京産大アスレチック

学内スポーツ紙「京産大アスレチック」を製作・発行する、京都産業大学体育会本部編集局の公式BLOGです。

バスケットボール部

友だち追加

【男子バスケ】3年ぶりのリーグ制覇!春の選手権に次ぐ関西2冠達成

関西リーグ王者が決まる順位決定戦の最終試合。京産大は神戸医療未来大を大差で下し、3年ぶりとなるリーグ制覇を果たした。

LINE_ALBUM_2024.11.4神戸医療未来大④_241105_1


■2024年度関西学生バスケットボール1部リーグ戦
2024.11月4日(月)
順位決定戦 3戦目 vs神戸医療未来大
@同志社大学京田辺キャンパス

■試合結果
○京産大90-59神医大●
1Q 27-12
2Q 25-18
3Q 24-15
4Q 14-14

■試合内容
 「春からずっと目指してきたバスケットを最後にできた」。丸岡総監督が話す通り、シーズンの集大成とも言える試合運びだった。
 試合序盤からチームの「伝統」であるディフェンスが光る。最終戦開始前時点でのリーグポイントランキング1位中村、3位フセイン、4位山際を擁する神医大のオフェンスを抑え込み、1Q終了27-12の大幅リードで好発進。2Qではルーキーの太田(1)が3ポイント、途中出場の中井がドライブで切り込むなど、各々が自身の強みを見せ、52-30の大差で折り返す。後半も固い守りと早いトランジションで逆転のスキを与えず、90-59で圧勝。最終戦を文句なしの勝利で終え、3年ぶりのリーグ制覇、そして春の選手権に次ぐ関西王者となった。
LINE_ALBUM_2024.11.4神戸医療未来大③_241105_1
丸岡総監督「春からずっと目指してきたバスケットできた」
LINE_ALBUM_2024.11.4 対神戸医療未来大戦①_241105_1
中井、途中出場で11得点
 
 今季が最後の年となる宇都宮世代は、1年次以来のリーグ優勝。「ここ数年優勝できてなくて、悔しいシーズンが続いたので、自分らの代で優勝できたのは本当に嬉しいです(宇都宮)」。苦難を乗り越えつかんだ栄光に、喜びを嚙み締めた。
LINE_ALBUM_2024.11.4 対神戸医療未来大戦①_241105_2
1年次以来のリーグ優勝となる宇都宮
 また個人賞では、最優秀選手賞に宇都宮、優秀選手賞にオーギル(3)、新人賞に太田が選出されている。太田はリーグを通して、3ポイントシュートを武器に京産大の勝利に貢献。神医大戦でも2本のスリーを決め14得点と、ルーキーらしからぬ活躍を見せた。
LINE_ALBUM_2024.11.4神戸医療未来大③_241105_2
優秀選手賞・オーギル
LINE_ALBUM_2024.11.4神戸医療未来大③_241105_3
新人賞・太田

 残るは12月の全日本インカレ。「関西春秋2冠」のタイトルを引っ提げ、目標である4強入りを目指す。

■選手・監督コメント
《丸岡総監督》
優勝の感想
―1試合目、11点差で勝ってたから10点差で負けても優勝だったんだけど、勝って優勝を決めるというのを選手もその気持ちでやってきたから。リーグ戦14試合の中で1番いいゲームが最後にできたのが非常に良かったね。積み重ねていって最後にベストゲームができた。今日のゲームは非常に良かった。

今シーズンの集大成のようなディフェンス
―今まで練習から積み重ねてきたディフェンスができて、リバウンドを獲ったり相手のミスを誘ったりした後のトランジション、ファストブレイクが今日はすごい良かった。これが春からずっと目指してきたバスケットなんで、それを最後にできたというのは非常に良かった。

全員に見せ場があった
―相手からしたら誰を抑えたらいいかわからん。ベンチから出てきた中井とか星野とかも活躍してて、これはもう理想で、やっぱりみんなが出てきてマックス100%の力でやって、15人ぐらいで戦えるのが理想なので、ほんとに良かった。だから、逆に京産大は10人15人が出るから、僕や村上の時からそうだったけど、得点王とかリバウンド王とかの個人タイトルが取れない。それはチーム全員で戦ってるから。それがうちのいいところ。だから今日はそのいいところが出たね。誰を褒めたらいいかわからない。

