京産大アスレチック

学内スポーツ紙「京産大アスレチック」を製作・発行する、京都産業大学体育会本部編集局の公式BLOGです。

2023年 サッカーリーグ

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【サッカー部】50年待ち望んだ瞬間。昨年王者を下し、京産大初関西制覇!!

第101回 関西学生サッカーリーグ(後期)
第11節 関学大戦(2023年11月12日)

ついに今季リーグ最終戦。最後の最後まで優勝が決まらない関西1部、京産大と関西大に優勝候補が絞られる中、京産大が2連覇の王者・関学大を破り初優勝の栄冠を掴み取った。
表紙


【スターティングメンバー】
1 GK 山本 透衣(4年=コンサドーレ札幌U18・FC大阪内定)
16 DF 大串 昇平(3年=ガンバ大阪ユース)
5 DF 横窪 皇太(3年=金光大阪高)
4 DF 西村 翔(4年=ガンバ大阪ユース)
2 DF 西矢 慎平(4年=神戸弘陵学園高・カターレ富山内定)
6 MF 川上 陽星(4年=作陽高)
32 MF 伊藤 翼(1年=セレッソ大阪U18)
7 MF 福井 和樹(4年=ガンバ大阪ユース・SC相模原内定)
10 MF 食野 壮磨(4年=ガンバ大阪ユース・東京ヴェルディ内定)
11 MF 夏川 大和(4年=草津東高)
13 FW 中田 樹音(3年=岡山学芸館高)

【サブメンバー】
12 GK 林 憲太朗(3年=滝川第二高)
3 DF 佐藤 幸生(4年=サンフレッチェ広島ユース)
25 DF 楠瀬 海(3年=高知高)
33 DF 小野成夢(1年=愛媛FC U-18)
15 MF 石原 央羅(3年=サガン鳥栖U-18)
28 MF 滝口 晴斗(1年=サンフレッチェ広島ユース)
29 MF 末谷 誓梧(1年=セレッソ大阪U-18)
14 MF 城水晃太(3年=サンフレッチェ広島ユース)
8 FW 中野 歩(4年=ガンバ大阪ユース)

【交代】
後半36分
中野歩中田樹音
城水晃太食野壮磨
後半42分
滝口晴斗大串昇平
後半ロスタイム
石原央羅夏川大和

【スコア】
前半 0-1
後半 2-0
結果 2-1

【試合内容】
残り30秒、掴みかけた優勝トロフィーが手から溢れ落ちた。前節の関西大戦、勝てば優勝が決まる大一番を迎えた京産大。前半29分、CKの混戦から西村が得点をもぎ取り、1-0で試合を折り返した。後半は終始相手の猛攻を受け続ける時間が続く中、隙を1ミリも見せず守備陣を中心に跳ね返し続ける。しかし、後半ロスタイム。時計は目安の5分頃、浮き玉をゴール前に送られるとGKと逆方向に撃ち込まれて失点。1-1に追いつかれ試合終了を迎えた。優勝が途絶えた訳ではないが、あと僅かに迫った優勝がまた少し遠ざかり、チームは悔しさに包まれていた。泣いても笑っても次節で全てが決まる。相手は去年、一昨年王者の関学大。直近4年間の1部所属チームで唯一白星を挙げていない相手だ。初優勝をするために1つ1つパズルのピースを埋めるように勝利を重ねてきた今季、最後のラストピースを埋めるべく最終戦を迎えた。
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舞台は舞洲。海が近く時折風が吹き、冷たい雨が降るコンディション。気候とは裏腹に熱くアップを行うチーム、今節はゴール裏に用意された応援席からもチャントが飛び交う。これから戦う90分で最高のパフォーマンスを発揮するために真剣に準備を重ねる。
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アップを終え、スタメン11名がユニフォームに着替えてピッチに再び現れる。「顔つきも変化してきた」と古井総監督。前期最終節から一度も順位を落とすことなく首位に居続けた京産大。ピッチに向かう表情は凛々しく、自信に溢れる戦士の目つき。ここまでの数字や成績が自信となり、漂う風格に結びついている。
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今季最後のリーグ戦、関西での試合。スタメンはGK山本、DF大串・横窪・西村・西矢、MF川上・伊藤・福井・食野・夏川、FW中田と今季多くの試合でスタメン出場をしてきた経験豊富なメンバーが並んだ。その中でも4年次生がスタメンに7名、ベンチにも2名名前を連ねた。「この先の京産大に残るものを創り出す」と意識しピッチ内外でチームを牽引し続けた4年次生。31年ぶりインカレ出場の歓喜、コロナでサッカーができない苦しさ。喜び、悔しさ、様々な感情を味わい続けた。ここまで78試合、この関西リーグで成長を続けてきた4年間。まずは関西の集大成を見せるべく試合に挑む。
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試合開始直前。いつの間にか、雨も止んだ。会場には学生リーグ所属大学や両チームを応援する方々や家族が応援に駆けつけ、いつもよりも多い視線がピッチに降り注ぐ。優勝するのは京産大か、関西大か。101回大会の結末を決める試合がキックオフ。慎重な立ち上がり、常にボールを保持できなくとも冷静に得点機を伺う。しかし、前を向き仕掛けようとしても相手の中盤に刈り取られ、福井・夏川の両サイドからの仕掛けが思うように通用しない場面が多々見られた。難しい状況でピッチを指揮するのは食野。ひとつのパスで相手の守備を突破し攻撃の形を描く。関西1部の選手たちからもどよめきが起こる。食野を中心に右サイドの大串・福井のガンバトリオが阿吽の呼吸で守備を掻き回す。3人で細かく繋ぐと最後は福井がシュートまで持ち込む。枠は捉えられなくても相手に通用する1つの形を作り出す。
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前半も残り時間が少なくなってきた。一進一退の攻防が続き、スコアレスで折り返すと思われたが、速いカウンターを受ける。左から右へと大きく揺さぶられると最後はGKと逆方向に仕留められ失点。前半終盤、痛恨の失点。今季、先制点を許した試合で勝利を挙げることができたのは1試合のみ。「先制点が大事になる」と川上も話していたように、京産大の勝利の方程式は先制点を奪うこと。しかし、新たな王者になるには新たな方程式が必要。1-0をひっくり返すために残りの45分を迎えた。
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後半の立ち上がりはリズミカルに攻撃を組み立て、相手ゴールに襲いかかる。まずは1点を追いつき試合を振り出しに戻す。起死回生の同点弾を生んだのは、やはり10番だった。相手がクリアしたボールは主将の前に転がった。ここぞという時、チームに勢いをもたらす得点を決め続けてきた食野。自他共に認める努力家の右足で振り抜くとゴールネットに突き刺さった。後半の立ち上がりに追いつく、値千金の同点弾。真っ先にベンチに向かいハグを交わす。京産大の優勝条件は引き分け以上。追いついたことにより、優勝が近づいた。しかし、目指すは白星のみ。勝利を掴むための追加点を奪うために切り替えて、残りの時間に挑む。
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後半は守備陣の活躍が目立った。CBの西村、横窪が身体を張って空中戦を制し、相手のクロスボールを対処しシュートを打たせない。最後尾に立つ山本は好セーブを連発。「少しのミスで失点してしまうのが悔しい」と今季クリーンシートに抑えたのは5試合。悔しさを抱えながら、もがいて鍛錬を重ねてきた守護神がこれまでの悔しさを晴らすように、鮮やかなセーブで会場を魅了する。パンチング、キャッチ、長い腕を存分に伸ばしてセーブ。観客席から感嘆の声が山本に降り注ぐ。「自分が失点しなかったらこのチームは勝てる」(山本)。これ以上の失点は俺が許さない、あとは前線の選手に勝利を託すと言わんばかりのプレーを披露。ピッチ内に好プレーの波は伝染する。守備陣が好プレーを見せると、次は攻撃陣へ。それぞれの立場から勝利を掴むためのプレーを選択し相手を揺さぶり続ける。
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後半36分に食野と中田を代えて城水と中野が投入された。前線にフレッシュな選手を入れ、活性化させる。キャプテンマークを引き継いだのは川上。誰よりも勝利へ熱い思いを持つ主将の想いはピッチに残ったまま。「全員で優勝を」時間も残り少なくなってきた。後半43分、劇的な瞬間が訪れる。

