~JUNKO甲子園大会~
第42回全日本大学9ブロック対抗準硬式野球大会
決勝 vs.全九州選抜
@阪神甲子園球場(2024年11月21日)
第42回全日本大学9ブロック対抗準硬式野球大会
決勝 vs.全九州選抜
@阪神甲子園球場(2024年11月21日)
【試合結果】
九 州000|000|050 = 5
関 西000|000|030 = 3
【出場選手】※全関西選抜のみ掲載
1中 ⑧髙橋 峻平(2年・大阪経済大)
2二 ④大森 理巧(2年・立命館大)
打 ㉔池谷 友希(3年・同志社大)
二 ①伊藤 元翔(4年・大阪経済大)
3遊 ⑦津脇 大輔(2年・立命館大)
遊 ⑨児島 直希(3年・京都産業大)
4指 ㉕藤原 漱祐(3年・大阪商業大)
5一 ⑤廣田 勝己(3年・大阪経済大)
一 ②勝股 優太(2年・甲南大)
6右 ㉓山崎 僚也(2年・近畿大)
7三 ③山田 一成(2年・関西学院大)
8左 ⑱林 息吹(2年・甲南大)
打 ⑥米田 大祐(2年・近畿大)
9捕 ⑫生田 慶三郎(2年・立命館大)
捕 ⑩前原 隼人(3年・京都産業大)
投 ⑳西島 宗汰(2年・立命館大)
投 ⑬江口 和真(2年・関西学院大)
投 ⑯橋本 南(3年・京都先端科学大)
投 ⑭升田 陽大(3年・京都産業大)
投 ㉑谷本 忠之(2年・同志社大)
【試合内容】
午前の東西対抗日本一決定戦を終えて、今度は全関西選抜として9ブロック対抗決定戦の決勝を戦う。相手は全九州選抜。今夏の全日本選手権準優勝の九産大をはじめとした強豪チームがひしめく相手に6年ぶりの優勝を甲子園で飾れるか。この試合には西日本選抜でプレーした前原隼人(営3)、児島直希(現3)に加えて升田陽大(済3)もチームに合流。
正午前にプレーボールの声がかかる。試合展開は東西対抗戦と同様、投手戦の様相となった。両チームそれぞれ秋季地区大会を制した西島(立命大)と本多(九産大)が先発。お互いに走者を出しながらも打線を凌いでいき、0-0のロースコアで進んでいく。決定打に恵まれないなか、8回表に試合が動く。全九州は北原昂(九産大)、吉村(九産大)、角田(九産大)の3連打で遂に先制。その後も猛攻を見せ、この回で一気に5得点。イニング途中からは升田が登板。適時打や押し出し死球を与えながらも、甲子園の空気をめいっぱいに受けて全力投球。最速146km/hを2回記録した。野手では6回から前原、7回から児島が途中出場。8回裏の攻撃は一死からチームの主将も務める前原が「何とか出塁してチームの士気をあげる」と右前安打を記録。そこから相手の失策や四球を勝ち取り、全関西が3点を返して流れを引き寄せる。
▲本塁に生還し、ベンチに迎えられる前原
9回表も升田に代わってマウンドに上がった谷本(同大)が無失点に抑え、2点ビハインドで最終回。先頭打者の米田(近大)が四球を選ぶも、後続打者が続かず、試合終了。全九州が8年ぶり7回目の優勝を果たした。一方、6年ぶりの制覇を目指した全関西は準優勝に終わった。
試合を終えて、球場では閉会式が行われた。主将の前原が賞状を、そして銀メダルを選出メンバー3人が受け取った。優勝できなかった悔しさを持ちながらも、甲子園という大舞台で野球ができた喜びもあり、式後の写真撮影では自然と笑顔があふれていた。今大会の中で、選手たちは夢の舞台での貴重な経験の他に、普段は違うチームとして戦う選手たちとの情報共有や交流などで多くのものを得ている。前原は試合後のインタビューで「野球への思いや配球、攻めについて投手に聞きためになった」と、児島は「準硬式をやっていないと関われないような人たちとも交流できた」、升田は「レベルの高い選手ばかりだと短い期間だが痛感した」というようにチームに帯同して今までになかった発想や考え方を感じ取ったようだ。これからは京産大のチームに戻り、来季に向けてオフシーズンへと入っていく。やはり見据えるのは"来春の関西選手権連覇と全国大会での躍進"。今回の経験が今後の快進撃の原点となりうるだろうか。京産大準硬式野球部の今後の行く末が楽しみだ。