インカレに向けて
―関東の大学はこの関西リーグよりもまだもう一、二段強度があるから、今日のゲームを最低限にして、さらにはそれ以上の力を出さないと関東には勝てないと思っている。だからこの試合をベースにしたい。一発勝負のトーナメントは何が起こるかわからないからこそ、これをベースに、東京に行ってもこれができるように。そのためにはあと一カ月もないインカレまでの間に、この強度を保って常にできるような練習をして東京に臨みたい。

《村上監督》
3年ぶりの優勝
―まずはほっとしてますけど、チーム目標としているところの通過点なので、ここ数日はちょっとゆっくりして、もういっかいそこを目指してチームで頑張りたいなと思います。

試合を振り返って
―しっかり気持ちを持って試合に臨むように選手には言っていたので、それに関してはみんなが一つになって、どういう風にしなければいけないかというのをイメージして試合に入ってくれていたのかなと思いますし。春には勝ちましたけど、すべての結果を残せれているわけではなかったので、挑戦者というところで気持ちだけは負けないで行こう、40分間当たり前のことを積み上げてそこで勝ち切れるようにやろうという話はしていたので、よくやってくれたなという気持ちです。

ベンチメンバーの活躍
―僕らも相手によって、この選手がマッチするかなとか、こういう強みを出せるかなとか考えながらやってる中で、特に今日は誰がでても役割をしっかり果たしてくれて、なにを求めているかをすぐに理解してもらって、コートの中で表現してくれたので、ほんとにいい準備をしてくれていたなと思います。

優勝の要因
―選手全員にいい思いをさせてあげられないのはわかっているなかで、思うことがあるとは思うんですけど、その中でもチームのことを思って最終的には全員が当事者となってやってくれていたのはすごくいいことだと思いましたし、僕からしても感謝しました。それが結果に出てると思っているんで、この考えをもう一回チームで大切にしていきたい。


《宇都宮》
感想
ーここ数年優勝できてなくて、悔しいシーズンが続いたので、自分らの代で優勝できたのは本当に嬉しいです。

リーグ戦通じて、バスケの内容で良かったところは
ー今年はよく我慢できたゲームが多かったなという風に思っていて、相手の流れが多かった時でも自分たちのペースを乱さずにゲームをやれていたことが勝利につながったと思います。今年は我慢できた年だったと思います。

唯一関学大に負けたが、改めて振り返ると何が悪かったのか
ー受け身になっていて、チャレンジャーじゃなかったというのことが1番の敗因になったと思います。どんな相手でも受けて立つのではなく、自分たちが挑戦してチャレンジャー精神でいくことが大事なのだと思いました。

4年間ガードというポジションでも関西を代表する立場だったと思うが、上位チーム見ると板敷選手や山際選手がいるが、彼らから刺激をもらってたか
ーもちろんその2人もそうですけど、他のガードの選手には負けたくないという気持ちは個人的にもあったので、より切磋琢磨できて良かったと思います。

上位4チームに彼ら2人とも残って何か思うことはあるか
ープライベートでも仲良いですし、2人はBリーグを目指している選手だと思うので、Bリーグの時にまた対戦や同じチームになったら嬉しく思います。

インカレまでどういうところに力を入れていきたいか
ー一つ一つのプレーの遂行力がまだまだ甘いと思っています。勢いだったりそういう部分は良いんですけど、セットプレーの遂行力をもう少し丁寧にしてやっていけたら、安定したゲームをつくっていけるのではないかと思います。

ベスト8の経験がある中で、その時と比べて今のチームが優れている点、または足りない点は
ー勢いだったりやるぞという気持ちは、当時僕が1年の時より全員があると思っているが、1年生の時より1人1人能力も違ってくるので一つ一つのプレーの重みをもう少しみんなが共通理解してやっていけたらもっと強くなっていくのではないかと思います。

キャプテンとしてのプレッシャーはあるか
ー京産は伝統のあるチームですし、そういったチームのキャプテンになるということはすごく重圧を感じつつ、でも楽しむことを忘れてしまったらついてくるにもついてこれないので、プレッシャーはあったんですけど、どちらかというと楽しんでたという感じです。