左サイドの夏川が送ったクロスボール、一瞬の静寂の後に聞こえてきたのは歓喜の声。クロスボールがオウンゴールを誘発し、試合終盤の劇的な逆転ゴールを生んだ。もみくちゃになり喜びを爆発させるチーム。大きな大きな追加点、あとは守り抜くだけ。前節の悔しい引き分けを経験したチームに隙はない。リーグ終盤で身体もボロボロの状況で気持ちを全面に出してゴールを守り続ける11人。ロスタイムも目安の時間を過ぎる頃、ベンチでは祈るように試合を見つめる食野の姿があった。相手のクロスボールがゴールラインを割った。運命の時が近づく。ボールをセットし数歩後ろに下がる。助走をつけて山本が大きくボールを蹴った瞬間、長く待ち侘びた笛が鳴った。2-1、京産大の創部初優勝を告げる笛がピッチに大きく響き渡った。
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優勝が決まった瞬間、チームの目は涙で光っていた。スタッフ陣も一緒になり、喜びを噛み締める中、食野は立ち上がることができず腕で目を覆っていた。吉川監督に起こされたその目には涙。優勝するために京産大に入学してきたと東京V内定会見で古井総監督が話した通り、1年次生から試合に出続け主力として、京産大の看板選手として戦ってきた4年間。「入学してほんまに色々苦しいこととかきついことが多かった中で4年目の最後で優勝っていう最高な結果」。初めて見せた涙に思いがこもっていた。
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直後には閉会式が開催され、賞状、盾、トロフィーを主将陣が受け取った。その後に続いて最優秀監督賞が発表。吉川監督の名前が呼ばれると誇らしげに拍手がチームから送られる。京産大を卒業後はカターレ富山などでプレーし、育成年代のコーチも務めた経験豊富な吉川監督。昨年度、京産大に12年ぶりにコーチとして帰ってくると、今季から監督に就任。開幕前に話したことは「京産大のエンブレムに価値を持たせたい」ということだった。強豪校のエンブレムを見れば「〇〇大のサッカー部」と分かるように、京産大のサッカー部のエンブレムを多くの人に知ってもらう。そして、在籍した部員、卒業した部員がサッカー部に誇りを持てるようにと躍進し続けた結果、就任1年目でリーグ優勝という偉業を成し遂げた。試合終了直後、古井総監督と吉川監督が抱き合っていた。在学当時は監督と選手の関係性だったが、今は2人ともチームの舵取りをする立場。しかし、目に涙を溜めて抱き合う姿は教え子と監督の姿に見えた。選手だけでなく、コーチ陣にとっても悲願の優勝だった。
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表彰式を終え、トロフィーらを手に抱えて主将陣が戻ってくるとトロフィーリフトが行われた。食野、佐藤、古井総監督が掲げる中、石原が掲げると恒例(?)の周囲は無反応をみせ爆笑する一面も。その後に選手らは続々とコーチ陣の元へ駆け寄ると胴上げ。古井総監督と吉川監督、時久コーチが歓喜のウォーターシャワーと共に3回宙に舞った。
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チームは続々と最高です!とコメントを残した。ここまでたどり着くために無駄だったものはひとつもない。京都選手権、関西選手権の敗戦、歓喜の7連勝、残りワンプレーの悲劇。全てはこの日を迎えるために必要だった試練。流した涙は地面に染み込むだけでなく、自身を再び奮い立たせるパワーになっていた。とっぷり夜に染まった舞洲の空にカンピオーネの歌声が響く。新たに手にした関西1位の称号と共に京都へと戻る。さあ行こうぜどこまでも 走り出せ 走り出せ 輝く俺たちの誇り京産。次に目指すは日本一、信頼する仲間たちと共にその瞬間が来るまで足を止めない。【福田明音】
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「📸ゴール裏から 番外編」
初めて京産大のサッカーを見たのは2020年10月18日の関学大戦。初めて取材をしたのは食野選手。優勝を決める大一番、関学大と対戦し食野選手が復活の同点弾を決めて初優勝に輝く。巡り合わせを感じる1日でした。振り返れば、リーグ59試合を取材。毎週末試合に足を運んで、平日は写真整理と執筆に追われる。「もっと遊んだらいいのに」と言われることもありましたが、何よりも彼らの軌跡を記録することが楽しかった。シーズン中はパソコンとにらめっこする日々が幸せで、いつかを夢見てがむしゃらに活動してきました。悔しくて涙が溢れた試合も、嬉しくて帰り道スキップしちゃうような試合も、全てはこの日のためだと心底感じる1日でした。2023年11月12日、日本で1番幸せな学生記者だったんじゃないかなと思います。2023年12月24日、もう一度トロフィーを掲げるその時まで、担当記者を務めさせてください。初優勝、おめでとうございます!(福田明音)

【試合後のコメント】
主将 食野壮磨選手
最高です。ラストワンプレーぐらいから急に涙が込み上げてきて、グッときた感じ。入学してほんまに色々苦しいこととかきついことが多かった中で4年目の最後で優勝っていう最高な結果
副将 川上陽星選手
みんなの力で勝てて嬉しいです。プレッシャーもあったんですけど、それに打ち勝てる実力が僕たちにはあったので、それをこのピッチで体現できたことが優勝に繋がったかと思う。取り組みが実った優勝かな。
副将 佐藤幸生選手
最高ですね。とりあえず願うことしかできなかった。途中で出ないってなってからは願うことしかできなかったので、ずっと願ってました。ここまで結果出たのも1月から始まったきつい練習とかがあったおかげやし、きつい時もみんなでポジティブにやれたっていうのがいちばんの要因やと思う。サッカーが上手いとか下手とかじゃなくて、ポジティブにどんなきつい練習も取り組めたっていうのが優勝に繋がったかなって思います。

【サッカー部】一心不乱に戦った頂上決戦はドロー決着に

第101回 関西学生サッカーリーグ(後期)
第10節 関西大戦(2023年11月5日)

勝てば優勝が決まる大一番。首位・京産大、2位・関西大の頂上決戦、前半に西村の得点で先制に成功するも、後半ロスタイムに失点。前期と同じく悔しさの残るドローで優勝決定は最終節に持ち込まれた。
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【スターティングメンバー】
1 GK 山本 透衣(4年=コンサドーレ札幌U18)
16 DF 大串 昇平(3年=ガンバ大阪ユース)
5 DF 横窪 皇太(3年=金光大阪高)
4 DF 西村 翔(4年=ガンバ大阪ユース)
2 DF 西矢 慎平(4年=神戸弘陵学園高・カターレ富山内定)
6 MF 川上 陽星(4年=作陽高)
32 MF 伊藤 翼(1年=セレッソ大阪U18)
7 MF 福井 和樹(4年=ガンバ大阪ユース・SC相模原内定)
10 MF 食野 壮磨(4年=ガンバ大阪ユース・東京ヴェルディ内定)
11 MF 夏川 大和(4年=草津東高)
13 FW 中田 樹音(3年=岡山学芸館高)

【サブメンバー】
12 GK 林 憲太朗(3年=滝川第二高)
3 DF 佐藤 幸生(4年=サンフレッチェ広島ユース)
25 DF 楠瀬 海(3年=高知高)
15 MF 石原 央羅(3年=サガン鳥栖U-18)
18 MF 掛見 直央(3年=東山高)
28 MF 滝口 晴斗(1年=サンフレッチェ広島ユース)
29 MF 末谷 誓梧(1年=セレッソ大阪U-18)
8 FW 中野 歩(4年=ガンバ大阪ユース)
49 FW 新川翔太(3年=長崎創成館高)