▲選出されたメンバー(左から児島、前原、升田)
【試合後のインタビュー】
前原 隼人 選手 ~3年次/捕手/岡山理科大学附属高~
○この夢の舞台に実際に立ってみた感想は
「野球の聖地なので、すごく広くて楽しかったです。感激しました。」
○この大舞台でプレーすることに対して緊張は
「球場着く前はそわそわしていたのですけど、球場の広さに感激して試合を早くしたいという楽しみな気持ちに変わりました。」
○東西対抗戦は3-0で敗戦という結果
「西日本代表として、甲子園の舞台に立てたことはすごく誇りに思えたし、レベルの高い選手が集まっている中での試合だったので楽しかったです。」
○途中出場という形、試合前にどのような準備を
「前々からバッテリーは誰が組むのかという話はしていたので、一緒に組む投手とどう攻めるのか、という話はしていました。」
○3点ビハインドで迎えた最終回。二死走者無しから四球で出塁。打席内では何を考えていたか
「甲子園初打席ということで緊張はすごくあったのですけど、吹奏楽の方や色々な方々が応援してくれいていたので絶対に塁に出ようという気持ちで打席に立ちました。」
○9ブロック決勝、5失点取られた8回裏の攻撃では、先頭打者で右前安打、どんな準備をして打席に
「主将としてチームを中々引っ張ることができていない状態だったので、大量失点した後だったのですけど何とかして出塁してチームの士気を上げようということだけを考えて打席に立っていました。」
○2点ビハインドで迎えた最終回、チームにはどのような声かけを
「2点差だったので、まだあきらめずに最後までやるということをチームに声かけをしながら最終回を迎えました。」
○今大会、関西の他リーグの選手たちはもちろん、他地域の選手とも交流。情報共有は
「キャッチャーやピッチャーに話しかけました。野球への思いやどのような配球をしているのかやどういった攻めをしているのかを色々な投手に話を聞けてすごく自分のためになったし、今後生かしていければなと思っています。こういった良い選手が集まっているときに話を聞けたので良かったです。」
○注目していた選手
「関西選抜で、同じ京産大の升田陽大です。すごく球速も早くて期待していました。」
○この2つの大会や関西選抜の主将の経験を経て自身の意識や考えが変わった部分は
「今大会では、すごく良い経験をさせていただきました。チームに帰ってこの経験を共有して春の関西大会2連覇できるようにもう一回、ここで学んだことを共有して、関西全体の力を底上げできるようなチームを作っていきたいです。」
児島 直希 選手 ~3年次/内野手/京都府立洛西高~
○甲子園で2試合を戦ってみて
「甲子園はいい所だなと思ったのが正直な感想で、グラウンドも綺麗ですし広さもあって、ここまで甲子園を目指してやってきたのでそれが報われたなという瞬間でした。」
○東西対抗戦では西日本選抜に京産大を代表して出場
「普段はスタメンで試合に出ることが多くて、それでも選抜チームではスタメンは難しくて、ベンチスタートといういつもとは違う形でゲームに臨んだんですけど、いつでも出番がきたら活躍できるようにベンチでイメージしながら待っていました。」
○打席では二死二・三塁という好機で回る
「そもそも打順で(出番は)いわれていたので、まさかこんな場面で回ってくるとは思っていなかったです。あとは打席に立った瞬間の景色でちょっと足が震えたので、あまり覚えていないのが率直な感想ですね。」