やはり全関西で勝ったというのがそういうところにつながったのか
ーそうですね。

今までの試合は70点と前におっしゃっていたが、今日の試合終えて最終的に何点ですか?
ー100点です


《太田》
優勝への感想
ー素直に嬉しいです。

高校までの優勝との違い
ー僕高校で優勝したことなくて。優勝したのが関西(選手権)だったので、久しぶりで嬉しかったです。

1年間プレーして、手応えはどういうところがあるか
ー3ポイントシュートが結構入ったのと、最近ではドライブからの得点も出来るようになって良かったと思います。

先輩には宇都宮選手やオーギル選手などのかなり個性的な選手がいるが、その中で自分の良さを発揮しようとする時に少し引いてしまう部分とかはないか
ー最初はあったが、最近はあんまりなくなっててたまに遠慮してしまうときもあります。

それに関して先輩から何か言われることは
ー「どんどんやっていけ」とプラスな言葉をかけてくれます。

1年間やってきて自身の課題は
ーディフェンスの力と体面のフィジカルの弱さがあるので、そこが弱みだと思います。

そういうところが高校バスケとの違いなのか
ーはい。そうだと思います。

インカレに向けてどういう準備をしていきたいか
ー関西で通じたことがインカレでは通じなかったりするので、そこをもっと調整していきたいと思います。



【記事:榎本祐一郎】
【写真:榎本祐一郎、大道莉和】

【男子バスケットボール部】関西リーグ1次を首位通過 優勝に大きく前進  

9月7日に開幕した関西学生バスケットボール1部リーグ戦。春の選手権に次いで、関西王者を目指す京産大は、1次(総当たり)を10勝1敗の首位で通過し、関西2冠へ向け大きく前進した。
サムネ


《総当たり戦 試合結果一覧》
【第1節】
日時 :9月7日(土)
場所 :関西大学東体育館
相手 :vs大阪経済大
スコア:○京産大98-80大経大●

【第2節】
日時 :9月8日(日)
場所 :関西大学東体育館
相手 :vs関西大
スコア:○京産大85-69関西大●

【第3節】
日時 :9月21日(土)
場所 :向日市民体育館
相手 :vs関西学院大
スコア:●京産大65-74関学大○

【第4節】
日時 :9月22日(日)
場所 :向日市民体育館
相手 :vs近畿大
スコア:○京産大94-78近畿大●

【第5節】
日時 :9月28日(土)
場所 :天理大学杣之内キャンパス
相手 :vs立命館大
スコア:○京産大88-71立命大●

【第6節】
日時 :9月29日(日)
場所 :天理大学杣之内キャンパス
相手 :vs同志社大
スコア:○京産大92-77同志社●

【第7節】
日時 :10月5日(土)
場所 :同志社大学京田辺キャンパス
相手 :vs天理大
スコア:○京産大58-53天理大●

【第8節】
日時 :10月6日(日)
場所 :同志社大学京田辺キャンパス
相手 :vs神戸医療未来大
スコア:○京産大79-68神医大●

【第9節】
日時 :10月13日(土)
場所 :大阪産業大学
相手 :vs大阪学院大
スコア:○京産大73-67大院大●

【第10節】
日時 :10月19日(土)
場所 :金岡公園体育館
相手 :vs大阪体育大
スコア:○京産大92-53大体大●

【第11節】
日時 :10月20日(日)
場所 :金岡公園体育館
相手 :vs大阪産業大
スコア:○京産大81-76大産大●

★1部リーグ全試合アーカイブは、関西学生バスケットボール連盟公式YouTubeで視聴可能。
URL:https://youtube.com/@kibf2021?feature=shared


第3節の関西大戦で勝ち星を逃すも、その後は快勝。第8節では、ここまで無敗だった神戸医療未来大に土をつけ、同率トップに並ぶ。最終節では京産大が大産大に勝利、神医大が天理大に敗北したことで、単独首位で1次リーグを終えた。