【交代】
後半31分
中野歩中田樹音
後半35分
佐藤幸生食野壮磨
後半45分
楠瀬海夏川大和

【スコア】
前半 1-0
後半 0-1
結果 1-1

【試合内容】
いよいよ、この舞台まで上り詰めた。勝てば優勝が決まる天王山、誰一人として経験したことのない大一番だ。前節同志社大に勝利し、優勝遠のく連敗から復活の連勝を果たした京産大。プレッシャーのかかる試合の前でもやることは変わらない。「90分間を全力で戦い抜く」。試合前の吉川監督、主将の食野から言葉が聞こえて来る。勝利後の栄光を描くのではなく、まずは90分で勝利することを意識して京都から遠く離れた熊取、大阪体育大学に乗り込んだ。
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アップ中に漂う雰囲気は大一番を前にしても変わらなかった。リラックスしながらも、スイッチが入ると真剣な眼差しに変化。良い緊張感で身体を温めていると、Bチームの4年次生、中野領太(4年=京産大付属高)、舞田翼(4年=京産大付属高)の姿が。BCチームもバスに乗って応援に駆け付けた。2人の姿を見つけると、嬉しそうな笑顔を浮かべ、グーのポーズでタッチを交わすAチームの4年次生たち。同期からのエールを受け、試合開始を迎えた。
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スタメンは前節と固定のメンバー「常に最善のメンバーを」と話していた吉川監督。攻守ともに多くの試合で経験を積み、実力を備えた面々が並んだ。集合写真撮影時、恒例の西矢の掛け声。「さぁ今日も“全員”で勝ちましょう!54321!」。ピッチに立つ者だけではなく、スタッフ、応援も含めて“全員”で勝つ。熱い思いを胸に円陣を組み、京産大のキックで試合が始まった。
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立ち上がりの失点が課題となっている京産大。連敗を喫した試合では立ち上がりに先制を許し、そのまま敗戦に終わった。敗戦からも学びを得て、成長してきた彼らに1ミリの隙も無かった。空中戦はCBの横窪と西村が対応し、クロスボールを上げられるかギリギリの攻防は両SBの西矢と大串が対応。シュートを打ち込まれても山本が立ちはだかり、キャッチとパンチで跳ね返し続ける。
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一方で相手の守備陣を崩せずに苦しむ時間が続いた。現在リーグ最少失点の関西大、CBの髙橋、木邨のツインタワーに攻撃を刈り取られシュートまで展開できない。京産大の応援からも「4番(髙橋・関西大)うまいなぁ!」と声がかけられるほどだった。京産大の4番と関西大の4番は互いに4年次生、そしてガンバ大阪ユース出身。互いの意地がぶつかり合い、激しい攻防が繰り広げられる。

両者の固い守備、先に崩したのは京産大だった。前半29分に獲得したCK、左サイドのボールを西村が頭で押し込むもブロック、セカンドをPA右から西矢が打ち込むもセーブされる。チャンスを逃さず、諦めなかった京産大、最後はゴール前の混戦から西村が決めた。右人差し指を天高く掲げ、向かった先はベンチ。全員が集まり喜びを爆発させる。西村は今季2得点目、前期第4節の阪南大戦以来の得点。前回同様にCKから大きな仕事をこなしてみせた。両足にはテーピングが広範囲に巻かれている。リーグ戦も終盤、「あと数試合は何とか」と身体もボロボロの中、身体を張り続ける京産大のDFリーダーが大きく試合を動かした。
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前半の良い時間帯に先制することに成功した京産大。先制後も高い強度で相手の守備を跳ね返し続け、攻撃時には食野がピッチをコントロールし、追加点を奪いにかかる。全員が今まで以上の集中力を元に、今季最高のパフォーマンスを発揮し続け1-0の1点リードで試合を折り返した。

いつものように円陣を組み、互いにハイタッチしてから迎えた後半。耐えて、耐えて、耐えしのぐ45分になった。立ち上がりから連続でCKを3本与え、ポストにシュートが直撃する、肝を冷やして後半が始まった。終始、関西大ペース、クリアをしてもセカンドを拾われ攻撃につなげられる。そして、一度CKを与えると連続でCKやFKになり、セットプレーを受け続ける展開。一瞬の油断が失点につながる、緊迫した空気が流れる中、ピッチから聞こえて来るのは「全員でやるぞ!」という言葉だった。ポジション関係なく、まずはボールマンに着いて簡単にゴールに近づけない。クロスが上がると、前に大きいクリアでゴールから遠ざける。ギリギリの状況で相手の猛攻を防ぎ続け時間が過ぎていく。攻撃の時間はほぼ無く、ワンサイドゲームの形で試合は進む。
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何とか耐え続け、残り時間も短くなってきた中、35分にCBの佐藤を投入。前節同様に5バックで守備を固めると、45分にはMFの夏川を下げて、SBの楠瀬を投入。6枚のDFを配置し、今季初めて守備陣で守りを固める布陣となった。守備陣を固めながらも、山本が好セーブを連発。42分に山本と1対1という危機的状況を伸ばした左手でシュートの勢いを弱めると、覆いかぶさるようにしっかりとキャッチ。互いに声をかけ続け、油断は1ミリも無かった。その瞬間までは。
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表示されたロスタイムは5分。このときスコアは1-0でリードを保っていた。すなわち、優勝まであと5分。最後までFKとCKでセットプレーを与えるものの、しっかり守り抜き、王者へのカウントダウンが始まっていた。しかし、最後のワンプレー。守備が手薄になっているタイミングで浮き球をゴール前に送られると、GKと逆方向に打ち込まれた。1-1。倒れ込む山本、この時手元の時計では目安となる5分を指す頃。あとわずかに守り抜くことができなかった。試合再開後、長い笛が鳴りピッチに倒れ込む両チーム。まさに死闘、激闘の90分の結末は勝ち点1を分け合う結果に終わった。
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守れなった悔しさを吐き出すように、叫んだ横窪。立ち上がれない山本、西村。楠瀬に背中を支えられる西矢。限りなく負けに近い引き分けに終わったかのように、無念に包まれるチーム。わずかに届いた関西王者の栄冠はまた少し遠ざかった。関西1部リーグ、そう簡単に優勝できるリーグではない。

いよいよリーグ戦も次節で最終戦を迎える。優勝の可能性があるのは、京産大、関西大に絞られた。京産大は他チームの結果の影響に関わらず、最終節に対する関学大に引き分け以上で優勝が決まる。大一番はまだ続く。4年次生含む全学年、関学大に勝利したことがない。リーグ2連覇の関学大、今年の関西選手権の王者でもある。関西選手権終了後に食野は「関学に全部持って行かれるのは何としてでも阻止したい」と話した。動員試合、関西最終戦、唯一勝てていない関学大。舞台は揃った、最大の宿敵を打倒し新たな王者になれる最高の場所。最高の準備をチームは続ける。
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ここまで21試合、悔しさも喜びも学生リーグで存分に感じ続けてきた。最後の最後まで何かをかけて戦うことはこの4年間なかった。4年次生は関西最後の試合、チームに何を残すか、残せるのか。成長を続けてきたこのリーグ戦で全てを出し切り、90分後に新たな歴史を創り出す。大観衆が見つめる中、今季積み上げてきた京産大のサッカーで会場を魅了し、新たな一歩を踏み出す。関西最後、笑って終わろう。(福田明音)

【サッカー】今季3度目の京都合戦は京産大に軍配があがる!!頂点まで、あと少し。

第101回 関西学生サッカーリーグ(後期)
第9節 同志社戦(2023年10月29日)

インカレ出場が決定した京産大。優勝に向けて負けられない京都合戦は3試合ぶりに先制に成功し、2-1で勝利をつかみ取った。
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【スターティングメンバー】
1 GK 山本 透衣(4年=コンサドーレ札幌U18)
16 DF 大串 昇平(3年=ガンバ大阪ユース)
5 DF 横窪 皇太(3年=金光大阪高)
4 DF 西村 翔(4年=ガンバ大阪ユース)
2 DF 西矢 慎平(4年=神戸弘陵学園高・カターレ富山内定)
6 MF 川上 陽星(4年=作陽高)
32 MF 伊藤 翼(1年=セレッソ大阪U18)
7 MF 福井 和樹(4年=ガンバ大阪ユース・SC相模原内定)
10 MF 食野 壮磨(4年=ガンバ大阪ユース・東京ヴェルディ内定)
11 MF 夏川 大和(4年=草津東高)
13 FW 中田 樹音(3年=岡山学芸館高)

【サブメンバー】
12 GK 林 憲太朗(3年=滝川第二高)
3 DF 佐藤 幸生(4年=サンフレッチェ広島ユース)
25 DF 楠瀬 海(3年=高知高)
30 MF 田代 紘(1年=ヴィッセル神戸U-18)
15 MF 石原 央羅(3年=サガン鳥栖U-18)
14 MF 城水 晃太(3年=サンフレッチェ広島ユース)
28 MF 滝口 晴斗(1年=サンフレッチェ広島ユース)
8 FW 中野 歩(4年=ガンバ大阪ユース)
49 FW 新川翔太(3年=長崎創成館高)

