2025年関西六大学野球秋季リーグ戦
第6節対大阪学院大学
GOSANDO南港野球場

(2025年10月6日月曜日〜10月7日火曜日)
第7節対大阪商業大学
わかさスタジアム京都

(2025年10月11日土曜日〜10月12日日曜日)

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 残すところ2節とし、最終盤を迎えた関西六大学野球秋季リーグ戦。現在2位を走る京産大は、6日から第6節、11日からは第7節が始まり、14季ぶりの優勝が懸かった1週間となる。第6節はGOSANDO南港野球場で、今季好調で現在首位の大阪学院大学との対戦。第7節はわかさスタジアム京都で、7季連続王者で現在3位の大阪商業大学との対戦となっている。三つ巴の優勝争いとなり、京産大は2節とも天王山の戦いとなる。
 第6節での京産大の優勝条件は、京産大が大院大に2連勝し、大商大が神院大から勝ち点を落とした場合のみで、確率としては12.5%となる。一方で今節での大院大の優勝もあり、大院大が2連勝した場合は大商大が1敗でもすれば優勝。また大院大が2勝1敗だった場合は大商大が勝ち点を落とせば優勝となり、確率としては31.25%となる。その他の条件では優勝決定は第7節へと持ち越しとなる。優勝のためには第6節は絶対に落とせないこととなる。

【第6節vs大阪学院大学】
 6日からGOSANDO南港野球場で戦うのは大阪学院大学だ。春季リーグ戦では0勝で最下位だった大院大だが、今季は粘り強さを見せ現状首位に立つ。打線で警戒したいのは1〜4番の上位打線だ。1番に座る大村景虎(大院大=1・東洋大姫路)は打率.238ながらも前節2回戦では本塁打を放っている。2番には今季絶好調の三島翔斗(大院大=3・報徳学園)が座る。今季打率.375はリーグ2位、本塁打は2位の2本を記録し、好調上位打線の核となっている。3番に座りリーグを代表する長距離砲・エドポロケイン(大院大=4・日本航空高)は、今季リーグトップの3本塁打、9打点。勝負強いバッティングが光り、勝負どころでは最も警戒しないといけない相手だ。そのエドポロケインの後ろに座る関六代表経験のある岡村颯樹(大院大=3・敦賀気比)も今季打率.286を記録しており警戒が必要だ。京産大強力先発陣が、上位打線の出塁をいかに抑え込むかにカギがかかるだろう。
 投手陣では、今季リーグトップの43.1イニングを投げながら、リーグ2位の防御率0.83を記録しており、今季すでに2完封を記録している川勝郁海(大院大=4・敦賀気比)を打ち崩せるかに懸かっているだろう。春季リーグ戦での対決では、5回を3安打1失点に抑えられており、チャンスをいかに活かして得点出来るかに期待。京産大としては第6節で大院大から勝ち点を挙げ、最終節の大商大との直接対決で優勝決定戦に持ち込みたいところだ。

【第7節vs大阪商業大学】
 前節から1週待たず、週末11日からは最終節で7季連続王者の大阪商業大学とわかさスタジアム京都で戦う。大商大は第5節終了時点では8勝5敗で、京産大に次いで勝ち点2の3位。これまでに龍谷大学相手に勝ち点を落としている。例年打線に厚みがある大商大だが、今季は出塁率が突出して高い。出塁率リーグ5傑を独占し、長距離砲の春山陽登(大商大=3・敦賀気比)や真鍋慧(大商大=2・広陵)、キャプテンの綛田小瑛(大商大=4・東海大相模)、強打の捕手・蜷川大(大商大=4・広陵)らは出塁率5割を超えている。ヒットや長打にも警戒が必要だが、いかに余計な四死球を出さずに抑えるかに懸かってくるだろう。春季リーグ戦の対決では、エース田村剛平(4・報徳学園)と由上慶(4・関西大倉)が春山陽登(大商大)にそれぞれ本塁打を放たれているため、今季も要警戒となる。
 投手陣は、これまで何度も苦しんだ圧倒的エース・鈴木豪太(大商大=4・東海大静岡翔洋)と左腕の星野世那(大商大=3・近江)が戦線離脱している中、投打の二刀流に挑戦中の中山優月(大商大=2・智弁学園)を中心に4年生右腕の板谷朋生(大商大=4・高知中央)や4年生左腕の福島孔聖(大商大=4・広陵)が奮闘。例年に比べると失点は多いものの、粘りの投球を続けている。鈴木豪太(大商大)と星野世那(大商大)が復帰すれば、より大商大投手陣に厚みが出来るため、いかにチャンスを活かして得点するかの勝負になるだろう。7季連続での勝負所をモノにしている相手だけに、ここぞの場面での勝負強さは優れたモノがあるため、1つのミスで足元を掬われることだけは防ぎたい。大商大から2023年春以来となる勝ち点獲得をして最終決戦で下剋上を果たし、2018年秋以来の優勝となるか。最後まで目が離せない。

