第35回関西学生対校女子駅伝競走大会
兼 第43回全日本大学女子駅伝対校選手権大会 関西地区予選
於:神戸しあわせの村(36.2㌔)
(2025年9月27日)
兼 第43回全日本大学女子駅伝対校選手権大会 関西地区予選
於:神戸しあわせの村(36.2㌔)
(2025年9月27日)

10月に行われる全日本大学女子駅伝の出場権をかけた関西女子駅伝。2年連続の全日本出場を狙う京産大は、シード権を持つ立命大、大院大を除くトップ通過を意気込み、スタート地点に立った。
【取材・執筆 新川姫優】
レース結果
《 総合順位 》
第7位 京都産業大学 2時間6分47秒
《 区間結果 》
1区(6.9km) 永吉 悠倭③ 24分13秒(区間10位)
2区(3.3km) 中塔 美咲① 11分04秒(区間7位)
3区(6.5km) 黒田 奈那② 22分37秒(区間4位)
4区(6.5km) 金尾 美宥① 23分01秒(区間8位)
5区(6.5km) 新井 乃愛② 22分50秒(区間4位)
6区(6.5km) 今 絵里南③ 23分02秒(区間7位)
レース展開
昨年から施行されたコース変更により最長区間となった1区は永吉が任された。各大学がエースを据えるこの区間。序盤は喰らいつくも、徐々に離され区間10位で襷リレーとなった。

最短区間の2区は、中塔が出走した。トラックシーズンでは1500㍍で活躍を見せた中塔が、持ち前のスピードを活かして前を走る選手との差を大きく詰め寄り、3区で待つ黒田へ襷をを繋いだ。
黒田は2年連続の3区を担当。序盤から積極的な走りで3人抜きの好走を見せる。区間4位と健闘したものの、「先頭との差を広げてしまった」と悔しさを滲ませた。
続く4区、5区には、共に大学駅伝初出走となる金尾と新井がエントリー。金尾は大阪芸術大との並走でレースを進めると、稲原敏弘監督が「一定のペースを刻む適性がある」と話す新井へ、襷が渡る。新井は区間4位と実力を発揮。アンカーで待つエースへ、全日本出場への思いを繋いだ。
6区を任されたのは今。過去2年は前半区間を任されていたが、今年は競技人生で初めてアンカーに抜てきされた。前を追いかける展開に「前半から突っ込むプランに変更した」と話す今は、激走を見せる。しかし僅かに及ばず、京産大は7位でフィニッシュとなった。

今大会で目標としていた全日本大学駅伝の出場権には届かなかったが、杜の都への切符を得る挑戦は、まだ終わっていない。5000㍍タイムでの出場を目指し、10月5日に行われる関西ディスタンスチャレンジに出場する。「残り1週間、チャレンジするつもりで取り組んでいきたい」と稲原監督。春から副キャプテンとしてチームを引っ張っている永吉も「チームの平均値は確実に上がっている」と杜の都出場へ自信を見せた。29回目の全日本へ、京産大女子駅伝チームの挑戦は続く。
試合後コメント
稲原敏弘監督
◯レースを振り返って
───前半に出遅れたのがなかなか厳しかったですね。中盤から後半にかけてはしっかり前を追いかけてくれたので、ほぼほぼ予定通りだったんですけど出だしの差だけだったと思います。
◯今日のレースプランは
───1〜3区で、5番手くらいまでに入って、後半は他校と比べると選手の粒が揃っていたのでそのまま逃げ切れるかなという予想は立てていたんですけど、2区と3区でも出遅れたので、前半は少しオーバーペース気味で後半あまり伸びなかったのかなと思います。どうしても仕方ないかなという感じですね。
◯6人中、3人初駅伝メンバーだったがどういった意図で配置したか
───例年、この大会の直前になると故障者が増え、部内で3〜4人しか走れていない状態で。故障者から誰に繋いでもらおうかというような悩みがあったんですが、今年は9年目にして初めて8人きちんと揃っていたので、8人のうちの誰を使ってもいいような状態になっていたんですけど。ただ、経験不足というか、「大きいプレッシャーがかかった時にしっかりと力が出しきれるかどうか」というところが足りなかったかなと思いました。
◯夏合宿で特に意識して取り組んできたこと
───怪我せず、全員がうまく練習に参加してくれたらなということを考えていました。今年は最初に選抜合宿をしていたんですけど、そこに参加してくれたメンバーはみんなそこでやりきってくれました。今日、5区を走った新井はそのあたりで力をつけて、もうその力通りに走ってくれたので練習の成果がすごく出ていたかなと思います。
◯今シーズンのキーマン
───うちは永吉と今と黒田が中心になるので、その3人がきちんと仕事をしてくれることと、あとはそれに続く今日頑張ってくれた新井、中塔と金尾。その辺りがもう一つ上の段階へ行ってほしいなと。そして今回走れなかった坂本と平野も、本当は今日選んでもよかったくらいなんですけど、たまたまコースの特性とかが原因で。これが逆に仙台とか富士山だったらその子たちを使うことがあるかもしれませんし、そういう点では1年に3回全く別々の駅伝なので、それぞれで力を発揮していかないとチームとして上位に食い込むのは難しいなと感じます。
◯今年もタイムで杜の都出場権獲得を狙うことになる
───今のところ1番手とは1秒差で2番手くらいですよね。去年は3番手4番手くらいのところから巻き返して16分45秒平均でトップ通過でしたが、今年は7月の時点で16分48秒が出てるので、そういう意味ではあともうちょっと縮めてくれたら多分いけると思うので、少し余裕はあるかなと。とりあえず油断せずに、チャレンジャーとして強い気持ちで走れるように合わせていきたいと思います。関東は予選の次の日が日体大記録会で、関東勢が記録を伸ばすのは難しい状況だと思うので、なんとか関西で3枠取りたいなと思っています。
1区・永吉悠倭(3年、鹿児島)