【交代】
後半35分
中野歩中田樹音
後半43分
城水晃太夏川大和
後半45分
佐藤幸生城水晃太

【スコア】
前半 1-0
後半 1-1
結果 2-1

【試合内容】
前節の大経大戦の勝利により、関西1番乗りでインカレ出場権を掴み取った京産大。「インカレ出場はマスト。関西第一代表でインカレに向かえるように」と次なる目標に照準を合わせている。

中3日で対するは今季3度目の対戦となる同志社、会場はたけびしスタジアム。1度目は京都学生サッカー選手権の決勝戦で激突。PK戦の末に敗れ、悔しさを存分に味わった。2度目は関西選手権の中断明けの前期10節で激突。前半2分先制に成功すると続々と得点し圧巻の7得点で快勝した。今節は互いにリーグ優勝とインカレ出場をかけて戦う。勝負の行方はいかに。
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前節からメンバーの入れ替えはなし。連敗を脱出した勢いそのままに試合に挑む。開始からFWの中田を筆頭に積極的に襲いかかる姿勢を見せた。一方で守備では相手のストロングポイントであるロングスローからチャンスを作られる。立ち上がりに痛恨の失点を受け続けてきた京産大に隙は1ミリもない。高さのあるCBの西村と横窪が空中で攻撃を跳ね返し、決定機を簡単に与えない。立ち上がりの失点が直近の課題となっている中、しっかりと連携を図り先制を許さなかった。今節は自分たちが先制点を取る、と言わんばかりに一度流れを掴むと猛攻を見せる。CKから食野が放ったシュートはバーに直撃。川上が大串にパスを送るとゴール前に走り込む。再びパスを受けシュートを打つなど相手を揺さぶり続ける。試合が動いたのは京産大が誇る二台巨頭のコンビネーションから。福井がドリブルで前進し中央の食野へパス、福井が再びボールを受けるとアウトサイドでシュート。テクニックに自信のある福井だから決めることができた難しいシュート。アシストの食野も「和樹のスーパーゴール。この順位にいるのはそういう選手がいるからこそ」と振り返る。福井はこれで10得点目、そのうちの4点が先制点。「チームが勢いをつけるには自分の得点が大事」と背負う期待に応えてみせた。
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互いに気持ちがぶつかり合う展開。時には激しいプレーで試合が少しストップする瞬間も多々あった。途切れた合間に近くのポジション同士で確認するように、コミュニュケーションを取る姿があった。「集中力を切らさずに流れを切る。この3試合を中途半端に細かくやりすぎてカウンターに繋がったりしてたので、それは無しやぞっていう話を」。前半を1-0、守備も隙を与えず良い形で折り返した。
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後半の立ち上がりにベンチから飛び交う「集中しろ!」。もう一度入り方からリスタートするべく、後半45分に挑んだ。開始から福井のシュートがバーに直撃。1点じゃまだ足りないと攻撃陣の勢いが見えてくる中、後半11分にネットが揺れた。Pエリア中央でパスを受けた夏川がドリブルでシュートまで持ち込み追加点。今季7ゴール目とラストイヤーで大暴れ中の選手の1人だ。「落ち着いて流し込むだけで上手く決めれた」と鮮やかに得点を重ねた。
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しかし、得点から3分後にスローインの混戦から失点。1点差に詰められ、少し相手に流れが傾き我慢の時間が続く。後半34分には中田に代えて中野を投入。左サイドからスピードのあるドリブルでゴール前まで駆け上がるとシュートを放つ。枠は捉えられずとも、試合終盤にフレッシュなスピードのある選手は相手の脅威となる。続く後半43分には夏川に代えて城水を投入。しかし、交代直後のプレーで相手選手と頭を接触し、交代を余儀なくされるアクシデント。最後のカードで投入されたのはDFの佐藤だった。「夏ぐらいから、5バックで守備的にという部分はトレーニングマッチとかで少し試していた。残り2試合、しぶとく勝ち点取らないといけない状況が出てくる。佐藤を入れて5枚にしてほしいとピッチからも要求があったんで、そこはうまく外と中でマッチできたかなと」。5バックで守りを固め、何としてでも勝ち点3を取りに行く。アディショナルタイムは3分、残り時間が少なくなっていく中で大きくクリアするプレーが続いた。「とにかく勝つためにやる。相手が嫌がることをやる」(吉川監督)。そんなプレーたちが結末を引き寄せた。試合終了の笛が鳴ると笑顔を見せたチーム、主将の食野はピッチに倒れ込み勝利を噛み締め、副将の川上・佐藤と熱く、熱く抱き合っていた。前日の第9節で関西大が勝利していたため、勝たなければ首位陥落してしまう状況下。大きな大きな勝ち点3を手にした。
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「誰かのために戦うのがこのチーム」。ひとつ背負うものが増えた。この試合の前日と当日午前中に行われたIリーグ決勝トーナメント。京産大BとCが敗戦し、今季の活動が続くのはAチームだけとなった。前日に神山球技場で行われた京産大Cの試合にはAチームの選手らが応援に集っていた。目の前で同期の大学サッカーの終わりを見届け、試合終了後にはCチーム主将の木戸から「僕たちの分まで」と言葉をかけられていた。「(同期が)悔しい思いをして引退していった。そういった選手の分まで戦う義務があるし、戦わないといけない」(食野)。今節終了後、4年次生が真っ先に向かったのは主務の豊永の元だった。豊永はBチームの選手とチームの主務を兼任。この日びわこ成蹊スポーツ大学で行われた京産大Bの試合にもスタメンで出場。悔しい感情を抱える中、たけびしスタジアムに移動しAチームの勝利を見届けた。戦いを労うように、やってやったぞと誇らし気に、温かい笑顔で豊永と抱き合う。負けられない理由が増えた。チームのために、仲間のために、見たことのない景色へと残り2試合を力強く1歩ずつ丁寧に昇っていく。
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次節、京産大は勝利すれば無条件で優勝が決定する。トロフィー、頂点は目前。誰もが経験したことのない舞台へと挑む。「優勝が懸かってるとか取っ払って次も勝つ」(食野)。「今までいろんな練習を積み重ねてきた。来週1週間も継続してやれば結果はついてくると思う」(佐藤)。「立ち上がりをすごく大事にしながら、関大よりも良い準備をして1週間準備して挑みたい」(川上)。主将陣は力強く次戦に向けて語った。あと1歩のところで涙を流してきたシーズン。春の京都選手権、決勝でPK戦の末敗戦、京都FA杯は初戦で敗退、関西選手権はベスト8で敗退。追いかけてきた目標の背中を捉えても置いていかれる、そんな悔しい思いを感じ続けてきた。だが、悔しさを味わい、踏ん張り続けてきたから、今この順位に立っている。過去があるから今がある。歴史を動かす時が来た。新たな歴史を仲間たちとともに創り出す。(福田明音)
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【試合後のコメント】
吉川監督
ー前節終了後、この先したたかな部分が必要という話があったが
2得点した後のゲームコントロール、もう少し自分たちが相手の勢いに飲まれることなく、コントロールしながら、2-0の時間をもう少し長くできれば。したたかさの部分は、課題ではあるんですけど、 2-1になってから最後の5分、10分をしっかりと凌ぐところを凌ぎながら、時間を使いながらは、うまくできたかな。後期のリーグは勝っても負けても1点差。そういったところの積み重ねが、選手たちも最後、踏ん張りどころの10分とかっていうところも、意思疎通しながらできてる部分でもある。後期リーグの積み上げ、 厳しい中でも勝ってきたっていうところが、1つ成果になってきてるかなっていう風に思います。
ー終盤の時間帯、普段よりも、前へクリアしていく形が多かったが
風が思ってたより強くて、なかなか進もうと思っても進めなかったり、芝生の状況もゴロの長いパスとかは通りにくい、緩くなるっていうところもあった。前線で起点を作るような感じで、とにかく勝つためにやる、相手が嫌がることをやる。自分たちのサッカーじゃない部分を伝えながら、ラストの10分やっていた。相手が嫌なことを継続するために、長い部分を使いながらっていうのは、1つ勝負に徹するっていう部分では、大事な部分かなと思います。
ー負傷交代の城水選手に代わって入った佐藤選手について
夏ぐらいから最後に佐藤を入れて、5バックにして守備的な形を。トレーニングマッチとかでは少し試していたので、最後の最後、残り2試合ですけど、しぶとく勝ち点取らないといけないみたいな状況が出てくる。佐藤にも、そういう状況だったら入ると伝えていた。選手たちも、逆にそれを欲していた。佐藤を入れて5枚にしてほしいと中からも要求があったので、うまく外と中でマッチできたかなと。
ー相手のロングスロー対策について
とにかくボールを、ゴールを横切らせない。何回スローイングになってもいいから、とにかく来た方向にボールを跳ね返す、原理原則の部分を怠らないところ。あとは、スローイング、コーナー、フリーキック、1個1個を積み上げて守っていくところが大事になると言っていた。ただ失点が、崩れるきっかけみたいな感じになってくると思う。こぼれ玉みたいな状況だったので、あの場面でも足を動かし続けて、最後のこぼれ球が、相手に行くんじゃなくて、自分の方に転がってくるような準備っていうのが、できればいいかなと思います。
ー攻撃陣、得点シーンに関して
2点とも壮磨がアシスト。今週のミーティングでも後ろの選手が、サイドバックとかボランチが関わらずに、前の4人で攻撃を完結できるなら完結してほしいっていう要求を今週のミーティングでもしていた。その中でも、壮磨がアシストの和樹、壮磨がアシストの大和、本当に要求通り。 後ろの選手は、ちゃんと守備の陣形を整えながら待てる、攻撃を待てるみたいな状況で言うと、いい得点になったかなと思います。
ー守備時のセットプレーでは、特に声をかけ合う姿が多かったようにみえたが