【京産大の見どころ】
 炭山監督が開幕前に今季のキーマンに上げた野原元気(3・塔南)は、防御率ランキングトップの0.72を記録。25イニングを投げて2失点に抑えており、タイトル獲得にも期待がかかる。150km/hに迫るストレートとカーブやチェンジアップの変化球で緩急差を付けた、テンポ良い投球が見どころだ。言わずもがな、エース・田村剛平(4・報徳学園)にも期待がかかる。28イニングでリーグトップの37奪三振を記録し、圧倒的な奪三振力を誇る。大経大戦と龍谷大戦では複数失点をしたが残り2節で屈辱を晴らし、プロの世界へより良いアピールをしたい。コンディション不良で開幕が遅れた由上慶(4・関西大倉)にも注目。初登板となった前節の龍谷大戦では5回をテンポ良く50球で無失点で抑えた。遅れを取り戻すべく、残り2節での活躍に期待したい。
 打線はキャプテン・河渕巧(4・市立和歌山)と4番・山本敦広(2・福井商業)の復調に期待したい。3季連続ベストナイン受賞が続いてる河渕は、今季は本来の打棒を発揮できず、打率.214に留まっているが、今春のように終盤での追い上げを見せて、4季連続ベストナイン受賞に繋がる活躍が待ち遠しい。4番・山本も打率.200と苦しんでいるが、前節2回戦では2安打を放つなど復調の気配を見せている。持ち前の勝負強い打撃と長打力のあるバッティングで、チームに勝利を呼び込めるか。また今季は赤澤響(2・東山)と石井悠翔(4・福知山成美)の打撃が好調。赤澤はリーグ3位の7打点で勝負強さを見せ、打率もリーグ6位の.348を記録し、課題だったコンタクト率も上昇してきた。赤澤に次ぐ打率.333で好調さをアピールしている石井は、前節は苦しんだものの2回戦の11回裏に、4点差を追いつく同点タイムリーを放つなど、チャンスメーカーだけではなく勝負強さも持つ。チームトップの出塁率を誇る、今季のリードオフマン・木村元(3・報徳学園)にも期待。ロースコアゲームが予想されるだけに、木村の出塁がカギになるだろう。ベンチワークも含め、チーム一丸となって目の前の勝利を掴みに行く姿勢に注目だ。

【執筆 川瀬正浩】

【コメント】
◯河渕巧外野手・主将(4・市立和歌山)
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◯ここまでの春季リーグを振り返って
ー1つ勝ち点を落としましたが、まだ優勝争いを出来ているので、残りの試合を勝ち切りたいと思います。

◯出せてるよさは
ー春に続いてベンチワークの部分や全体の雰囲気はすごく良いので、そこが勝ちに繋がっていると思います。

◯悔しかったシーンなどは
ーやはり勝ち点を落とした大経大との3戦目で、しっかり勝ちきれなかったの反省ですが、そこから切り替えて龍谷大戦を2連勝出来たのは良いところだと思います。

◯今のチーム状況は
ー1つ勝ち点を落としましたが、落ちる選手がいなくて全員が前を向いてやっているので、全員が優勝に向けてやっていると思います。

◯優勝への意識
ー優勝というのは口にはしていますが、全員が目の前の一戦に向けてしっかり取り組んでいるので、目の前の一戦一戦に向かって行きたいです。

◯大阪学院大学戦に向けて
ー大阪学院大学も次勝てば優勝やと思うので、向こうも総動員で全力でくると思うので、こっちもそれに負けないように、こっちも全員チーム一丸となって、まず初戦を勝っていきたいと思います。

◯大阪商業大学戦に向けて
ー春に開幕2連敗したのも商大ですし、この大学生活も商大に勝ったという記憶がほぼないので、最後は絶対に倒して優勝して終わりたいと思います。

◯残りのリーグ戦に向けての意気込み
ーチームとしては目の前の一戦を全力で戦って、個人としては中々結果が出てないですが、チームに貢献できるように頑張っていきたいと思います。

◯田村剛平投手・副主将(4・報徳学園)
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◯ここまでの春季リーグを振り返って
ー優勝争いを出来ているのが嬉しいです。

◯出せてるよさは
ーやはり投手中心にしっかりとロースコアのゲームで勝ててるのが良いと思います。

◯悔しかったシーンなどは
ー経大戦の2,3戦目が僕の中では一番悔しい試合です。

◯今のチーム状況は
ー本当に4回生中心に引っ張っているのが良いと思います。

◯優勝への意識
ー本当に優勝絶対できるチームだと思うので、しっかりとそれに至るまでの準備をやっていきたいと思います。

◯大阪学院大学戦に向けて
ー特にはないですが、一人一人抑えることを意識して、最終的に抑えてこっちが1点でも取れるような投球を心がけたいなと思います。

◯大阪商業大学戦に向けて
ー商大戦もロースコアになると思うので、投手中心になんとか抑えて頑張りたいと思っています。

◯残りのリーグ戦に向けての意気込み
ー絶対負けられない試合が多いと思うので、応援宜しくお願いします。

◯野原元気投手(3・塔南)
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◯ここまでの春季リーグを振り返って
ーまだ3節ですが、勝ち点1を落としてしまいましたが、雰囲気良く勝ちを積み上げてチームとしては良い感じで。個人としてはチームに少しでも貢献出来ていると思うので、良い方向に向いてるかなと思います。