◯レースを振り返って
───今日のレースはみんな力がついてきた中で、負けた原因は自分のせいっていうのが1番だと思うので。夏に練習をうまく詰めなかった分、今日それがレースに出ちゃって、1区っていう最長区間で他大学もエースが揃っている中だったんですけど、自分がそこでいい位置で渡せたら勢いで変わっていくと思っていたんですが、自分が勢いに乗せることができなくて自分のせいで負けたので、正直申し訳ない気持ちです。
◯出走メンバーの中で最年長となった
───この1年で最長区間を任せてもらえるまでになったので、副キャプテンという立場とエース区間を任されたっていう立場で、去年とは違ってプレッシャーも感じました。でも、自分がチームを勢いに乗せれば勝てるという自信はあったので、『チームを勝たせたい』という気持ちで臨みました。
◯今日のレースプランは
───自分は、全日本のシード校(立命大、大院大)以外の2枠を狙うために、前を走る関西大学と関西外国語大学、神戸学院、大阪芸術大を意識して、そこが先頭についたら前につくっていうレースプランでした。あとは、前半に突っ込んでしまっても、粘るという流れに任せるレースプランで走っていました。
◯夏合宿で特に意識して取り組んできたこと
───夏合宿前からずっと練習を詰めていたのでとにかく怪我をしないことと、みんなより+αで距離を走ったり、各自Jogの質を上げることを意識して練習していました。あとは、自分が引っ張る側として、積極的に集団を引っ張ったりを意識していました。
◯部員が増えてこれまでに比べてメンバー争いも熾烈になった
───去年までに比べて、選手層が厚くなっているのは感じていて、飛び抜けて誰が速いとかはないんですけど、平均値は確実に上がっていると思います。あとは、チームの底上げがすごくできていて、メンバー同士で競い合って相乗効果で強くなっていると感じます。
◯今年もタイムで杜の都出場権獲得を狙うことになる
───今回自分が失敗してしまった分、トラックレースは得意なので、自分がチームで1番良い記録を出して、誰が見ても『チームのエース』と言ってもらえるようなタイムを出すことと、チーム全体として平均を上げるために、あと1週間切り替えて5000㍍のレースに臨みたいと思います。
2区・中塔美咲(1年、銀河学院)