○9ブロック決勝では関西vs.九州で全力勝負
「西日本で戦ったメンバーが九州選抜にも何人かいて、朝に一緒に戦った仲間が昼から敵になるということで、悲しい反面難しいところもあったんですけど、お互い全力を出して戦った結果なので悔いはないです。」
○投手戦から終盤に大きく試合が動く展開
「バット(基準)が変わってからこういった試合展開が多いんですけど、その重要な均衡した場面で出たので、とにかくミスをしないように、そして流れを持ってこれるようにと。あとは捕手が前原ということで、一緒にできることはなかなかないので楽しんでやろうと思いました。」
○この甲子園での試合に向けて他大学の選手とは交流を深めた
「関西選抜では普段戦っている他大学の選手が一緒に戦うことになるので、新しい感覚とか普段喋られない人も喋ってくれたので嬉しいですし、改めてレベルが高いなと。これから京産も頑張らないと(関西や全国で)勝てないなというのが正直な感想で、西日本は準硬式をやってないと絶対に関われない人たち、西日本に関わらず東日本とも交流できたので、自分から行動した結果がこういう人との繋がりを生み出したというように、挑戦はすごく大事だなと思いました。」
○あなたにとって"甲子園"を一言で表すなら?
「聖地。誰もが目指すべき存在であるというか、みんなの目標となるべき場所だと思います。」
○来年は関西春連覇や、全日本に向けた戦いが待っている
「この遠征期間でいろいろなことを学んだのでそれをチームに持ち帰って、前原も升田も経験したのでこれを活かして、次は絶対に北海道(来夏の全日本選手権開催予定地)に行って勝って終われるように、これからオフシーズンに入っていくんですけど、来季も頑張って関西2連覇をできるように頑張ります。」
升田 陽大 選手 ~3年次/投手/愛知高~
○関西選抜として甲子園でプレー
「決勝戦をこの甲子園という舞台でできたことは自分の財産にもなりましたし、レベルの高い選手たちと一緒にプレーできたことは、自分のとてもいい経験になりました。」
○9ブロックでは重要な場面で登板 信頼感も厚かった
「今日も8回のピンチの場面で登板させてもらって、試合前からそういう厳しい場面での登板はあるといわれていたので、信頼は置かれていたんですけどそれに応えることはできているのかなという自信はあまりないんですけど、期待されて登板できることは自分でも嬉しいですし、それに応えられるようにもっと成長しないといけないなと感じました。」
○甲子園のマウンドに立った瞬間の気持ちは
「立った瞬間、他の球場では感じられないスケールというか球場のすごさが、立ってみないとわからないこともあったので、そこはとても感じましたし甲子園で投げられたことは野球人生でも誇れることかなと思います。」
○憧れのマウンドで最速146km/hをマーク
「自分の持ち味は球速の出る真っすぐだったので、それがこの舞台で発揮できたのはよかったかなと思います。」
○関西選抜に所属する他大学の選手との交流は
「レベルが高い選手ばかりだったのが正直なところで、自分はまだまだ未熟な部分もたくさんあって、この機会をどう活かすかというのは自分次第なのでこの冬を越えて、もう一段階良い投手になれるように成長できたらなと思います。」
○共に戦った仲間の大半は今後切磋琢磨するライバルへ
「レベルが高い選手がたくさんいることは、短い期間でしたけど痛感したのでこの冬でスキルアップをして、このレベルの高い選手たちも圧倒できるくらいの投球ができるように頑張ります。」
○あなたにとって"甲子園"を一言で表すなら?
「やっぱり憧れの場所ですし野球の聖地といわれているので、次はレフトスタンドで声を出して阪神タイガースを倒せるように頑張ります(笑)。」
【取材・撮影:亀本皐介、村上暁】