相手のストロングが分かってたのと、相手のストロングのセットプレーを凌ぐことができれば流れがこっちに来る。相手はスローイング含めてのセットプレーで流れを掴みたいところを、自分たちが守れば、流れが来ると話をしていた。中での集中力とか、セットプレーに対しての重みっていうのは、もっとやってたかなと思います。
ー勝てば優勝が決まる次節の関大戦へ向けて
わかりやすく、勝てば優勝。最終節待たずに。そういう舞台、そういう立ち位置に入れるのは、もう彼らの1年の頑張りだと思う。本当にいい相手、いいシチュエーション。重要な一戦っていうのはもう間違いないと思う。残留争いしてるとか、何もインカレもがもかかってないみたいな、優勝もかかってないっていう一戦よりも、本当に優勝がかかった一戦をできるっていうのは喜ばしいことなので、ほんとにいい緊張感を持って、また1週間、トレーニングを積みたいなっていう風に思います。
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主将・食野壮磨選手
―この勝利の意味は
関大、関学が前に勝ってる中で迎えて、絶対に勝ちが必要な状況。結構プレッシャーもあったけど、1試合1試合この90分に全てをかけようっていう思いをみんなが持って挑んだので、全てをかけて戦えたのは良かったのかなと思います。
―先制点が一つのポイントに
あれは和樹のスーパーゴール。あそこで仕留められる選手がうちにいるっていうのが非常に大きいし、この順位にいるのはそういう選手がいるからこそだと思う。あれは本当に俺のパスというより、彼のクオリティの賜物かなと思います。
―2試合で4アシスト
2連敗した時は自分がどうしても前に出ていけなかったりとか、ゴールに直結するパスとかシュートが無かった。この2試合は数字が出せてるのはポジティブなところではあるけど、もっと自分自身で仕留めるところをもっと意識していかないとなって思います。
―プレーの合間に積極的に話している姿が印象的
細かいところは隣の選手同士で話しながら。全体的には集中力を切らさずに1回流れを切る、大きなはっきりしたプレーでも良い。中途半端に細かくやりすぎて、3試合はカウンターに繋がったりしてたので、それは無しやぞっていう話は本当にしました。
―試合終了の時に頭に浮かんだこと
優勝よりも90分を勝つことを目標に今日はやってたので、そこはやっぱり応援の力も含めて自分たちの力になったのでそれが出し切ったかなと思います。
―B,Cチームのシーズンが終了し背負うものが大きく
毎試合毎試合応援に来てもらってるBCチームの選手の思いを背負って戦うっていうのはずっと言ってる。なかなかAチームの選手がBCの応援に行けなかった中、昨日引退したところを俺たちが見届けられた。やっぱり、試合にかける思いはすごい伝わってきたし、良いものを見せてもらったと思ってるので、そういう思いを持って今日は個人的には試合に臨んだ。今日はBの選手の最後は見れなかったけど、悔しい思いをして引退していったと思うので、そういった選手の分まで戦う義務があるし、戦わないといけないと思います。
―関大戦に向けて
優勝が懸かってるとか取っ払って次も勝つ、次の90分をしっかり勝ち切る意識で全員が他叩けるように今週も良い準備をしていきたいなと思います。
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副将・川上陽星選手
ー試合を振り返って
どの試合も優勝に向けて大事とスタッフ選手含めて全員が認識してる。優勝っていうところはあるけど1試合1試合全員が目の前の試合、目の前の相手に負けない。全員が理解してやって、そこが気持ちの入ったプレーとかに繋がったと思います。
ー1点差を勝ち切ることはチームの成長に
先制点を取るのがこのチームの大事なところ。先制点を取られてしまうと守り固められてしまったりする。自分たちが先制した試合は、ほぼほぼ勝ててるんでそこが大事と僕自身もチームも思ってて、全員が意識したら絶対次の試合も勝てると思います。
ーここまでの自分のプレー
数字を残せるプレーも全然あるんですけど、自分がチャンスをものにできない。今日のプレーもやし、2連敗した時のプレーもやし。やっぱり最近自分の中で上手くいってない部分がある。やっぱり優勝がチームの目標としてあるので個人の評価より、チームが勝つためのプレーを選択していかないとと思ってる。中盤の僕とか翼とか壮磨が簡単に負けてしまったりとかすると、負けたりする。自分の今シーズンのプレーは正直あんまり満足してないけど、チームのみんなに助けてもらってるのと、チームのためにと心がけてやってる。数字は残したいより残さないといけないと思っていて、チャンスが来た時に決めきるとか、今日もチャンスがあって先制点を決めれてたらもっと楽になった。そういったところが全然自分ではダメ、チームに守備のところとか球際で絶対に負けないとかチームのために貢献したいと思っています。
―終盤まで首位のプレッシャーは
やっぱりプレッシャーは僕もそうですし、全員が感じてる部分だと思う。こういった経験がないから、自分たちが初めての感覚だし緊張はあるけど、だからこそ1試合1試合目の前の相手だったり目の前の試合にかけるのを最近みんなで認識してて。2敗したんですけど立ち直せた要因かなと思います。
―大学でサッカーを引退するのか
大学で終わります。自分が続けない続けるどうこうより、このチームは力があると思うので絶対優勝しなければいけない。今年僕たちは優勝という結果もそうだし、これからの京産大に残っていくものをテーマにしてて。そういったところは4回生の振る舞いとかが大事になってくると思うので、優勝したいっていう思いは全員が強いので、ここは後少しなんですけど頑張っていきたいと思っています。
―次戦に向けて
本当に相手も2位、天王山っていうか首位決定戦みたいな感じになる。本当に相手が勢い持ってやってくると思うので、先制点がすごく大事になってくる。立ち上がりのプレーの選択は自分自身も考えなければならないし、チーム全体で考えなければいけないと思うので、立ち上がりをすごく大事にしながら関大よりも良い準備をして1週間準備して挑みたいと思います。
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副将・佐藤幸生選手
ー試合を振り返って
何としてでも同志社には勝ちたかった。京都選手権負けてて何としてでも勝ちたくて。いつも出れなくてもやれることは全力でやろうと思ってやってて、アクシデントもあって試合に出ることになったけど、ピッチに立っても自分にできることをやるだけで、結果的に勝てたのでめっちゃ嬉しいです。
ーアクシデントもあったが復帰戦
緊張とかもあんまりなかったし、ロングスローとかセットプレーが続いていたので、そこを集中するのとロングキックとかでシンプルに相手もやってきたので、そこの対応をしっかりしようと。あとはチームの雰囲気。最後までしっかり締めるところの声かけを意識して出ました。
ー試合後に主将陣でハグを
今日は絶対勝ちたかった。今日はっていうか毎回やけど、同志社には絶対に負けたくないと思ってた。その気持ちが爆発した。
ー次戦に向けて
今までいろんな練習を積み重ねてきた。来週1週間も継続してやれば結果はついてくると思う。やることしっかりやって臨みたいなと思います、
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夏川大和選手
ー試合を振り返って
今日の同志社戦をするにあたって、この後の2試合が大事だったけど今日勝たないと関西優勝が見えてこなかった中で、2-1っていう結果でしぶとく勝てたことがよかったなと思います。
ー大きな2得点目をあげたが
いつも壮磨からああいうパス出てきて外す場面が今シーズン通して多くて。それを自主練してた時もあるし試合前とかに透衣から相手のキーパーの特徴とか聞いてて、あとは落ち着いて流し込むだけで上手く決めれたかなと思います。
ー今季7ゴール目
後期リーグなってからは得点とかアシストは前期に比べたらまだまだ足りないと思うし、大事な試合で今日の得点取れてるっていうのは自信に繋がってると思います。
ー次節に向けて
関大の後に関学が控えてるけど、関大で優勝を決めるつもりで今週の練習やっていきたいと思うし、全員がいつ出てもいいプレーができるのがチームの強みだと思う。次勝って優勝決めたいです。
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山本透衣選手
ー今日も追い上げられる展開となったが
まず、絶対前半の早い時間帯に失点しないっていうのは、チームで徹底しようっていう話をしてて。 やっぱりここ2、3試合は先制されて苦しい試合になった。まず、前半を1-0で折り返したことが、チームに良い勢いをもたらしたかなって思ってて。 2点取って、1点取り返されたけど、前回ほどやられる感じはしなくて。今日の応援もそうですし、ピッチの中でも、みんなの声っていうのがやっぱすごかったんで、今日は安心してできました。
ー「ボールを前へ出そう」という味方への指示を頻繁に出していたことについて
1番は僕たちのスタイルである後ろからつないで、潰して、相手のゴールに向かうっていうことができたら良かったんですけど、 向かい風があったのと、絶対に今日はもう勝ち点3取らないといけない試合。 繋ぐより確実に自分たちのゴールから遠ざける方が、失点するリスクを減らせるって思ったんで、そこはもう割り切ってやってました。
ー後半のピンチでのセービングについて
前回の試合の後、時久さんとフィードバックしたことを、しっかり相手がボール持ち運んできてる時に、頭の中で整理できてたんで、 そこはいつもの練習通りにプレイするだけでした。
ー相手のロングスローには事前の対策通り対応できたのか
はい。やっぱりイメージよりも相手のスローが、よかったりはしたんですけど、みんな最後まで体張れて闘えてたんで。 みんなのおかげです。
ー大事な関大戦へ向けて
次も絶対失点しないで、自分たちの形でも試合進めれたら、勝つってことはできると思うんで、 また1週間みんなで関大戦に向かって頑張りたいと思います。
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【取材 福田明音、細井雅貴】