◯レースを振り返って
───序盤から予想外の順位できてしまったんですけど、自分の役割は前を追ってしっかりタイム差を縮めるということだと思ったので、最初から積極的に行ってだいぶタイムを縮めることができたのは良かったです。タイム的にももう少しいきたかったというのもあって、この駅伝でシードを獲得できなかったんですけど、5000㍍のタイムで全日・富士山に行って、次に繋げていきたいと思います。
◯入学してからここまでの練習や
───高校と比べて距離数も増えて、最初は慣れない環境で結構不安だったんですけど、だいぶ距離にも慣れてきました。自分は夏合宿前に故障して、本調子ではない中でこの大会を迎えてしまってそこがちょっと自分にとってダメージがあったんですけど、まだこれからだと思うので調子を上げていってチームに貢献できるようにしたいです。
◯故障とは具体的に
───シンスプリントというすねのあたりを痛めてしまって、8月から1ヶ月ちょっとくらい走れなくて、そこでちょっと空いた時間があったんですけど、取り返せるように今後頑張っていきます。
◯今後に向けて
───駅伝はまだまだ続いていくんですけど、まずは全日本と富士山の出場権を絶対獲得するってところで、自分はそこでメンバーに入って、どの区間でも任せられるような選手になりたいです。長い距離でも得意なようになれるようにこの先練習を積んでいきたいと思います。
3区・黒田奈那(2年、須磨学園)

◯レースを振り返って
───去年と同じ区間を走らせていただいて、去年よりはいいタイムで走れました。ただ、自分が想定していたよりも悪いレース展開で走ってしまって、2区から3区で襷をもらった時のタイムよりも先頭との差を広げてしまったところが自分の課題だと思います。
◯どんな展開を予想していたか
───最初から「集団とばらけた位置で来るかな」と「同時に来るかな」のどっちのパターンも想定はしていました。同時に襷が渡った時にうまく前に出れたのは出れたんですけど、先頭にいた人を目標に走っていくということが自分のレースプランにあった中で、前との差を詰められず開いてしまいました。
◯夏合宿で特に意識して取り組んできたこと
───夏合宿は体力とか持久力をつけることと、駅伝シーズンに入るとともにメンタル面の強化とか、後半ではスピード力とかもつけていけるようにして、去年よりも自信を持って走れる力をつけたいと思って走っていました。
◯部員が増えてこれまでに比べてメンバー争いも熾烈になった
───去年は、練習で走れている人が駅伝でも走らないといけないみたいな状況だったんですけど、今回は登録メンバー全員が走れていて、雰囲気的にもまとまっていたと思うし、真剣に取り組めていたと思います。
◯上級生が少ない中で、先輩になって変わったことは
───3年生の先輩方が常に先頭で引っ張っていてくれていて、その支えになって一緒にチームを引っ張っていけるような存在になりたいと考えています。後輩もできた中で、タイムが速い選手もいるので、その後輩に負けないような、憧れてもらえるような先輩でいたいと思って行動しています。
◯今年もタイムで杜の都出場権獲得を狙うことになる
───あと1週間しかないんですけど、今日の疲労を素早く抜いて。今までで1番いいコンディションでしっかり自己ベストを出して、チームタイムを上げて全日本という舞台に立てるように頑張っていきたいと思います。
4区・金尾美宥(1年、香里ヌヴェール学院)

◯レースを振り返って
───まず、大阪芸術大と差を開けて黒田先輩が渡してくれたんですけど追いつかれてしまって、そこでしっかり自分も一緒に行って粘って最後勝って次に襷を渡そうと思ったんですけど、自分は抜かれて差をつけてしまいました。夏合宿でも結構いい練習を積めていたんですけど、今回の駅伝でしっかりと自分の走りができなかったのがすごい悔しかったですし、今回の駅伝で全日本出場を決めたかったんですが決めることができなかったので、5000㍍のタイムで決めて全日本・富士山で戦っていけるようにしていきたいと思います。
◯入学してからここまでの練習や
───高校でもあまり記録を持っていなくて、最初は先輩と一緒の練習ができてなかったことがあったんですけど、7月くらいから必死に先輩と同じ練習に食らいついて、夏合宿でも継続して練習ができて、結構上がり調子でした。ただ、所々自分の弱いところで練習から離れてしまったので、そこをこれからは抜け目がないようにしてこれからも頑張っていきたいと思います。
◯今後に向けて
───これから全日本・富士山という大事な駅伝があるので、そこでメンバーに選ばれて、長い距離を任せてもらえるような信頼を得れる練習をして、しっかり記録を出していきたいと思います。
5区・新井乃愛(2年、草津東)