《1次を終えての順位》
ーーーー上位リーグーーーー
1.京産大      10勝1敗
2.神戸医療未来大  9勝2敗
3.関西学院大    7勝4敗
4.天理大      7勝4敗
ーーーー中位リーグーーーー
5.関西大      6勝5敗
6.大阪産業大    5勝6敗
7.大阪学院大    5勝6敗
8.同志社大     5勝6敗
ーーーー下位リーグーーーー
9.近畿大      4勝7敗
10.大阪体育大   4勝7敗
11.大阪経済大   2勝9敗
12.立命館大    2勝9敗


 2次リーグ(順位決定戦)では1次での順位をもとに、上位4チーム、中位4チーム、下位4チームの3ブロックに分けられる。各ブロックで再び総当たり戦を行い、1、2次合わせての勝ち点の数で最終的な順位を決定する。京産大は1次で勝ち点10。他3チームに比べアドバンテージはあるものの、1試合でも落とせば優勝が危ぶまれる。関西選手権王者のプライドを見せ、3戦ストレートで優勝を飾りたい。

《2次リーグ試合予定・見どころ》
【1戦目】
日時10月26日(土)16:30
場所京都産業大学
相手天理大(勝ち点7)
 天理大は最終節で神戸医療未来大を打ち破っての上位リーグ滑り込みで、いま最も勢いに乗るチーム。1次では勝利しているものの58-53の僅差であり、ここでも再び接戦が予想される。キーマンとなるのは太田凜(1)。シュートが武器で、このリーグではルーキーイヤーながらスタメン起用となっている。11試合通して3ポイント26本(26/56=46%)。要所での高い決定力で、チームの窮地を何度も救った。この試合でも天理の勢いを砕く太田の一撃に期待したい。
太田
太田凜


【2戦目】
日時10月27日(日)14:40
場所京都産業大学
相手関西学院大(勝ち点7)
 第3節で京産大に唯一の黒星をつけた関西学院大。3Qまで互いに拮抗するも最後は踏ん張れず、65-74で敗北し、勝ち点を落としている。開会前に掲げた『リーグ全勝優勝』の目標を早々に挫いた相手との再戦。主将の宇都宮陸(4)も「しっかりリベンジして優勝したい」と、関学戦をターニングポイントとした。初戦に次いでのホーム2連戦を制し、関西制覇へ王手となるか。
宇都宮
1次でのリベンジ目指す


【3戦目】
日時11月4日(月)14:40
場所同志社大学京田辺キャンパス
相手神戸医療未来大(勝ち点9)
 すべてが決まる最終戦。勝利へのカギは神医大の留学生、ジリメンヤ・カトウ・フセインをいかに封じ込めるかだ。第8節はフセインがペイントエリアを支配し、その高いディフェンスで得点を阻まれる。3Qで最大17点差と厳しい展開となるも、最終Q序盤、フセインが5つ目のファウルをもらい退場。その後は京産が巻き返し、大差をひっくり返して逆転勝利した。もちろん、神医大も対策してくるはず。フセインとのマッチアップとなるのはヒシグバータル・オーギル(3)、アジャイ・アーノルド(4)。留学生同士のゴール下の争奪戦に注目したい。
オーギルフセイン
ヒシグバータル・オーギル
アジャフセイン
アジャイ・アーノルド
★2次リーグ全日程を関西学生バスケットボール連盟公式YouTubeで配信予定。
URL:https://youtube.com/@kibf2021?feature=shared

【記事:榎本祐一郎】

【バスケットボール部男子】シーズン開幕特別企画 「名門の矜持」

オレンジのユニフォームに身を包み、獅子奮迅の如くコートを支配する。関西バスケットボールの雄、京産大。関西リーグでは最多となる23回の優勝。全日本インカレは現在9年連続50回の出場で、1997年には、同志社大と並び関西勢最高成績となる準優勝を果たしている。今回はその名門・京産大で今季の主将を務める宇都宮陸と、就任17年目となる村上和之監督に取材し、ここまでの道のり、そして今季への思いを聞いた。
DSC_9163


