ち帰って、次のゲームに向かいたいなと思います。
ーハーフタイムでのミーティング
前半の振り返りとしては、良い悪いっていうよりも、今日のゲームでいうと15分を6セット延長まで考えた時には8セットっていう形で、町田さんに対して90分ゲームを自分たちでコントロールするというのは難しいという想定はあった中で、15分。前半で言うと15分、3回、後半の15分、3回をしっかりと15分ずつ乗り切っていこうという話をしてたので、そういったあたりで言うと、前半が良い悪いというよりも、次迎える後半の15分の4セット目のところをしっかりと迎えようっていうところで、試合前とハーフタイムと、そんなに大きな指示の変更はなかったんですけど、ただ、望月選手の右サイド、うちの左サイドのところは、結構破られたシーンが前半あったので、そこの修正は少しかけたかなというところです。
ー長谷川選手への評価
もともとボランチの選手なんですけど、今日は3-4-3同士でマッチアップしてくるだろうっていう想定もあったので、その中で彼は1人で持ち運びながら、エリアを変えれるっていうところが、彼の1つの良さでもあるので、ボランチのセカンドボールの回収の試合っていうところになると、ちょっと分が悪いかなというふうに思ったので、一列前に上げて、DFライン3枚とボランチの空間のところで、しっかりとボールを受けて、捌くではなくて受けて運ぶっていうところを、今日のプレーのタスクとして要求はしてたので、この前半から交代するまで、その要求にはしっかりと応えてくれたかなという思います。
ー試合後、涙を流す選手も
下向くことなく、しっかりと町田さんのところに挨拶にしっかりと行きなさいっていう話をして、こういう涙を流すっていうのは、本当に本気で今日のゲームを戦ったからこそだと思うので。ただ、それをしっかりと毎週の関西リーグであったりとか、そういったところで、本気で毎試合、毎試合臨めるかって言ったら、まだまだ彼らはそこに課題があると思うので。涙を流す経験を1試合、本当に本気でサッカーに向き合うことで、本当にこういう舞台でまたプレーできることになるのかなと思います。

町田ゼルビア・黒田剛監督
ー試合を総括して
まずはやはり予想していた通り、昨年と同じではないですが大学生の勢いやパワー、もちろんその中に空気を持った選手が数人いて。そういったものがひっかりと彼らの対策のもとに展開してきたゲームであったということ。我々もメンバーを変えながら出来たにせよ、かなり危ない場面も1つや2つ作られたなという印象があります。先制されることだけは避けながら、多分難しいゲームになるだろうと、1点差のゲームになるだろうということはあらかじめ選手に伝えていたのですが、やはり先制されると難しい状況になること。最悪は延長まで行くことPK戦まで行くこと、もちろん敗戦することもそうですが、そういうことを絶対に避けたい中、2日後に控えた次のリーグ戦にかなり疲労度が増してくるなという印象もあったので、布陣を前の方に使ったことでまた一つ勢いが出たこともありましたし、後から出た選手が攻撃のバランスや勢い、クオリティをもたらしてくれたなと思います。本当にゲームとしては難しいものになりましたが、しっかりと逆転してくれたあたりは、やはりカップ戦は結果を出して次に行くことがすごく重要なので、そういう意味ではひやっとはしましたが、とりあえず良かったと思います。あと中2日でリーグが始まりますので、後半戦に向けて気を引き締め直して、もう一度ギアを入れ直して戦っていきたいなと思います。まずはしっかりと蓄積した疲労をとってコンディショにングをしながら、対湘南ベルマーレ戦に向けて調整したいなと思います。
ー同点弾を決めた藤尾翔太の奮起をどう評価するか
ちょっとツートップ調にしたというかね、そういう形で攻撃をツートップというところで、彼が自分の専門ポジションで力を発揮したということ、相手を背負ってプレーするというところに、彼の巧みさがあると思うのですが、今年はターゲットがいるためにシャドウで使ったりウィングバックで使ったりという起用があったのですが、一つこれでやり方がオプションとして出来ましたし、彼を前に持ってった中で良いパフォーマンスをしてくれたなという印象です。