【サッカー部】FW中田が完全復活のハットトリック!!連敗脱出でインカレ出場決定!!

第101回 関西学生サッカーリーグ(後期)
第8節 大経大戦(2023年10月25日)

今季初の連敗と厳しい状況の中、中4日で迎えた今試合。先制を許しながらも4得点を挙げ相手の追撃から逃げ切り、連敗脱出。まずはインカレ出場を掴み取った。
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【スターティングメンバー】
1 GK 山本 透衣(4年=コンサドーレ札幌U18)
16 DF 大串 昇平(3年=ガンバ大阪ユース)
5 DF 横窪 皇太(3年=金光大阪高)
4 DF 西村 翔(4年=ガンバ大阪ユース)
2 DF 西矢 慎平(4年=神戸弘陵学園高・カターレ富山内定)
6 MF 川上 陽星(4年=作陽高)
32 MF 伊藤 翼(1年=セレッソ大阪U18)
7 MF 福井 和樹(4年=ガンバ大阪ユース・SC相模原内定)
10 MF 食野 壮磨(4年=ガンバ大阪ユース・東京ヴェルディ内定)
11 MF 夏川 大和(4年=草津東高)
13 FW 中田 樹音(3年=岡山学芸館高)

【サブメンバー】
12 GK 林 憲太朗(3年=滝川第二高)
3 DF 佐藤 幸生(4年=サンフレッチェ広島ユース)
25 DF 楠瀬 海(3年=高知高)
33 DF 小野 成夢(1年=愛媛FCユース)
14 MF 城水 晃太(3年=サンフレッチェ広島ユース)
28 MF 滝口 晴斗(1年=サンフレッチェ広島ユース)
42 MF 梅原 樹(3年=大阪桐蔭高)
8 FW 中野 歩(4年=ガンバ大阪ユース)
49 FW 新川翔太(3年=長崎創成館高)

【交代】
後半28分
中野歩中田樹音
後半45分
城水晃太夏川大和
後半ロスタイム
新川翔太食野壮磨

【スコア】
前半 2-1
後半 2-2
結果 4-3

【試合内容】
2試合で5失点、今季リーグ初の連敗。勝利を積み重ねてきた中で壁にぶち当たった。首位は継続しているものの勝ち点差が縮まり、残り4試合を全勝で終えなければならない。という意気込みとともに中4日で大経大戦を迎えた。

10月下旬、少し肌寒さを感じる万博記念競技場。今季最後のナイトゲーム、チームは1試合目に行われている関関戦を見つめながらアップを進める。ピッチ内アップが始まるとスタンドに青色のユニフォームを着た京産大の選手たちの姿が。平日の18時開催、授業終わりに応援に駆けつけた。競技場周辺が夜に包まれる中、ピッチが照明に照らされる。土日開催時と同じく、いつものチャントで選手入場を迎え、西矢の掛け声で集合写真を撮影。チーム全員から気合いの入った声が響く。もう負けられない、必ず勝利を。そんな気持ちが伝わってくるキックオフ前。試合は大経大のキックから始まった。
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2試合連続、立ち上がりの失点が課題となっている京産大。今日こそと立ち上がりから積極的に自分たちのカラーを見せつける。相手の守備を受けるのではなく、自分たちの攻撃からゲームの主導権を握るため、前線の選手を中心に攻撃を組み立て襲いかかる。しかし、前半13分。左サイドからスピードに乗ってDFを突破されるとクロスを上げられる。クリアした軌道が空いたスペースに流れ、そのまま打ち込まれ失点。3戦連続で先制点を許す厳しい展開になった。だが、現在首位の京産大、焦りの色はなく冷静に試合再開を迎える。再開直後、右サイドの大串が上げたクロスボールを中田が押し込み、すぐさま同点に追いつく。中田は復帰後初ゴール、学生リーグでの得点は実に375日ぶりだった。
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同点に追いついた直後。喜びを見せるだけでなく、GKの山本も集まり真剣な表情でビッチを指差しながら話し合う姿があった。「次の失点は無しやぞ」。追いついただけ、全員が目指す勝利に向けて、再び集中してリスタートした。
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「得点感覚がある選手」と起用されたFWの勢いは止まらない。前半18分、1点目と同じく右サイドの大串を起点にチャンスが生まれる。大串から伊藤、横に繋いだボールを最後は中田が仕留め、逆転に成功。前半のうちに逆転し、後半は試合を決定するような得点を奪いにかかる。後半9分、PA右の食野からのパスを押し込み。これで3-1、中田はハットトリック達成。スタメン復帰2戦目で早速、堂々たるプレーを披露して見せた。前節のスタメン復帰戦は緊張もあり「不甲斐ないプレー」と振り返る。2年前彗星の如く現れ、ルーキーながら5得点を上げた得点への嗅覚と感覚は健在。福井から受け継がれた13番の系譜、残り3試合で得点を奪いに貢献することを誓った。
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3-1と後半立ち上がりに2点リードを奪った京産大、わずか2分後には食野ー福井のホットラインがさく裂。福井は今季9得点目、食野は12アシスト目、黄金コンビが勝利を大きく手繰り寄せるゴールを奪った。