◯出せてるよさは
ー負けてる状況でも雰囲気良くて、流れ悪くてもベンチの雰囲気で流れを変えてやろうという気持ちが、龍大戦の逆転に繋がったと思うので、ベンチの雰囲気が良いと思います。

◯悔しかったシーンなどは
ー特に僕が感じる部分はあまりないですが、プレー面でいうと、バンドの繋がりや勝負所での一打はまだまだいけるのではないかと思います。

◯今のチーム状況は
ー本当に良い雰囲気で4回生中心に盛り上がっていけているので、めちゃくちゃ良い雰囲気やと思います。

◯優勝への意識
ー優勝というのはリーグ戦始まる前からずっと言っていましたし、悲願の優勝ですが、目標の一つでもあるので、後2つ勝ち点を取れば優勝で、あと一歩まで来ているので、最後まで詰め甘くせずに攻め切って勝てるようにしたいと思います。

◯大阪学院大学戦に向けて
ー大阪学院大学さんはこの秋当たっているバッターが多くて、エドポロケイン選手や三嶋選手や岡村選手など、特にこの3選手を気をつけたいです。

◯大阪商業大学戦に向けて
ー春も商大に負けて、商大に勝っとけば優勝だったので、それが最終節に商大でやるということは勝たないといけないですし、優勝争いを何度もしていて勝ち抜いている商大を倒して優勝は価値あると思うので、それをするために最後は気持ちやと思うので、気持ちで負けないようにしていきたいです。

◯残りのリーグ戦に向けての意気込み
ーあと2節で4回生と試合できるのも少なくなってくるので、このチームで優勝して全国に行くのがチームとしての目標なので、最後まで気持ちの部分で負けないように頑張っていきたいと思います。

◯由上慶投手(4・関西大倉)
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◯ここまでの春季リーグを振り返って
ーチーム全体としては優勝争いに組み込まれているので凄く良いと思います。自分の投球はまだ5イニングですが、何とか無失点で抑えれているので、次に活かしていきたいと思います。

◯出せてるよさは
ー最後残り少ない日数で、全員が一つになって凄く良い声が出てると思いますし、団結しているなと感じています。

◯悔しかったシーンなどは
ー悔しかったのはベンチには入ってなかったですが、経大に負けた時は何も出来なくて悔しかったです。

◯今のチーム状況は
ーちゃんと練習の時は集中してやって、みんな楽しんでやっているかなと思います。

◯優勝への意識
ー僕まだ優勝したこと人生でないので、優勝したいですね。

◯大阪学院大学戦に向けて
ーエドポロ選手との対戦は大事だと思うので、頑張りたいと思います。

◯大阪商業大学戦に向けて
ー商大戦では全て決まると思うので、そこでチームに貢献できるような投球をしたいと思います。

◯残りのリーグ戦に向けての意気込み
ーチーム全員で1勝ずつ頑張っていきたいと思います。

◯山本敦広外野手(2・福井商業)
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◯ここまでの春季リーグを振り返って
ーチーム全体としては、勝ち点を1個落としてしましたが、全体としては良い状態でここまで来れているのかなと思います。個人としては自分の役割というのは何一つ果たせていないと思うので、あと残り2節で自分の役割を果たせるように準備していきたいと思います。

◯出せてるよさは
ー4回生を中心にチームを引っ張ってくれていますし、それについていこうと下級生も一つになって取り組んでいけているのはすごい良い点なので、それが試合で出せているのかなと思います。

◯悔しかったシーンなどは
ー経大戦の2戦目の1対0で負けたのが悔しくて。チャンスもあった中で投手が頑張ってくれていたのですが、野手が助けられなかったのが悔しかったです。

◯今のチーム状況は
ー経大戦落とした後も引きずることなくすぐ切り替えて次の龍大戦に迎えることが出来ていたので、まだ優勝の可能性が残っているので、全員が優勝に向かって進んでいけてるので良い状態だと思います。

◯優勝への意識
ーあんま考えすぎても良くないですが、目の前の1試合1試合をチームが一つになって全力で戦い抜けば、優勝も自ずと見えてくると思うので、1試合1試合全力で戦いたいなと思います。

◯大阪学院大学戦に向けて
ー凄い勢いがあって強い相手だと思うので、投手もコントロール良くて簡単に打たせてもらえないと思うので、接戦になると思うので粘り強く戦っていきたいと思います。

◯大阪商業大学戦に向けて
ー僕が入学してから1回も勝ち点を取れていないので、商大から勝ち点を取ってこその優勝やと思うので、絶対2連勝して勝ち点を取りたいという気持ちがあります。

◯残りのリーグ戦に向けての意気込み
ー本当に今までチームに迷惑ばかりかけていたので、ここらから自分の打撃でチームを勝たせて優勝出来るように頑張りたいと思います。

【取材 川瀬正浩】