ーこの試合前の心境・雰囲気などは
昨年の教訓ということで、特に相手大学生の情報も多くある訳でもなくて、普段やるチームでもなく、カテゴリーも違くて、世間一般的には勝って当たり前という風に見られますし、負ければ昨年みたいにジャイアントキリングだとか飛び交う中で、凄くやりにくいゲームではありましたね。ただ昨年の悔しさを持ってピッチ上に立った選手も3,4枚いたと思うので、その時の教訓、絶対に簡単ではない、大学生をなめればなめるほど絶対に痛い目に合うということ。まさにその通り京都産業大学の選手たちが躍動してパワーも持っていて、テクニカルなとこもしっかり発揮したゲームになりましたし、彼らの巧みさも改めてね。私も出身が関西の大学(大阪体育大学)ですから、よく学生の頃は京都産業大学とやったことがありまして、彼らの巧みさや関西における名門の素晴らしさというのはわかっていましたので、そういうのを改めてベンチから見ていて感じましたし、本当に素晴らしいチームだと思いました。
ー後半の相馬勇紀選手のプレーは
比較的中が相当しめられていたということと、彼らは先に先制していたので中に相当人数が増やしていたので、ツートップにして中の人数を増やして、相馬がシャドーのとこから抜けていくということで、左に張るというよりかは彼のプレーの特徴であったので、そこにボランチの下田北斗も入ったと思うのですけど、1枚前をしっかり埋めてシャドーは外に出て、中の厚みを増やすことによってクロスが有効になるということは、指示の中で彼らがしっかりやってくれたと思いますし。あとは(バスケス)バイロンも入って(望月)ヘンリー(海輝)が張り上がったところで、バイロンが中に入って仕掛けていくこと、またはそこでのワンツー、ポケット攻略ということで、両サイド恐らく主戦となるというところがあったので、そういうところを急遽変えた戦略がハマったのかなと思います。形としては左右非対称の5-3-2というか、形を崩さざるを得ないというか、どっちにしてもカウンターを喰らう形になったのですが、どうしても点数を取られれば形を崩さざるを得ないということだったので、出来るだけヘンリーが張り上がって後ろ2枚、またはボランチ1枚を残して、3枚でしっかりカウンター対策をするということ。そこは多少リスクもありましたが、そうしていくしかない状況でしたし、多少そういった右肩上がりみたいな形になってしまったと思います。
ー京産大ここまで4バックだったが今日は3バックだった
情報の中ではスリーで試しているというのはありましたので、最終的には4でくるか3でくるかというのはわかりませんでしたが、恐らく我々のラインの背後、今まで自分たちが志向していたポジションというのもちょっと封印しながら、ディフェンスの背後を着きながらサポートしていく。またはボールサイドに対してコンパクトにしながら強いプレッシャーを与えてタイトに戦っていくことは彼らが準備してきたところだと思うので。そこに我々がつまずいたというか上手くいかなかった所は多く見られたと思うので、そこを左右どんどん外から入っていくところもありましたし、もっと積極的に彼らの高いラインの背後も狙うこともあっただろうし、前半から持っていたそういうところを重要視しながら、展開していければ良かったなと思うのですが。でもしっかりと京都産業大学が我々の分析をして、みんなが士気を高めて入ってきた、まさに去年と同じような構図というかね、改めて大学生のパワーは凄いなと思いました。
ー京産大で気になった選手など
やはり10番の子(伊藤翼)もそうですし、常に背後を狙い続けたトップもそうですし、ゴールキーパー(徳若碧都)も随所に良い判断をしていましたので、特にこの選手といったのではないですが、ポイントポイントで最後ドリブルで仕掛ける凄く上手な選手もいたので、その辺は凄く巧みだなと思ってみていました。あとね今日は相手ベンチに青森山田高校時代の教え子の福島健太もいましたし、そういう意味では感慨深いものもありましたし、しっかり面目を保てて良かったと思います。

【取材:細井雅貴、川瀬正浩】
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