「4-1でどちらかというとゲームをどうやって締めていくかとところで立て続けに失点してしまった」。後半頭に3点リード、あとは守備を固めて勝ち抜くだけ。そんな空気が流れる。しかし、関西1部そう簡単に勝てるリーグではない。後半25.32分、立て続けに失点。カウンターから連続で失点し、少し雲行きが怪しくなってきた。ここまでの2戦は追いついて、逆転を許して悔しい敗戦を受けてきた。「もう負けられない」1点差まで詰められ、残り時間は13分と少し。首位を継続するために、優勝へ再出発するために、希薄で相手の攻撃を跳ね返し続けた。ベンチでは全員が立ち上がりピッチに声をかけ続け、ピッチは必死に耐え凌ぐ。最後は相手がオフサイドで京産大ボールになり、スローインをすると長い笛が夜の万博記念競技場に響き渡った。後半だけで4得点が動いた激闘を制し、連敗脱出。勝ち点を41と40台に伸ばすことに成功した。
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この勝利でまずインカレ出場権を獲得した京産大。2年ぶりに全国の舞台で戦うことが決定した。しかし、「そうなん?」と選手らはインカレ出場が決まったことを試合直後には知らない様子。その背景には吉川監督の言葉がある。「今までは勝ち点の計算をしてしまったり、前試合は引き分けがいいなとか自分たちに有利になる願いをしていた部分がある。そこをもう一度自分たちに矢印を向けて。トーナメントのように今日勝って次の相手が現れるような意識で」。現在首位の京産大は他チームの試合結果には影響は受けず、全勝すれば自ずと優勝へとたどり着くことができる。自分たちにベクトルを向け、課題と向き合う。シーズン当初から話し続けてきたことが、終盤になり発揮されている。
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2連敗で関西制覇に赤信号が点り、足踏みしていた京産大。連敗を脱出したことで再び青信号に変わった。今、前を行く者はいない。自分たちがトップで走り抜くために、歴史を動かすために。次戦は今季最後の京都でライバル同志社との対戦。たけびしスタジアムは春の京都選手権決勝で同じく同志社にPK戦の末、敗戦した場所だ。悔しい記憶を歓喜の記憶へ、勝利だけを目指して次戦も京産大らしく、アグレッシブに挑む。(福田明音)

【試合後のコメント】
吉川監督
―試合を振り返って
後期入ってから簡単な試合はないという話を試合後にもして。4-1でどちらかというとゲームをどう締めていくかっていうところで立て続けに失点して。ただ、同点に追いつかれて終わるんじゃなくて4-3。3失点はしてるけど勝ち点3を取れた。2連敗のしんどい時期があった中で勝ち方はどうにしろ勝ち点3を取れたっていうのでホッとしてるっていうところです。
―事故的な失点で先制を許した後は
失点自体、選手たちには伝えてたんですけど、やることやって、対応もちゃんとしてギリギリのところまで戻して、クリアも掻き出そうとしたのがクリアしきれずに前の選手が触ってリズムが変わってしまった。やることやって事故的な失点は起こりうるっていうのは常に伝えてる。この間の体大戦みたいに簡単に足を振らしてシュート打たれてるわけではなかったので、そこはポジティブに。やることやっての失点だから大丈夫と伝えながら、前半しっかりその失点を跳ね返して2-1で返ってきたのが大きかったなと思います。
―中田選手の活躍
得点感覚はもともとある選手、これが当然のような。残りの試合でもあと4,5点くらいは取ってくれないと。びわこ戦くらいまでコンディションはしんどいかなっていうのは夏まで思ってた。残りの同志社関学関大とかフルパフォーマンス持ってくれてばいいかなと我慢して使ってた部分もあるし、本人も悔しい思いをしながら跳ね返して。もともと持ってるポテンシャルからしたらやっとだなっていう感じです。
―インカレが決定
今とにかくインカレよりもリーグ優勝よりも1戦1戦。今までは勝ち点の計算をしてしまったり、前試合引き分けがいいなとか自分たちに有利になる願いをしてた部分をもう一度自分たちに矢印を向けて。どういうチーム作りをしていきたいかをもっかい振り返って。トーナメントのように今日勝って次の相手が現れるような意識で今日のゲームはやろうっていう話をしていた。勝ち方、失点の仕方はもちろん課題はあるんですけど、勝って次につなげた。得失点差は自分たちが勝ち続ければ勝ち点は上回ってるので、得失点差よりも勝ち点3を積み上げる。そういうところで言えば大きい勝ちですね、かなり。
―京都対決に向けて
自分たちがシーズン通して積み上げてきたものの中で、盛り上げようと大学を含めて協力して創り上げてきてるものだと思う。観客が少ない中でやるより注目されてやる方が良いと思うので、そういった中で見に来てくれた人たちに自分たちが色んな感情を与えたいと思ってやってる。せっかくたくさんの人が来てくれるのであれば良い感情が与えられるように、次のゲームをしっかりアグレッシブにやっていきたいと思います。
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主将・食野壮磨選手
―今日の試合を振り返って
苦しい試合やったけどほんとに勝ててよかった、一安心っていう感じですね
―追いついた後に話してことは
3試合連続で先制されて追いついてっていう展開。この2試合は追いついて逆転されてたので、絶対そこは無しで、最悪1-1でも良いから次の失点は無しやぞっていう話は追いついた時にしました。
―失点重ねていく中の雰囲気は
4-1で正直勝負は決まったと思ったところはあった。自分たちのミスからイージーな失点をしてしまって、そこは反省しないといけないし、そういう甘さを無くしていかないと王者はつかみ取れないのでそこは修正していく必要があると思う。失点した時の心情としてもどうしても守りに入ってしまう。1点リードがあったので、もう1点取ろうよりも、少し守りに入ってしまうのはあった。けど、チャレンジした中でのミスだった(クリアで)全部蹴れってなると俺らの良さは消えると思う。だけどミスで3試合失点してるのでやるなら確実にミスしない、ミスしそうなら大きく蹴る。使い分けは必要やし、個人の特に後ろの選手は判断しないといけない。
―インカレが決定
インカレはあくまでマスト。それより優勝、俺らは優勝しか見えてない。優勝するには1試合1試合勝って行くしかない。この数試合どうしても優勝がかかった中で他チームの試合結果で俺らがどうなったら、どうなるっていうのを考えてしまっていた。だけど俺らは1試合1試合目の前の試合に勝つっていうことにフォーカスしてやっていくだけかなと思います。
―次の試合に向けて
次の試合も絶対厳しい試合になると思うけど、チーム全員でしっかり勝ち点3を取れるように。
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中田樹音選手
―3得点に絡む活躍
この前スタメンで出た時に不甲斐なさ過ぎた。何もできなかった。チームも負けてしまって良くない状況で、今回は絶対勝たなあかんし勝ちに貢献したい気持ちがあった。勝ったし点も取れたのは良かった。とりあえず勝てたこと、チームが優勝するために貢献できたのが良かったです。
―前節のスタメン復帰戦を振り返って
久しぶりすぎて緊張して。緊張したら身体が動かなかった(笑)。今日はこの前の経験してた分があったから、「あんなプレーはしたくない」と少しはましやったけど、後3試合もいいコンディションでできるように練習からやっていきたいと思います。
―インカレが決定
インカレ行くのは大前提、優勝してインカレに行くのが一番の目標。とりあえずよかったのはよかったけど、後3試合全部勝って1位でインカレに行けるようにしたいです。
―同志社戦に向けて
勝利に貢献できるように点取ったり守備でもっと強度高く、チームの勝利に貢献できるようにしたいです。
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【取材 福田明音】

【サッカー部】立ち上がりの失点に泣き今季初のリーグ連敗

第101回 関西学生サッカーリーグ(後期)
第7節 大体大戦(2023年10月21日)

前節の黒星から切り替えて挑んだ上位対決。前半は打ち合いが繰り広げられるが、後半の立ち上がりの失点に泣き今季初の連敗を喫した。
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【スターティングメンバー】
1 GK 山本 透衣(4年=コンサドーレ札幌U18)
16 DF 大串 昇平(3年=ガンバ大阪ユース)
33 DF 小野 成夢(1年=愛媛FCユース)
4 DF 西村 翔(4年=ガンバ大阪ユース)
2 DF 西矢 慎平(4年=神戸弘陵学園高・カターレ富山内定)
6 MF 川上 陽星(4年=作陽高)
32 MF 伊藤 翼(1年=セレッソ大阪U18)
7 MF 福井 和樹(4年=ガンバ大阪ユース・SC相模原内定)
10 MF 食野 壮磨(4年=ガンバ大阪ユース・東京ヴェルディ内定)
11 MF 夏川 大和(4年=草津東高)
13 FW 中田 樹音(3年=岡山学芸館高)

【サブメンバー】
12 GK 林 憲太朗(3年=滝川第二高)
3 DF 佐藤 幸生(4年=サンフレッチェ広島ユース)
25 DF 楠瀬 海(3年=高知高)
28 MF 滝口 晴斗(1年=サンフレッチェ広島ユース)
15 MF 石原央羅(3年=サガン鳥栖U18)
30 MF 田代紘(1年=ヴィッセル神戸U18)
42 MF 梅原 樹(3年=大阪桐蔭高)
14 MF 城水 晃太(3年=サンフレッチェ広島ユース)
49 FW 新川翔太(3年=長崎創成館高)