プロフィール
【宇都宮 陸(うつのみや・りく)】
2002年12月6日、愛媛県生まれ。報徳学園高卒。ポジションはPG。1年次には全日本インカレで全試合スタメン出場しベスト8に貢献。2年次には男子日本学生選抜メンバー選出、西日本インカレ優秀賞・アシスト王、関西リーグ戦敢闘賞。3年次には関西リーグ戦敢闘賞。また、1年次に愛媛オレンジバイキングス(B2)、2年次にアルバルク東京(B1)に特別指定選手として加入。今期の主将を務める。DSC_6500


【村上 和之(むらかみ・かずゆき)】
1976年7月10日、大阪府生まれ。東住吉総合高、京都産大卒。大学3年次に、全日本インカレ準優勝し、自身は大会ベスト5にも選出。大学卒業後、日本リーグの実業団「日立大阪」に入社、その後2005年発足のbjリーグに入団。3年間プロ選手として活躍。引退後、京産大バスケットボール部男子のコーチに就任(2008~)。現役時代のポジションはPG。愛称は「カズさん」。DSC_8103



悔しい一年
 「タイトルを一つも取れていないっていうところで、悔しいなという思いがあります」。宇都宮は昨シーズンを振り返る。春の関西選手権(関西学生連盟に所属する全大学によるトーナメント戦)、夏の西日本インカレではともに準々決勝で敗退。2年ぶりの優勝を目指し挑んだ秋のリーグ戦では、大阪経済大や関西学院大などの1部下位チームとの試合を落としたことが響き、一歩届かず準優勝。集大成となる12月の全日本インカレでは関東1部リーグ13位の早稲田大に敗れ、3年ぶりの初戦敗退となった。「もうちょっとできたんじゃないかな(村上)」。監督にとっても満足のいかないシーズンとなった。

《2023年度関西連盟主催大会における成績》
・4月 関西選手権大会 6位
・6月 西日本インカレ 3回戦敗退
・9月 関西リーグ戦  準優勝



群雄割拠
 関西連盟の大会においては、昨年だけでなく一昨年も優勝した大会がなく、長らくタイトルから遠ざかっている。その背景に、関西の勢力図の変化がある。ここ数年は京産大・近畿大・天理大の三強で、直近20年のリーグ戦は近大が8度、京産大が6度、天理大が4度と、ほぼ独占状態。他の関西の大会でも表彰台の常連となっていた。
 そんな中、長らく1部の下位に位置していた神戸医療未来大が2022年度の関西新人戦(3年次以下のみが出場できる大会)で優勝すると、同年のリーグ戦では近大、京産大に次いで3位に。そして昨年は神医大と同じく、決して強豪とは言えなかった大阪産業大がリーグ初優勝を果たしている。関西地区は強豪同士の覇権争いから一転し、群雄割拠となった。


名門の矜持
 新興勢力の台頭が、三強時代に終わりを告げた。実際に近大は昨年のリーグで7位となり、6年連続出場中のインカレへの切符を逃している。もちろん京産大も例外ではなく、その勢いの餌食となりつつある現状だ。ただ、「周りのチームは関係ない。自分たちのすべきことをするだけ」と宇都宮。村上監督も「そういう(新勢力の)チームに簡単に勝たせてはいけない」と言い放つ。選手、監督ともに京産大の軸には「名門の矜持」があった。


宇都宮世代
 2024シーズンはまもなく開幕。主将を中心に4年次生がチームを引っ張ることとなる。村上監督はこの世代の強みに「華やかさ」「経験」の二つを挙げる。
自身も京産大バスケットボール部の選手であった監督曰く、昔はねちっこく、泥臭く、というイメージで見られていた京産大。かつてとはプレーの華やかさや注目度が変わってきたという。しかし監督はこうも付け加える。「今も(ねちっこく、泥臭く、といった精神が)無いわけじゃないです。華やかな部分もあるけど、そこだけじゃなくて泥臭くもあるよっていうのを僕は見てほしいですね」。地味ではあるが、かつての京産大の重要な精神が根底には残っている、ということを強調した。
DSC_9161
「華やかさ」と「経験」がこの世代の強みだと話す監督
 