◯レースを振り返って
───今まで実績がなくて、公式戦もユニフォームを着るのも初めてで、1年目は練習でも全く走ってなかったので、不安ばかりだったんですけど、前の4人が繋いできてくれたのでやるしかないという思いで走りました。それでも満足のできるレースでなかったと思います。
◯緊張は
───寝れないぐらい緊張していたんですけど、走る前は楽しみでした。
◯昨年の入学からこれまで
───1年生の時は、脛骨(けいこつ)の疲労骨折や股関節など、いろんな箇所を故障していて試合は一つも走れませんでした。2年生になってJogから始めたんですけど、そこから3回の坂本先輩とちょっとずつ2人で別メニューをやったりして、2人で上がってきて、夏合宿になる頃にはみんなと同じ練習をできるようになりました。
◯調子は
───合宿中は上がり調子で合宿から帰ってきてからはちょっと調子は落ちたんですけど、合宿の走りを監督に考慮していただいて、合宿の走りを見て選んでいただいたって感じです。直近の1週間はあまり良くなかったですけど、それまでは良かったです。
◯区間4位という走り
───走っているときはただ追っていくしかないって感じだったんで、前に大阪芸術大学がいたのでにそこに着かせてもらって、自分の走りは前半突っ込むんじゃなくて、前半落ち着いて入って後半上げていくっていうレーススタイルなので、1周目はゆっくり入って、2周目は自分のペースで上げていくぞって、思い通りの走りができたって感じです。最後は一気にタイムも落ちてしまったんですけど、沿道で応援いただいている親御さん、監督、トレーナーさん、チームメイトがいっぱいいたので、みんな結構的確な指示「ピッチ上げていけ」と言ってくれたので、最後まで諦めずに走ることができました。
◯今後に向けて
───今回、全日本を逃してしまう形になったので、5000㍍は1回しか走ったことがないので、これから走っていって、少しでもチームの平均タイムを上げられるように頑張っていくのと、今回走ったのは6人ですけどまだまだ力のある選手が多くいるので、全日本と富士山に出場することと出場できたら選ばれること、チーム内でも高め合えるいいライバル達なので、その中で上がっていけるようにしていきたいです。
◯今後活躍するために具体的にやりたいことは
───これまで1ヶ月ずっと練習に入れたことがなくて、3週間やって4日、5日痛むという感じだったので、痛めることをなくしてずっと継続的に練習していくことです。あとは、私の練習の強みは練習で垂れないというところなので、練習でどんどん消化量を伸ばしていって、Aチームに入れるように頑張っていきたいです。
6区・今絵里南(3年、青森山田)

◯レースを振り返って
───あと3チームは抜かないと全日本出場が決まらないっていうのを知った上で襷をもらって、可能性を信じてあとは突っ込んでガンガン攻めていくしかないと思っていたんですが、結局順位もあげれずに終わってしまったのが悔しかったです。
◯出走メンバーの中で最年長となった
───1年生の時は1区、2年生の時は2区で、過去2年間は前半区間を任されていて、今回初めてアンカーで。最終区間を任されるのは、自分の陸上人生の中でも初めてで。自分のゴールした順位がチームの順位になるっていう責任感を持って臨みました。先輩として、みんなが可能性を感じさせられるような走りをしようと思っていました。
◯永吉とダブルエースになることを意気込む今シーズン
───自分たちがやらなきゃいけないというか、そうじゃないとチームは成り立たないって考える中で、これから先、チームのエースとして走れるように頑張っていきたいと思います。
◯今日のレースプランは
───前日から考えていたレースプランは、本当に淡々と一定のペースを刻むっていう考えだったんですけど、襷をもらった時点で、そのプランだと縮められる気がしなかったので、最初からガンガン攻めるっていうやり方に変えて、最初から飛ばして走るプランになりました。
◯夏合宿で特に意識して取り組んできたこと
───今年の夏合宿は、妙高っていうアップダウンが激しいところで練習させていただいて、今回のコースも登り下りがあるコースなので、それを想定した練習をしてきました。
◯部員が増えてこれまでに比べてメンバー争いも熾烈になった
───変わらず上下関係はないんですが、チーム内の競争が去年に比べて激しくなってきていたり、練習に対する個人個人の向き合い方や空気感が良くなっていて、切磋琢磨できるチームになっていると思います。
◯今年もタイムで杜の都出場権獲得を狙うことになる
───きること全部やって、チームのために5000㍍で自分の全力をしっかり出せるように準備していきたいと思います。
【撮影:新川姫優、岸本拓也】











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