【交代】
後半16分
新川翔太中田樹音
後半35分
梅原樹川上陽星
後半ロスタイム
滝口晴斗大串昇平

【スコア】
前半 2-2
後半 0-1
結果 2-3

【試合内容】
びわスポ大の敗戦は「ひとつ成長するきっかけ」と振り返った吉川監督。今季リーグ戦で連敗のない京産大、連敗回避、そして勝ち点を40台に伸ばすべくトレーニングを重ねた。大体大との対戦は前期開幕戦の4月以来。先制に成功するも逆転を許す厳しい展開の中、FWの菅野の同点弾、そして後半ロスタイムに石原の逆転弾がさく裂し、逆転勝利を飾った。
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今節のメンバーには前回対戦時のヒーロー石原、Bチームから昇格してきた新川などが名前を並べた。スタメンには前十字靭帯断裂から復帰後初起用となる中田、CBにはルーキーの小野が。多少のメンバー交代を交えながらも目指すべき場所は変わらない。再び連勝街道を駆け抜けるべく、試合に挑んだ。

中断明けからの課題である立ち上がり。試合の主導権を握るべく、開始早々に相手ゴール前でボールを動かし決定機を伺う。しかし、相手にボールを奪われるとスピードと勢いのある攻撃を仕掛けられ、一気にゴール前まで攻め込まれる。最後は右サイドから打ち込まれ先制を許す。2試合連続で先制を相手に譲ってしまった。思わぬ立ち上がりとなったが、チームの目に焦りの色は見えない。まずは1点を取り返す、ボールをセットしリスタートさせた。

先制から6分後にゴールネットを揺らしたのは夏川。右サイドの大串のクロスを頭で押し込み同点弾をあげる。天高く指を掲げると、同点弾を生んだ頭を指差し。4試合ぶりの得点、今季6得点目。
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まず追いついたことに安堵の表情を見せたチーム、次は逆転と両サイド、後方からのロングボールで攻撃を組み立てるがオフサイドに阻まれる。前線の中田に「単純に行け」と声をかける吉川監督。シンプルな形でシュートまで結びつけることができない中、前半40分に再び失点。1-2と試合をひっくり返される。しかし、わずか4分後、相手GKの弾いたこぼれ球拾った伊藤がなんとか味方に繋ごうと残したボール。西矢が力強く振り抜いた右足が再びゴールラインを割った。スーパーゴールで1得点目と同様に失点直後に追いつくことに成功した京産大。ベンチに駆け寄った西矢は吉川監督と抱き合う姿があった。試合は再び振り出しに戻った。なんとか前半のうちにイーブンな状態に持ち込むことに成功し、主導権を握ろうと後半を迎えた。しかし、後半2分に左右に揺さぶられると、最後は右サイドから仕留められ3失点目。その後反撃の一手を探るべく、昇格してきた新川・梅原、ルーキーの滝口を投入。両サイドの福井、夏川が相手2.3人に囲まれながらも推進力のあるドリブルで突破し、勝利への活路を切り開こうとするが、得点へと結びつけることができない。
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ロスタイムは3分。なんとか同点に追いつき勝ち点1をもぎ取ろうと最後まで諦めずに戦ったが、無情にも試合終了の笛が鳴り響く。ピッチに項垂れるように座り込むチーム、今季初の連敗。2位との勝ち点差が縮まってきた。
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試合終了後、スタンドからかけられた言葉は「次勝とう!」という前向きな言葉だった。結果として2連敗という厳しい状況だが、まだ首位は継続中。「4連勝すれば、自分たちの目指してる頂点を掴み取ることができる。自分たち次第。逃げることなく苦しい、しんどい状況をみんなでやり切りたい」(吉川監督)。前期第2節で大院大に敗戦し、翌週の京都FA杯初戦で敗退した5月。公式戦2連敗の中、迎えた前期3節大経大戦で連敗の重い空気を吹き飛ばす3-1で勝利を飾った。その時に主将の食野が話したことは「誰かのために戦うのがこのチーム」。自分の将来のために戦うことはもちろん、まずはチームのために。支えてくれる人、応援してくれている人、チームをサポートする存在がたくさんいる。なにより、練習終わりでも駆けつけ応援してくれる仲間がいる。ともにその瞬間を分かち合うため、笑顔でリーグを締めくくるため、残された道は全勝すること。残り4試合は京都のライバル対決、2.3位との上位対決などが待っている。これまでに重ねてきた経験と軌跡を自信に、緊張をエネルギーに。チームとしてステップアップするために、残り360分を全員で戦い抜く。(福田明音)
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【試合後のコメント】
吉川監督
―前節負けた中でチームはどういった雰囲気で試合に入ったか
連敗してこなかったシーズンだったので、連敗は避けよう、もう1回自分たちの原点に戻る。今週のトレーニングも含めて積んできた。ただゲームの内容、失点の仕方を見ると、やっぱり原点をちょっと忘れかけている。不用意な失点、あれだけ簡単に失点してしまうと、勝ち点を取れないことはミーティングでも伝えた。もう1回しっかりと、中3日ですけど、全員で共有しながらやりたいと思います。
―今日も課題の立ち上がりでの失点があったことについて
体大の分析映像見てると、立ち上がりに決定機をつくってきていた。ミーティングでも立ち上がりは注意深く入らないといけないと言ってた中で、前半も後半も立ち上がり一発押し込められた。伝え方の問題でもあると思うし、捉え方の問題でもあると思う。僕自身のところも、選手たちとの捉え方も含めて、もう1回細部にこだわりながらいかないといけないなという風に思います。
―前半の2得点を振り返って
西矢の得点はスーパーゴール。ただ、ああいうゴールが生まれた中で勝ち点を残りの試合は取っていかないといけない。ああいうゴールが決まってもなお勝ちが取れないのは、やっぱり失点の仕方っていう部分が悪かった。そこに尽きるかなと。ただ1点目の得点とか、シーズンを通してずっと狙ってるようなクロスからの得点でもある。いい形、いい得点ではあると思うんですけど、あれで勝ち点3を持ってこれないっていうのは、まだまだチームが未熟なのかな。
―後半は自分たちの形がほとんど作れなかった
やっぱり後半の立ち上がりの最初の2分の失点が、ゲームを決めたかな。どっちつかずのゲーム展開からスタートした中で、相手に守れるぞいけるぞという気持ち、姿勢を持たせてしまった。あのワンプレーだったかなという風に思います。
―ピッチサイドからみて焦りなどは感じたか
焦りというのはそこまで感じなかった。ただ、やっぱり1個、2個ずれてる、合ってないなって部分はピッチ上でも、ピッチ脇から見てても、ちょっとチグハグな部分っていうのは多少出てる部分はあったかなと思います。
―攻撃において両サイドの福井、夏川への負担が大きい試合にみえたが、選手交代なども含めどのように見ていたか
選手交代も含めて1つ頭にはあった。ただ、夏川も福井も食野も、終盤にかけて落ちてるところは無かった。逆に1人で、2人くらい打開してっていうところは、いくつか見られたので、そこに期待したっていうところです。
―新川選手の起用について
まだまだトップのスピード感にはついてきてないっていう部分。 ただ彼がしっかりと掴み取った。もちろんいろんな状況があっての、起用はあるんですけど、ただ自分で掴み取ったチャンス。物足りない、もっとやらないといけないっていうのは、彼自身が1番痛感したと思うので、ここからの成長に期待したいなと思います。
―ここからの4試合、厳しい上位との対戦が待っている
まだ、順位は1番上だと思う。悲観せずに。逆に言ったら、4連勝すれば自分たちの目指してる頂点を掴み取ることができると思う。ほんとに、自分たち次第。逃げることなく、この苦しい、しんどい状況で、みんなでやり切りたい。
―次戦は中3日での試合が続く
シーズン通して総力戦。1つになって、チームで戦ってる。誰かが怪我したら、誰かがチャンスをもらえるっていう形でもあると思う。本当にチーム全員で、怪我人も含めて、怪我で出れないけど、チームに関わると思うので、チーム全員でやりきりたいなと思います。
【取材 福田明音、細井雅貴】
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