 また、この世代には経験豊富な役者が揃っている。Bリーグの特別指定加入としてプロの世界でプレーをした宇都宮を筆頭に、1年次から全日本の舞台に立ったアジャイ・アーノルド(4)。そして昨年開催された第19回アジア競技大会で、モンゴル代表に選出されたヒシグバータル・オーギル(3)を初め、3年次以下の選手層も厚く、全体的に経験値の高いチームとなっている。
 そして最高学年に限っては、なんといっても京産大の栄枯盛衰を直接見てきている世代といえる。今の4年次が入部した年は、関西リーグを全勝優勝。全日本インカレでは関東の強豪専修大に善戦し惜しくも敗れるもベスト8と、輝かしいスタートを切った。しかしそこから一昨年、昨年と関西連盟主催大会での優勝は一つもなく、苦しいシーズンが続いている。
「こういう経験をしたのが陸の学年しかいない。過去でこれをやってきたから今があるっていうのを(宇都宮の学年が)今年後輩たちに伝えないといけない立場に来ている」。今までの壮絶な道のりと、京産大としてのプライドを後輩へ示すことが、監督から最高学年に対しての願いだ。
DSC_1996
アジャイ・アーノルド
DSC_1663
ヒシグバータル・オーギル


黄金時代
この取材の前に、村上監督の選手時代のアスレチックの紙面を見つけた。京産大アスレチック第102号(1997年発行)、「バスケットボール部6連覇 掴んだ関西16度目の栄光」という見出しで、1面にでかでかと取り上げられている。その一コマに「果敢に敵陣内に切り込むPG村上」と、当時3年次だった監督の姿もあった。また、この年には全日本インカレで関西勢最高成績の準優勝も果たしている。紙面からもわかる通り、関西での連覇や全日本準優勝など、当時はまさに京産大黄金時代。「今まで(全日本インカレが)75回あって関西勢が優勝したことが無くて、僕らの1997年の準優勝が最高記録なんで、今期は優勝したいなと思っています」。今期の世代を、現在低迷中の京産大の再出発地点とし、第二期黄金時代の幕開けを目指す。
S__33972244
1997年発行 京産大アスレチック第102号
S__33972245
選手時代の監督の姿も
DSC_9173


全タイトルへ
「全タイトルを獲る」。新主将が掲げる今季のチーム目標だ。その目標を完遂するための第一歩となる春の関西選手権はすぐそこまで来ている。関西屈指の名門の誇りを再び見せつけるとともに、関西勢未踏の全国制覇を目指し、京産大バスケットボール部男子が今シーズンに臨む。
[取材・記事]榎本祐一郎 [写真]大道莉和

【バスケットボール部男子】同志社大学とのリベンジマッチを制し、西日本インカレベスト8進出!!

■第73回西日本学生バスケットボール選手権大会
2023.6.7(水)
2回戦 vs同志社大学

@エディオンアリーナ

S__168992772


西日本インカレを白星発進した京産大は2回戦、全関西で惜敗した同志社大とのリベンジマッチを迎えた。


■試合結果

京産大83‐71同志社大
第1Q 19-7
第2Q 22-18
第3Q 22-18
第4Q 20-28

■試合内容
序盤から京産大ペースでゲームが進む。試合開始約5分間、相手に得点を奪われることなく攻撃中心になる。宇都宮陸(3)の華麗なボール捌きからのレイアップシュートで観客を沸かす。また、宇都宮はこの試合チーム最多の17得点。第2Qには坂下聖稀(2)と小林裕斗(1)の3Pシュートが炸裂。2人はそれぞれこの試合3本の3Pをリングに沈めた。前半を41-25の16点リードで終えた京産大は後半も3Pやファウルをもらってのフリースローで着々と点差を広げる。最終Q開始約3分間点数を取れない場面もあったが、すぐに流れを取り戻した。ゴール下を支配していたヒシグバータル・オーギル(2)は合計15リバウンドでチームを助ける。その活躍もあり、83-71で勝利し準々決勝進出となった。この試合を落合旭(3)は「全員が西日本で揃って1ヶ月間練習してきたことをここで発揮できたと思うのでよかったと思います」とふりかえる。

ベスト4が懸かった試合となる次戦は関西大学との対戦だ。この勢いに乗り優勝への駒を進める。

■コメント
#20 落合
S__168992775

今日の試合を個人として振り返って
ー個人としてはファウルをもらって結構フリースローが決めれたんですけどそれ以外の2ポイントや3ポイントはアテンプトがなくて自分的にはそんなに点を取っていないと思ってたんですけど逆にリバウンドだったりディフェンスの部分で頑張れたのでよかったです。

チームとして今日の試合を振り返って
ー前回の試合では怪我人などが多くて出れなかった面もあったんですけど全員が西日本で揃って一ヶ月間練習してきたことをここで発揮できたと思うのでよかったと思います。

後輩が3人スタメン入りしたことにどう感じているか?
ー活躍してほしいとは思っています。活躍できなかった時には自分が立て直すという気持ちで毎回試合に臨むようにしています。

ファウルの後に相手の選手の対応で心掛けていること
ー審判に従ってフェアに相手に謝りに行くようにしてます。

■コメント
#10 オーギル
S__168992774

今日の試合をふりかえって
ー全関西で(同志社大学に)負けちゃって悔しい思いをしたので、ここでやり返したろうっていう気持ちで、それが結果に繋がってよかったです。

ケガから復帰して、昨日今日と試合出てみてどうでしたか?
ー試合感覚をちょっと忘れてた部分もあったんですけど、ちょっとずつ戻ってきてるって感じなんで。ケガがまだちゃんと治ってなくて、まだヘルニアの状態でちょっと痛いんですけど、西日本終わったら完全に治したいです。

1年生も入ってきて連携とかは取れてますか?
ーはい。練習中結構喋っているのでなんとか今んとこ取り組みです。

次戦に向けての意気込み
ー去年悔しい思いしているので、まず優勝狙います。

【撮影:大道莉和 取材:大道莉和、伊藤揺梨、山本帆香】

【バスケットボール部男子】西日本インカレ 悲願の優勝を目指して初戦に挑む

■第73回西日本学生バスケットボール選手権大会
2023.6.7(水)
初戦 vs岡山商科大学

@エディオンアリーナ

S__168697860


6位という悔やまれる結果に終わった第50回 関西学生バスケットボール選手権大会から約1ヶ月。京産大は西日本学生バスケットボール選手権大会の舞台に足を踏み入れた。昨年はあと一歩届かず準優勝に終わっていた。今年こそは優勝を勝ち取れるだろうか。


■試合結果

京産大93‐68岡山商科大

第1Q 28-19
第2Q 19-12
第3Q 25-9
第4Q 21-28

■試合内容
まずは初戦、相手は岡山商科大学だ。出だしは少し手こずり相手にリードされる場面もあったが、第1Q後半から本調子を見せ始める。第2Qには、落合旭(3)の連続3Pシュートや中井柾希(2)のダブルクラッチにベンチも盛り上がりを見せた。後半を47-31というまだ追いつかれてもおかしくない点差で迎える。第3Qはプレスしたディフェンスで相手を苦しめ、僅か9失点に抑える。また、攻撃の部分でもいい流れをつくり第3Qを32点リードで終える。ケガから復帰したヒシグバータル・オーギル(2)は第3Qから途中出場ながら、この試合トップの20PTSで持ち前の高さを活かしチームに貢献。最終Qはプレータイムの少なかった選手も活躍し、93-68で試合終了。

次戦は全関西で惜敗した同志社大学との戦いだ。リベンジマッチとなる一戦は見逃せない。

■コメント
#0 島村亜留(主将)
S__168697858

今日の試合振り返って
ー出だしから自分たちのバスケットができて、それが40分間継続できたと思います。

初戦の手応えとしては良い出だしになりましたか?
ーそうですね。はい。

全関西は6位という結果に終わったがこの西日本インカレにはどんな思いで臨みましたか?
ー優勝することを目標にしてます。2回戦から全関で負けたチームと対戦するので、一つずつ勝って目標の1位になれるように頑張ります。

次戦に向けての意気込みをお願いします。
ー全関西で負けた相手なので、しっかり勝って次に繋げたいと思います。

【撮影・取材:大道莉和】
月別アーカイブ
カテゴリ別アーカイブ
読者登録
LINE読者登録QRコード
  • ライブドアブログ